○豊中市男女共同参画推進条例

平成15年10月10日

条例第48号

我が国においては,日本国憲法に個人の尊重と法の下の平等がうたわれ,男女平等の実現に向けた様々な取組が,女子に対するあらゆる形態の差別の撤廃に関する条約を軸とした国際社会の動きと連動して進められ,男女共同参画社会の実現を21世紀の我が国社会を決定する最重要課題と位置付けた男女共同参画社会基本法を制定しました。

豊中市においては,人権に根ざした文化に満ちたまちの実現をめざして,一人ひとりの個性が大切にされ,共に生きることができる開かれた社会づくりに取り組んでいます。こうした中で,女性政策基本方針等の策定やとよなか男女共同参画推進センターすてっぷの開設など,男女共同参画の推進に関する施策を積極的に進めてきましたが,職域や地域などにおける活動への参画に男女間の格差が生じているのが現状であります。

また,全国的にも性別による固定的な役割分担等を反映した制度等の存在や女性に対する暴力の社会問題化など,多くの課題があり,その解消が求められています。

こうしたことから,すべての人の人権が尊重され,自らの意思で生き方を選択し,男女が性別にかかわりなく,その個性と能力を十分に発揮し,職域,学校,地域,家庭その他の社会のあらゆる分野における活動に対等に参画することができる男女平等を前提とする男女共同参画社会の実現が重要となっています。

ここに私たちは,男女共同参画社会の実現をめざすことを決意し,男女共同参画への取組を総合的かつ計画的に推進するため,この条例を制定します。

(目的)

第1条 この条例は,男女共同参画の推進に関し,基本理念を定め,市,市民及び事業者の役割を明らかにするとともに,男女共同参画の推進に関する施策について必要な事項を定めることにより,男女共同参画を総合的かつ計画的に推進し,もって男女共同参画社会の実現に寄与することを目的とする。

(定義)

第2条 この条例において,次の各号に掲げる用語の意義は,当該各号に定めるところによる。

(1) 男女共同参画 男女が,社会の対等な構成員として,自らの意思によって職域,学校,地域,家庭その他の社会のあらゆる分野(以下「社会のあらゆる分野」という。)における活動に参画する機会が確保され,もって男女が均等に政治的,経済的,社会的及び文化的利益を享受することができ,かつ,共に責任を担うことをいう。

(2) 積極的是正措置 前号に規定する機会に係る男女間の格差を是正するため必要な範囲内において,男女のいずれか一方に対し,当該機会を積極的に提供することをいう。

(3) セクシュアル・ハラスメント 職場その他の社会的関係において,他の者に対し,その意に反した性的な言動をすることによりその者の就業環境等を害し,又は性的な言動を受けた者の対応によりその者に不利益を与えることをいう。

(基本理念)

第3条 男女共同参画は,次に掲げる事項を基本理念として推進されなければならない。

(1) 男女の個人としての尊厳が重んじられること,男女が性別による差別的な扱いを受けないこと,男女が個人として能力を発揮する機会が確保されることその他の男女の人権が尊重されること。

(2) 固定的な性別役割分担等を反映した制度又は慣行が,男女の社会における活動の自由な選択に対して及ぼす影響をできる限り中立なものとするよう配慮されること。

(3) 男女が,社会の対等な構成員として,市における政策又は民間の団体における方針の立案及び決定に共同して参画する機会が確保されること。

(4) 家族を構成する男女が,相互の協力と社会の支援の下に,子の養育,家族の介護その他の家庭生活における活動について対等な一員としての役割を円滑に果たし,かつ,当該活動以外の活動を行えるようにすること。

(5) 男女が互いの身体的特徴について理解を深め,妊娠,出産その他の性と生殖に関する事項について,互いの意思が尊重され,生涯にわたり健康な生活が営まれること。

(6) 男女が就業の場において,均等な機会と待遇を享受できる状況が実現されるよう配慮されること。

(7) 男女共同参画の推進が国際社会における取組と密接な関係を有していることにかんがみ,国際社会の動向を考慮して行われること。

(市の役割)

第4条 市は,前条に規定する基本理念(以下「基本理念」という。)にのっとり,男女共同参画の推進に関する施策(積極的是正措置を含む。以下同じ。)を総合的に策定し,及び実施するものとする。

2 市は,男女共同参画の推進に関する施策の実施に当たっては,市民,事業者,国及び他の地方公共団体と連携して取り組むものとする。

3 市は,男女共同参画を推進するため,体制の整備その他必要な措置を講じるよう努めるものとする。

(市民の役割)

