○三芳町議会基本条例
平成22年6月21日
条例第14号
目次
前文
第1章 総則(第1条)
第2章 議会及び議員の活動原則(第2条―第4条)
第3章 町民と議会の関係(第5条―第7条)
第4章 議会と行政の関係(第8条―第11条)
第5章 議員間の自由討議と合意形成(第12条)
第6章 委員会の活動(第13条)
第7章 政務活動費(第14条)
第8章 議会及び議会事務局の体制整備(第15条―第18条)
第9章 議員の政治倫理、身分及び待遇(第19条―第21条)
第10章 最高規範性と見直し手続(第22条・第23条)
第11章 雑則(第24条)
附則
前文
地方議会は、地方分権の時代にあって、二元代表制の下、地方自治体における意思決定、事務執行の監視等、議会の権能を十分発揮しながら日本国憲法に定める地方自治の本旨の実現を目指すものである。
議会は町民の意思を代弁する合議制機関であることから、自らの創意と工夫によって町民との協調の下、まちづくりを推進していく必要がある。議会の公正性、公平性及び透明性を確保することにより、町民に開かれた議会及び町民参加を推進する議会を目指した活動のあるべき姿をここに定めるものである。
第1章 総則
(目的)
第1条 この条例は、三芳町町民(以下「町民」という。)の意思を代弁する合議制機関としての三芳町議会(以下「議会」という。)の役割を明らかにするとともに、議会運営及び三芳町議会議員(以下「議員」という。)に係る基本的事項を定め、議会及び議員の活動により、町民福祉の向上及び豊かなまちづくりを実現することを目的とする。
第2章 議会及び議員の活動原則
(議会の活動原則)
第2条 議会は、次に掲げる原則に基づき活動を行わなければならない。
(1) 公正性、公平性及び透明性を確保すること。
(2) 町民の多様な意見を的確に把握し、町政に反映させるための運営に努めること。
(3) 町民の多様な意見を基に、調査活動や積極的な議論を通じて政策提言を行うことにより、政策立案の強化に努めること。
(4) 町民本位の立場から、適正な町政運営が行われているかを監視し、評価すること。
(5) 町民に開かれた議会を目指すため、議会改革を継続的に推進すること。
(6) 町民の関心が高まるよう、社会情勢の変化に的確に対応した分かりやすい議会運営を行うこと。
(7) 議会での申合せ事項は、不断に見直しを行うこと。
(議員の活動原則)
第3条 議員は、次に掲げる原則に基づき活動を行わなければならない。
(1) 議会が言論の府であること及び合議制機関であることを十分認識し、議員間の自由な討議を重んじること。
(2) 町政の課題全般について、町民の意見を的確に把握するとともに、自己の能力を高める不断の研さんによって、町民の代表としてふさわしい活動をすること。
(3) 議会の構成員として、一部の代表にとどまらず、町民全体の福祉の向上を目指して活動すること。
(4) 議会の品位及び秩序を保つよう努めること。
(会派)
第4条 議員は、議会活動を行うに当たり、会派を結成することができる。
2 会派は、政策を中心とした同一の理念を共有する複数の議員で構成する。
3 会派は、政策を実現するための政策集団として活動し、その役割を果たすものとする。
第3章 町民と議会の関係
(町民参加及び町民との連携)
第5条 議会は、その有する情報を積極的に町民に発信し、説明責任を十分果たさなければならない。
2 議会は、常任委員会、全員協議会及び特別委員会(以下「委員会」という。)のほか、議会が主宰するすべての会議を原則公開とする。
3 議会は、委員会の運営に当たり、参考人制度及び公聴会制度を十分に活用して、町民、学識経験者等の専門的及び政策的識見を議会の討議に反映させるよう努めるものとする。
4 議会は、議員と町民が自由に意見の交換を行うことができる場を設置し、町民の多様な意見を把握するとともに、町民参加の推進に努めるものとする。
5 議会は、町民からの請願及び陳情を町民による政策提案と位置付けるとともに、その審議においては提案者の意見を聴く機会を設けるよう努めるものとする。
