○千葉市公文書等管理条例

令和5年12月19日

条例第26号

目次

第1章 総則(第1条―第3条)

第2章 公文書の管理(第4条―第16条)

第3章 特定重要公文書等の保存、利用等(第17条―第30条)

第4章 審査請求(第31条―第34条)

第5章 公文書等管理審査会(第35条―第39条)

第6章 雑則(第40条―第43条)

附則

第1章 総則

(目的)

第1条 この条例は、本市の諸活動及び歴史的事実の記録である公文書等が、民主主義の根幹を支える市民共有の知的資源として、市民が主体的に利用し得るものであることに鑑み、公文書等の管理に関する基本的事項を定めること等により、公文書等の適正な管理、特定重要公文書等の適切な保存及び利用等を図り、もって市政が適正かつ効率的に運営されるようにするとともに、本市の諸活動を現在及び将来の市民に説明する責務が全うされるようにすることを目的とする。

(定義)

第2条 この条例において「実施機関」とは、市長、消防長、教育委員会、選挙管理委員会、人事委員会、監査委員、農業委員会、固定資産評価審査委員会及び病院事業管理者並びに議会をいう。

2 この条例において「公文書」とは、実施機関の職員が職務上作成し、又は取得した文書、図画及び電磁的記録(電子的方式、磁気的方式その他人の知覚によっては認識することができない方式で作られた記録をいう。以下同じ。)(以下これらを「文書等」という。)であって、当該実施機関の職員が組織的に用いるものとして、当該実施機関が保有しているもの(議会にあっては、議長が管理しているもの)をいう。ただし、次に掲げるものを除く。

(1) 官報、公報、白書、新聞、雑誌、書籍その他不特定多数の者に販売することを目的として発行されるもの

(2) 本市の図書館その他図書、資料等を閲覧に供し、又は貸し出すことを目的とする施設において管理されているものであって、一般に閲覧させ、又は貸し出すことができるとされているもの

(3) 本市の博物館その他の施設において、歴史的若しくは文化的な資料又は学術研究用の資料として特別の管理がされているもの

(4) 特定重要公文書等

3 この条例において「重要公文書」とは、公文書のうち、市政の重要事項に関わり、将来にわたって本市の諸活動及び歴史を跡付け、又は検証する上で重要な資料であると実施機関が認めるものをいう。

4 この条例において「特定重要公文書」とは、重要公文書のうち、第10条第1項に規定する特定重要公文書等選別基準に適合するとして市長が引き続き保存したもの及び市長に移管されたものをいう。

5 この条例において「特定重要公文書等」とは、次に掲げるものをいう。

(1) 特定重要公文書

(2) 法人その他の団体又は個人から市長に対し寄贈又は寄託の申出があった文書等で、第10条第1項に規定する特定重要公文書等選別基準に適合すると市長が認め、寄贈又は寄託を受けたもの

6 この条例において「公文書等」とは、次に掲げるものをいう。

(1) 公文書

(2) 特定重要公文書等

(他の法令等との関係)

第3条 公文書等の管理については、法令又は他の条例に特別の定めがある場合を除くほか、この条例の定めるところによる。

第2章 公文書の管理

(公文書管理の原則)

第4条 実施機関の職員は、本市の諸活動を現在及び将来の市民に説明する責務を有することを認識し、事務の適正かつ能率的な処理に資するよう、公文書の作成、整理、保存等を適切に行わなければならない。

(文書の作成)

第5条 実施機関の職員は、当該実施機関における経緯も含めた意思決定に至る過程並びに当該実施機関の事務及び事業の実績を合理的に跡付け、又は検証することができるよう、処理に係る事案が軽微なものである場合を除き、文書を作成しなければならない。

(整理)

第6条 実施機関の職員が公文書を作成し、又は取得したときは、当該実施機関は、能率的な事務又は事業の処理及び公文書の適切な保存に資するよう、単独で管理することが適当であると認める公文書を除き、適時に、相互に密接な関連を有する公文書(保存期間を同じくすることが適当であるものに限る。)を一の集合物にまとめなければならない。

2 実施機関は、規則で定めるところにより、単独で管理することが適当であると認める公文書及び前項の規定によりまとめた集合物(以下これらを「文書ファイル」という。)について分類し、名称を付するとともに、保存期間及び保存期間の満了する日を設定しなければならない。

3 実施機関は、前項の規定により設定した保存期間及び保存期間の満了する日を、規則で定めるところにより、延長することができる。

(保存期間が満了したときの措置の定め)