第5条 市民は,基本理念にのっとり,社会のあらゆる分野において,男女共同参画の推進に努めなければならない。

2 市民は,市が実施する男女共同参画の推進に関する施策に協力するよう努めなければならない。

(事業者の役割)

第6条 事業者は,基本理念にのっとり,事業活動を行うに当たり,男女共同参画の推進に努めなければならない。

2 事業者は,基本理念にのっとり,男女が職業生活における活動と家庭生活における活動その他の活動とを両立することができる環境の整備に努めなければならない。

3 事業者は,市が実施する男女共同参画の推進に関する施策に協力するよう努めなければならない。

(性別による人権侵害の禁止)

第7条 何人も,社会のあらゆる分野において,性別による差別的な扱いをしてはならない。

2 何人も,セクシュアル・ハラスメントを行ってはならない。

3 何人も,配偶者等への暴力その他男女間における暴力的行為を行ってはならない。

(公衆に表示する情報に関する配慮)

第8条 何人も,公衆に表示する情報において,固定的な性別役割分担等若しくは異性に対する暴力的行為を助長する表現又は過度の性的な表現を行わないよう配慮しなければならない。

(男女共同参画計画)

第9条 市長は,男女共同参画の推進に関する施策の総合的かつ計画的な推進を図るため,男女共同参画の推進に関する基本的な計画(以下「男女共同参画計画」という。)を定めなければならない。

2 男女共同参画計画は,次に掲げる事項について定めるものとする。

(1) 総合的かつ長期的に講じるべき男女共同参画の推進に関する施策の大綱

(2) 前号に掲げるもののほか,男女共同参画の推進に関する施策を総合的かつ計画的に推進するために必要な事項

3 市長は,男女共同参画計画を策定するに当たっては,あらかじめ,第23条に定める豊中市男女共同参画審議会の意見を聴かなければならない。

4 市長は,男女共同参画計画を策定するに当たっては,市民の意見を反映することができるよう,必要な措置を講じなければならない。

5 市長は,男女共同参画計画を策定したときは,これを公表しなければならない。

6 前3項の規定は,男女共同参画計画の変更について準用する。

(施策の策定等に当たっての配慮)

第10条 市は,男女共同参画の推進に影響を及ぼすと認められる施策を策定し,及び実施するに当たっては,男女共同参画の推進に配慮しなければならない。

(附属機関等における委員の構成)

第11条 市は,その設置する附属機関その他市政運営上の意見聴取等を行うため設置する会議(市の職員のみで構成されるものを除く。)の委員その他の構成員の任命又は委嘱に当たっては,男女の数の均衡を図るよう努めるものとする。

(広報及び啓発並びに教育)

第12条 市は,市民及び事業者の男女共同参画に関する理解を深めるため,広報及び啓発並びに教育を行うものとする。

(調査研究)

第13条 市は,男女共同参画の推進に関する施策を策定し,及び実施するため,必要な調査研究を行うものとする。

(市民等の活動に対する支援)

第14条 市は,市民又は事業者が男女共同参画の推進に関して行う活動を支援するため,情報の提供その他の必要な措置を講じるものとする。

(セクシュアル・ハラスメント等を防止するための取組等)

第15条 市は,セクシュアル・ハラスメント及び配偶者等への暴力その他男女間における暴力的行為を防止するための取組を進め,これらの被害を受けた者に対し,必要な援助を行うものとする。

(環境の整備)

第16条 市は,男女が共に社会のあらゆる分野における活動を円滑に行うことができる環境が整備されるよう努めるものとする。

(人権侵害についての相談等)

第17条 市は,性別による差別的な扱いその他の男女共同参画の推進を阻害する要因による人権侵害について,相談に応じるとともに,必要に応じて関係機関との連携を行うものとする。

(訴訟等の資金の貸付け)

第18条 市長は,豊中市訴訟等に係る資金の貸付けに関する条例(平成15年豊中市条例第49号)の定めるところにより,前条に規定する人権侵害を受けた市民が行う訴訟等に要する費用に充てる資金を貸し付けるものとする。

(男女共同参画苦情処理委員会)

第19条 社会のあらゆる分野において,男女共同参画を推進するため,次に掲げる申出その他市長が必要と認める事項を処理する豊中市男女共同参画苦情処理委員会(以下「委員会」という。)を置く。

