○由布市住民自治基本条例

平成21年9月25日

条例第39号

目次

前文

第1章 総則(第1条―第3条)

第2章 まちづくりの基本理念と基本原則(第4条・第5条)

第3章 市民等と事業者の権利及び責務(第6条・第7条)

第4章 議会・議員の役割と責務(第8条・第9条)

第5章 市長等の役割と責務(第10条・第11条)

第6章 市政運営(第12条―第18条)

第7章 連携と交流(第19条―第21条)

第8章 参画と協働(第22条―第25条)

第9章 環境・景観の保全・形成(第26条)

第10章 条例の検討及び見直し(第27条)

附則

前文

平成17年10月1日、挾間町、庄内町及び湯布院町の合併により由布市が誕生しました。由布市は、由布岳や黒岳に象徴される緑の山々、大分川水系の清流、肥沃な大地、豊富で良質な温泉など、豊かな自然に恵まれています。それぞれの地域では、固有の特色や地域資源を生かした生活と多様な産業の営みを通じて活発な交流が生まれ、人々の暮らしを支えるとともに、先人が脈々と築いてきた歴史や文化、風土が息づいています。由布市は、この資産・資源を大切にし、繁栄の糧として生かすまちをめざしています。

まちづくりは、わたしたち由布市民が市の現況と将来像についての認識を共有し、主体的に自治に参画することにより進められることが必要です。また、基礎的自治体である由布市は、市民の負託にこたえ、将来にわたり市民が安心して暮らすことのできる豊かな地域社会を、市内に暮らすすべての人と協働して実現していく責務があります。

このために、市民、市及び議会の果たすべき役割や責務、市政運営の原則など、自治体としての基本的な枠組みを明らかにするとともに、市政への市民参画や協働の仕組みを定めておくことが必要です。そして、わたしたちは、深い信頼と融和のきずなのもとに、市民が主役となった自治の向上による参画と協働のまちづくりを積極的に推進することにより、由布市の発展を支えていかなければなりません。

わたしたち由布市民は、市民と市及び議会がまちづくりに関する情報を共有し、知恵と力を結集することで、誇りある自治のまちを実現し、次世代に継承していくことをめざして、ここに由布市住民自治基本条例を制定します。

第1章 総則

(目的)

第1条 この条例は、主権者である由布市民が自治の担い手として、市や議会とともにまちづくりを推進するために、市民等の権利と責務並びに市及び議会の役割等、自治の基本的事項を明らかにし、住民自治の実現を図ることを目的とする。

(用語の定義)

第2条 この条例において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。

(1) 市民とは、由布市内に住所を有する人をいう。

(2) 市民等とは、市民並びに由布市内で働き、学び及び市内においてまちづくり活動を行う人若しくは団体をいう。

(3) 市とは、地方自治法(昭和22年法律第67号)第138条の4に定める執行機関をいう。

(4) 事業者とは、由布市内において営利を目的とする活動を営む人又は団体をいう。

(5) 交流者とは、観光、保養、商用等で市内を訪れる人をいう。

(6) 協働とは、由布市を構成する市民等と市及び議会が、それぞれの果たすべき役割と責務を自覚し、相互の立場を尊重し、対等の立場で目的達成のために協力することをいう。

(7) コミュニティとは、自主性と責任を自覚した市民等が構成する自治会、高齢者団体、女性団体、青少年団体、文化・スポーツ団体、福祉団体等、地域社会を形成する団体及び組織をいう。

(8) まちづくりとは、市民等と市及び議会が協働して住民参画により自治の向上をめざし、すべての人が物質的にも精神的にも安全で安心して生活できる環境を実現するための活動をいう。

(条例の位置づけ)

第3条 この条例は、まちづくりの原則であり、市は、他の条例、規則等の制定、改廃にあたっては、この条例の趣旨を尊重しなければならない。

2 市及び議会は、この条例の目的を達成するために、必要に応じて関係条例の整備に努めなければならない。

第2章 まちづくりの基本理念と基本原則

(基本理念)

第4条 まちづくりは、主権者である市民が、主体的に参画するとともに、市民等と市及び議会が、それぞれの果たすべき役割と責務を分担し、及び協働して推進することを基本とする。

(基本原則)