第7条 市長は、文書ファイルについて、保存期間(前条第3項の規定により延長された場合にあっては、延長後の保存期間。以下同じ。)の満了前のできる限り早い時期に、保存期間が満了したときの措置として、重要公文書に該当するものにあっては引き続き保存する措置を、それ以外のものにあっては廃棄する措置をとるべきことを定めなければならない。

2 市長以外の実施機関は、必要に応じて市長に協議を行い、文書ファイルについて、保存期間の満了前のできる限り早い時期に、保存期間が満了したときの措置として、重要公文書に該当するものにあっては市長に移管する措置を、それ以外のものにあっては廃棄する措置をとるべきことを定めなければならない。

(保存)

第8条 実施機関は、文書ファイルについて、当該文書ファイルの保存期間の満了する日までの間、その内容、時の経過、利用の状況等に応じ、適切な保存及び利用を確保するために必要な場所において、適切な記録媒体により、識別を容易にするための措置を講じた上で保存しなければならない。

2 前項の場合において、実施機関は、当該文書ファイルの集中管理の推進に努めなければならない。

(文書ファイル管理簿)

第9条 実施機関は、文書ファイルの管理を適切に行うため、文書ファイルの分類、名称、保存期間、保存期間の満了する日、保存期間が満了したときの措置及び保存場所その他の必要な事項(千葉市情報公開条例(平成12年千葉市条例第52号。以下「情報公開条例」という。)第7条に規定する不開示情報に該当するものを除く。)を帳簿(以下「文書ファイル管理簿」という。)に記載しなければならない。ただし、1年未満の保存期間が設定された文書ファイルについては、この限りでない。

2 市長以外の実施機関は、毎年度、文書ファイル管理簿を市長に提出しなければならない。

3 市長は、毎年度、実施機関が作成した文書ファイル管理簿を取りまとめ、公表しなければならない。

(特定重要公文書等選別基準)

第10条 市長は、公文書又は法人その他の団体若しくは個人から寄贈若しくは寄託の申出があった文書等のうち、市政の重要事項に関わり、将来にわたって本市の諸活動及び歴史を跡付け、又は検証する上で重要な資料となるものを選別するための基準(以下「特定重要公文書等選別基準」という。)を制定するものとする。

2 市長は、特定重要公文書等選別基準を制定し、又は改廃しようとするときは、あらかじめ、千葉市公文書等管理審査会の意見を聴かなければならない。

(保存期間が満了した文書ファイルの取扱い)

第11条 市長は、保存期間が満了した文書ファイルについて、第7条第1項の規定による定めに基づき、引き続き保存し、又は廃棄しなければならない。

2 市長は、前項の規定により文書ファイルを引き続き保存し、又は廃棄しようとするときは、あらかじめ、当該文書ファイルが特定重要公文書等選別基準に適合するか否かについて、千葉市公文書等管理審査会の意見を聴かなければならない。ただし、1年未満の保存期間を設定した文書ファイルを廃棄しようとするときは、この限りでない。

3 市長は、第1項の規定により引き続き保存する文書ファイルについて、第19条第1項第1号に掲げる場合に該当するものとして利用の制限を行うことが適切であると認める場合には、その旨を記録しなければならない。

4 市長以外の実施機関は、保存期間が満了した文書ファイルについて、第7条第2項の規定による定めに基づき、市長に移管し、又は廃棄しなければならない。

5 市長以外の実施機関は、前項の規定により文書ファイルを移管し、又は廃棄しようとするときは、あらかじめ、市長に協議しなければならない。ただし、1年未満の保存期間を設定した文書ファイルを廃棄しようとするときは、この限りでない。

6 市長は、前項の規定による協議があったときは、当該文書ファイルが特定重要公文書等選別基準に適合するか否かについて、千葉市公文書等管理審査会の意見を聴かなければならない。

7 市長は、前項の意見を踏まえ、当該文書ファイルが特定重要公文書等選別基準に適合するか否かについて、当該文書ファイルを保有する実施機関に通知しなければならない。

8 市長以外の実施機関は、第4項の規定により市長に移管する文書ファイルについて、第19条第1項第1号に掲げる場合に該当するものとして市長において利用の制限を行うことが適切であると認める場合には、その旨の意見を付さなければならない。

(管理状況の点検)

第12条 実施機関は、毎年度、文書ファイル管理簿の作成の状況その他の公文書の管理の状況を点検し、必要な措置を講じなければならない。

(管理状況の報告等)

