○霧島市男女共同参画推進条例

平成24年3月29日

条例第5号

目次

第1章 総則(第1条―第9条)

第2章 男女共同参画を推進するための基本的施策(第10条―第20条)

第3章 霧島市男女共同参画審議会(第21条―第27条)

第4章 雑則(第28条)

附則

我が国は、日本国憲法において、個人の尊重と法の下の平等が保障され、男女平等の実現に向けて、国際的な連携のもと、法令の整備をはじめとする取組が行われてきた。わたしたちのまち霧島市においても、これまで、国、県等の動向を踏まえつつ、平成20年3月に「霧島市男女共同参画計画」を、平成22年3月には、県内の市町村では初めてとなる「霧島市配偶者等からの暴力防止及び被害者支援に関する計画」を策定し、男女共同参画の実現に向けた様々な取組を積極的に展開してきた。

しかしながら、今なお、女性に対する暴力、性別による固定的な役割分担意識やこれに基づく慣行などが依然として存在し、個人が自立した人間として発達する可能性が性別により制約されており、真の男女平等の達成のためには、多くの課題が残されている。

こうした状況を踏まえ、霧島市が将来にわたり豊かで活力のあるまちづくりを進めるためには、男女がお互いにその人権を尊重し、性別に関わりなく、その個性と能力を十分に発揮できるよう、男女共同参画をより一層推進していく必要がある。

わたしたちは、ここに、男女共同参画の推進に関し、基本理念を定め、その取組を、市、市民及び事業者が一体となって総合的かつ計画的に推進するため、この条例を制定する。

第1章 総則

(目的)

第1条 この条例は、男女共同参画の推進に関し、基本理念を定め、市、市民及び事業者の責務を明らかにするとともに、施策の実施に関する必要な事項を定めることにより、男女共同参画を総合的かつ計画的に推進することを目的とする。

(定義)

第2条 この条例において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。

(1) 男女共同参画 男女が、社会の対等な構成員として、自らの意思によって社会のあらゆる分野における活動に参画する機会が確保され、もって男女が均等に政治的、経済的、社会的及び文化的利益を享受することができ、かつ、共に責任を担うことをいう。

(2) 積極的改善措置 前号に規定する機会について、男女間の格差を改善するため必要な範囲内において、男女のいずれか一方に対し、当該機会を積極的に提供することをいう。

(3) 市民 市内に居住し、勤務し、又は在学する者をいう。

(4) 事業者 市内において、営利、非営利であるかを問わず、事業活動を行う個人及び法人その他の団体をいう。

(5) セクシュアル・ハラスメント 性的な言動により相手に不快感を与え、相手の就労環境その他生活環境を害し、又は不利益を与える行為をいう。

(6) ドメスティック・バイオレンス 配偶者、交際の相手方等親密な関係にあり、又は親密な関係にあった男女間において、個人の尊厳を侵すような身体的、精神的、社会的、経済的又は性的な暴力をいう。

(基本理念)

第3条 男女共同参画の推進は、次に掲げる基本理念にのっとり行われなければならない。

(1) 男女の個人としての尊厳が重んじられ、男女が直接的であるか間接的であるかを問わず、性別による差別的取扱いを受けることなく、個人として能力を発揮する機会が確保されること及びその他の男女の人権が尊重されること。

(2) 性別による固定的な役割分担意識に基づく制度又は慣行が、男女の活動の自由な選択に対して影響を及ぼすことのないよう配慮されること。

(3) 男女が社会の対等な構成員として、職場、地域、学校、家庭その他の社会のあらゆる分野における意思決定の場に、男女が共同して参画する機会が確保されること。

(4) 家族を構成する男女が、相互の協力と子どもを安心して生み、育てることができる環境整備に向けた社会の支援の下に、子育て、介護その他の家庭生活における活動について家族の一員としての役割を円滑に果たし、かつ、当該活動以外の活動を行うことができるよう配慮されること。

(5) 男女が、互いの身体的特徴及び性に関する理解を深めるとともに、性と生殖に関する個人の意識が尊重され、生涯にわたる健康の保持が図られること。

(6) 社会のあらゆる分野における教育や学習の場において、男女共同参画の重要性が認識されるよう配慮されること。

(7) 男女共同参画の推進は、国際社会における取組と密接な関係を有していることを考慮し、国際的協調の下に行われること。

(市の責務)

第4条 市は、前条に定める基本理念(以下「基本理念」という。)にのっとり、男女共同参画の推進に関する施策(積極的改善措置を含む。以下同じ。)を総合的に策定し、実施しなければならない。

2 市は、市民、事業者、国及び他の地方公共団体と連携し、協力して男女共同参画の推進に取り組まなければならない。

(市民の責務)

第5条 市民は、基本理念にのっとり、職場、地域、学校、家庭その他の社会のあらゆる分野において、男女共同参画を推進するよう努めるものとする。

2 市民は、市が実施する男女共同参画の推進に関する施策に協力するよう努めるものとする。

(事業者の責務)

第6条 事業者は、事業活動を行うに当たっては、基本理念にのっとり、男女共同参画の推進に努めるとともに、職場における活動と地域及び家庭における活動とを両立できる職場環境を整備するよう努めるものとする。

2 事業者は、市が実施する男女共同参画の推進に関する施策に協力するよう努めるものとする。

(教育の推進)

第7条 学校教育その他の社会のあらゆる教育及び学習に携わる者は、教育及び学習が男女共同参画の推進に果たす役割の重要性を踏まえ、基本理念に配慮した教育及び指導を行うよう努めるものとする。

(阻害行為の禁止)

