○宇都宮市自治基本条例

平成20年12月25日

条例第50号

目次

前文

第1章 総則(第1条―第3条)

第2章 市民の権利及び責務(第4条・第5条)

第3章 市政運営

第1節 市政運営の基本原則(第6条)

第2節 議決機関(第7条・第8条)

第3節 執行機関(第9条―第11条)

第4節 行政経営手続(第12条)

第5節 市政運営への市民参画(第13条―第15条)

第4章 公共的活動(第16条―第21条)

第5章 条例の趣旨の尊重(第22条)

附則

宇都宮市は,関東平野の北部に位置し,日光連山から続く山並みのふもと,鬼怒川に由来する豊富な水,緑,肥沃な大地をはじめとする恵まれた自然に支えられ,古くから二荒の森を中心に,門前町,宿場町,城下町として発展してきた。

近年は,戦災によるまちの焼失等の幾多の困難を乗り越え,均衡のとれた都市として成長を続けている。

この宇都宮市に住み,学び,働く私たちは,個人として,また,企業や各種団体の一員として,まちを構成するとともに,まちづくりの担い手の一人としての責任を有している。

さらに,自らが暮らす地域の環境のみならず,地球環境にも十分配慮していくなど,地球規模の課題に対しても責任を有している。

私たちは,この地において,古き良きものを守りつつ,未来を見つめながら,地域に根差した新しい文化を求め,創っていこうとする中で,互いに共通する思いとして,より住みやすいまちを築いていきたいと考えている。

また,私たちは,まわりの人々も幸せにしていこうというやさしさを持ち,思いやりのある社会を創っていきたいと考えている。

このようなまち,社会を実現し,市民がさらに活力に満ち,幸せに暮らしていくためには,市民,企業や各種団体,市のそれぞれが社会に果たす役割を認識しながら,「もったいない」という心を持ち,社会資源を活用しつつ,協働することによって公共的活動を行い,自治を担っていくことが重要である。

私たちは,市民に最も身近な自治が,どのようなものであるべきかを話し合った成果として,ここに,宇都宮市の自治の最も基本的な事項を定める宇都宮市自治基本条例を制定する。

第1章 総則

(目的)

第1条 この条例は,本市における自治の基本理念を明らかにするとともに,市民の権利及び責務,市政運営の基本原則並びに地域活動団体等の役割を定めることにより,市民のための自治を確立し,もって市民がさらに幸せに暮らせるまちを築くことを目的とする。

(定義)

第2条 この条例において,次の各号に掲げる用語の意義は,それぞれ当該各号に定めるところによる。

(1) 市民 市内に住む人並びにそこで学び,及び働く人をいう。

(2) 公共的活動 市民が協力して行う,共通する便益の増進につながる活動をいう。

(3) 協働 互いに対等の立場で理解し,尊重し合いつつ,役割及び責任を担い合い,効果的に公共的活動に取り組むことをいう。

(4) 社会資源の活用 人,財物,情報その他社会的諸活動に利用可能な資源(以下「社会資源」という。)を大切にする心を持ち,有効に活用するとともに,自らも社会資源を創出し,互いに提供し合うことをいう。

(5) 地域活動団体 地域で自主的に公共的活動を行う,地域ごとに形成された団体をいう。

(6) 非営利活動団体 自主的に公共的活動を行う団体であって,営利を目的とせずに活動する団体(前号に定めるものを除く。)をいう。

(7) 事業者 市内において事業活動を行う企業その他の団体(前2号に定めるものを除く。)をいう。

(基本理念)

第3条 本市の自治は,市民が自らの責任及び判断に基づき市政に参画し,市政運営が自主的かつ自立的になされるものでなければならない。

2 本市の自治は,公共的活動が協働及び社会資源の活用により効果的に推進されることを目指すものでなければならない。

第2章 市民の権利及び責務

(市民の権利)

第4条 市民は,個人として尊重され,市民としての幸せを求めていく権利を有する。

2 市民は,市政に参画する権利を有する。

3 市民は,平等に行政サービスを受ける権利を有する。

(市民の責務)

