○石川県男女共同参画推進条例

平成十三年十月十二日

条例第三十三号

石川県男女共同参画推進条例をここに公布する。

石川県男女共同参画推進条例

目次

前文

第一章 総則(第一条―第七条)

第二章 基本的施策(第八条―第十七条)

第三章 石川県男女共同参画審議会(第十八条)

第四章 雑則(第十九条)

附則

二十一世紀という新たな時代を迎え、私たちが目指す社会は、すべての人々が互いにその人権を尊重し、性別にかかわりなく、その個性と能力を十分に発揮できる社会である。

石川県では、男女共同参画社会の実現に向け、国際社会や国内の動向と協調しつつ、積極的に取組を進めてきた。

しかしながら、今もなお社会の様々な分野で、社会的文化的に形成された性別による固定的な役割分担意識やそれに基づく社会慣行が残されている。

本県は、女性の就業率が高いにもかかわらず、職場においては、依然として男女が平等でない状況が存在し、また、家庭生活や地域社会においても、男女が対等に参画している状況には至っていない。

こうした状況の中で、少子高齢化の進展をはじめとする社会経済情勢の変化に対応し、活気と潤いのある社会を築くためには、男女が、社会の対等な構成員として、互いにその生き方を尊重し、あらゆる分野において共に参画し、共に責任を分かち合うことができる環境づくりが重要である。

ここに、石川県民が力を合わせ、男女共同参画社会の実現に取り組むことを決意し、この条例を制定する。

第一章 総則

(目的)

第一条 この条例は、男女共同参画の推進に関し、基本理念を定め、並びに県、県民及び事業者の責務を明らかにするとともに、県の施策の基本となる事項を定めることにより、男女共同参画を総合的かつ計画的に推進し、もって男女共同参画社会を実現することを目的とする。

(定義)

第二条 この条例において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。

 男女共同参画 男女が、社会の対等な構成員として、自らの意思によって社会のあらゆる分野における活動に参画する機会が確保され、もって男女が均等に政治的、経済的、社会的及び文化的利益を享受することができ、かつ、共に責任を担うことをいう。

 積極的改善措置 前号に規定する機会に係る男女間の格差を改善するため必要な範囲内において、男女のいずれか一方に対し、当該機会を積極的に提供することをいう。

(基本理念)

第三条 男女共同参画の推進は、男女の個人としての尊厳が重んぜられること、男女は平等であり性別による差別的取扱いを受けないこと、男女が個人として能力を発揮する機会が確保されることその他の男女の人権が尊重されることを旨として、行われなければならない。

2 男女共同参画の推進に当たっては、社会における制度又は慣行が、性別による固定的な役割分担等を反映して、男女の社会における活動の選択に対して中立でない影響を及ぼすことがないように配慮されなければならない。

3 男女共同参画の推進は、男女が、社会の対等な構成員として、県その他の団体における政策又は方針の立案及び決定に共同して参画する機会が確保されることを旨として、行われなければならない。

4 男女共同参画の推進は、家族を構成する男女が、相互の協力と社会の支援の下に、子の養育、家族の介護その他の家庭生活における活動について家族の一員としての責任を果たし、かつ、職場、学校、地域その他の社会における活動を行うことができるようにすることを旨として、行われなければならない。

5 男女共同参画の推進は、生涯にわたる妊娠、出産その他の生殖に関する事項に関し、自らの決定が尊重されること及び健康な生活を営むことについて配慮されることを旨として、行われなければならない。

6 男女共同参画の推進が国際社会における取組と密接な関係を有していることにかんがみ、男女共同参画の推進は、国際社会の動向を勘案して、行われなければならない。

(県の責務)

第四条 県は、前条に定める基本理念(以下「基本理念」という。)にのっとり、男女共同参画の推進に関する施策(積極的改善措置を含む。以下同じ。)を総合的に策定し、及び実施する責務を有する。

2 県は、男女共同参画の推進に当たり、国、市町村、県民及び事業者と連携して取り組むものとする。

(県民の責務)

第五条 県民は、職場、学校、地域、家庭その他の社会のあらゆる分野において、基本理念にのっとり、男女共同参画の推進に努めなければならない。

2 県民は、県が実施する男女共同参画の推進に関する施策に協力するよう努めなければならない。

(事業者の責務)

第六条 事業者は、その事業活動を行うに当たっては、基本理念にのっとり、男女共同参画の推進に努めなければならない。

2 事業者は、男女が職場における活動に対等に参画する機会の確保に努めるとともに、職業生活における活動と家庭生活における活動その他の活動とを両立して行うことができる職場環境を整備するよう努めなければならない。

3 事業者は、県が実施する男女共同参画の推進に関する施策に協力するよう努めなければならない。

(性別による権利侵害の禁止)

第七条 何人も、職場、学校、地域、家庭その他の社会のあらゆる分野において、性別による差別的取扱い、セクシュアル・ハラスメント(性的な言動に対する相手方の対応によってその者に不利益を与え、又は性的な言動により相手方の生活環境を害することをいう。)、男女間における暴力的行為(身体的又は精神的苦痛を著しく与える行為をいう。)その他の行為により男女の人権を損なうことのないようにしなければならない。