第5条 市民等、市及び議会は、次の各号に掲げる基本原則に基づき、まちづくりを推進する。

(1) 人権尊重の原則 すべての人が、等しく人権を保障されること。

(2) 男女共同参画の原則 男女が、対等の立場でまちづくりに参画する機会を保障されること。

(3) 情報共有の原則 市民等と市及び議会が積極的にまちづくりに関する情報を共有すること。

第3章 市民等と事業者の権利及び責務

(市民等と事業者の権利)

第6条 市民等及び事業者は、自発的にまちづくりに参画し、又はコミュニティに参加し、活動する権利を有する。

2 市民等及び事業者は、市が保有するまちづくりに関する情報について、その提供を受け、又は自ら求める権利を有する。

(市民等と事業者の役割と責務)

第7条 市民等及び事業者は、行政サービスにともなう納税の義務を果たさなければならない。

2 市民等及び事業者は、積極的なまちづくりへの参画及び地域自治への貢献に努めるものとする。

3 市民等及び事業者は、まちづくりの活動において自らの発言と行動に責任を持つものとする。

4 市民等は、まちづくりを支える自主的、自立的なコミュニティの役割を認識し、当該地域のコミュニティへ参加する努力と、活動のための応分の負担をすることにより維持及び振興に努めるものとする。

5 事業者は、地域社会を構成する一員として社会的責任を自覚し、コミュニティへの参加や協力等を行い、暮らしやすい地域社会の実現に努めるものとする。

第4章 議会・議員の役割と責務

(議会の役割と責務)

第8条 議会は、多様な民意を反映する複数の議員による合議体として、市の意思決定のために自由かっ達な討議を行い、民主的な議会運営に努めなければならない。

2 議会は、市民を代表する議決機関として、市民の負託に応えるため、市民の意思の把握と反映及び情報の提供に努めなければならない。

3 議会は、市政が市民の意思を反映して適切に運営されるよう調査及び監視機能の向上に努めなければならない。

4 議会は、政策立法、政策審議に関する機能を充実させ、議会活動の向上に努めなければならない。

5 議会は、住民自治の役割を認識し、市民の意思を市政に反映させるため、よりよい議会のあり方をめざし、不断の議会改革に努めなければならない。

(議員の役割と責務)

第9条 議員は、市民の代表として自己研さんに努めるとともに、常に市全体の利益を活動の指針として職務を遂行しなければならない。

2 議員は、市民の負託に応えるため、市政の課題についての調査研究及び市民の意思把握のための活動に努めるとともに、自らの審議能力及び政策提案能力の向上に努めなければならない。

第5章 市長等の役割と責務

(市長の役割と責務)

第10条 市長は、市民の代表者としてその負託に応えるために、公正かつ誠実に市政を執行しなければならない。

2 市長は、まちづくりの基本理念実現のための施策等について市民への説明に努めなければならない。

3 市長は、市民の多様な行政需要に柔軟かつ迅速に対応でき、市民にわかりやすい効率的な組織及び機構の編成に努めなければならない。

(市及び職員の役割と責務)

第11条 市は、市民等のまちづくり参画の権利を保障するよう努めなければならない。

2 市は、市民等からの意見、要望及び苦情等に対して、速やかで誠実な対応に努めなければならない。

3 市は、コミュニティの自主性及び自立性を尊重し、円滑な活動ができるよう連携の促進に努めなければならない。

4 市の職員は、まちづくりの一員としての役割を自覚し、積極的にコミュニティへ参加するよう努めなければならない。

第6章 市政運営

(市政運営)

第12条 市は、多様化、高度化する行政需要に対応するために総合的な市政運営に努めなければならない。

(総合計画)

第13条 市は、計画的な市政運営を図るために、まちづくりの基本理念に基づいた基本構想、基本計画(以下「総合計画」という。)を策定し、進行管理を行うとともに適宜見直すものとする。

2 市は、総合計画を市の最上位計画として位置づけ、他の計画の策定にあたっては、総合計画との整合性の確保に努めなければならない。

(情報共有の推進)

第14条 市は、市政に関する情報の積極的な公開及び提供並びにまちづくりに関する情報の収集及び活用に努めなければならない。

2 市は、市政に関する情報の公開及び提供にあたり、市民等にわかりやすくするよう努めなければならない。

3 市は、まちづくりに関する意思決定過程について、市民等の理解が得られるよう努めなければならない。

(個人情報の保護)

