○モーターボート競走競技規程

平成20年3月27日認可

国海総第512号

第1章 通則

(定義)

第1条 この規程は、モーターボート競走法(昭和26年法律第242号。以下「競走法」という。)第33条第1号の業務を行うために、財団法人日本モーターボート競走会(以下「競走会」という。)が行うモーターボート競走の競技に関する必要な事項について、競走法第34条第1項の規定に基づき定めるものとする。

2 この規程において、使用する用語は、次の各号のとおりとする。

(1) 競技とは、展示航走のほか、モーターボートがピットアウトしてから、待機行動した後、スタートし、ゴールインするまでの航走をいう。

(2) 展示航走とは、出場する選手、ボート及びモーターを観客に紹介するための、次の2つの航走をいう。

 周回展示航走とは、競技委員長の指示する場所から、競走水面を周回し、ピットインした後、競技委員長が周回展示航走を終了したと認めるまでの航走をいう。

 スタート展示航走とは、ピットアウトしてから、待機行動し、スタートラインを通過した後、競技委員長が指示する場所までの航走をいい、周回展示航走と併せて実施することができる。

(3) ピットアウトとは、ピットを離れることをいい、また、ピットインとは、ピットに着くことをいう。

(4) 待機行動とは、待機水面において、モーターボートが、ピットアウトした後、スタートラインに正対(真っ直ぐ向くことをいう。)するまでの待機航走及びスタートラインに正対してからスタートラインを通過する直前までの進入航走をいう。

(6) 待機水面とは、モーターボート競走場の施設及び設備の基準を定める告示に規定する出走すべきモーターボートの待機の用に供する水面で、スタートライン及びその延長線より、第2ターンマーク方向の標識物等により区分された水域をいう。

(7) 進入固定競走とは、ピットアウトした後、スタートラインに向かって左側から右側に、番号札の番号の小さいモーターボートから順に並び進入航走する競走をいう。

(8) 第10条から第27条までのモーターボートとは、選手がモーターボートに乗っており、落水していない状態をいう。

(9) 事故艇とは、モーターボートの転覆・沈没、選手の負傷・落水、モーターの火災・停止、又はボート・モーターの不調により、正常に航走できないモーターボートをいう。

(10) 落水とは、選手の身体がモーターボートから完全に離脱した場合、又は速やかに元の状態に戻ることができないと審判委員長が認めた場合をいう。

(11) ボートの破損とは、ボートの先端の欠落等審判委員長が性能に大きく影響すると認める場合をいう。

(12) ターンマークとは、モーターボートの周回の用に供する2つのブイをいう。なお、ターンマーク間の距離は300mとし、主審判室から見て、右側のターンマークを第1ターンマーク、左側のターンマークを第2ターンマークという。

(競走執行委員長の裁定)

第2条 この規程に定める事項以外の事項は、競走執行委員長が裁定する。

(全能力の発揮)

第3条 選手は、競技において、全能力を発揮しなければならない。

第2章 選手及びモーターボート

(装着及び装備)

第4条 選手は、次の各号に掲げるものを装着しなければならない。

(1) 選手が使用するモーターボートの番号を背部に明記した長袖の上着

(2) モーターボート競走用の硬質ヘルメット及び救命胴衣

2 前項に掲げる長袖の上着の色、モーターボート競走用の硬質ヘルメット及び救命胴衣の性能は、競走会が別に定める。

第5条 選手は、出走時に使用するモーターボートに2枚の番号札を装備しなければならない。

2 番号札の位置は、モーターボートの甲板の中心線の両側とする。

3 番号札の番号は、明瞭なものとし、その寸法は、競走会が別に定める。

(燃料及び整備)

第6条 選手は、競技に出場するため、モーターに競走会が別に定める燃料を使用しなければならない。

2 選手は、競技に出場するため、競走会が別に定める要領によりモーターボートを整備しなければならない。

第3章 競技

(スタート展示航走の方法)