(議決責任等)
第6条 議会は、議決責任を深く認識するとともに、議案等を議決し、地方自治体としての意思決定及び政策決定をしたときは、町民に対して説明する責務を有する。
2 議会は、議会運営に関し、町民に対して説明する責務を有する。
3 議会は、前2項の責任を果たす方策として、全議員の出席の下、町民に対する議会報告会を原則として年1回以上開催するものとする。
(附属機関の設置)
第7条 議会は、調査又は審査のため必要があると認めるときは、別に条例で定めるところにより、附属機関を設置することができる。
第4章 議会と行政の関係
(議員と町長等執行機関の関係)
第8条 議会審議における議員と町長等執行機関及びその職員(以下「町長等」という。)との関係は、次に掲げるところにより、緊張関係の保持に努めなければならない。
(1) 町長等の委員会への出席は、議長の要請によるものとする。
(2) 本会議における質疑及び一般質問は、広く町政上の論点及び争点を明確にするため、一問一答の方式で行う。
(3) 本会議又は委員会に出席した町長等は、議員から質問を受けたときは、議長又は当該委員会の委員長の許可を得て、その論点の整理又は質問の主旨を明確にするため、当該議員に対し聞き返すことができる。
(4) 議会は、公文書の提出及び情報の提供を積極的に行うよう町長等に求めるものとする。
(議会審議における論点情報の形成)
第9条 議会は、町長が提案する重要な政策について、議会審議における論点を明確化し、その政策水準を高めることに資するため、町長に対し、次に掲げる事項について明らかにするよう求めるものとする。
(1) 政策の提案に至るまでの背景及び経緯
(2) 他の地方自治体の類似する政策との比較検討
(3) 町民参加の実施の有無及びその内容
(4) 総合計画との整合性
(5) 政策等の実施に要する経費、その財源等
(6) 将来にわたる効果及び政策等の維持管理を含めた財源計画
2 議会は、予算及び決算の審議に当たっては、前項の規定に準じて、政策説明資料を作成するよう求めるものとする。
(予算及び決算における政策説明)
第10条 議会は、予算及び決算の審議に当たっては、前条の規定に準じて、分かりやすい施策別又は事業別の説明を町長等に求めるものとする。
(議決事項の追加)
第11条 地方自治法(昭和22年法律第67号。以下「法」という。)第96条第2項に規定する議会の議決事項については、代表機関である議会が、町政における重要な計画等の決定に参画する観点と同じく代表機関である町長の政策執行上の必要性を考慮のうえ、次のとおり定めるものとする。
(1) 三芳町の基本構想の策定等に関する条例(平成26年三芳町条例第13号)に定める基本構想に基づく基本計画の策定、変更又は廃止に関すること。
(2) 都市計画法(昭和43年法律第100号)第18条の2第1項の都市計画に関する基本的な方針の策定、変更又は廃止に関すること。
(3) 法第221条第3項に規定する法人に対する出資及び町が出資することにより当該法人が同項の法人となる当該出資に関すること。
第5章 議員間の自由討議と合意形成
(議員間の自由討議と合意形成)
第12条 議会は、議会が議員による討論の場であることを十分に認識し、議長は町長等に対する委員会への出席要請を必要最小限にとどめるものとする。
2 議会は、議会運営に当たって少数意見を尊重し、議員相互間の自由な討議により議論を尽くし、合意の形成に努めるものとする。
第6章 委員会の活動
(委員会の活動)
第13条 委員会での審査に当たっては、資料等を積極的に公開して、町民に対し分かりやすい議論を行うよう努めなければならない。
第7章 政務活動費
(政務活動費)
第14条 政務活動費は、三芳町議会政務活動費交付条例(平成23年三芳町条例第8号)の定めるところによる。
2 議会は、政務活動費の使途の透明性を確保するため、収支報告書、証拠書類等を三芳町公式ウェブサイト等を利用し、町民に積極的に公表する。
