○霧島市環境基本条例

平成18年9月29日

条例第125号

私たちのまち霧島市は、鹿児島県本土のほぼ中央に位置し、風光明媚な霧島連山や、そこから錦江湾奥に注ぐ清流天降川、その流域に広がる肥沃な田園、山麓から平野部まで点在する温泉群など、多彩で豊かな自然に恵まれ、歴史と文化の薫り高い活力あるまちとして発展してきた。

しかしながら、近年の社会経済活動は、私たちに便利で快適な生活をもたらす一方で、限りある資源やエネルギーの大量消費、大量生産に伴う廃棄物の大量発生などにより、自然の再生能力や浄化能力を超えるような規模となっており、地域の環境のみならず、地球温暖化問題に象徴されるように地球規模の環境を脅かすまでに至っている。

全ての市民は、健康で文化的な生活を営むことができる良好な環境を享受する権利を有するとともに、全国に誇れる霧島市のすばらしい自然環境の恵沢を将来の世代に継承していく責務を担っていることを認識し、環境への負荷の少ない持続可能なまちづくりを推進していかなければならない。

ここに、私たち霧島市民は、自然と共生しながら、それぞれの責任と役割の下に、英知を結集し、協力協働して、良好な環境の保全と形成を図り、これを将来の世代に引き継いでいくため、この条例を制定する。

(目的)

第1条 この条例は、環境の保全及び形成について、基本理念を定め、市、事業者及び市民の責務を明らかにするとともに、環境の保全及び形成に関する施策の基本となる事項を定めることにより、環境の保全及び形成に関する施策を総合的かつ計画的に推進し、もって現在及び将来の市民の健康で文化的な生活の確保に寄与することを目的とする。

(定義)

第2条 この条例において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。

(1) 環境の保全及び形成 環境の保護及び整備を図ることによって、これを人をはじめとする生物にとって良好な状態に維持し、又は形成することをいう。

(2) 環境への負荷 人の活動により環境に加えられる影響であって、環境の保全上の支障の原因となるおそれのあるものをいう。

(3) 地球環境保全 人の活動による地球全体の温暖化又はオゾン層の破壊の進行、海洋の汚染、野生生物の種の減少、森林の減少その他の地球の全体又はその広範な部分の環境に影響を及ぼす事態に係る環境の保全であって、人類の福祉に貢献するとともに市民の健康で文化的な生活の確保に寄与するものをいう。

(4) 公害 環境の保全上の支障のうち、事業活動その他の人の活動に伴って生ずる相当範囲にわたる大気の汚染、水質の汚濁(水質以外の水の状態又は水底の底質が悪化することを含む。)、土壌の汚染、騒音、振動、地盤の沈下(鉱物の掘採のための土地の掘削によるものを除く。)及び悪臭によって、人の健康又は生活環境(人の生活に密接な関係のある財産並びに人の生活に密接な関係のある動植物及びその生育環境を含む。)に係る被害が生ずることをいう。

(基本理念)

第3条 環境の保全及び形成は、市民の健康で文化的な生活の基盤である健全で恵み豊かな環境を確保し、これを将来の世代へ継承することを目的として行われなければならない。

2 環境の保全及び形成は、人と自然の共生を図ることにより、健全で恵み豊かな環境を維持しつつ、市域全般で社会経済活動及び生活様式を問い直し、環境への負荷が少なく、持続的発展が可能な循環型地域社会を構築することを目的として行われなければならない。

3 環境の保全及び形成は、市、事業者及び市民がそれぞれの責務を認識し、全ての日常生活及び事業活動において、公平な責務分担の下に自主的かつ積極的な取組によって、相互に協力協働して推進されなければならない。

4 環境の保全及び形成は、地域の環境が地球全体の環境と深くかかわっていること及び市民の健康で文化的な生活を将来にわたり確保する上で重要であることを踏まえ、地域での取組として行われるとともに、広域的に協力連携して行わなければならない。

(市の責務)

第4条 市は、前条に定める基本理念(以下「基本理念」という。)にのっとり、市域の自然的社会的条件に応じた環境の保全及び形成に関する総合的かつ計画的な施策を策定し、これを実施する責務を有する。

