○標準処理期間の設定等要領

平成9年7月27日

決裁

1 趣旨

この要領は、許認可等の申請が、行政庁の事務所に到達してから当該申請に対する処分をするまでに通常要すべき標準的な期間(以下「標準処理期間」という。)に関して、その適切な設定や運用を図るための基本的考えを示すものである。

2 基本的考え方

法令(法律、法律に基づく命令、県の条例及び規則並びに市の条例及び規則(規程及び企業管理規程を含む。)をいう。以下同じ。)の規定に根拠を置く「申請に対する処分」については、法律、法律に基づく命令又は県の条例若しくは規則の規定に根拠を置くもので市長に当該処分権限が委任されていないものを除き、原則としてすべて標準処理期間を設定する。

3 標準処理期間の意義

(1) 標準処理期間の設定は、行政運営の適正化の観点から、申請の迅速な処理の確保を図るために行うものであり、また、申請しようとする者及び申請者にとっては、処分がされるまでにどの程度の期間を要するか、許認可等される時期が予測できることから、申請処理の透明性の向上を図る上でも重要である。

(2) 行政手続法(平成5年法律第88号。以下「手続法」という。)又は福井市行政手続条例(平成8年福井市条例第22号。以下「手続条例」という。)に定める標準処理期間は、適法な申請が行政庁に到達してから処理するまでに要する期間のあくまでも「目安」である。したがって、申請者等に対して処分をその範囲内に行わなければならないという義務が生じる訳ではないが、標準処理期間を経過してもまだ処分ができない場合は、その理由、審査の進行状況、処分の時期の見通し等を申請者に知らせる必要がある。

(3) 標準処理期間について、申請者等からその算定根拠を求められた場合においては、申請処分の透明性の観点から、明確に説明する必要がある。

4 標準処理期間の設定

(1) 設定の対象

ア 標準処理期間の設定については、手続法及び手続条例の規定上、努力義務にとどめられているが、これは、処分の性質上、標準処理期間の設定が困難なものがあることに配慮したものである。本市においては、「申請に対する処分」については、法律、法律に基づく命令又は県の条例若しくは規則に根拠を置くもので市長に当該処分権限が委任されていないものを除き、原則としてすべて設定するものとし、設定困難なものは、その合理的な理由が必要である。

なお、手続法又は手続条例で適用除外とされている「申請に対する処分」については、設定義務はないものの、透明性の向上を図るという手続法及び手続条例の趣旨にかんがみ、極力設定するよう努めるものとする。

イ 法令に標準処理期間の定めがある場合には、設定の必要はない。

(2) 設定の主体

標準処理期間を定める主体は、審査基準の設定主体と同様に行政庁であり、具体的には、許認可等事務を処理すべき室課所(以下「処理課等」という。)である。

(3) 標準処理期間の算定

ア 処理課等における標準処理期間(以下「処理日数」という。)とは、許認可等事務を処理するまでに通常要すべき標準的な日数とされているが、適法な申請が通常の態様で、かつ、審査及び処分をする体制も通常の状態であることを前提としたものである。

申請の時期、内容や量的な関係で、1件当たりの処分に必要な日数に変動を来し、案件ごとの処理日数に相当なバラツキがある場合には、申請事案の過半が一定の期間に処理できるとき、その日数を処理日数と定めるのが適当である。また、過去の処理事案の処理日数を平均して、経験則上算出することも考えられる。

このような工夫をしても設定が困難な場合は、実際に処理日数を定められなくてもやむを得ないものと考えられる。

イ 処理日数の始期は、処理課等の事務所に申請が物理的に到達した日(日数算定の起算は、到達した日の翌日から)であり、収受印の押印等当該機関が受領した旨の意思を表示した日が、始期になるものではない。

ウ 処理日数は、処分の日までの期間であるが、処分まで審議会への付議、他行政機関との協議等がある場合、それは処理日数に含むものである。

なお、申請が到着した同日中に処分する場合の処理日数は、「即日」とする。

エ 処理日数の算定に当たっては、「処理日数等算定基準」(別紙)に留意の上、算定表等を用いて、処理に要する事務ごとに日数の区分け(形式審査、実質審査、他機関との協議、決裁等に要する日数の別)をし、その算定根拠を明確にしておく必要がある。特に、日数が他の類似する許認可等事務に比べ著しく多い場合は、その理由を明確にしておく必要がある。(算定表については、「処理日数等算定表」(別紙)を参照のこと。)

オ 次の日数は、処理日数に算入しない。

(イ) 申請期間を定め、その期間内に申請のあったものを一括して処理する場合における当該申請期間の末日までの日数

(ウ) 法令に定められた形式上の要件に適合しない申請について、不備等の理由により補正するために必要とする日数(申請者に照会し、及び申請者が審査に必要な新たな書類、資料等を添付するために必要とする日数を含む。)

(エ) 申請者が自ら申請内容を変更するために必要とする日数

(オ) 公聴会の開催等申請者以外の者の意見を聴くために必要とする日数

(4) 標準処理期間の見直し

ア 処理課等は、標準処理期間の適正化を図るため、随時見直しを行う必要がある。

イ 「申請に対する処分」についての法令の制定又は改正、国又は県の解釈、運用の変更等により、標準処理期間を設定し、変更し、又は廃止する必要が生じる場合がある。その場合は、速やかに改正手続を行うとともに、変更内容等の経緯を明らかにしておく。

ウ 法令の改正等に伴う変更がない許認可事務についても、検証等の意味から審査基準と同様に毎年10月1日を基準日として、標準処理期間の設定が適切かどうか確認を行うものとする。

5 標準処理期間の公表

(1) 手続法及び手続条例においては、設定した標準処理期間は必ず公にしておかなければならず、標準処理期間を公にする具体的な方法は「事務所における備付けその他の適当な方法」によることとされている。

(2) 「公」にしておくとは、申請者等に対して秘密にしないという趣旨で、必ずしも対外的に積極的に周知することまでも義務付けている訳ではない。

(3) 本市の場合、設定した標準処理期間は、申請の提出先の室課所の窓口等に備付け(掲示板等への掲示、簿冊形式で閲覧に供する等)、申請者等の要求にいつでも応じられるようにしておく必要がある。

この要領は、平成9年7月28日から施行する。

別紙

処理日数等算定基準

1 処理日数=行政庁(許認可等事務を所掌する室課所)到達から処分まで

・ 許認可等に係る事務を常時受け付けるもの

3日以内

・ 一時的に集中して受け付けるもの

5日以内






次の場合は、上記日数に次の日数を加算できる。



・ 添付書類や検討事項が多く、審査に時間がかかるもの

3日以内

・ 実施調査を要するもの、審査内容が多岐にわたるもの

5日以内





2 経由日数=経由所(出先機関等)到達から行政庁到達まで

・ 形式審査等の経由事務のみで実質的審査等を要しないもの

2日以内

・ 実質的審査、実施調査等を行うもの(形式審査のみだが、必要書類、添付書類等が多い場合を含む。)

5日以内

3 その他事務処理に必要かつ合理的な最小限の日数を加算することができるもの

(1) 当該許認可等の性格から、上記1及び2の基準により算定した標準処理(経由)日数内に処理することができない明らかな事由が認められるもの

(2) 審議会等に付議するために要する日数

(3) 国、県等に協議するために要する日数

(4) 法令による公示、縦覧等の期間

標準処理期間の設定等要領

平成9年7月27日 決裁

(平成9年7月28日施行)

体系情報
第4類 行政通則/第5章 行政手続
沿革情報
平成9年7月27日 決裁