○胎内市環境基本条例
平成17年9月1日
条例第147号
目次
第1章 総則(第1条―第6条)
第2章 環境の保全に関する基本的施策(第7条・第8条)
第3章 環境の保全のための施策等(第9条―第20条)
第4章 環境の保全に関する施策の推進体制の整備(第21条・第22条)
附則
第1章 総則
(目的)
第1条 この条例は、清流胎内川を中心に海と山の自然環境に恵まれた中で、先人の英知と努力により市民の生活基盤を築いてきた本市の環境の保全について基本理念を定め、市、事業者及び市民の責務を明らかにするとともに、環境の保全に関する施策の基本となる事項を定めることにより、環境の保全に関する施策を総合的に推進し、もって現在及び将来の市民の健康で心豊かな文化的生活の確保に寄与することを目的とする。
(1) 環境への負荷 人の活動により環境に加えられる影響であって、環境の保全上の支障の原因となるおそれのあるものをいう。
(2) 地球環境保全 人の活動による地球全体の温暖化又はオゾン層の破壊の進行、海洋の汚染、野生生物の種の減少その他の地球の全体又はその広範な部分の環境に影響を及ぼす事態に係る環境の保全であって、人類の福祉に貢献するとともに市民の健康で文化的な生活の確保に寄与するものをいう。
(3) 公害 環境の保全上の支障のうち、事業活動その他の人の活動に伴って生ずる相当範囲にわたる大気の汚染、水質の汚濁(水質以外の水の状態又は水底の底質が悪化することを含む。)、土壌の汚染、騒音、振動、地盤の沈下(鉱物の掘採のための土地の掘削によるものを除く。)及び悪臭によって、人の健康又は生活環境(人の生活に密接な関係のある財産並びに人の生活に密接な関係のある生物及びその生息環境を含む。以下同じ。)に係る被害が生ずることをいう。
(基本理念)
第3条 環境の保全は、市民が安全で健康かつ快適な環境を享受する権利の実現を図るとともに良好な環境を将来の世代に引き継ぐことを目的として行わなければならない。
2 環境の保全は、市の多様な生態系の健全性を維持し、及び回復に努めるとともに人と自然との豊かなふれあいを保つことにより、人と自然が共生する潤いと安らぎのある市の構築を目指して適切に行わなければならない。
3 環境の保全は、環境の保全上の支障を未然に防止することを基本に、環境への負荷の少ない循環型社会を構築することを目的として、市、事業者及び市民の積極的な取組みと相互の協力によって行わなければならない。
4 地球環境保全は、市、事業者及び市民が自らの問題としてとらえ、それぞれの事業活動及び日常生活において着実に推進されなければならない。
(市の責務)
第4条 市は、前条に定める環境の保全についての基本理念(以下「基本理念」という。)にのっとり、環境の保全に関する基本的かつ総合的な施策を策定し、及び実施する責務を有する。
(事業者の責務)
第5条 事業者は、基本理念にのっとり、その事業活動を行うに当たっては、これに伴う公害その他の環境の保全上の支障を防止するため、必要な措置を講ずる責務を有する。
2 前項に定めるもののほか、事業者は、基本理念にのっとり、その事業活動に関し、これに伴う環境への負荷の低減その他環境の保全に自ら積極的に努めるとともに、市が実施する環境の保全に関する施策に協力する責務を有する。
(市民の責務)
第6条 市民は、基本理念にのっとり、その日常生活においてごみの減量やエネルギーの適正使用及び生活排水に配慮するなどにより環境への負荷を低減するように努めなければならない。
2 前項に定めるもののほか、市民は、基本理念にのっとり環境の保全に自ら努めるとともに、市が実施する環境の保全に関する施策に協力する責務を有する。
第2章 環境の保全に関する基本的施策
(施策の基本方針)
第7条 市は、基本理念にのっとり、この章に定める環境の保全に関する施策の策定及び実施に当たっては、次に掲げる事項が確保されるように、各種の施策相互の連携を図りつつ総合的かつ計画的に行わなければならない。
(1) 大気、水、土壌その他の環境の自然的構成要素が良好な状態に保持されること。
(2) 野生生物の生息又は生育に配慮し、健全な生態系を保持するとともに、森林、農地、水辺地等を適正に保全し、人と自然との豊かな触れ合いを確保すること。
(3) 廃棄物の発生の抑制、資源の循環的な利用及びエネルギーの有効利用が徹底される社会を構築すること。
