○入善町環境基本条例

平成25年3月19日

入善町条例第3号

目次

前文

第1章 総則(第1条―第6条)

第2章 環境の保全及び創造に関する基本施策(第7条―第14条)

附則

私たちの暮らす入善町は、北アルプスから日本海へ注ぐ清流黒部川がつくりだした黒部川扇状地にあり、豊かでうるおいのある自然環境を有しています。

先人たちは、この自然環境と共生しながらたゆまぬ努力を続け、扇状地の特性を生かしたコシヒカリや入善ジャンボ西瓜、チューリップなどの特色ある農産物を育みました。さらに、豊富で良質な地下水は、飲料水はもとより、工業にも有効に活用され、農漁業と工業が調和した町の礎となりました。

入善町のもつ自然環境は、黒部川の恵みあふれる扇状地、豊富で清らかな表流水と地下水、これらが育くんだ杉沢の沢スギ、水と緑に彩られた散居村など、四季折々の変化に富み、自然と人との調和した景観として町民生活に深く浸透しており、私たちに大きな力と夢を与えてくれる誇るべき財産です。

私たちは、この豊かな自然環境が入善町民の共有財産であり、一人ひとりが自然界の一員であることを改めて認識し、享受している恵みを次の世代へ引き継がなければなりません。

このような認識のもとに私たちは、自然環境を守り、時代とともに変化する社会経済や環境に的確かつ柔軟に適応し、持続的発展が可能な入善町を創造するため、この条例を制定します。

第1章 総則

(目的)

第1条 この条例は、豊かな環境の保全及び創造について、基本理念を定め、並びに町、町民等及び事業者の責務を明らかにするとともに、環境の保全及び創造に関する施策の基本となる事項を定めることにより、その施策の総合的かつ計画的な推進を図り、もって現在及び将来の町民の健康で文化的な生活の確保に寄与することを目的とする。

(定義)

第2条 この条例において、次の各号に掲げる用語の意義は、それぞれ当該各号に定めるところによる。

(1) 環境への負荷 人の活動により環境に加えられる影響であって、環境を良好な状態に保つために支障となるおそれのあるもの。

(2) 町民等 町内に住む者並びに町内で働く者、学ぶ者及び活動する者並びに旅行者その他町内に滞在する者をいう。

(3) 事業者 町内において、営利又は非営利の活動を営む個人又は団体をいう。

(4) 地球環境保全 人の活動によって引き起こされる地球全体又はその広範な部分におよぶ環境問題に対して、将来にわたり、健康で文化的な生活を確保するために必要な取組みをいう。

(基本理念)

第3条 第1条の目的を達成するため、次に掲げることを基本理念とする。

(1) 豊かな自然環境からの恵みは、町民が安全で健康かつ文化的な生活を営む上で欠くことのできないものであり、将来の世代に引き継ぐこと。

(2) 環境の保全及び創造は、地域における多様な生態系の維持及び回復を図りながら、自然及び人との豊かなふれあいを保ち、共生できるよう適切に行うこと。

(3) 環境の保全及び創造は、持続的発展が可能な社会の構築を目指し、公平な役割分担のもとに、すべての者の自主的かつ積極的な取り組みによって行うこと。

(4) 地球環境保全は、すべての者の共通した課題であることを認識し、それぞれの日常生活及び事業活動において積極的に推進すること。

(町の責務)

第4条 町は、前条に定める基本理念にのっとり、環境の保全及び創造に関する基本的かつ総合的な施策を策定し、及びこれの実施に努めなければならない。

2 町は、自ら行うすべての施策の策定及び実施に当たっては、環境の保全及び創造に配慮するとともに、環境への負荷の低減に努めなければならない。

(町民等の責務)

第5条 町民等は、基本理念にのっとり、日常生活に伴う環境への負荷の低減並びに環境の保全及び創造について、自ら積極的に努めるとともに、町が実施する環境の保全及び創造に関する施策に協力するものとする。

(事業者の責務)

第6条 事業者は、基本理念にのっとり、その事業活動に伴って生じる環境への負荷を低減し、環境の保全及び創造に自ら積極的に努めるとともに、町が実施する環境の保全及び創造に関する施策に協力するものとする。

第2章 環境の保全及び創造に関する基本施策

(施策の基本方針)

第7条 町は、環境の保全及び創造に関する施策の策定及び実施に当たっては、基本理念にのっとり、次に掲げる基本方針に基づき、各種の施策相互の連携を図りつつ、総合的かつ計画的に行わなければならない。

(1) 黒部川扇状地で育まれた豊かで多様性のある自然環境を、良好な状態で将来の世代に引き継ぎ、持続的発展が可能な社会の構築をすること。

(2) 人の健康が保護され、並びに自然環境及び生活環境が適正に保全されるよう、大気、水及び土壌その他の自然的構成要素を良好な状態に保つこと。

(3) 生物の多様性の確保及び野生生物の種の保存を図るとともに、森林、農地、水辺等における多様な自然環境を適正に保つこと。

(4) 自然と人との豊かなふれあいを保つことにより、地域の特性を生かした、うるおいとやすらぎのある環境を創造すること。

(5) 特徴ある田園を維持するとともに、人々の営みと調和のとれた景観の形成を図り、快適な環境を創造すること。

(6) 健全な水循環を踏まえ、表流水及び地下水を保全するとともに、豊かな水資源を有効かつ適正に利用すること。

(7) 環境と人との関わりについて理解し、並びに資源の循環的な利用、廃棄物の減量並びにエネルギーの消費抑制及び有効かつ適正な利用を促進すること。

(環境基本計画の策定)

第8条 町長は、環境の保全及び創造に関する施策の総合的かつ計画的な推進を図るため、環境の保全及び創造に関する基本的な計画(以下「環境基本計画」という。)を定めるものとする。

2 環境基本計画は、次に掲げる事項について定めるものとする。

(1) 環境の保全及び創造に関する長期的かつ総合的な施策の大綱

(2) 前号に掲げるもののほか、環境の保全及び創造に関する施策を総合的かつ計画的に推進するために必要な事項

3 環境基本計画を定めるに当たっては、町民等及び事業者の意見を反映することができるよう、必要な措置を講ずるものとする。

4 環境基本計画を定めたときは、これを公表するものとする。

5 前2項の規定は、環境基本計画の変更について準用する。

(環境教育及び学習等の推進)

第9条 町は、町民等及び事業者が、環境の保全及び創造について理解を深めるとともに、環境への負荷低減の活動を行う意欲を高めるため、環境に関する教育及び学習機会の提供、広報啓発活動の充実等その他の必要な措置を講ずるよう努めるものとする。

(測定、調査等の充実)

第10条 町は、環境の保全及び創造に関する施策を適正に推進するために、必要な情報の収集、測定、調査、研究等の実施に努めるものとする。

(情報の公表)

第11条 町は、環境の保全及び創造に関する施策に必要な情報を、町民等及び事業者の権利及び利益の保護に配慮しつつ適切に公表するよう努めるものとする。

(国、県その他の地方公共団体等との協力)

第12条 町は、環境の保全及び創造を図るための広域的な取組みを必要とする施策の実施に当たっては、国、県その他の地方公共団体等と協力してその推進に努めるものとする。

(財政上の措置)

第13条 町は、環境の保全及び創造に関する施策を推進するために、必要かつ適切な財政上の措置を講ずるよう努めるものとする。

(委任)

第14条 この条例の施行に関し必要な事項は、町長が別に定める。

この条例は、平成25年4月1日から施行する。

入善町環境基本条例

平成25年3月19日 条例第3号

(平成25年4月1日施行)