第5条 市民は,一人ひとりが互いに助け合い,市政に協力し,公共的活動に積極的にかかわりを持つ責務を負う。

2 市民は,行政サービスに伴う市税等を負担する責務を負う。

第3章 市政運営

第1節 市政運営の基本原則

第6条 市は,次の各号に掲げる基本原則に基づき,当該各号に定めるその趣旨にのっとり,市政運営を行うものとする。

(1) 市民意思の尊重 市民が市政に関する意見を述べる機会を確保するとともに,市民意思を尊重すること。

(2) 計画行政の推進 長期的な展望に立った総合計画を策定し,計画的な市政運営を行うこと。

(3) 効率性及び有効性の確保 経営資源を効率的かつ有効に活用し,最少の経費で最大の効果を挙げるようにすること。

(4) 透明性の確保 市民に対し,積極的に市政に関する情報を提供することにより,説明する責務を果たすこと。

(5) 公正の確保 行政手続に関する基準を明らかにするとともに,法令を遵守し,違法又は不当な行為が発生しないようにすること。

(6) 国等との連携 国及び関係地方公共団体と連携して,共通する課題の解決に努めること。

第2節 議決機関

(議会の責務)

第7条 議会は,市民意思を的確に市政に反映させるとともに,市政運営を監視し,及び政策を立案する。

(議員の責務)

第8条 議員は,誠実に議会活動を行うとともに,その活動状況を積極的に市民に公表するよう努めなければならない。

第3節 執行機関

(市長の責務)

第9条 市長は,本市を代表し,総合的に市政を運営する。

(執行機関の責務)

第10条 執行機関(市長,教育委員会,選挙管理委員会,監査委員,公平委員会,農業委員会及び固定資産評価審査委員会をいう。以下同じ。)は,誠実にその権限に属する事務を執行するとともに,積極的に市民福祉の増進を図るため,まちづくりに寄与する公共的活動に協力し,必要な支援に努めなければならない。

2 執行機関は,適切に職員を指揮監督するとともに,職員の能力向上を図り,その能力が発揮されるよう努めなければならない。

(職員の責務)

第11条 職員は,全体の奉仕者として,公正,公平かつ誠実に職務に従事し,全力を挙げてその職務に専念しなければならない。

第4節 行政経営手続

第12条 市長は,毎年,市政運営の基本方針を明らかにしなければならない。

2 市長は,予算の編成及び執行に当たっては,財政の健全性を確保するとともに,市民福祉の増進を図るものとしなければならない。

3 市長は,財源及び人員の最適な配分が図られるよう定期的に検証し,その効率化を図らなければならない。

4 市長は,市有財産を適正に管理し,公正かつ合理的に活用しなければならない。

5 市長は,財政事情の公表その他の手段を通じて,本市の財政状況を分かりやすく市民に伝えなければならない。

第5節 市政運営への市民参画

(附属機関等)

第13条 執行機関は,附属機関等(審査会,審議会その他の附属機関及びこれらに類する合議制の機関をいう。以下同じ。)の委員を選任するに当たっては,その設置の目的に応じ,委員を公募しなければならない。

2 附属機関等は,特に理由がある場合を除き,会議を公開しなければならない。

(意見公募手続)

第14条 執行機関は,主要な政策等を策定するに当たっては,広く市民の意見を求め,その意見を踏まえて政策等の決定をしなければならない。

(住民投票)

第15条 市は,市政に係る特に重要な事項について,直接に住民の意思を確認する必要があると認めるときは,事案ごとに別に条例で定めるところにより住民投票を実施し,その結果を尊重しなければならない。

第4章 公共的活動

(地域活動団体の役割)

第16条 地域活動団体は,地域内の市民の意見の集約を図り,その地域における公共的課題の解決に努めるものとする。

(非営利活動団体の役割)

第17条 非営利活動団体は,自らの公共的活動を行うとともに,他の公共的活動を先導し,及び協力しながら,その補完に努めるものとする。

(事業者の役割)

第18条 事業者は,市民の就業と就業時間外の活動との均衡の保持に努め,自らも公共的活動に協力するものとする。

2 事業者は,自然環境及び良好な居住環境が守られるよう配慮するほか,自ら進んで社会的責任を負担しなければならない。

(自立及び互助)

第19条 公共的活動の実施に当たっては,自らできることは自らが,身近な地域社会でできることはその中で,互いに話し合い,助け合い,及び連携しながら,率先して行うものとする。

(情報共有)

第20条 公共的活動にかかわる者は,公共的活動に関する情報を積極的に発信し,その共有に努めるものとする。

(人材育成)

第21条 公共的活動にかかわる者は,絶えず自らの能力向上に取り組むほか,公共的課題を解決することができる人材の育成に努めるものとする。

第5章 条例の趣旨の尊重

第22条 この条例は,本市の自治に関する最も基本的な意思の表明であり,その趣旨が最大限尊重されるものでなければならない。

附 則

この条例は,平成21年4月1日から施行する。

宇都宮市自治基本条例

平成20年12月25日 条例第50号

(平成21年4月1日施行)