○帳票設計基準
昭和44年4月1日
制定
1 帳票設計の原則
帳票は、事務手続の道具であるから、まず事務の流れをよく把握して、無駄なものを省いて最も合理的な手続に改善した後帳票を作成する必要がある。
帳票を作成するときは、次の原則に合つているかどうかを確めて、無駄のない帳票を使つて事務が処理できるように設計しなければならない。
(1) その帳票の必要性を十分に検討する。
(2) その帳票の新設、事務手続の改善によつて既存の帳票を廃止し、統合することができないかを検討する。
(3) 帳票の記入が早く、間違いなく、スムーズにできるよう項目を配置する。
(4) 様式が簡素化され、わかりやすいよう設計する。
(5) 帳票が美しく、そして安くできるよう設計する。
2 帳票の規格
(1) 帳票の仕上寸法は、事務器に合わせて使用するもの及びカード等、他に規格があるものを除くほか、日本工業規格紙の加工仕上寸法(JIS P0138)のB列規格を原則とするがA列規格を用いることもできる。B列の4番~7番を標準とする。
列番 | B列 | A列 |
0 | mm 1,030×1,456 | mm 841×1,189 |
1 | 728×1,030 | 594×841 |
2 | 515×728 | 420×594 |
3 | 364×515 | 297×420 |
4 | 257×364 | 210×297 |
5 | 182×257 | 148×210 |
6 | 128×182 | 105×148 |
7 | 91×128 | 74×105 |
8 | 64×91 | 52×74 |
9 | 45×64 | 37×52 |
10 | 32×45 | 26×37 |
11 | 22×32 | 18×26 |
12 | 16×22 | 13×18 |
ア はがき
はがきの大きさは郵便規則(昭和22年逓信省令第34号)第9条に定める官製はがきの大きさを原則とする。
縦 148mm 横 100mm
この大きさで作成することが適当でないときは郵便規則第13条に規定されている私製はがきの大きさで作成してもよい。
縦 140mm~150mm以内
横 90mm~107mm以内
イ 封筒
事務用封筒は日本工業規格、事務用封筒寸法(JIS S5502)による。市で使用する主なものは次のとおりである。
角型 | 長型 | ||
2号 | mm mm 240×332 | 3号 | mm mm 120×235 |
3号 | 216×227 | 4号 | 90×205 |
窓あき封筒については、郵便規則第9条に定めるところにより、窓は無地透明で灯火を反射しないものとし、窓の大きさは長辺8cm、短辺4.5cm以上なければならない。
(2) 帳票の寸法は帳票の整理、保管に便利であり、事務器にうまく適合するように、また同種類の帳票及び一緒につづられるものは同じ大きさとする。
(3) 細長い寸法を特に必要とするときは、その短辺を2分の1又は長辺を3分の1にした寸法を用いる。

(4) 複写簿のように紙片を切り取つて使用するものは、切り取つた紙片の大きさを仕上寸法とする。

(5) 帳簿は中味の大きさを仕上寸法とする。
(6) ルーズリーフ式のものはリーフの大きさを仕上寸法とする。
(7) 控付の帳票は切り取る部分の大きさを仕上寸法とする。控えの大きさは、なるべく切り取る部分の3分の1とする。

