○赤磐市コンプライアンス条例

令和2年12月21日

条例第24号

目次

第1章 総則(第1条―第2条)

第2章 職員の基本姿勢(第3条―第6条)

第3章 コンプライアンス審査会(第7条―第13条)

第4章 コンプライアンス委員会(第14条)

第5章 要望等への対応(第15条―第19条)

第6章 公益通報(第20条―第24条)

第7章 雑則(第25条―第27条)

附則

第1章 総則

(目的)

第1条 この条例は、職員等の職務に係る法令遵守及び倫理保持のための環境及び体制の整備を図り、公正な職務執行を確保することによって、透明で市民に信頼される市政を確立することを目的とする。

(定義)

第2条 この条例において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。

(1) 職員 地方公務員法(昭和25年法律第261号。以下「法」という。)第3条第2項に規定する一般職に属する職員、同条第3項に規定する特別職に属する職員のうち市長、副市長、教育長、地方公営企業の管理者及び嘱託員をいう。

(2) 職員等 次に掲げるものをいう。

 職員

 本市に対し公益通報者保護法(平成16年法律第122号)第2条第1項に規定する労務を提供する者(以下「受託者」という。)

 指定管理者(地方自治法(昭和22年法律第67号)第244条の2第3項に規定する指定管理者をいう。以下同じ。)並びにその役員及び管理の業務に従事している者

 労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の就業条件の整備等に関する法律(昭和60年法律第88号)に基づき市の業務に従事している者

(3) 任命権者 法第6条第1項に規定する任命権者をいう。

(4) 事業者等 受託者又は指定管理者の役員、従業員その他の者をいう。

(5) 要望等、職員等以外の者が職員等に対して行う当該職員等の職務に関する要望、提言、提案、意見、相談、依頼、苦情その他これらに類するものであって、職員の作為又は不作為を求める行為をいう。

(6) 不正な要望等 前号に掲げる要望等のうち次に掲げるものをいう。

 正当な理由なく次に掲げることを求める行為

(ア) 特定の者に対して著しく有利な又は不利な取扱いをすること。

(イ) 特定の者に対して義務のないことを行わせ、又はその権利の行使を妨げること。

(ウ) 職務上知り得た秘密を漏らすこと。

(エ) 執行すべき職務を執行せず、又は定められた期限までに執行しないこと。

(オ) (ア)から(エ)までに掲げるもののほか、法令(条例、規則、訓令等を含む。以下同じ。)に違反すること又は職員等の職務に係る倫理に反することを行うこと。

 本市が当事者となる契約において、本市以外の契約の当事者に不当な利益が生じるよう契約の対価又は条件を操作する行為

 職員等の公正な職務の執行を妨げることが明白である要望等をする行為

 次に掲げる行為その他暴力又は粗野、乱暴な言動その他の社会的相当性を逸脱した手段により要望等をする行為

(ア) 暴力的行為

(イ) 脅迫的行為

(ウ) 正当な理由なく面談等を要求する行為

(エ) 粗野又は乱暴な言動により職員の生命、身体、身分等に不安を抱かせる行為

(オ) 書面、街宣活動等により市の業務を妨害する又はそのおそれがある行為

(カ) 正当な権利がないにもかかわらず権利があるとする行為

(キ) 庁舎等の保全及び庁舎等における秩序の維持並びに事務事業の執行に支障を生じさせる行為

(7) 公益通報 職員等が知り得た行政運営上の違法又は不当な行為に関して行われる不正の是正又は防止のための通報をいう。

(8) 公益通報者 公益通報をした職員等をいう。

第2章 職員の基本姿勢

(倫理に係る理念)

第3条 職員は、常に公務員としての倫理の保持に努めなければならない。

(職員の倫理に係る基本原則)

第4条 職員は、全体の奉仕者であることを自覚し、正当な理由なく一部のものに対して有利又は不利な取扱いをする等不公正な扱いをしてはならず、常に市民の立場に立って真摯に職務を遂行しなければならない。