第二章 基本的施策

(男女共同参画計画の策定)

第八条 知事は、男女共同参画社会基本法(平成十一年法律第七十八号)第十四条第一項の規定により男女共同参画社会の形成の促進に関する施策についての基本的な計画(以下「男女共同参画計画」という。)を策定するに当たっては、あらかじめ、石川県男女共同参画審議会の意見を聴くとともに、県民及び事業者の意見を反映することができるよう適切な措置を講ずるものとする。

2 前項の規定は、男女共同参画計画の変更について準用する。

(県民及び事業者の理解を深めるための措置)

第九条 県は、広報活動等を通じて、男女共同参画に関する県民及び事業者の理解を深めるとともに、学校教育、社会教育その他の教育及び県民の学習活動において男女共同参画に関する教育及び学習の促進のための適切な措置を講ずるものとする。

(男女共同参画推進員の設置)

第十条 県は、県民の協力を得て男女共同参画の推進を図るため、男女共同参画計画の普及啓発その他の活動を行う男女共同参画推進員を置くものとする。

(調査研究)

第十一条 県は、男女共同参画の推進に関する施策を策定し、及び実施するため、必要な調査研究を行うものとする。

(報告の徴収等)

第十二条 知事は、男女共同参画の推進に必要があると認めるときは、事業者に対し、男女共同参画の状況について報告を求めることができる。

2 知事は、前項の規定により把握した男女共同参画の状況を取りまとめ、公表することができる。

3 知事は、第一項の報告に基づき、事業者に対し、情報の提供その他の必要な措置を講ずることができる。

(苦情の処理等)

第十三条 知事は、県が実施する男女共同参画の推進に関する施策若しくは男女共同参画の推進に影響を及ぼすと認められる施策についての苦情又は男女共同参画の推進を阻害する要因によって人権が侵害された場合の事案について、県内に住所を有する者又は在勤若しくは在学する者(次項において「県民等」という。)からの申出を適切かつ迅速に処理するための機関を設置するものとする。

2 県民等は、県が実施する男女共同参画の推進に関する施策若しくは男女共同参画の推進に影響を及ぼすと認められる施策について苦情がある場合又は男女共同参画の推進を阻害する要因によって人権を侵害された場合には、前項の機関に申し出ることができる。

3 第一項の機関は、前項の規定により苦情の申出があった場合において、必要に応じて、前項の施策を行う県の機関に対し、説明を求め、その保有する関係書類その他の記録を閲覧し、又はその写しの提出を求め、必要があると認めるときは、当該機関に是正その他の措置を講ずるよう助言、指導又は勧告を行うものとする。

4 第一項の機関は、第二項の規定により人権を侵害された旨の申出があった場合において、必要に応じて、関係者に対し、その協力を得た上で資料の提出及び説明を求め、必要があると認めるときは、当該関係者に助言、是正の要望等を行うものとする。

(市町村に対する支援等)

第十四条 県は、市町村が実施する男女共同参画の推進に関する施策及び県民又は民間の団体が行う男女共同参画の推進に関する活動を支援するため、情報の提供その他の必要な措置を講ずるよう努めるものとする。

2 県は、県が実施する男女共同参画の推進に関する施策について、市町村に対し、協力を求めることができる。

(年次報告)

第十五条 知事は、毎年、男女共同参画の推進の状況及び男女共同参画の推進に関する施策の実施の状況についての報告書を作成し、公表するものとする。

(推進体制の整備)

第十六条 県は、国、市町村、県民及び事業者と連携しつつ、男女共同参画に関する施策を積極的に推進するための体制を整備するものとする。

(財政上の措置)

第十七条 県は、男女共同参画の推進に関する施策を実施するため、必要な財政上の措置を講ずるよう努めるものとする。

第三章 石川県男女共同参画審議会

第十八条 男女共同参画計画その他男女共同参画の推進に関する基本的事項について調査審議するため、石川県男女共同参画審議会(以下「審議会」という。)を置く。

2 審議会は、前項の調査審議を行うほか、男女共同参画の推進に関し必要と認める事項について、知事に意見を述べることができる。

3 審議会は、委員二十人以内で組織する。

4 男女のいずれか一方の委員の数は、委員の総数の十分の四未満であってはならない。

5 委員は、男女共同参画に関し識見を有する者のうちから、知事が任命する。

6 委員の任期は、二年とする。ただし、補欠の委員の任期は、前任者の残任期間とする。

7 委員は、再任されることができる。

8 委員は、非常勤とする。

9 審議会に、会長を置き、委員の互選によってこれを定める。

10 会長は、会務を総理し、審議会を代表する。

11 会長に事故があるときは、会長があらかじめ指名する委員が、その職務を代理する。

12 第二項から前項までに定めるもののほか、審議会の運営に関し必要な事項は、会長が審議会に諮って定める。

第四章 雑則

(規則への委任)

第十九条 この条例の施行に関し必要な事項は、規則で定める。

附 則

この条例は、公布の日から施行する。ただし、第十三条の規定は、平成十四年四月一日から施行する。

石川県男女共同参画推進条例

平成13年10月12日 条例第33号

(平成14年4月1日施行)