第8条 何人も、職場、地域、学校、家庭その他の社会のあらゆる分野において、直接的であるか間接的であるかを問わず、性別による差別的取扱いをしてはならない。

2 何人も、職場、地域、学校、家庭その他の社会のあらゆる分野において、セクシュアル・ハラスメントを行ってはならない。

3 何人も、ドメスティック・バイオレンスを行ってはならない。

(公衆に表示する情報に関する留意)

第9条 何人も、公衆に表示する情報において、性別による固定的な役割分担意識及びドメスティック・バイオレンスを助長する表現を行わないよう努めなければならない。

第2章 男女共同参画を推進するための基本的施策

(推進体制の整備)

第10条 市は、男女共同参画の推進に関する施策を推進するために、財政上の措置を含め、必要な体制を整備するものとする。

(基本計画)

第11条 市長は、男女共同参画の推進に関する施策を総合的かつ計画的に実施するため、男女共同参画の推進に関する基本的な計画(以下「基本計画」という。)を策定するものとする。

2 市長は、基本計画を策定又は変更するに当たっては、霧島市男女共同参画審議会の意見を聴くとともに、市民及び事業者の意見を反映させるものとする。

3 市長は、基本計画を策定又は変更したときは、速やかにこれを公表するものとする。

(施策の策定等に当たっての配慮)

第12条 市は、あらゆる施策の策定及び実施に当たっては、男女共同参画の推進に資するよう配慮するものとする。

(広報活動)

第13条 市は、基本理念に対する市民及び事業者の理解を深めるため、広報、啓発活動その他適切な措置を講ずるものとする。

(情報の収集及び調査研究)

第14条 市は、男女共同参画の推進に関する施策を効果的に実施するため、必要な情報の収集及び調査研究を行うものとする。

(実施状況の公表)

第15条 市長は、毎年度、男女共同参画の推進に関する施策の実施状況等を検証し、その結果を公表するものとする。

(附属機関等の委員の構成)

第16条 市は、附属機関等の委員の委嘱を行う場合には、当該委員の男女のいずれか一方の委員の数が、委員の総数の10分の4未満とならないよう努めるものとする。

(市民への支援)

第17条 市は、市民が行う男女共同参画の推進に関する活動を支援するため、情報の提供その他必要な支援を行うものとする。

(事業者への支援等)

第18条 市は、雇用の分野における男女共同参画を推進するため、事業者に対し、情報の提供その他必要な支援を行うとともに、必要があると認めるときは、男女共同参画の状況について報告を求め、適切な措置を講ずるよう協力を求めることができる。

2 市は、事業者のうち、農林水産業、商工業その他の分野の自営業における男女共同参画を推進するため、これらに従事する男女に対し、情報の提供その他必要な支援を行うものとする。

(防災の分野における男女共同参画の推進)

第19条 市は、男女共同参画の視点を取り入れた防災(災害復興を含む。)体制を確立するよう必要な措置を講ずるものとする。

(相談及び苦情の処理)

第20条 市は、性別による差別的取扱い、セクシュアル・ハラスメント、ドメスティック・バイオレンスその他の男女共同参画の推進を妨げる行為に関し、市民及び事業者から相談があった場合は、関係機関と連携して適切に処理するよう努めるものとする。

2 市は、市が実施する男女共同参画の推進に関する施策又は男女共同参画の推進に影響を及ぼすと認められる施策について、市民及び事業者から苦情の申出があった場合には、問題解決に向けた必要な措置を講ずるものとする。

第3章 霧島市男女共同参画審議会

(設置等)

第21条 第11条第2項に規定する事項を行うほか、市長の諮問に応じ男女共同参画の推進に関する重要事項の調査審議を行うため、霧島市男女共同参画審議会(以下「審議会」という。)を置く。

2 審議会は、前項の規定による調査審議のほか、男女共同参画の推進に関する事項について、市長に意見を述べ、又は提言することができる。

(組織)

第22条 審議会は、委員15人以内で組織する。この場合において、男女のいずれか一方の委員の数が、委員の総数の10分の4未満であってはならない。

2 委員は、男女共同参画に関する識見を有する者のうちから、市長が委嘱する。この場合において、市長は、委員の一部を公募により選出するものとする。

(任期)

第23条 委員の任期は、2年とする。ただし、委員が欠けた場合における補欠委員の任期は、前任者の残任期間とする。

(会長及び副会長)

第24条 審議会に会長及び副会長1人を置く。

2 会長及び副会長は、委員の互選により選出する。

3 会長は、会務を総理し、審議会を代表する。

4 副会長は、会長を補佐し、会長に事故あるとき、又は会長が欠けたときは、その職務を代理する。

(会議)

第25条 審議会の会議(以下「会議」という。)は、会長が招集し、会議の議長となる。

2 会議は、委員の過半数が出席しなければ開くことができない。

3 会議の議事は、出席委員の過半数で決し、可否同数のときは、議長の決するところによる。

(庶務)

第26条 審議会の庶務は、市民環境部市民課において処理する。

(審議会への委任)

第27条 この章に定めるもののほか、審議会の運営に関し必要な事項は、審議会が定める。

第4章 雑則

(委任)

第28条 この条例に定めるもののほか、この条例の施行に関し必要な事項は、市長が別に定める。

(施行期日)

1 この条例は、平成24年4月1日から施行する。

(経過措置)

2 この条例の施行の際現に策定されている霧島市男女共同参画計画は、第11条第1項の規定に基づき策定された基本計画とみなす。

(平成31年2月27日条例第1号)

(施行期日)

1 この条例は、平成31年4月1日から施行する。

霧島市男女共同参画推進条例

平成24年3月29日 条例第5号

(平成31年4月1日施行)

体系情報
第8編 生/第6章 市民生活/第4節 男女共同参画
沿革情報
平成24年3月29日 条例第5号
平成31年2月27日 条例第1号