第7条 選手は、スタート展示航走を実施する場合において、競技委員長の指示に従い、出走時に使用するモーターボートで、ピットアウトしてから、待機行動し、競走水面を正常に航走しなければならない。この場合において、正常に航走しなかった場合とは、次の各号の1に該当するときをいう。

(1) 他のモーターボートに助力を与え、又は助力を受けて航走したとき。

(2) モーターボートが転覆・沈没し又は選手が負傷・落水したとき。

2 前項において、次の各号の1に該当する場合であって競技委員長がスタート展示航走ができないと判断したときは、選手は、スタート展示航走を行わなくても差し支えない。

(1) 係留機の故障、モーターの停止、又はボート・モーターの不調等により、ピットアウトすることができないとき。

(2) スタート展示航走のためピットアウトした後、モーターの火災・停止、ボートの破損、ボート・モーターの不調があったとき、又は天候の急変等により安全な航走ができないと認めたとき。

3 スタート展示航走において、競技委員長が次の各号の1に該当すると認めた場合は、一旦、スタート展示航走を中止し、再度ピットアウトからやり直すことができる。

(1) 第4条又は第5条の規定に違反したモーターボートがあるとき。

(2) 前項第1号に該当するモーターボートがあるとき。

(3) 事故艇その他障害物等を除去する必要があるとき。

4 第1項の待機行動の方法は、競走会が別に定める。

(周回展示航走の方法)

第8条 選手は、周回展示航走において、競技委員長の指示に従い、出走時に使用するモーターボートで、競走水面を正常に航走しなければならない。この場合において、正常に航走しなかった場合とは、次の各号の1に該当するときをいう。

(1) 他のモーターボートが周回展示航走を終了するまでに、周回展示航走のためにピットアウトできないとき。

(2) モーターの停止、ボート・モーターの不調、水面状況、又は浮流物等のため、航走状態に異常が生じたとき。ただし、ボート・モーターが正常な状態に戻った場合であって、1周又は2周の周回展示航走を行ったときは、この限りでない。

(3) 選手がボート・モーターの性能を十分に発揮させなかったとき、競走水面外を航走したとき、又はターンマークを順次回らなかったとき。

(4) モーターボートが転覆・沈没し、選手が負傷・落水し、モーターが火災を起こし、又はボートが破損したとき。

2 前項における周回の回数は、原則として2回とする。

(周回展示航走後の待機場所及びモーターボートの部品交換等)

第9条 選手は、前条の周回展示航走が終わった後、競技委員長の指示する場所に待機しなければならない。

2 選手は、周回展示航走が終わったモーターボートの部品交換、取付け状態の変更等をしてはならない。

(周回の方法)

第10条 モーターボートは、スタート後ゴールインするまでの間、競走水面を航走するものとし、ターンマークを順次回らなければならない。ただし、他のモーターボートの妨害その他やむを得ない理由により、競走水面外を航走した場合又はターンマークを順次回らなかった場合であって、直ちに正常な状態に戻したときは、競走水面を航走し又はターンマークを順次回ったものとする。なお、周回の回数は、原則として3回とする。

(助力)

第11条 選手は、スタート後ゴールインするまでの間、他のモーターボートに助力を与え、又は助力を受けてはならない。

(スタートライン及びゴールライン)

第12条 スタートライン及びゴールラインは、センターポールの中心線と発走信号用時計の文字盤の右端を競走水面上に見透した線とする。

(スタートの方法)

第13条 スタートの方法は、フライングスタートとする。この場合において、モーターボートは、競技委員長の指示に従い、速やかにピットアウトしなければならない。ただし、係留機の故障等により速やかにピットアウトできなかった場合は、この限りでない。