第13条 市長以外の実施機関は、文書ファイル管理簿の作成の状況その他の公文書の管理の状況について、毎年度、市長に報告しなければならない。

2 市長は、毎年度、実施機関における文書ファイル管理簿の作成の状況その他の公文書の管理の状況を取りまとめ、その概要を公表しなければならない。

3 市長は、第1項に定めるもののほか、公文書の適正な管理を確保するために必要があると認める場合には、市長以外の実施機関に対し、公文書の管理について、その状況に関する報告若しくは資料の提出を求め、又は当該職員に実地調査をさせることができる。

(公文書管理体制の整備)

第14条 実施機関は、規則その他の規程で定めるところにより、公文書を適正に管理するために必要な体制を整備しなければならない。

(電磁的記録等による保存)

第15条 実施機関は、公文書(規則で定めるものを除く。)をスキャナにより読み取る等して作成した電磁的記録等(以下この条において「複製」という。)の保存をもって当該公文書の保存に代えることができる。

2 前項の場合において、複製については、複製前の公文書(同項の規定により、スキャナにより読み取る等した公文書をいう。以下この条において同じ。)とみなしてこの条例の規定を適用し、複製前の公文書に係る保存期間については、1年未満とする。

3 前2項に規定するもののほか、複製及び複製前の公文書の取扱いに関し必要な事項は、規則で定める。

(電子化の推進)

第16条 実施機関は、公文書の適正な管理、事務又は事業の効率化等に資するため、公文書の電子化の推進に努めなければならない。

第3章 特定重要公文書等の保存、利用等

(特定重要公文書等の保存)

第17条 市長は、特定重要公文書等について、第29条第1項の規定により廃棄する場合を除き、永久に保存しなければならない。

2 市長は、特定重要公文書等について、その内容、保存状態、時の経過、利用の状況等に応じ、適切な保存及び利用を確保するために必要な場所において、適切な記録媒体により、識別を容易にするための措置を講じた上で保存しなければならない。

3 市長は、特定重要公文書等に個人情報(個人情報の保護に関する法律(平成15年法律第57号)第2条第1項に規定する個人情報をいう。)が記録されている場合には、当該個人情報の漏えいの防止のために必要な措置を講じなければならない。

4 市長は、規則で定めるところにより、特定重要公文書等の分類、名称、移管又は寄贈若しくは寄託をしたものの名称又は氏名、移管又は寄贈若しくは寄託を受けた時期及び保存場所その他の特定重要公文書等の適切な保存を行い、及び適切な利用に資するために必要な事項を記載した目録を作成し、公表しなければならない。

(特定重要公文書等の利用請求)

第18条 何人も、この条例の定めるところにより、前条第4項の目録の記載に従い、市長に対して特定重要公文書等の利用の請求(以下「利用請求」という。)をすることができる。

2 利用請求をしようとするものは、次に掲げる事項を記載した書面(以下この条において「利用請求書」という。)を市長に提出しなければならない。ただし、利用請求に係る特定重要公文書等に、公表を目的として作成し、又は取得した情報その他明らかに利用することができる情報が記録されている場合であって、市長が利用請求書の提出を要しないと認めたときは、市長が定める簡便な方法によることができる。

(1) 利用請求をするものの氏名又は名称及び住所又は事務所若しくは事業所の所在地並びに法人その他の団体にあっては代表者の氏名

(2) 利用請求に係る前条第4項の目録に記載された特定重要公文書等の名称

(3) 前2号に掲げるもののほか、規則で定める事項

3 市長は、利用請求書に形式上の不備があると認めるときは、利用請求をしたもの(以下「利用請求者」という。)に対し、相当の期間を定めて、その補正を求めることができる。この場合において、市長は、利用請求者に対し、補正の参考となる情報を提供するよう努めなければならない。

(利用請求の取扱い)

第19条 市長は、利用請求があった場合には、次に掲げる場合を除き、当該利用請求に係る特定重要公文書等を利用させなければならない。

(1) 当該特定重要公文書等に次に掲げる情報が記録されている場合

 情報公開条例第7条第1号に掲げる情報

 情報公開条例第7条第2号に掲げる情報

 情報公開条例第7条第3号に掲げる情報

 情報公開条例第7条第4号に掲げる情報

 情報公開条例第7条第6号ア又はに掲げる情報

 情報公開条例第7条第7号に掲げる情報

(2) 当該特定重要公文書等がその全部又は一部を一定の期間公にしないことを条件に法人その他の団体又は個人から寄贈又は寄託を受けたものであって、当該期間が経過していない場合

