○みよし市公契約条例

令和5年12月20日

条例第38号

(目的)

第1条 この条例は、公契約に係る基本方針を定め、市及び公契約の相手方となる事業者の責務を明らかにすることにより、公契約に係る業務に従事する労働者等の適正な労働環境及び事業者の健全で安定した経営環境を確保するとともに、公契約に係る業務の質の向上を図り、もって地域経済の健全な発展及び市民の福祉の増進に寄与することを目的とする。

(定義)

第2条 この条例において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。

(1) 公契約 市が締結する売買、賃借、請負その他の契約及び市と地方自治法(昭和22年法律第67号)第244条の2第3項に規定する指定管理者(以下「指定管理者」という。)が締結する公の施設の管理に関する協定(以下「指定管理協定」という。)をいう。

(2) 特定公契約 公契約のうち、第6条から第14条までの規定の適用を受けるものとして規則で定めるものをいう。

(3) 市長等 市長及び病院事業管理者をいう。

(4) 受注者 市と公契約を締結する者をいう。

(5) 下請負者 下請、再委託その他いかなる名義によるかを問わず、受注者その他の市以外の者から公契約に係る業務の一部を請け負い、又は受託する者をいう。

(6) 事業者 次に掲げる者をいう。

 受注者

 下請負者

 労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の保護等に関する法律(昭和60年法律第88号)の規定により受注者又は下請負者に対して次号アに掲げる者を派遣する者

(7) 労働者等 次に掲げる者をいう。

 事業者に雇用され、公契約に係る業務に従事する労働基準法(昭和22年法律第49号)第9条に規定する労働者(同居の親族のみを使用する事業又は事業所に使用される者及び家事使用人を除く。)

 自らが提供する労務の対価を得るため、受注者又は下請負者との請負の契約により公契約に係る業務に従事する者

(8) 賃金等 公契約に係る労務の対価であって次に掲げるものをいう。

 前号アに該当する者がその雇用する者から得る賃金

 前号イに該当する者がその請負の契約により得る収入

(基本方針)

第3条 市は、公契約に係る施策の実施に当たっては、次に掲げる事項を基本方針とする。

(1) 適正な積算による予定価格を設定するとともに、公契約の品質及び適正な履行を確保すること。

(2) 防災及び災害復旧活動をはじめとする地域社会の維持及び社会的価値の向上に貢献する業者を適正に評価し、将来にわたる公契約の担い手の育成及び確保に寄与すること。

(3) 公契約の過程及び内容の透明性並びに競争の公平性を確保すること。

(4) 談合その他の不正行為の排除を徹底すること。

(5) 労働者等の適正な労働環境を確保すること。

(6) 地域経済の活性化及び健全な発展のために、競争性に配慮しつつ、市内に事務所又は事業所を有する業者(以下「市内業者」という。)の受注機会の確保に努めること。

(市の責務)

第4条 市は、前条に規定する基本方針にのっとり、公契約に関する必要な取組を推進するものとする。

(事業者の責務)

第5条 事業者は、公契約に携わる者としての社会的な責任を自覚し、法令等を遵守するとともに、誠実に当該公契約を履行しなければならない。

2 事業者は、市が実施する公契約に係る施策に従い、公共事業の質を確保しなければならない。

3 事業者は、労働者の適正な労働条件の確保その他の労働環境の整備に努めなければならない。

4 事業者は、公契約に係る業務を下請させ、又は再委託する場合は、相手方にこの条例の趣旨を説明し、理解を得るとともに、法令等を遵守し、適正な元請下請関係を構築するため、下請負者と各々の対等な立場における合意に基づいて公正な下請契約を締結するよう努めなければならない。

5 事業者は、下請負者を選定するときは、市内業者を積極的に活用するよう努めなければならない。公契約に係る業務の実施に必要となる資材等を調達する場合についても、同様とする。

(労働報酬下限額)

第6条 特定公契約において、事業者は労働者等(第2条第7号イに掲げる者及び規則で定める者を除く。)に対し、市長が定める額(以下「労働報酬下限額」という。)以上の賃金を支払わなければならない。この場合において、労働報酬下限額と比較するために用いる賃金の計算方法については、規則で定める。

2 市長は、労働報酬下限額を定めようとする場合は、第15条第1項のみよし市公契約審議会の意見を聴くものとする。

3 市長は、労働報酬下限額を定めたときは、これを告示するものとする。

(労働環境確認書)

第7条 事業者は、特定公契約において賃金、労働時間、社会保険の加入状況その他の労働条件が適正であることを確認するための帳票(以下「労働環境確認書」という。)を市長等に提出するものとする。

2 市長等は、前項の規定により提出された労働環境確認書を閲覧に供するものとする。

(労働者等への周知)

第8条 受注者は、次に掲げる事項について、特定公契約に係る作業が行われる作業場の見やすい適切な場所に掲示し、若しくは備え付け、又は書面で交付することにより、労働者等(規則で定める者を除く。以下同じ。)に周知しなければならない。