(環境基本計画)
第8条 市長は、環境の保全に関する施策の総合的かつ計画的な推進を図るため、環境の保全に関する基本的な計画(以下「環境基本計画」という。)を定めなければならない。
2 環境基本計画は、環境の保全についての目標及び施策の方向その他必要な事項について定めるものとする。
3 市長は、環境基本計画を定めるに当たっては、あらかじめ胎内市環境審議会の意見を聴かなければならない。
4 市長は、環境基本計画を定めたときは、遅滞なくこれを公表しなければならない。
5 前2項の規定は、環境基本計画の変更について準用する。
第3章 環境の保全のための施策等
(市の施策の策定等に当たっての環境配慮)
第9条 市は、施策を策定し、及び実施するに当たっては、環境基本計画との整合を図るとともに環境の保全について配慮しなければならない。
(環境の保全上の支障を防止するための規制)
第10条 市は、公害を防止するため、公害の原因となる行為に関し、必要な規制の措置を講じなければならない。
2 市は、自然環境の保全を図るため、自然環境の適正な保全に支障を及ぼすおそれがある行為に関し、必要な規制の措置を講じなければならない。
3 前2項に定めるもののほか、市は、人の健康又は生活環境に係る環境の保全上の支障を防止するため、必要な規制の措置を講ずるように努めなければならない。
(環境の保全に関する施設の整備等の推進)
第11条 市は、環境の保全上の支障の防止に資する公共的施設の整備及び事業を推進するため、必要な措置を講ずるものとする。
(環境の保全のための財政措置)
第12条 市は、事業者又は市民が環境の保全に関する施設の整備及び事業を推進するに当たって、可能な限り財政上の措置を講ずるよう努めるものとする。
(廃棄物の減量等の促進)
第13条 市は、環境への負荷の低減を図るため、事業者及び市民による資源の循環的利用、エネルギーの有効利用及び廃棄物の減量が促進されるように必要な措置を講ずるものとする。
2 市は、環境への負荷の低減を図るため、市の施設の建設及び維持管理その他の事業の実施に当たって、資源の循環的利用、エネルギーの有効利用及び廃棄物の減量に積極的に努めるものとする。
(調査研究及び監視等の実施)
第14条 市は、環境の保全に関する施策を策定し、及び適正に実施するため、環境の保全に関する事項について、情報の収集、調査研究その他必要な措置を講ずるように努めるものとする。
2 市は、環境の状況を把握し、及び環境の保全に関する施策を適正に実施するために必要な監視、測定等の体制の整備に努めるものとする。
(環境の保全に関する教育、学習等の推進)
第15条 市は、事業者及び市民が環境の保全に関する理解を深めるとともに、これに関する活動の意欲を高めるようにするため、環境の保全に関する教育及び学習の振興並びに広報活動の充実その他必要な措置を講ずるものとする。
(自然との触れ合いの場の確保及び提供)
第16条 市は、市の地域的特性を生かした自然との触れ合いの場を確保し、これを市民等に広く提供することにより、前条に規定する環境の保全に関する教育、学習等の推進に資するよう努めるものとする。
(民間団体等の自発的な活動の支援)
第17条 市は、事業者、市民又はこれらのものが組織する民間の団体(以下「民間団体等」という。)が自発的に行う緑化活動、再生資源に係る回収活動その他の環境保全に関する活動が促進されるように、必要な措置を講ずるものとする。
(市民等の意見の施策への反映)
第19条 市は、市民等の意見を環境の保全に関する施策に的確に反映させるために必要な措置を講ずるものとする。
(年次報告)
第20条 市長は、環境の状況及び環境の保全に関する施策の実施状況等について、年次報告書を作成し、これを公表するものとする。
第4章 環境の保全に関する施策の推進体制の整備
(庁内の推進体制の整備)
第21条 市は、市の機関相互の緊密な連携及び施策の連携を図り、環境の保全に関する施策を総合的かつ計画的に推進するための体制を整備するものとする。
(国、県及び他の地方公共団体との協力)
第22条 市は、環境の保全に係る広域的な取組みを必要とする施策について、国、県及び他の地方公共団体との連携の下、互いに協力して推進するよう努めるものとする。
附則
(施行期日)
1 この条例は、平成17年9月1日から施行する。