○長崎市よかまちづくり基本条例

平成27年9月30日

条例第39号

長崎市においては、これまでも市民がまちづくりに参画し、行政とも協働を重ねてきました。それらのつながりをさらに強めることで、どのような時代の変化にも対応できる真に自立した「よかまち」を実現するため、長崎市におけるまちづくりの基本的な考え方や市民の役割等を明確にした、長崎市よかまちづくり基本条例をここに制定します。

私たちのまち長崎市は、鎖国時代には西洋に開かれた唯一の窓口であり、港を通して、多様な異国の文化を受け入れ、先進的な情報を国内に広めるとともに、志を持つた若者たちを育み、時代を動かす日本の国づくりに大きく貢献してきた歴史を持つています。

また、原子爆弾の惨禍から市民の英知とたゆまぬ努力によつて復興した経験を持つことから、核兵器の廃絶と世界恒久平和を希求し、その実現に向け、自ら行動し続けるまちです。

このような歴史と、日本、中国、西洋を意味する和・華・蘭の文化が融合した異国情緒豊かな長崎市には、交流の史実を物語る出島をはじめ、様々な歴史や文化を象徴する寺社や教会、日本の近代化を支えた産業遺産などがまちの至るところに残つており、中には世界遺産として登録されたものもあります。また、「くんち」や「精霊流しようろうながし」に代表される祭りや行事も多く、各地域にも特色ある伝統が継承され、未来へと引き継ぐべき貴重な市民の財産となつています。

そして、これらの歴史や文化に加え、深い入江と港を囲む山々が織りなす美しい地形は、世界でも有数の夜景を演出し、新鮮な海の幸や異国との交流の中で育まれてきた和・華・蘭の食文化に、市民のあたたかい心が相まつて、訪れる方々をもてなしています。

一方、地域の課題やニーズも多様化・複雑化している現状において、人口減少や少子化・高齢化が進行し、地域のつながりが希薄化するなど、社会の仕組みについても大きな転換期を迎えています。

私たちは、将来のこのまちが、「豊かな自然や歴史と文化を守り、活かしながら、世界中のだれもが訪れたくなるおもてなしに溢れた魅力あるまち」、「すべての市民が安全・安心に暮らし、地域や人のつながりを大切にするまち」、「原爆被爆都市の使命として、被爆体験を語り継ぎ、平和を発信し続けるまち」であることを目指します。

この条例を制定することにより、市民、議会及び行政などあらゆるまちづくりの担い手である私たちが、それぞれの強みを活かし、役割を果たしながら、みんなでまちづくりを進めていきます。

(まちづくりの宣言)

第1条 私たちは、まちづくりに参画し、様々な担い手と協働し、つながりを深め広げることにより、どのような時代の変化にも対応でき、幸せに暮らし活動できる長崎市らしいまちづくりを進めます。

(用語の意味)

第2条 この条例で使用する用語の意味は、次のとおりとします。

(1) 市民 次のいずれかに該当するものをいいます。

 住民 本市の区域内に住所を有する者をいいます。

 通勤・通学する人 本市の区域内に通勤し、又は通学する者をいいます。

 地域団体 地域のために活動している地域ごとに形成された自治会などの団体をいいます。

 市民活動団体等 本市の区域内で不特定かつ多数のものの利益の増進のために活動している個人及び法人その他の団体をいいます。

 事業者 本市の区域内で事業を営む個人及び法人その他の団体をいいます。

 納税者 からまでに掲げる個人、法人、団体のほか、本市へ納税している個人、法人、団体をいいます。

(2) 市長等 市長、教育委員会、選挙管理委員会、公平委員会、監査委員、農業委員会、固定資産評価審査委員会、公営企業管理者及び消防長をいいます。

(3) まちづくり 地域をより良いものとするための様々な分野における取組みをいいます。

(4) 市政 市長等又は議会が行う活動をいいます。

(5) 参画 自らの意思でまちづくりに参加することをいいます。

(6) 協働 様々な担い手が強い信頼関係のもと、それぞれの強みを発揮して、お互いに協力してまちづくりに取り組むことをいいます。

(まちづくりの基本理念)

第3条 私たちのまちづくりの基本理念は、次のとおりとします。

(1) 豊かな自然や歴史と文化を守り、活かしながら、だれもが訪れたくなる魅力あるまちづくり

(2) 地域や人がつながり、だれもが安全・安心に暮らせる住みやすいまちづくり

(3) 被爆の実相や体験を継承し、平和を発信し続けるまちづくり

(まちづくりの基本原則)

第4条 私たちのまちづくりの基本原則は、次のとおりとします。

(1) 情報共有の原則 市民、議会、市長等が、まちづくりに関して情報を出し合い共有すること

(2) 参画の原則 市民が、まちづくりに主体的に参画すること

(3) 協働の原則 市民、議会、市長等が、まちづくりにおいて協働すること

(市民の役割)

第5条 私たち市民は、自分たちのまちに関心を持ち、自分たちのまちをよく知るために、お互いに情報を出し合い共有します。

2 私たち市民は、自分でできることは自分で、自分たちでできることは自分たちでという気持ちで、積極的にまちづくりに参画します。

3 私たち市民は、まちづくりにあたり、お互いに相手の立場を理解しおもいやりをもつて、様々な担い手とつながり、積極的に協働します。

4 私たち市民は、先人から受け継いだ交流により栄えたまちを、さらに発展させ、みんなでまちをつくるという気持ちとともに、未来を担う子どもたちに継承します。

(議会の責務)

第6条 議会は、市政における二元代表制の一翼を担い、本市の意思決定を行う議決機関として、その権能を発揮します。

2 議会に関する基本的な事項については、長崎市議会基本条例(平成22年長崎市条例第37号)によります。

(市長等の責務)

第7条 市長等は、効率的で、公正かつ透明性の高い市政運営のため、市民意思の把握に努め、まちの現状や課題を市民と共有して、まちづくりを推進します。

2 市長等は、市民の自主性及び自立性を尊重し、参画と協働によるまちづくりを推進します。

3 市長等は、市民の意見を適切に反映させながら、総合的かつ計画的な市政の運営に取り組むとともに、健全な財政運営を行います。

4 市長等は、国及び他の地方自治体と積極的に連携します。

5 市長等は、世界に貢献するために、これまでの国際交流の歴史を活かしながら、国外の都市等と積極的に連携します。

6 市長等は、適切に職員を指揮監督するとともに、参画と協働によるまちづくりを推進する職員を育成します。

7 市長等は、この条例の趣旨が施策等に反映されていることを検証します。

(職員の責務)

第8条 職員は、全体の奉仕者として、法令、条例、規則等を遵守するとともに、市民と情報を出し合い共有しながら、公正、誠実かつ効率的に職務を遂行します。

2 職員は、様々な担い手とつながり、積極的に参画と協働によるまちづくりに取り組みます。

3 職員は、自らの経験や専門性を活かしながら、市民としての役割を担います。

附 則

この条例は、平成27年12月1日から施行する。

長崎市よかまちづくり基本条例

平成27年9月30日 条例第39号

(平成27年12月1日施行)