第15条 市は、個人情報の収集、利用、提供及び管理にあたっては、個人の権利及び利益を侵害しないよう個人情報の保護に努めなければならない。

(評価の実施・公開)

第16条 市は、まちづくりの目標達成のために、施策及び事業の取り組みの有効性及び効率性等について、外部や市民等の視点を交えた客観的な評価を実施するものとする。

2 市は、評価の結果について、わかりやすい形で市民等に公開するよう努めなければならない。

(財政運営)

第17条 市は、総合計画を基本に計画的な予算の編成及び執行に努めなければならない。

2 市は、予算、決算等の財政に関する状況を市民等に公開し、理解を深めるよう努めなければならない。

3 市は、財産の適正な管理及び効率的な運用に努めなければならない。

(行政手続)

第18条 市は、市政運営における公正の確保と透明性の向上を図り、市民等の権利と利益を保護するよう努めなければならない。

第7章 連携と交流

(市内外の人々及び交流者との連携)

第19条 市民等、市及び議会は、社会、経済、文化、学術、スポーツ、環境等に関する取り組みを通じて、市内外の人々及び交流者の知恵や意見をまちづくりに活用するよう努めなければならない。

(国・県・他の自治体等との連携)

第20条 市民等、市及び議会は、国、県、他の自治体及びその他関係機関と連携して、効果的なまちづくりの推進に努めなければならない。

(国際交流)

第21条 市民等、市及び議会は、国際的視点に立った発展の重要性を認識し、国際交流の推進に努めるものとする。

第8章 参画と協働

(計画等への市民参画)

第22条 市は、まちづくりに関する重要な条例の制定又は改廃並びに計画の策定、変更及び実施にあたっては、説明会の開催、アンケートの実施及び審議会の設置等の方法により、適切かつ効果的な市民参画の実現に努めなければならない。

2 市は、委員会や審議会等の附属機関の委員を任命しようとするときは、公募により選出された委員を加えるよう努めなければならない。ただし、法令の規定により委員の構成が定められている場合、公募に適さない場合又はその他正当な理由がある場合はこの限りでない。

3 前項の公募及び選考について必要な事項は、市長が適切に定める。

(パブリックコメント)

第23条 市は、まちづくりに関する重要な条例の制定又は改廃並びに計画の策定及び変更にあたっては、市民に事前に公表し、意見を募集するよう努めなければならない。

2 市は、前項の規定により提出された意見を検討し、反映に努めるとともに、その結果を公表するものとする。

(協働のまちづくり)

第24条 市民等は、まちづくりの担い手としてコミュニティの役割を認識し、次の活動に主体的に取り組み、市及び議会との協働に努めるものとする。

(1) 相互扶助に関すること。

(2) 生活環境の維持、改善に関すること。

(3) 安全な地域社会の形成に関すること。

(4) 地域資源の保護、伝承に関すること。

(5) その他、地域づくり活動に関すること。

(住民投票)

第25条 市長は、市政に係る重要事項について、直接市民の意思を確認するため、議会の同意を得て住民投票を実施することができる。

第9章 環境・景観の保全・形成

(環境・景観の保全・形成)

第26条 市及び議会は、市民等の共有の財産として、市民等が健康で文化的な生活を営むことのできる環境並びに豊かな自然及び良好なまち並み景観の保全並びに形成に必要な施策を計画的に推進しなければならない。

2 市民等と事業者及び交流者は、関係する法令及び条例等を守り、由布市の優れた環境や景観の保全と継承に努めるとともに、市が実施する施策に積極的に協力するものとする。

第10章 条例の検討及び見直し

(条例の検討及び見直し)

第27条 市民、市及び議会は、自治の推進に向けた取り組みをとおして、この条例の不断の検証に努め、必要な見直しを行うなど将来にわたりこの条例を発展させるものとする。

附 則

この条例は、公布の日から施行する。

由布市住民自治基本条例

平成21年9月25日 条例第39号

(平成21年9月25日施行)

体系情報
第1編 規/第1章 市制施行
沿革情報
平成21年9月25日 条例第39号