(3) 当該特定重要公文書等の原本を利用に供することにより当該原本の破損若しくはその汚損を生ずるおそれがある場合又は市長が修復作業等のために当該原本を現に使用している場合

2 市長は、利用請求に係る特定重要公文書等が前項第1号に該当するか否かについて判断するに当たっては、当該特定重要公文書等が公文書として作成され、又は取得されてからの時の経過を考慮するとともに、当該特定重要公文書等に第11条第3項の規定による記録がされ、又は同条第8項の規定による意見が付されている場合には、当該記録又は意見を参酌しなければならない。

3 市長は、第1項第1号又は第2号に掲げる場合であっても、同項第1号アからまでに掲げる情報又は同項第2号の条件に係る情報が記録されている部分を容易に区分して除くことができるときは、利用請求者に対し、当該部分を除いた部分を利用させなければならない。ただし、当該部分を除いた部分に有意の情報が記録されていないと認められるときは、この限りでない。

(利用請求に対する決定)

第20条 市長は、利用請求に係る特定重要公文書等の全部又は一部を利用させるときは、その旨の決定をし、利用請求者に対し、その旨(一部を利用させる旨の決定をした場合にあっては、その旨及びその理由)及び利用の実施に関し必要な事項を書面により通知しなければならない。

2 市長は、利用請求に係る特定重要公文書等の全部を利用させないときは、利用させない旨の決定をし、利用請求者に対し、その旨及びその理由を書面により通知しなければならない。

(利用決定等の期限)

第21条 前条各項の決定(以下「利用決定等」という。)は、利用請求があった日の翌日から起算して30日以内にしなければならない。ただし、第18条第3項の規定により補正を求めた場合にあっては、当該補正に要した日数は、当該期間に算入しない。

2 前項の規定にかかわらず、市長は、事務処理上の困難その他正当な理由があるときは、同項に規定する期間を30日以内に限り延長することができる。この場合において、市長は、利用請求者に対し、遅滞なく、延長後の期間及び延長の理由を書面により通知しなければならない。

(利用決定等の期限の特例)

第22条 利用請求に係る特定重要公文書等が著しく大量であるため、利用請求があった日の翌日から起算して60日(第18条第3項の規定により補正を求めた場合にあっては、当該補正に要した日数は算入しない。)以内にその全てについて利用決定等をすることにより事務の遂行に著しい支障が生ずるおそれがある場合には、前条の規定にかかわらず、市長は、利用請求に係る特定重要公文書等のうちの相当の部分につき当該期間内に利用決定等をし、残りの特定重要公文書等については相当の期間内に利用決定等をすれば足りる。この場合において、市長は、同条第1項に規定する期間内に、利用請求者に対し、次に掲げる事項を書面により通知しなければならない。

(1) 本条を適用する旨及びその理由

(2) 残りの特定重要公文書等について利用決定等をする期限

(本人情報の取扱い)

第23条 市長は、第19条第1項第1号イの規定にかかわらず、同号イに掲げる情報により識別される特定の個人(以下この条において「本人」という。)から、当該情報が記録されている特定重要公文書等について利用請求があった場合において、規則で定めるところにより本人であることを示す書類の提示又は提出があったときは、本人の生命、健康、生活又は財産を害するおそれがある情報が記録されている場合を除き、当該特定重要公文書等につき同号イに掲げる情報(本人に関するものに限る。)が記録されている部分についても、利用させなければならない。

(第三者に対する意見書提出の機会の付与等)

第24条 利用請求に係る特定重要公文書等に次に掲げるもの以外のもの(以下「第三者」という。)に関する情報が記録されている場合には、市長は、利用決定等をするに当たって、当該情報に係る第三者に対し、利用請求に係る特定重要公文書等の名称その他規則で定める事項を通知して、意見書を提出する機会を与えることができる。

(1) 本市

(2) 

(3) 独立行政法人等(公文書等の管理に関する法律(平成21年法律第66号)第2条第2項に規定する独立行政法人等をいう。)

(4) 他の地方公共団体

(5) 地方独立行政法人(地方独立行政法人法(平成15年法律第118号)第2条第1項に規定する地方独立行政法人をいう。)

(6) 利用請求者

2 市長は、第三者に関する情報が記録されている特定重要公文書等の利用をさせようとする場合であって、当該情報が情報公開条例第7条第2号イ又は第3号ただし書に規定する情報に該当すると認めるときは、利用させる旨の決定に先立ち、当該第三者に対し、利用請求に係る特定重要公文書等の名称その他必要な事項を書面により通知して、意見書を提出する機会を与えなければならない。ただし、当該第三者の所在が判明しない場合は、この限りでない。