3 紙質
(1) 紙質は次の事項について考えて決定する。
ア 使用目的(庁内か外部か、重要度)
イ 取扱度数、処理経路
ウ 記入方法
エ 一度にとる複写枚数
オ 保管方法、保存期間
カ 印刷方法(片面か両面か)
(2) 帳票に用いる紙質の標準は、次のとおりとする。
ア 保存期間による標準
区分 期間 | 片面印刷 | 両面印刷 |
保存期間1年以内 | 中質紙(ざら紙) 45K | 中質紙(ざら紙) 55K |
保存期間5年以内 | 中質紙 55K | 中質紙 70K |
保存期間5年以上 | 上質紙 45~55K | 上質紙 70K |
イ 複写を必要とするものの標準 5枚程度まで
A模造紙又はコピー紙
ウ カード用
カード紙 160~200K
エ 紙色は原則として白色のものを使用する。特に視覚を助ける必要がある場合は、色紙(淡色とする。)を使用することができる。
オ 封筒
長型3,4号 クラフト紙31K 71K
角型2,3号 クラフト紙89K
カ 私製はがき 上質紙110~135K
4 様式の設計
(1) 文体と書式
文体は口語体、書式は左横書きとし、簡潔でわかりやすい表現を用いる。
(2) 用字、用語
ア 字句は、常用漢字と現代仮名づかいを使用する。数字はアラビヤ数字を用いるが、必要があれば漢数字を使用することができる。
(3) 項目
ア 項目は原則として枠(ボックスタイプ)に入れ、その始めを縦にそろえる。
イ 関連する項目は、なるべくひとまとめにして関連する順序に配置する。
ウ 見出しの働きをする項目は、その効果があがるような位置に配置する。
エ 検出、分類、選別、集計のために必要な事項が記入される項目は、とじしろの反対側に、またカード類については上部に配置する。
オ 記入字句があらかじめ定まつており、又は定例的な記入項目で種類の少ないものは、文字の前に□を前もつて印刷しておき、
(チェックマーク)を付けて表示できるようにするか、○で囲むか、不要な文字を消すようにして記入の手数を省く。
カ 摘要欄、備考欄は特に必要な場合のほかは設けないようにする。
キ 裏カーボン、感圧紙などによつて複写される場合や2人以上の担当者が分担したり、又は一度に複写されるもののうち、特定の帳票の箇所に記入しないものについては、特に工夫して便利なように項目を配置する。
(4) 帳票の名称、登録番号等
ア 帳票名は的確に、その内容を表す簡潔な表現とする。帳票名はゴジックで、上辺の中央に置くことを原則とするが、適切でない場合は、次のように置くことができる。
(ア) 右上辺に記入欄を設けた場合は、左側に配置する。
(イ) カード等で帳票の名称を上辺に置けない場合は、下辺に配置する。
(ウ) 帳票の名称をはつきり記載する必要がない場合は、下辺の隅に小さく配置する。
イ ページ数は下辺中央欄外に配置する。
ウ 帳票の下部欄外には、帳票登録番号、紙の規格、紙質略号、作成年月、印刷数量、納入業者略号を記載する。しかし、これらのものを記載することが適当でない場合は、適宜、省略してもよい。
エ 押印欄はなるべく右上辺に並べ押印の順は左から右へとその帳票の流れに従つて配置する。押印欄の大きさは12mm~16mmを標準とする。
(5) 欄、けい線
ア 記入欄の幅は8.5cmを標準とする。
イ 記入欄の長さは記入する字数をあらかじめ想定して、次の基準によつて決定する。
1字当たり 数字 3mm~5mm
仮名文字 4mm~6mm
漢字 5mm~10mm
ウ けい線は次のとおりとする。
(ア) 主要項目、集計項目の区分、別の係で記入する部分の区分、帳票の外枠は、裏けいを用いる。
(イ) 主要項目中の各欄を囲むときは表けいを用いる。
(ウ) 1つの枠の中に数行にわたつて記入する必要がある場合は、点線をもつて示す。
(エ) 帳票に使うけい線は、次の種類とする。
| 裏けい(太さ約0.45mm) |
| 双柱けい |
| 中細けい |
| 表けい(太さ約0.1mm) |
| リーダーケイ(一般にミシンケイといわれ心もち点が伸び連続している) |
| 星ケイ(点が連続している) |
エ 便せん、けい紙、統計用紙等、行数の多いものは、行の一端又は両端に5行ごとに行番号を小さく記入するか、点を打つか、太線にするかの方法を用いる。
(6) 余白等
ア 余白は紙のヘリから5mm以上とする。
イ とじしろは、25mmとし、左側に置く。
ウ つづり込む帳票は、始めから穴をあけておく必要がない場合は、穴の位置を印刷して置く。
エ 穴の寸法は次の基準による。
(ア) とじ側の紙のへりからとじ穴のへりまで 10mm
(イ) 穴の直径 5mm~6mm
(ウ) 穴の中心から中心まで
区分 種類 | 紙のへりからとじ穴の中心まで | 穴の中心から中心まで |
B5 4穴左とじ | mm 39 | mm 60 |
B5 2穴左とじ | 89 | 80 |
B5 4穴上とじ | 31 | 40 |
B5 2穴上とじ | 51 | 80 |
オ 帳票に穴をあける場合は、半分に折つて穴は中央に対し対称の位置にあるよう設計する。
5 印刷製本
(1) 両面に印刷する場合は、次の方法による。
ア 左とじの場合は、表面の右側が裏面の左側と合うようにする。
イ 上とじの場合は、表面の上部が裏面の下部に合うようにする。
(2) 印刷インキは、調合しないものを使用し、1色刷りを原則とする。
(3) 製本する場合は、その使用量によつて25枚(組)を1単位として、その倍数により製本する。
(4) 印刷に当たつては、年数度にわたり同じものを印刷しないように、年間の使用量を十分に考慮し、印刷枚数を決定する。
(5) 帳票を製本する場合は、天のり、無線とじ、中とじ、平とじ又は針金とじの方法による。
6 活字
(1) 帳票の活字はできるだけ明朝体とし、特に目立たせる必要がある項目のみゴジック体を用いる。
(2) 活字は原則としてポイント活字を用いる。
ア 帳票名称(B4・B5の場合)
14ポゴジック、4号ゴジック
イ 帳票名称(B6の場合)
10ポゴジック、5号ゴジック
ウ 主要項目の見出し 9ポ
エ 各欄の題目、説明 8ポ
オ 記入の注意事項 6ポ~8ポ
カ その他 6ポ~8ポ
7 帳票設計原稿
帳票の設計に当たつては、帳票設計用紙を用い、必ず原寸で正確に記入し、欄の幅、けい線、活字等を確実に指定する。