2 職員は、自らの行動が市全体の信用に影響を及ぼすことを認識し、職務上の地位を私的な利益のために利用してはならない。

3 職員は、職務上知り得た情報を適正に管理することにより、公正な職務の執行を損なわないようにしなければならない。

4 職員は、特に自らの職務に関連する法令に精通するよう努め、職務を適正に執行しなければならない。

5 職員は、職務の執行に当たり、何人に対しても法令遵守の姿勢を堅持するとともに、不当な要求又は行為に対しては、厳正な態度で臨まなければならない。

6 職員は、行政の透明化の推進と説明責任を果たすことにより、市政に対する市民の理解と協力を得られるよう努めなければならない。

(任命権者の責務)

第5条 任命権者は、職員に対する研修の実施、公益通報者の保護及び不正な要望等への適切な対応ができる体制整備等この条例の目的を達成するため、必要な措置を講じなければならない。

(職員の責務)

第6条 職員は、要望等があったときは、これに対し誠実かつ公正に対応し、不正な要望等に対して毅然として対応するとともに、前条に規定する基本原則に従って公益通報を行うなど不正な要望等の防止及び早期発見に努めるものとし、不正な要望等を認知した場合にはこれを放置してはならない。

2 管理監督の地位にある職員は、その職責の重要性を自覚し、常に率先垂範して服務規律の確保及び公正な職務の執行に当たるとともに、職員の職務に係る倫理の保持を図るため、部下職員を適切に指導監督しなければならない。

第3章 コンプライアンス審査会

(コンプライアンス審査会の設置)

第7条 不正な要望等に係る諮問並びに公益通報を処理するため、地方自治法第138条の4第3項の規定により、附属機関として、赤磐市コンプライアンス審査会(以下「審査会」、という。)を置く。

(審査会の組織)

第8条 審査会は、委員3人をもって組織する。

2 委員は、弁護士、学識経験者その他法令又は行政運営等に関し優れた見識を有する者の中から市長が委嘱する。ただし、市長は、次の各号のいずれかに該当する者を委員としてはならない。

(1) 懲戒処分等により、弁護士等の業務を停止させられた者で現にその処分を受けている者

(2) 市議会議員

(3) 職員

3 委員の任期は2年とする。ただし、補欠の委員の任期は、前任者の残任期間とする。

4 委員は、再任することができる。

(審査会の職務)

第10条 審査会は、必要に応じ次に掲げる職務を行う。

(1) 不正な要望等に関する諮問についての調査及び審査

(2) 公益通報の受理、調査及び審査

(3) 前各号に掲げるもののほか、不正な要望等及び公益通報に関し必要な事項

(特定の事件についての制限)

第11条 委員は、自己若しくは父母、祖父母、配偶者、孫、若しくは兄弟姉妹の一身上に関する事件又は自己若しくはこれらの者の従事する業務に直接の利害関係のある事件については、調査及び審査をすることができない。

(委員の解嘱)

第12条 市長は、委員が心身の故障のため職務の遂行に堪えないと認めるとき又は委員に職務上の義務違反その他審査会の委員としてふさわしくない行為があると認めるときは、解嘱することができる。

(委員の責務)

第13条 委員は、この条例に基づく報告、公表等を行う場合を除き、職務に関して知りえた秘密を漏らしてはならない。委員でなくなった後も、同様とする。

第4章 コンプライアンス委員会

(コンプライアンス委員会の設置)

第14条 庁内に、赤磐市コンプライアンス委員会(以下「委員会」という。)を置く。

2 委員会の委員は、職員のうち規則で定める者をもって充てる。

3 前2項に定めるもののほか、委員会の組織及び運営に関し必要な事項は、規則に定める。

第5章 要望等への対応

(要望等への対応の基本原則)