2 モーターボートは、ピットアウト後、正常に待機行動しなければならない。この場合において、正常に待機行動をしなかった場合とは次の各号の1に該当するときをいう。

(1) 他のモーターボートに助力を与え、又は助力を受けて航走したとき。

(2) モーターボートが転覆・沈没し、選手が落水し、モーターが火災を起こし、又はボートが破損したとき。

(3) モーターボートがスタートラインを通過する直前にボート・モーターの不調又は浮流物によりモーターボートの速度が著しく低下したとき。

(4) 第14条第1項において、審判委員長が除去する必要があると認め、ピットアウトからのやり直しの原因となった事故艇(選手の負傷、モーターの停止又はボート・モーターの不調により、正常に航走できないモーターボートに限る。)に該当したとき。

3 前項の待機行動の方法は、競走会が別に定める。

4 スタートにおいては、スタート時刻の1分前以前は、時間表示装置により、1分前からの経過は、発走信号用時計により知らせる。

5 スタートにおいては、モーターボートは第2ターンマークを左方向に見てスタートラインに向うものとし、スタート時刻以降1.0秒以内に正常にスタートしなければならない。この場合において正常にスタートしなかった場合とは、次の各号の1に該当するときをいう。

(1) モーターボートがスタート時刻前にスタートラインを通過したとき。(フライング)

(2) モーターボートがスタート時刻から1.0秒を経過してもスタートラインを通過しなかったとき。(出遅れ)

(3) モーターボートがスタートラインを通過する時にボート・モーターの不調又は浮流物によりモーターボートの速度が著しく低下したとき。

(4) モーターボートがスタートラインを通過する時にモーターボートが転覆・沈没し、選手が落水し、モーターが火災を起こし若しくは停止し、又はボートが破損したとき。

(ピットアウトのやり直し)

第14条 待機行動において、第4条又は第5条の規定に違反したモーターボートがあった場合、係留機の故障等により速やかにピットアウトできないモーターボートがあった場合、又は審判委員長が事故艇その他障害物等を除去する必要があると認めた場合及びピットアウト後、天候の急変等により安全な競走ができないと認めた場合は、一旦、競技を中止し、再度、ピットアウトからやり直すことができる。

2 進入固定競走においては、第1条第2項第7号に規定する進入航走と異なる進入航走があった場合、審判委員長は、一旦、競技を中止し、再度、ピットアウトからやり直すことができる。

(ゴールインの制限時間)

第15条 モーターボートは、先頭のモーターボートがゴールインした時から30秒以内にゴールインしなければならない。

(スタート及びゴールイン)

第16条 スタートは、モーターボートの艇首がスタートラインを過ぎる時とし、ゴールインは、モーターボートの一部がゴールラインに達した時とする。

(モーターボートの航法)

第17条 モーターボートは、スタート後ゴールインするまでの間、他のモーターボートに接触又は極度に接近してはならない。ただし、他のモーターボートの妨害により接触又は極度に接近することとなった場合その他やむを得ない場合は、この限りでない。なお、妨害とは、他のモーターボートの正常な航走を妨げることをいう。

第18条 削除

第19条 モーターボートは、スタート後ゴールインするまでの間、他のモーターボートと接近して並行している場合は、そのモーターボートに向けて転舵してはならない。ただし、他のモーターボートの妨害により転舵することとなった場合、事故艇又は救助艇を避ける場合その他やむを得ない場合は、この限りでない。

第20条 モーターボートは、スタート後ゴールインするまでの間、ターンマークを左回りしなければならない。ただし、他のモーターボートの妨害によりターンマークを左回りできなかった場合その他やむを得ない場合であって、直ちに回り直したときは、左回りしたものとする。

2 モーターボートは、ターンマークを回る場合は、ターンマークを著しく破損させてはならない。ただし、他のモーターボートの妨害によりターンマークを著しく破損することとなった場合その他やむを得ない場合は、この限りでない。