2 市は、環境の保全及び形成に関する施策を策定するときは、事業者及び市民の意見を反映させ、協力協働して環境の保全及び形成に関する施策の推進に取り組むよう必要な措置を講ずるものとする。

3 市は、自ら廃棄物の発生の抑制及び適正な処理、資源の循環的な利用及びエネルギーの有効利用を行うことにより積極的に環境への負荷を低減する責務を有する。

4 市は、環境の保全に関する教育及び情報の提供その他広報活動を通じて、市民の環境に対する意識の高揚に努めなければならない。

(事業者の責務)

第5条 事業者は、基本理念にのっとり、その事業活動を行うに当たっては、これに伴って生ずる公害を防止し、又は自然環境を適正に保全するために必要な措置を講ずる責務を有する。

2 事業者は、基本理念にのっとり、その事業活動に伴う開発に当たっては、地域の環境特性に応じた適正な土地利用を基本とするとともに、緑地の保全、景観への配慮その他の環境への負荷を低減するために必要な措置を講ずる責務を有する。

3 事業者は、基本理念にのっとり、廃棄物の減量及び再利用その他の廃棄物の適正処理並びに資源及びエネルギーの有効かつ適正な利用を行うとともに、廃棄物の削減に資するような物の製造、販売その他の事業活動を行うことにより環境への負荷を低減するために必要な措置を講ずる責務を有する。

4 前3項に定めるもののほか、事業者は、基本理念にのっとり、その事業活動に関し、これに伴う環境への負荷の低減その他環境の保全及び形成に自ら努め、かつ、その保有する環境に関する情報を広く提供するとともに、市が実施する環境の保全及び形成に関する施策並びに市民が行う地域の環境保全及び形成に関する活動に積極的に協力するように努める責務を有する。

(市民の責務)

第6条 市民は、基本理念にのっとり、環境の保全上の支障を防止するため、資源及びエネルギーの消費、廃棄物及び生活排水の排出その他の日常生活に伴う環境への負荷の低減に努めなければならない。

2 前項に定めるもののほか、市民は、基本理念にのっとり、環境の保全及び形成に自ら積極的に努めるとともに、市が実施する環境の保全及び形成に関する施策に協力する責務を有する。

(各主体の協働等)

第7条 市、事業者及び市民は、基本理念にのっとり、前3条に定めるそれぞれの責務を果たすため、必要に応じ、相互に協働しなければならない。

2 市は、環境の保全及び形成に関する施策を総合的に推進するため、市、事業者及び市民相互の調整に努めるものとする。

(環境施策の策定等に係る基本方針)

第8条 市は、環境の保全及び形成に関する施策の策定及び実施に当たっては、基本理念にのっとり、次に掲げる事項を基本として、各種の施策相互の有機的な連携を図りつつ、総合的かつ計画的に推進するものとする。

(1) 人の健康が保護され、生活環境及び自然環境が適正に保全されるよう、大気、水、土壌その他の環境の自然的構成要素が良好な状態に保持されること。

(2) 生物の多様性の確保が図られるとともに、森林、農地、水辺等における多様な自然環境が地域の自然的社会的条件に応じて適正に保全されること。

(3) 人と自然との豊かな触れ合いが確保されるとともに、地域の緑化の推進、地域の特性を生かした景観の形成及び歴史的文化的環境の保全が図られること。

(4) 廃棄物の減量並びに資源及びエネルギーの有効かつ適正な利用により物質の循環が図られること。

(5) 地球温暖化の防止、オゾン層の保護その他の地球環境の保全が図られること。

(6) 環境の保全に関する教育及び広報活動の推進により環境に対する意識の高揚が図られること。

2 市長は、環境の保全及び形成に関する重要な施策の策定に当たっては、あらかじめ、霧島市環境対策審議会(以下「環境対策審議会」という。)の意見を聴かなければならない。

(環境基本計画)

第9条 市長は、環境の保全及び形成に関する施策の総合的かつ計画的な推進を図るため、環境の保全及び形成に関する基本的な計画(以下「環境基本計画」という。)を定めなければならない。