第15条 職員は、市民と市との協働及び市民の参画を推進するため、市政運営に対する要望等の重要性を十分理解し、誠実にその内容を受け止め、適正に対応するものとする。

2 職員は、特定の者を特別に扱うことを求める要望等に対しては、他の者の権利及び利益を害さないよう十分に留意し、正当な理由なく、特定の者に対して便宜又は利益を図ることにならないよう慎重かつ適切に対応するものとする。

3 職員は、不正な要望等が行われた場合又は行われるおそれがあると認める場合は、市民に信頼される公正で公平な職務の執行及び職員自身の安全確保を図るため、複数の職員により組織的に毅然とした態度で対応するものとする。

(不正な要望等の報告)

第16条 不正な要望等を受けたと判断した職員は、その内容を書面により記録して、速やかに任命権者に報告するものとする。

2 任命権者は、前項の報告を受けたときは、その記録を委員会に提出するものとする。ただし、不正な要望等に該当しないことが明らかな場合は、この限りでない。

(審査会への諮問)

第17条 任命権者は、次に掲げる事項について必要があると認めるときは、審査会に諮問するものとする。

(1) その内容が不正な要望等に該当するか否か判断できないものへの対応

(2) 不正な要望等を中止させるために必要な措置

(3) その他職員等の公正な職務の執行の確保に関する事項

(不正な要望等に係る審査会の所掌事務)

第18条 審査会は、前項の規定による諮問について、不正な要望等に該当するか否かの調査及び審査を行うこととする。

2 審査会は、審査の結果不正な要望等に該当すると認めるときは意見を付して、該当しないと認めるときはその旨を任命権者及び委員会に通知するものとする。

(不正な要望等に対する措置等)

第19条 任命権者は、前条の規定により審査会から不正な要望等と認めるとの通知を受けたときは、審査会の意見を尊重し、事実の確認を行い、不正な要望等を行った者に対し警告を行う等必要な措置を講じ、必要と認めるときは、告訴、告発、仮処分申請、訴えの提起等の法的措置を講じるものとする。

第6章 公益通報

(職員等による公益通報)

第20条 職員等は、市の事務若しくは事業、受託者の当該受託業務又は指定管理者が管理する公の施設の当該管理の業務に関し、次の各号のいずれかに該当する事実があると思料するときは、審査会又は委員会に対して公益通報を行うことができる。

(1) 法令に違反し、又は違反するおそれのある事実

(2) 人の生命、身体、財産その他の権利及び利益を害し、又はこれらに重大な影響を与えるおそれのある事実

(3) 前2号に掲げるもののほか、行政運営上の不当な事実

2 職員等は、公益通報を行う場合は、実名で書面をもってしなければならない。ただし、公益通報の内容を客観的に証明できる資料、根拠を審査会に示すことができる場合は、匿名で通報することができる。

3 職員等は、公益通報制度を濫用してはならない。

(公益通報者の責務)

第21条 公益通報者は、事実に基づき誠実に公益通報を行わなければならない。

2 公益通報者は、不正の利益を得る目的、他人に危害を加える目的その他の不正の目的で通報してはならない。

3 公益通報者は、公益通報に関する調査及び審査に協力しなければならない。

4 公益通報者は、公益通報に関する調査及び審査の状況等を漏えいしてはならない。

(不利益な取扱いの禁止)

第22条 任命権者又は事業者等は、公益通報を行ったことを理由として公益通報者に対し、いかなる不利益をも与えてはならない。

2 公益通報者は、正当な公益通報をしたことによって不利益な取扱いを受けたと思料するときは、審査会に対し、その是正を申し出ることができる。

3 任命権者又は事業者等は、公益通報者を保護するため、公益通報者が特定されるおそれのある情報を公開してはならない。

(公益通報に係る審査会の事務)

