○府中市中高層建築物の建築に係る紛争の予防と調整に関する条例
平成6年12月13日
条例第29号
(目的)
第1条 この条例は、中高層建築物の建築に係る計画の事前公開並びに紛争のあつ旋及び調停に関し必要な事項を定めることにより、良好な近隣関係を保持し、もつて地域における健全な生活環境の維持及び向上に資することを目的とする。
(1) 中高層建築物 都市計画法(昭和43年法律第100号)第8条第1項第1号に規定する用途地域のうち、次に掲げる各地域について、それぞれ掲げる建築物をいう。
ア 第一種低層住居専用地域及び第二種低層住居専用地域 軒の高さが7メートルを超える建築物又は地階を除く階数が3以上の建築物
イ 第一種中高層住居専用地域、第二種中高層住居専用地域、第一種住居地域、第二種住居地域、準住居地域、近隣商業地域、商業地域、準工業地域及び工業地域 高さが10メートルを超える建築物
(2) 建築主 中高層建築物に関する工事の請負契約の注文者又は請負契約によらないで自らその工事をする者をいう。
(3) 設計者等 中高層建築物に関する設計、工事又は工事監理の請負者をいう。
ア 中高層建築物の敷地境界線から当該中高層建築物の高さの2倍の水平距離の範囲内にある土地又は建築物に関して権利を有する者及び当該範囲内に居住する者(以下「近隣関係住民」という。)
イ 中高層建築物による電波障害の影響を著しく受けると認められる者
(5) 紛争 中高層建築物の建築に伴つて生ずる日照、通風及び採光の阻害、風害、電波障害等並びに工事中の騒音、振動等の周辺の生活環境に及ぼす影響に関する関係住民と建築主との間の紛争をいう。
(市長の責務)
第3条 市長は、中高層建築物の建築に係る計画の事前公開に関する指導により紛争を未然に防止するよう努めるとともに、紛争が生じたときは、迅速かつ適正に調整するよう努めなければならない。
(当事者の責務)
第4条 建築主は、紛争を未然に防止するため、中高層建築物の建築を計画するに当たつては、周辺の生活環境に及ぼす影響に十分配慮するとともに、良好な近隣関係を損なわないよう努めなければならない。
2 建築主及び関係住民(以下「当事者」という。)は、紛争が生じたときは、相互の立場を尊重し、互譲の精神をもつて、自主的に解決するよう努めなければならない。
(設計者等の協力義務)
第5条 設計者等は、前条に規定する建築主の責務を認識し、紛争の未然防止及び紛争の速やかな解決のため協力しなければならない。
(標識の設置等)
第6条 建築主は、中高層建築物を建築しようとするときは、関係住民に建築に係る計画の周知を図るため、当該建築敷地の見やすい場所に、市長が別に定めるところにより標識を設置しなければならない。
2 建築主は、前項の規定により標識を設置したときは、速やかに市長に届け出なければならない。
(説明会の開催等)
第7条 建築主は、中高層建築物を建築しようとするときは、近隣関係住民に、建築に係る計画の内容について、説明会等の方法により説明しなければならない。ただし、中高層建築物の外壁又は外壁に代わる柱の面から当該中高層建築物の高さの2倍の水平距離の範囲が、当該中高層建築物に係る建築敷地の内にすべてある場合又は内外にわたる場合で、市長が別に定める要件に該当する近隣関係住民に対しては、この限りでない。
2 建築主は、前項の規定により説明したときは、速やかに市長に届け出なければならない。
3 建築主は、第1項に規定するほか、関係住民からの申出があつたときは、建築に係る計画の内容について、説明会等の方法により、関係住民に説明しなければならない。
4 市長は、必要があると認めるときは、建築主に対し、前項の規定により行つた説明会等の内容について、報告を求めることができる。
(あつ旋)
第8条 市長は、当事者の双方から紛争の調整の申出があつたときは、あつ旋を行う。
2 市長は、前項の規定にかかわらず、当事者の一方から調整の申出があつた場合において、相当な理由があると認めるときは、あつ旋を行うことができる。
3 市長は、当事者間をあつ旋し、双方の主張の要点を確かめ、紛争が解決されるよう努めなければならない。
(あつ旋の打切り)
第9条 市長は、あつ旋によつては紛争の解決の見込みがないと認めるときは、あつ旋を打ち切ることができる。
(調停への移行勧告)
第10条 市長は、前条の規定によりあつ旋を打ち切つた場合において、必要があると認めるときは、当事者に対し、調停に移行するよう勧告することができる。
(調停)
第11条 市長は、前条に規定する勧告をした場合において、当事者の双方がその勧告を受諾したときは、調停を行う。
3 市長は、調停を行うに当たつて必要があると認めるときは、調停案を作成し、当事者に対し、期間を定めてその受諾を勧告することができる。
4 市長は、調停を行うに当たつては、府中市建築紛争調停委員会(以下「調停委員会」という。)の意見を聴かなければならない。
(調停の打切り)
第12条 市長は、当事者間に合意が成立する見込みがないと認めるときは、調停を打ち切ることができる。
2 前条第3項の規定による勧告が行われた場合において、定められた期間内に当事者の双方から受諾する旨の申出がないときは、当該調停は打ち切られたものとみなす。
(調停委員会)
第13条 市長の附属機関として、調停委員会を置く。
2 調停委員会は、第11条第4項の規定による市長の意見の求めに応じ、必要な調査審議を行い意見を述べるとともに、市長の諮問に応じて、紛争の予防と調整に関する重要事項について調査審議する。
3 調停委員会は、法律、建築又は環境等の分野に関し優れた知識及び経験を有する者のうちから市長が委嘱する委員3名をもつて組織する。
4 委員の任期は、2年とし、再任されることを妨げない。ただし、補欠の委員の任期は、前任者の残任期間とする。
5 調停委員会に会長を置き、委員の互選によつて定める。
6 会長は、会務を総理し、調停委員会を代表する。
7 会長に事故があるときは、会長があらかじめ指名する委員が、その職務を代理する。
8 調停委員会は、市長が招集する。
9 会議は、2名以上の委員が出席しなければ開くことができない。
10 会議の議事は、出席した委員の過半数で決し、可否同数のときは、会長の決するところによる。
(出頭)
第14条 市長は、あつ旋又は調停のため必要があると認めるときは、当事者の出頭を求め、意見を聴くことができる。
(関係図書の提出)
第15条 市長は、あつ旋又は調停のため必要があると認めるときは、当事者に対し、関係図書の提出を求めることができる。
(工事着手の延期等の要請)
第16条 市長は、あつ旋又は調停のため必要があると認めるときは、建築主に対して、期間を定めて工事の着手の延期又は工事の停止を要請することができる。
(平15条例18・一部改正)
(委任)
第18条 この条例の施行について必要な事項は、市長が定める。
付則
(施行期日)
1 この条例は、平成7年4月1日から施行する。
読み替えられる字句 | 読み替える字句 |
第一種低層住居専用地域及び第二種低層住居専用地域 | 第一種住居専用地域 |
第一種中高層住居専用地域、第二種中高層住居専用地域、第一種住居地域、第二種住居地域、準住居地域 | 第二種住居専用地域、住居地域 |
付則(平成15年9月24日条例第18号抄)
(施行期日)
1 この条例は、平成16年1月1日から施行する。