○赤磐市高圧ガス保安法関係事故措置要領
平成20年3月31日
消防訓令第6号
(趣旨)
第1条 この訓令は、高圧ガス保安法(昭和26年法律第204号。以下「保安法」という。)の適用を受ける高圧ガスに係る事故(以下「事故等」という。)が発生した場合における連絡方法、対応措置、対策の確立方法等に関する事項を定めるものとする。
(定義)
第2条 この訓令における用語の意義は、保安法及び液化石油ガスの保安の確保及び取引の適正化に関する法律(昭和42年法律第149号。以下「液石法」という。)において定めるところによる。
(高圧ガスに係る事故等)
第3条 事故等とは、保安法が適用となる高圧ガスの製造、貯蔵、販売、移動その他の取扱い、消費及び廃棄並びに容器の取扱い(以下「製造等」という。)中に発生したもの又は発生するおそれのあるもので、次に掲げるものをいう。
(1) 爆発(高圧ガス設備等(以下「設備等」という。)が爆発したものをいう。)
(2) 火災(設備等において、燃焼現象が生じたものをいう。)
(3) 噴出・漏洩(設備等において、高圧ガスの噴出・漏洩が生じたものをいう。)
(4) 破裂・破壊等(設備等の破裂・破壊・破損等が生じたものをいう。)
(5) 喪失・盗難(高圧ガス又は高圧ガス容器の喪失又は盗難をいう。)
(6) 高圧ガスの製造のための施設、貯蔵所、販売のための施設、特定高圧ガスの消費のための施設又は高圧ガスを充てんした容器が危険な状態となったとき。
(7) その他
(事故の分類)
第4条 事故が発生した場合は、高圧ガス保安法事故措置マニュアル(平成17年3月29日原院第4号経済産業省原子力安全・保安院長通知。以下「マニュアル」という。)に基づき、次のとおり分類する。
(1) A級事故とは、次のいずれかの一に該当するものをいう。
ア 死者(事故発災より5日以内に死亡した者をいう。以下同じ。)5名以上のもの
イ 死者及び重傷者(負傷の治療に要する期間が30日以上の負傷者をいう。以下同じ。)が合計して10名以上のものであって、ア以外のもの
エ 甚大な物的被害(直接に生ずる物的被害の総額が5億円以上)が生じたもの
オ 大規模な火災、ガスの大量漏洩が現に進行中であって、大災害に発展するおそれがあるもの
カ その発生形態、災害の影響程度、被害の態様(第三者が多数含まれている場合等)、テレビ・新聞等の取扱い等により著しく社会的影響が大きいと認められるもの
(2) B級事故とは、A級事故以外の事故で次のいずれかの一に該当するものをいう。
ア 死者1名以上4名以下のもの
イ 重傷者2名以上9名以下のものであって、ア以外のもの
ウ 負傷者6名以上29名以下のものであって、イ以外のもの
エ 多大な物的被害(直接に生ずる物的被害の総額が1億円以上、5億円未満)を生じたもの
オ 同一事業所において事故が発生した日から1年を経過しない間に発生したもの
カ その発生形態、災害の影響程度、被害の態様(第三者が含まれている場合等)、テレビ・新聞等の取扱い等により社会的影響が大きいと認められるもの
(3) C級事故とは、A級事故及びB級事故以外の事故をいう。
(事故急報)
第5条 消防長は、A級事故及びB級事故の発生を覚知した場合は、直ちに電話等により、岡山県の高圧ガスを担当する課(以下「県」という。)に連絡するものとする。
2 消防長は、C級事故の発生を覚知した場合は、直ちに電話等により、県に連絡するものとする。ただし、勤務時間外の場合は、直近の勤務日に連絡するものとする。
3 前2項の連絡は、火災・災害等即報要領に掲げる項目について行うものとする。
(事故現場への出動)
第6条 消防長は、A級事故及びB級事故にあっては当該事故が発生した場合、C級事故にあっては必要と認めた場合、担当職員を事故現場に派遣して、事故の調査にあたらせるものとする。この場合、派遣された者は、高圧ガス事故報告書(別記様式)に掲げる項目について調査を行い県に報告する。ただし、その途中経過及び結果は、消防長に報告するものとする。
2 消防長は、事故等が発生した場合において、これに関係する事業所のみでは対応できない場合等にあっては、必要に応じて関係団体の協力を得て調査を行うものとする。
3 第1項の調査に当たっては、県と連携して実施するものとする。
(事故措置等)
第7条 消防長は、事故の状況により、次に掲げる措置を行うものとする。
(1) 二次災害の可能性を考慮し、安全が確認されるまで原因究明等の調査を継続する。
(2) 事故原因(直接的・間接的発生原因、被害拡大原因等)を究明するための調査・検討を行う。
(3) 事故の再発を防止するための対策(事故当事者に対する対策、関連業界に対する対策等)を検討し確立する。
(4) A級事故及びB級事故が発生した場合であって、事故原因の究明、今後の対策の検討のため、専門家及び学識経験者等による調査が必要であると認められるときは、必要に応じて事故調査委員会を設置し、調査を行うものとする。
(5) 法令違反の有無(事故原因に関わりのない法令違反及び事故当事者のみならず関連事業者における法令違反を含む。)について調査検討する。
(6) 当該事業所に法令違反がある場合には、法令に基づき必要な処分を行う。
(7) 必要と認めるときは、次に掲げる対策等を講ずるものとする。
ア 当該事業所に対し、保安上必要と認められる事項について改善を指導する。この場合、必要に応じて実施結果を報告することを併せて指導する。
イ 事故の内容(原因、状況、対策等)を公表し、注意を喚起するとともに、業界団体又は同種事業所に対し、注意書の配布、改善事項の指示、説明会等により指導する。
ウ 同種事業所に対し、一斉立入検査を実施する。
エ 過去の事故の原因を分析して対策、改善事項を集約して、保安検査、立入検査等において指導する。
2 消防長は、次のような場合であって、公共の安全の維持又は災害の発生防止のため必要があると認める場合は、保安法第39条による緊急措置を命じるものとする。
(1) 事故により、火災、ガスの大量漏えい等が継続中であって、更に被害の拡大が予想されるとき。
(2) 事故の発生原因が不明であり、かつ、操業を継続又は再開によって再度、同種事故の発生が予測されるとき。
(3) 事故の原因となった状況が、当該事業所内の他の設備にも明らかに存在し、同種事故が発生するおそれが極めて大きいとき。
(事故報告)
第8条 消防長は、A級事故又はB級事故が発生した場合は、事故発生の日から7日以内にマニュアルに定める高圧ガス事故調査報告書(以下「調査報告書」という。)により県に報告するものとする。
2 消防長は、C級事故が発生した場合は、1か月分を取りまとめ、調査報告書を翌月の5日までに県へ報告するものとする。
3 消防長は、事故の原因等の調査に長期間を要する事故については、調査報告書により翌月5日までに中間報告を行う。
また、調査終了日の含まれる月の翌月5日までに調査報告書(確報)を県に提出するものとする。
4 消防長は、前各項に掲げる事故の報告後、報告内容について新たな事実の判明又は変更があった場合は、県に追加報告を行うものとする。
(不明である場合の対応)
第9条 消防長は、事故が保安法の適用を受ける事故かどうか不明である場合でも、保安法に係るものでないと確認されるまでは、保安法に係る事故として対応するものとする。
(その他)
第10条 この訓令に定めるもののほか、必要な事項は、消防長が別に定める。
附則
この訓令は、平成20年4月1日から施行する。