○芦屋市障がいを理由とする差別のない誰もが共に暮らせるまち条例

令和2年9月23日

条例第28号

目次

前文

第1章 総則(第1条―第7条)

第2章 障がいを理由とする差別を解消するための施策(第8条―第14条)

第3章 雑則(第15条)

附則

私たちは「障がいのある人もない人も、住みなれた地域で自分らしく輝いて暮らせるまち 芦屋」の実現を目指し、障がい福祉に関する様々な施策を進めてきました。

しかしながら、今もなお日常生活や社会生活を営む上で、障がいへの理解の不足や社会における様々な障壁が存在し、そのため、障がいのある人は、生活のしづらさや不安を抱えているのが現状です。

障がいを理由とする差別を解消するためには、市、市民及び事業者が一体となって取り組み、障がいのある人とない人が、相互の理解と協力によって共に支え合い、暮らしていくことができるまちづくりを進めなければなりません。

ここに、全ての市民が障がいの有無で分け隔てられることなく、相互に人格と個性を尊重し合う、差別のない共生社会を実現するため、この条例を制定します。

第1章 総則

(目的)

第1条 この条例は、障害者基本法(昭和45年法律第84号)の趣旨に基づき、障がいを理由とする差別の解消に関する基本理念を定め、市の責務並びに市民及び事業者の役割を明らかにするとともに、差別の解消を総合的かつ計画的に推進することにより、全ての市民が相互に人格と個性を尊重し合いながら共生する地域社会を実現することを目的とする。

(基本理念)

第2条 相互に人格と個性を尊重し合いながら共生する地域社会を実現するため、全ての市民が基本的人権を享有する個人として、等しくその尊厳が重んじられなければならない。

2 障がいの有無にかかわらず、誰もが参加できる地域社会を実現するため、市、市民及び事業者が一体となって、相互理解と合理的配慮の推進に取り組まなければならない。

(定義)

第3条 この条例において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。

(1) 障がいのある人 身体障がい、知的障がい、精神障がい(発達障がいを含む。)その他の心身の機能の障がい(以下「障がい」という。)がある者であって、障がい及び社会的障壁により継続的に日常生活又は社会生活に相当な制限を受ける状態にあるものをいう。

(2) 社会的障壁 障がいのある人にとって日常生活又は社会生活を営む上で障壁となるような社会における事物、制度、慣行、観念その他一切のものをいう。

(3) 市民 市内に居住し、又は通勤し、若しくは通学する者をいう。

(4) 事業者 市内において事業活動を行う者をいう。

(5) 差別 客観的に正当かつやむを得ないと認められる特別な事情なしに、障がいのある人に対して障がいを理由とする不当な差別的取扱いをすること又は合理的配慮を怠ることをいう。

(6) 不当な差別的取扱い 客観的に正当かつやむを得ないと認められる特別な事情なしに、障がいを理由として、障がいのある人を区別、排除若しくは制限し、又は条件を課し、その他の異なる取扱いをすることにより、障がいのある人の権利利益を侵害することをいう。

(7) 意思の表明 障がいのある人及びその家族若しくは支援者又は事業者(以下「障がいのある人等」という。)から、具体的場面において、社会的障壁の除去に関する配慮を必要としている状況にあることを言語(手話を含む。)のほか、筆談、身振りサイン等障がいのある人が他者とコミュニケーションを図る際に必要な手段により伝えられるものをいう。

(8) 合理的配慮 社会通念上相当と認める範囲を超えた過重な負担とならない程度で、障がいのある人の権利利益を侵害することとならないよう、当該障がいのある人の性別、年齢及び障がいの状態に応じて、社会的障壁を取り除くために必要かつ適当な現状の変更又は調整を行うことをいう。

(不当な差別的取扱いの禁止)

第4条 市、市民及び事業者は、不当な差別的取扱いをしてはならない。

(市の責務)