3 市長は、特定重要公文書等であって第19条第1項第1号エに該当するものとして第11条第8項の規定により意見を付されたものを利用させる旨の決定をする場合には、あらかじめ、当該特定重要公文書等を移管した実施機関に対し、利用請求に係る特定重要公文書等の名称その他必要な事項を書面により通知して、意見書を提出する機会を与えなければならない。

4 市長は、第1項又は第2項の規定により意見書を提出する機会を与えられた第三者が当該特定重要公文書等を利用させることに反対の意思を表示した意見書を提出した場合において、当該特定重要公文書等を利用させる旨の決定をするときは、その決定の日と利用させる日との間に少なくとも2週間を置かなければならない。この場合において、市長は、その決定後直ちに、当該意見書(第32条第2号及び第33条第3号において「反対意見書」という。)を提出した第三者に対し、利用させる旨の決定をした旨及びその理由並びに利用させる日を書面により通知しなければならない。

(利用の方法)

第25条 市長が特定重要公文書等を利用させる場合には、文書又は図画については閲覧又は写しの交付の方法により、電磁的記録についてはその種別、情報化の進展状況等を勘案して規則で定める方法により行う。ただし、閲覧の方法により特定重要公文書等を利用させる場合にあっては、当該特定重要公文書等の保存に支障を生ずるおそれがあると認めるときその他正当な理由があるときに限り、その写しを閲覧させる方法により、これを利用させることができる。

(費用の負担)

第26条 前条の規定により写しの交付(電磁的記録にあっては、これに準ずるものとして規則で定める方法。以下この条において同じ。)により特定重要公文書等を利用するものは、当該写しの交付に要する費用を負担しなければならない。

(利用の促進)

第27条 市長は、特定重要公文書等(第19条の規定により利用させることができるものに限る。)について、積極的に一般の利用に供するよう努めなければならない。

(移管元実施機関による利用の特例)

第28条 特定重要公文書等を移管した実施機関が市長に対してその所掌事務又は業務を遂行するために必要であるとして当該特定重要公文書等について利用請求をした場合には、第19条第1項第1号の規定は、適用しない。

(特定重要公文書等の廃棄)

第29条 市長は、特定重要公文書等として保存されている文書等が将来にわたり保存する必要がなくなったと認める場合には、当該文書等を廃棄することができる。

2 市長は、前項の規定により文書等を廃棄しようとするときは、あらかじめ、千葉市公文書等管理審査会の意見を聴かなければならない。

3 市長は、前項の意見を踏まえ、第1項の規定により文書等を廃棄しようとするときは、当該文書等の目録を公表しなければならない。

(保存及び利用の状況の公表)

第30条 市長は、特定重要公文書等の保存及び利用の状況について、毎年度、その概要を公表しなければならない。

第4章 審査請求

(審査請求に関する規定の適用除外)

第31条 利用決定等又は利用請求に係る不作為に係る審査請求については、行政不服審査法(平成26年法律第68号)第9条第1項本文の規定は、適用しない。

(公文書等管理審査会への諮問)

第32条 利用決定等又は利用請求に係る不作為について、審査請求があった場合は、市長は、次の各号のいずれかに該当する場合を除き、千葉市公文書等管理審査会に諮問しなければならない。

(1) 審査請求が不適法であり、却下する場合

(2) 裁決で、審査請求の全部を認容し、当該審査請求に係る特定重要公文書等の全部を利用させることとする場合(当該特定重要公文書等の利用について反対意見書が提出されている場合を除く。)

(3) 審査請求が、千葉市公文書等管理審査会によって、市民の権利利益及び市政の運営に対する影響の程度その他当該事件の性質を勘案して、諮問を要しないものと認められたものである場合

(諮問をした旨の通知)

第33条 市長は、前条の規定により諮問をしたときは、次に掲げるものに対し、諮問をした旨を通知しなければならない。

(1) 審査請求人及び参加人(行政不服審査法第13条第4項に規定する参加人をいう。以下この条及び次条第2号において同じ。)

(2) 利用請求者(利用請求者が審査請求人又は参加人である場合を除く。)

(3) 当該審査請求に係る特定重要公文書等の利用について反対意見書を提出した第三者(当該第三者が審査請求人又は参加人である場合を除く。)

(第三者からの審査請求を棄却する場合等における手続)