3 2隻以上のモーターボートがターンマークに接近し、同時にターンマークを回る場合は、外側のモーターボートは、内側のモーターボートに安全な余地を与えなければならない。ただし、他のモーターボートの妨害により、内側のモーターボートに安全な余地を与えることができなかった場合その他やむを得ない場合は、この限りでない。

第21条 モーターボートは、スタート後ゴールインするまでの間、他のモーターボートを追抜く場合は、そのモーターボートを左方向に見て追抜かなければならない。ただし、他のモーターボートの妨害により、左方向に見て追抜くことができなかった場合その他やむを得ない場合、又は安全な間隔がある場合は、この限りでない。

第22条 削除

第23条 モーターボートは、スタート後ゴールインするまでの間、事故艇又は救助艇がある場合は、当該事故艇又は救助艇と安全な間隔を保って航走しなければならない。

2 モーターボートは、ターンマーク付近において救助艇又は事故艇がある場合は、審判委員長の指示により、その外側を(救助艇又は事故艇の外側に安全な間隔がない場合にあっては、その内側を)航走しなければならない。ただし、事故艇が移動している場合その他やむを得ない場合は、この限りでない。

(離脱する場合の航法)

第24条 出走資格を喪失したモーターボート及び失格となったモーターボートは、他のモーターボートの航走を妨げないよう速やかに競技から離脱しなければならない。

第4章 出走資格の喪失・失格等

(出走資格の喪失)

第25条 審判委員長が第7条第1項第8条第1項第9条第2項第13条第1項同条第2項、又は同条第5項の規定に違反したと認めた場合は、そのモーターボートは出走資格を喪失する。

(失格)

第26条 審判委員長が次の各号の1に該当すると認めた場合は、そのモーターボートは失格とする。

(1) 第10条第11条第15条第20条第1項同条第2項第23条第1項同条第2項の規定に違反したとき、又は第17条第19条第20条第3項第21条の規定に抵触し、他のモーターボートの正常な航走を妨げたとき。

(2) スタート後ゴールインするまでの間、モーターボートが転覆・沈没し、選手が落水し、又はモーターが停止した場合であって速やかに元の状態に戻ることができないとき。

(不良航法及び失速)

第27条 モーターボートは、スタート後ゴールインするまでの間、不良航法(第17条第19条第20条第3項、又は第21条の規定に抵触する疑いが生じるような航法をいう。)をしてはならない。

2 モーターボートは、スタート後ゴールインするまでの間、操舵不良による失速(モーターボートがキャビテーション等により通常予測される速度が著しく低下した場合をいう。)をしてはならない。

第5章 細則

(細則)

第28条 この規程の実施に必要な事項及び競技に使用する設備等は、競走会が別に定める。

附 則

1 この規程は、平成20年4月1日から施行する。

2 前項の規定にかかわらず、平成20年4月30日以前の日を初日として開催される競走に係る第13条第2項の規定の適用については、次のとおり取り扱うものとする。

2 モーターボートは、ピットアウト後、正常に待機行動しなければならない。この場合において、正常に待機行動をしなかった場合とは次の各号の1に該当するときをいう。

(1) 他のモーターボートに助力を与え、又は助力を受けて航走したとき。

(2) モーターボートが転覆・沈没し、選手が落水し、モーターが火災を起こし、又はボートが破損したとき。

(3) モーターボートがスタートラインを通過する直前にボート・モーターの不調又は浮流物によりモーターボートの速度が著しく低下したとき。

(4) 第14条第1項において、審判委員長が除去する必要があると認め、ピットアウトからのやり直しの原因となった事故艇(選手の負傷、モーターの停止又はボート・モーターの不調により、正常に航走できないモーターボートに限る。)に該当したとき。

(5) スタート展示航走の進入航走と著しく異なる進入航走をしたとき。ただし、審判委員長がやむを得ないと認めた場合は、この限りでない。

モーターボート競走競技規程

平成20年3月27日 国海総第512号

(平成20年4月1日施行)