第8章 議会及び議会事務局の体制整備
(議員研修の充実強化)
第15条 議会は、議員の政策形成及び立案能力の向上等を図るため、議員研修の充実強化を図る。
(議会事務局の体制整備)
第16条 議長は、議員の政策形成及び立案を補助する組織として、議会事務局の調査及び法務機能の充実強化を図るよう努める。
(議会図書資料室の利用)
第17条 議会図書資料室は、議員のみならず、だれもがこれを利用できるものとする。
(議会広報の充実)
第18条 議会は、議案に対する各議員の賛否等を議会広報誌等で公表し、情報の提供に努めるものとする。
2 議会は、情報技術の発達を踏まえた多様な広報手段を活用して、多くの町民が議会と町政に関心を持つよう議会広報活動に努めるものとする。
第9章 議員の政治倫理、身分及び待遇
(議員の政治倫理)
第19条 議員は、町民全体の代表者としてその倫理性を常に自覚し、自己の地位に基づく影響力を不正に行使し、町民の疑惑を招くことのないよう行動する。
2 議員は、三芳町議会議員政治倫理条例(平成22年三芳町条例第15号)を遵守しなければならない。
(議員定数)
第20条 議員の定数は、三芳町議会議員定数条例(平成14年三芳町条例第21号)の定めるところによる。
2 委員会又は議員が議員の定数の改正を提案しようとするときは、行財政改革の視点だけではなく、町政の課題、議会の果たすべき役割、さらに将来予測等を考慮するとともに、町民の意見を聴取するため、参考人制度、公聴会制度等を十分に活用するものとする。
(議員報酬)
第21条 議員の報酬は、議会の議員の議員報酬及び費用弁償等に関する条例(昭和44年三芳町条例第6号)の定めるところによる。
2 委員会又は議員が議員の報酬の改正を提案しようとするときは、行財政改革の視点だけではなく、町政の課題、議会の果たすべき役割、さらに将来予測等を考慮するとともに、町民の意見を聴取するため、参考人制度、公聴会制度等を十分に活用するものとする。
第10章 最高規範性と見直し手続
(最高規範性)
第22条 この条例は、議会における最高規範であって、議会は、この条例の趣旨に反する議会の条例、規則等を制定してはならない。
2 議会は、議員にこの条例の理念を浸透させるため、一般選挙を経た任期開始後、速やかにこの条例の研修を行わなければならない。
(見直し手続)
第23条 議会は、次の各号のいずれかに該当するときは、速やかにこの条例の目的が達成されているかどうかを議会運営委員会において検討するものとする。
(1) 一般選挙を経た任期開始後
(2) 議会が必要と認めた場合
2 議会は、前項による検討の結果に基づいて、この条例を含む条例及び規則の改正、新たな条例及び規則の制定等適切な措置を講ずるものとする。
3 議会は、この条例を改正する場合には、全議員の賛同する改正案であっても、本会議において、改正の理由及び背景を詳しく説明しなければならない。
第11章 雑則
(委任)
第24条 この条例に定めるもののほか、この条例の施行に関し必要な事項は、議長が定める。
附則
この条例は、公布の日から施行する。ただし、第4条第2項の規定は、平成23年4月1日から施行する。
附則(平成24年条例第1号)
(施行期日)
第1条 この条例は、公布の日から施行する。ただし、第11条の改正規定は、地方自治法の一部を改正する法律(平成23年法律第35号。次条において、「改正地方自治法」という。)の施行の日から施行する。
(経過措置)
第2条 改正地方自治法による改正前の地方自治法(昭和22年法律第67号)第2条第4項の規定により既に定められている基本構想は、改正後の三芳町議会基本条例第11条第1号に規定する基本構想とみなす。
附則(平成24年条例第42号)
この条例は、平成25年3月1日から施行する。
附則(平成26年条例第16号)
この条例は、公布の日から施行する。
附則(令和元年条例第11号)
この条例は、公布の日から施行する。
附則(令和2年条例第20号)
この条例は、公布の日から施行する。