第34条 第24条第4項の規定は、次の各号のいずれかに該当する裁決をする場合について準用する。

(1) 利用させる旨の決定に対する第三者からの審査請求を却下し、又は棄却する裁決

(2) 審査請求に係る利用決定等(利用請求に係る特定重要公文書等の全部を利用させる旨の決定を除く。)を変更し、当該審査請求に係る特定重要公文書等を利用させる旨の裁決(第三者である参加人が当該特定重要公文書等を利用させることに反対の意思を表示している場合に限る。)

第5章 公文書等管理審査会

(設置)

第35条 市長からの諮問に応じ、次に掲げる事項を調査審議するため、千葉市公文書等管理審査会(以下「審査会」という。)を置く。

(1) 第10条第2項第11条第2項及び第6項第29条第2項並びに第32条の規定によりその権限に属させられた事項

(2) 前号に掲げるもののほか、公文書等の管理に関し市長が必要と認める事項

(組織)

第36条 審査会は、委員5人以内で組織する。

2 委員は、学識経験者その他市長が適当と認める者のうちから、市長が任命する。

3 委員の任期は、2年とし、再任を妨げない。ただし、委員が欠けた場合における補欠の委員の任期は、前任者の残任期間とする。

4 委員は、職務上知り得た秘密を漏らしてはならない。その職を退いた後も、同様とする。

(資料の提出等の求め)

第37条 審査会は、その所掌事務を遂行するため必要があると認める場合には、実施機関に対し、資料の提出、意見の開陳、説明その他必要な協力を求めることができる。

(審査会の調査権限)

第38条 審査会は、第32条の規定により市長から諮問された事項について調査審議するため必要があると認めるときは、市長に対し、審査請求に係る特定重要公文書等の提示を求めることができる。この場合においては、何人も、審査会に対し、その提示された特定重要公文書等の開示を求めることができない。

2 市長は、審査会から前項の規定による求めがあったときは、これを拒んではならない。

3 審査会は、第32条の規定により市長から諮問された事項について調査審議するため必要があると認めるときは、市長に対し、審査請求に係る特定重要公文書等に記録されている情報の内容を審査会の指定する方法により分類し、又は整理した資料を作成し、審査会に提出するよう求めることができる。

(審査会に係る事項の委任)

第39条 この章に定めるもののほか、審査会の組織及び運営に関し必要な事項は、市長が別に定める。

第6章 雑則

(研修)

第40条 実施機関は、当該実施機関の職員に対し、公文書等の管理を適正かつ効果的に行うために必要な知識及び技能を習得させ、及び向上させるために必要な研修を行うものとする。

(指定管理者等の文書等の管理)

第41条 指定管理者(地方自治法(昭和22年法律第67号)第244条の2第3項に規定する指定管理者をいう。)は、公の施設(同法第244条第1項に規定する公の施設をいう。)の管理に関して保有する文書等の適正な管理に関し必要な措置を講じなければならない。

2 千葉市住宅供給公社は、公営住宅法(昭和26年法律第193号)第47条第1項の規定による本市の設置する公営住宅又は共同施設の管理に関して保有する文書等の適正な管理に関し必要な措置を講じなければならない。

(出資等法人の文書等の管理)

第42条 本市が出資その他財政支出等を行う法人であって、規則で定めるもの(次項において「出資等法人」という。)は、この条例の趣旨にのっとり、その保有する文書等の適正な管理に関し必要な措置を講ずるよう努めるものとする。

2 実施機関は、出資等法人に対し、前項に規定する必要な措置を講ずるよう指導に努めるものとする。

(委任)

第43条 この条例に定めるもののほか、公文書等の管理に関し必要な事項は、規則で定める。

(施行期日)

1 この条例は、令和6年4月1日から施行する。

(経過措置)

2 市長は、この条例の施行の際現に実施機関が保有している公文書(議会にあっては、議長が管理しているもの)について、第6条から第9条まで及び第11条から第13条までの規定の適用に関し必要な経過措置を定めることができる。

(千葉市公文書管理条例検討委員会設置条例の廃止)

3 千葉市公文書管理条例検討委員会設置条例(令和4年千葉市条例第1号)は、廃止する。

(情報公開条例の一部改正)

4 情報公開条例の一部を次のように改正する。

〔次のよう〕略

千葉市公文書等管理条例

令和5年12月19日 条例第26号

(令和6年4月1日施行)

体系情報
第4編 行政通則/第6章 文書・公印
沿革情報
令和5年12月19日 条例第26号