2 環境基本計画は、次に掲げる事項について定めるものとする。

(1) 環境の保全及び形成に関する総合的かつ長期的な目標

(2) 環境の保全及び形成に関する施策の基本的な方向

(3) 前2号に掲げるもののほか、環境の保全及び形成に関する重要事項

3 市長は、環境基本計画を定めるに当たっては、市民の意見を反映することができるように、必要な措置を講じなければならない。

4 市長は、環境基本計画を定めるに当たっては、環境対策審議会の意見を聴かなければならない。

5 市長は、環境基本計画を定めたときは、遅滞なく、これを公表しなければならない。

6 前3項の規定は、環境基本計画の変更について準用する。

(施策の策定等に当たっての配慮)

第10条 市は、環境に影響を及ぼすと認められる施策を策定し、これを実施するに当たっては、環境基本計画との整合を図り、環境への負荷が低減されるよう十分に配慮するものとする。

(快適な環境の確保)

第11条 市は、緑化の推進、水辺の整備、良好な景観の確保、歴史的文化的遺産の保全等に努め、潤いと安らぎのある快適な環境を確保するように、必要な措置を講ずるものとする。

(資源の循環的な利用等の促進)

第12条 市は、廃棄物の減量、資源の循環的な利用の促進を図るため、必要な措置を講ずるものとする。

2 市は、エネルギーの有効利用及び環境への負荷の少ないエネルギーの利用の促進を図るため、必要な措置を講ずるものとする。

(環境への負荷の低減に資する製品等の利用促進)

第13条 市は、再生資源その他の環境への負荷の低減に資する製品等の積極的な利用に努めるとともに、事業者及び市民による当該製品等の利用の促進を図るため、必要な措置を講ずるものとする。

(規制の措置)

第14条 市は、環境を保全し、未然に公害を防止するため、必要な規制の措置を講ずるものとする。

2 前項に定めるもののほか、市は、人の健康又は生活環境に係る環境の保全上の支障を防止するため、指導、助言その他の必要な措置を講ずるように努めるものとする。

(環境教育等の推進)

第15条 市は、事業者及び市民が、環境の保全及び形成についての理解を深めるとともに、これらの者の環境の保全及び形成に関する自発的な活動を行う意欲が増進されるようにするため、環境の保全及び形成に関する教育及び学習(以下「環境教育等」という。)の推進を図るものとする。

2 前項の場合において、事業者及び市民に対する環境教育等の推進に当たっては、市は、事業者、市民又はこれらの者の組織する民間の団体(以下「民間団体等」という。)との協働を図りながら、必要な施策を推進するように努めるものとする。

(自発的な民間団体等の活動の促進)

第16条 市は、民間団体等が自発的に行う緑化活動、再生資源に係る回収活動、エネルギーの有効利用に係る普及活動その他の環境の保全及び形成に関する活動が促進されるように、必要な措置を講ずるものとする。

(情報の収集及び提供等)

第17条 市は、環境の保全及び形成に資するため、情報の収集に努めるとともに、事業者及び市民による環境の保全及び形成に関する活動の促進に資するため、個人及び法人の権利利益の保護に配慮しつつ、必要な情報を適切に提供するように努めるものとする。

2 市は、環境の保全及び形成に関する調査研究を推進し、その成果の普及に努めるものとする。

(推進体制等の整備)

第18条 市は、環境の保全及び形成に関する施策を総合的かつ計画的に推進するため、市の機関及び部課相互の緊密な連携並びに調整を図る体制を整備するものとする。

2 市は、公害その他の環境の状況を適切に把握するため、監視、測定等に必要な体制の整備に努めるものとする。

(国、県及び他の地方公共団体との連携)

第19条 市は、地球温暖化の防止、オゾン層の保護その他の地球環境保全に資する施策並びに広域的な取組を必要とする環境の保全及び形成に関する施策については、国、県及び他の地方公共団体と連携して、その推進に努めるものとする。

(委任)

第20条 この条例に定めるもののほか、この条例の施行に必要な事項は、市長が別に定める。

附 則

この条例は、公布の日から施行する。

霧島市環境基本条例

平成18年9月29日 条例第125号

(平成18年9月29日施行)