(1) 市又は国若しくは大阪府が実施する男女共同参画の推進に関する施策又は男女共同参画の推進に影響を及ぼすと認められる施策についての苦情の申出

(2) 性別による差別的な扱いその他の男女共同参画の推進を阻害する要因によって人権が侵害された場合における苦情又は救済の申出

2 委員会は,次に掲げる事項を除き,市民その他市規則で定める者からの前項各号に掲げる申出を処理する。

(1) 判決,裁決等により確定した権利関係に関する事項

(2) 裁判所において係争中の事案及び行政庁において不服申立ての審理中の事案に関する事項

(3) その他市規則で定める事項

3 前項の市規則で定める者が委員会に申出を行うことができる範囲は,市規則で定める。

4 委員会は,第1項第1号に掲げる申出があったときは,調査を行い,必要があると認めるときは,助言,調整,あっせん,勧告又は意見表明を行うものとする。ただし,当該申出が国又は大阪府に係るものであるときは,これら助言,調整等に替えて当該調査結果の通知を行うものとする。

5 委員会は,第1項第2号に掲げる申出があったときは,調査を行い,必要があると認めるときは,助言,調整,あっせん,是正の要望又は意見表明を行うものとする。ただし,当該申出が市に係るものであるときは,前項本文の規定によるものとする。

6 第2項及び前2項に定めるもののほか,委員会は,市に関し男女共同参画の推進に重大な影響を及ぼすと認められる事項があると認める場合は,自らの発意に基づき調査を行い,意見表明を行うことができる。

7 委員会は,委員3人以内で組織する。

8 委員は,職務上知り得た秘密を漏らしてはならない。その職を退いた後も,同様とする。

9 前各項に定めるもののほか,委員会の組織及び運営に関し必要な事項は,市規則で定める。

(専門調査員)

第20条 市長は,委員会が処理する事項について調査させるため,専門調査員を置く。

2 前条第8項の規定は,前項の専門調査員について準用する。

(調査への協力)

第21条 市は,委員会が第19条第4項から第6項までの規定により市について調査を行う場合は,その調査に協力しなければならない。

(勧告への対応等)

第22条 市は,第19条第4項本文の勧告(同条第5項ただし書の規定により同条第4項本文の規定によるものとされた同項本文の勧告を含む。)を受けたときは,当該勧告に対し適切かつ迅速に対応し,必要な措置を講じるとともに,その内容を速やかに委員会に報告しなければならない。

2 委員会は,前項の規定による報告を受けたときは,その内容を公表する。

(男女共同参画審議会)

第23条 この条例によりその権限に属させられた事項のほか,市長の諮問に応じて男女共同参画の推進に関する重要事項を調査審議するため,豊中市男女共同参画審議会(以下「審議会」という。)を置く。

2 審議会は,男女共同参画の推進に関する重要事項について,市長に意見を述べることができる。

3 審議会は,委員15人以内で組織する。この場合において,男女のいずれか一方の委員の数は,委員の総数の10分の4未満であってはならない。

4 前3項に定めるもののほか,審議会の組織及び運営に関し必要な事項は,市規則で定める。

(男女共同参画の推進状況等の公表)

第24条 市長は,毎年度,男女共同参画の推進状況及び男女共同参画の推進に関する施策の実施状況について公表する。

附 則

1 この条例は,公布の日から施行する。ただし,第18条から第23条までの規定並びに次項及び附則第3項の規定は,市規則で定める日から施行する。

〔平成15年11月規則第79号により,第18条から第22条まで及び附則第3項(委員等の報酬及び費用弁償条例(昭和31年豊中市条例第19号)第2条第1項第39号の次に2号を加える改正規定中同項第41号に係る部分を除く。)の規定は,平成15年11月7日から施行〕

〔平成15年12月規則第85号により,第23条並びに附則第2項及び第3項(委員等の報酬及び費用弁償条例(昭和31年豊中市条例第19号)第2条第1項第39号の次に2号を加える改正規定中同項第41号に係る部分に限る。)の規定は,平成15年12月19日から施行〕

2・3 他の条例の一部改正〔略〕

附 則(平成19年3月23日条例第1号)

この条例は,公布の日から施行する。

附 則(平成24年9月28日条例第46号)

この条例は,平成24年10月1日から施行する。

豊中市男女共同参画推進条例

平成15年10月10日 条例第48号

(平成24年10月1日施行)

体系情報
第4編 社会福祉/ 男女共同参画
沿革情報
平成15年10月10日 条例第48号
平成19年3月23日 条例第1号
平成24年9月28日 条例第46号