第23条 審査会は、公益通報を受けたときは、当該公益通報を受理し、調査及び審査を行うものとする。

2 前項の規定にかかわらず、審査会は、調査の結果公益通報の内容が次の各号のいずれかに該当すると認めるときは、審査を開始しない旨の決定をすることができる。

(1) 監査委員による監査がされており、又は監査が終了したもの

(2) 係属中の訴訟に係るもの又は判決、裁決等がされたもの

(3) 刑事訴訟法(昭和23年法律第131号)の規定による告訴若しくは告発をされたもの又は捜査機関による捜査が行われており、若しくは捜査が終了したもの

(4) 議会、地方自治法第138条の4第3項に規定する附属機関その他これらに準ずる機関において、調査等が行われており、又は調査等が終了したもの

(5) 不正及び不当な行為が是正されるとともに、既に再発を防止するために必要な措置が講じられているもの

(6) 前項の規定による調査若しくは審査を行っており、又は調査若しくは審査が終了したもの

3 審査会は、審査の結果、公益通報の内容が事実である又は不利益な取扱いがあると認めるときは、その内容を明らかにする資料を添えて、公益通報の内容が事実ではない若しくは不利益取扱いがないと認めるとき又は調査を尽くしても違反等の事実若しくは不利益な取り扱いの存否が明らかにならないと認めるときはその旨を任命権者及び委員会に通知するものとする。

4 審査会は、公益通報者に対し、審査結果を通知するものとする。ただし、匿名による場合又は本人が報告を希望しない場合は、この限りでない。

5 第1項及び前2項の規定は、前条第2項の是正の申立ての調査及び審査について準用する。

(公益通報に係る措置等)

第24条 任命権者は、公益通報の内容が事実であるとの通知を審査会から受けたときは、審査会の意見を尊重し、事実の確認を行い、公益通報の内容が事実であると認めるときは、当該公益通報に係る行為を是正するとともに再発を防止するために必要な措置を講じなければならない。

2 任命権者は、公益通報者が公益通報を行ったことにより不利益な取扱いを受け、又は受けるおそれがあると認めるときは、直ちに改善又は防止のために必要な措置を講じなければならない。

3 任命権者は、公益通報の内容が事実でないことが判明した場合において、当該公益通報に係る関係者の名誉が害されたと認めるときは、事実関係の公表その他の名誉を回復するための適切な措置を講じなければならない。

第7章 雑則

(職員等の協力)

第25条 職員等は、不正な要望等又は公益通報事実の調査又は審査のため審査会又は委員会から求められたときは、積極的に協力しなければならない。

2 前項の規定により調査又は審査に協力した者は、その際知り得た秘密を漏らしてはならない。職員等がその職を退いた後も同様とする。

(運用状況の公表)

第26条 市長は、不正な要望等に係る記録等の件数その他の運用状況を取りまとめ、毎年度公表するものとする。

(委任)

第27条 この条例の施行に関し必要な事項は、市長が別に定める。

(施行期日)

1 この条例は、公布の日から施行する。

(赤磐市職員等による公益通報に関する条例の廃止)

2 赤磐市職員等による公益通報に関する条例(平成19年赤磐市条例第15号)は、廃止する。

(赤磐市特別職の職員で非常勤のものの報酬及び費用弁償に関する条例の一部改正)

3 赤磐市特別職の職員で非常勤のものの報酬及び費用弁償に関する条例(平成17年赤磐市条例第44号)の一部を次のように改正する。

〔次のよう〕略

(地方教育行政の組織及び運営に関する法律の一部を改正する法律の施行に伴う関係条例の整理に関する条例の一部改正)

4 地方教育行政の組織及び運営に関する法律の一部を改正する法律の施行に伴う関係条例の整理に関する条例の一部改正(平成27年赤磐市条例第1号)の一部を次のように改正する。

〔次のよう〕略

赤磐市コンプライアンス条例

令和2年12月21日 条例第24号

(令和2年12月21日施行)

体系情報
第3編 執行機関/第1章 市長部局/第1節 事務分掌
沿革情報
令和2年12月21日 条例第24号