第5条 市は、この条例の目的を達成するため、基本理念にのっとり、障がいのある人をはじめ、市民、事業者及び障がい者団体等の参加を得て差別の解消に関する施策を実施するものとする。

2 市は、その事務又は事業を行うに当たり、障がいのある人等から現に社会的障壁の除去を必要としている旨の意思の表明があった場合は、合理的配慮を提供しなければならない。

3 市は、社会的障壁の除去についての必要かつ合理的配慮を的確に行うため、自ら設置する施設の構造の改善及び設備の整備、関係職員に対する研修の実施その他必要な環境の整備に努めなければならない。

4 市は、合理的配慮の提供のあり方について調査及び研究を行い、合理的配慮の提供の支援に努めなければならない。

(事業者の役割)

第6条 事業者は、障がい及び障がいのある人に対する理解を深め、差別の解消に努めるものとする。

2 事業者は、その事業を行うに当たり、障がいのある人等から現に社会的障壁の除去を必要としている旨の意思の表明があった場合、合理的配慮を提供しなければならない。

3 事業者は、社会的障壁の除去についての合理的配慮を的確に行うため、自ら設置する施設の構造の改善及び設備の整備、関係職員に対する研修の実施その他必要な環境の整備に努めるものとする。

(令5条例28・一部改正)

(市民の役割)

第7条 市民は、障がい及び障がいのある人に対する理解を深め、差別の解消に努めるものとする。

第2章 障がいを理由とする差別を解消するための施策

(障がいの理解に関する施策の実施)

第8条 市は、障がい及び障がいのある人に対する市民及び事業者の理解を深めるため、研修その他必要な施策を実施するものとする。

2 市は、障がいのある人とない人との相互理解を深めるため、障がいのある人とない人が互いに交流することができる機会の提供その他必要な施策を実施するものとする。

(合理的配慮の提供支援に関する施策の実施)

第9条 市は、事業者が合理的配慮の提供を行うことができるよう、合理的配慮の提供支援に関する施策を実施するものとする。

(社会参加の機会の拡大)

第10条 市は、障がいのある人の社会参加の機会を拡大するため、事業を実施するに当たっては、障がいのある人もない人も共に参加できるよう努めるものとする。

(政策形成過程への参画)

第11条 市は、市政に関する政策形成過程において、障がいのある人(その家族及び支援者を含む。次条第2項において同じ。)からの意見の聴取を行うよう努めるものとする。

(障害者(児)福祉計画との関係)

第12条 市は、障がいを理由とする差別の解消に関する取組について、芦屋市障害者(児)福祉計画(障害者基本法第11条第3項の規定に基づき策定された計画をいう。この条において同じ。)に定めるものとする。

2 市は、前項の取組を定めるに当たり、芦屋市障害者(児)福祉計画の策定において障がいのある人の意見を反映させるため、参画の機会を設けなければならない。

(令5条例28・一部改正)

(相談及び助言等)

第13条 市又は市が委託する相談機関(以下「相談機関」という。)は、障がいを理由とする差別についての相談に的確に応ずるものとする。

2 市又は相談機関は、前項の規定による相談を受けたときは、必要に応じて次に掲げる対応を行うものとする。

(1) 障がいのある人等への事実の確認及び調査

(2) 障がいのある人等に必要な助言及び情報提供

(3) 相談に係る関係者間の調整

(4) 前3号に掲げるもののほか障がいを理由とする差別を解消するために必要な対応

(施策の実施状況の確認及び評価)

第14条 市は、この条例に基づく施策の実施状況を確認し、及び評価した上で公表し、施策に反映するものとする。

第3章 雑則

(補則)

第15条 この条例の施行について必要な事項は、市長が別に定める。

この条例は、令和3年1月1日から施行する。

(令和5年12月22日条例第28号)

この条例は、令和6年4月1日から施行する。

芦屋市障がいを理由とする差別のない誰もが共に暮らせるまち条例

令和2年9月23日 条例第28号

(令和6年4月1日施行)