(1) 労働者等の範囲

(2) 労働報酬下限額

(3) 次条の規定による申出をする場合の申出先

(4) 次条の規定による申出をしたことを理由に、解雇、請負契約の解除その他不利益な取扱いをしてはならないとされていること。

(労働者等の申出)

第9条 特定公契約に従事する労働者等は、賃金等が支払われるべき日において、支払われるべき賃金等が支払われていない場合又は支払われた賃金の額が労働報酬下限額を下回る場合は、市長等又は事業者にその事実を申し出ることができる。

(不利益取扱いの禁止)

第10条 事業者は、労働者等から前条の規定による申出があった場合は、誠実に対応するとともに、当該労働者等が当該申出をしたことを理由に、解雇、請負契約の解除その他不利益な取扱いをしてはならない。

(立入調査等)

第11条 市長等は、次の各号のいずれかに該当するときは、事業者に対し、必要な報告若しくは資料の提出を求め、又は職員に当該事業者の事業所若しくは作業場に立ち入り、必要な調査をさせることができる。

(1) 労働者等から第9条の規定による申出を受け、その申出の事実を確認するため必要があると認めるとき。

(2) 前号に掲げる場合のほか、特定公契約に係る労働者等の労働環境を確認するため必要があると認めるとき。

2 前項の規定により立入調査をする場合において、市長等は、必要があると認めるときは、労働者等その他の関係者に協力を求めることができる。

3 第1項の規定により立入調査をする職員は、その身分を示す証明書を携帯し、関係者から請求があったときは、これを提示しなければならない。

4 第1項の規定による立入調査の権限は、犯罪捜査のために認められたものと解釈してはならない。

(是正措置)

第12条 市長等は、前条第1項の規定による報告若しくは資料の提出又は立入調査の結果、事業者がこの条例の規定に違反していると認める場合は、事業者に対し当該違反を是正するために必要な措置を講ずるよう指導することができる。

2 前項の規定により是正の指導を受けた事業者は、速やかに是正の措置を講じ、講じた措置及びその結果を市長等に報告しなければならない。

(公表等)

第13条 市長は、事業者が次の各号のいずれかに該当するときは、その旨の公表をし、又は入札参加停止措置若しくは関係機関への通報を行うことができる。

(1) 第7条第1項の規定による労働環境確認書の提出をせず、又は虚偽の記載をしたとき。

(2) 第11条第1項の規定による報告若しくは資料の提出をせず、若しくは虚偽の報告をし、若しくは虚偽の資料の提出をし、又は同項の規定による立入調査を拒み、妨げ、若しくは忌避したとき。

(3) 前条第2項の規定による是正の措置を講ぜず、又は報告をせず、若しくは虚偽の報告をしたとき。

(公契約の解除及び損害賠償)

第14条 市長等は、受注者が前条各号のいずれかに該当するときは、市と受注者との公契約の解除(指定管理協定にあっては、当該指定管理協定に係る指定管理者の指定の取消し又は期間を定めて行う管理の業務の全部若しくは一部の停止の命令)(以下「解除」という。)をすることができる。

2 前項の規定により解除をした場合において、受注者に損害が生じても、市長等は、その損害を賠償する責任を負わない。

3 受注者は、第1項の規定による解除によって市に損害が生じたときは、その損害を賠償しなければならない。

(公契約審議会)

第15条 第6条第2項に定めるもののほか、公契約の実施状況及びこの条例に係る重要事項について、市長の諮問に応じて調査審議し、その結果を市長に答申するため、みよし市公契約審議会(以下「審議会」という。)を置く。

2 審議会は、必要に応じて公契約に関する施策及び必要な事項について、市長に意見を述べることができる。

3 審議会は、委員6人以内をもって組織する。

4 委員は、業者及び労働者の代表者並びに学識経験者その他市長が必要と認める者のうちから、市長が委嘱する。

5 委員の任期は、2年とし、再任を妨げない。ただし、委員が欠けた場合における補欠委員の任期は、前任者の残任期間とする。

6 前各項に定めるもののほか、審議会の組織及び運営について必要な事項は、規則で定める。

(委任)

第16条 この条例に定めるもののほか、この条例の施行に関し必要な事項は、規則又は企業管理規程で定める。

(施行期日)

1 この条例は、令和6年2月1日から施行する。ただし、第6条第2項及び第3項第15条並びに附則第3項の規定は、公布の日から施行する。

(経過措置)

2 第3条から第14条までの規定は、令和6年4月1日以後に業務を開始する公契約について適用する。

(みよし市特別職の職員で非常勤のものの報酬及び費用弁償支給に関する条例の一部改正)

3 みよし市特別職の職員で非常勤のものの報酬及び費用弁償支給に関する条例(昭和31年三好村条例第11号)の一部を次のように改正する。

〔次のよう〕略

みよし市公契約条例

令和5年12月20日 条例第38号

(令和6年2月1日施行)