○福井市・優良田園住宅の建設の促進に関する基本方針
平成11年10月1日
告示第72号
福井市は、第四次福井市総合計画で「生活・交流都市福井の創造」をまちづくりの基本理念に掲げ、福井の自然・歴史・文化などの優れた個性を磨き高めるとともに、豊かで安定した市民生活や高次都市機能を有した都市の実現を目指しているところである。
社会・経済情勢が急速に進展する今日、市民の価値観やライフスタイルも多様化しており、これに対応した的確な住宅・都市政策の展開が大きな課題になっている。
その中で、市民の安全で快適な住生活の希求とともに、心の豊かさを実感できる自然志向の高まりから、21世紀にふさわしいゆとりある空間をもった郊外型住宅への関心が顕在化してきている。
こうした状況を踏まえ、まちづくりの基本方向の一つである「自然と共生する快適環境都市づくり」の一環として『優良田園住宅の建設の促進に関する法律(平成10年法律第41号)』に基づき、地域の実情に合った優良田園住宅の建設の推進を図ることとする。
基本方針
① 優良田園住宅の建設の促進に関する基本的方向
良好な自然的環境が形成されている郊外に居住し、ゆとりある老後生活や通勤生活などを望む人に対する優良な田園住宅の実現に努める。
また、その居住・地域環境は、周辺の自然景観と調和し近隣などの既存集落と共存できるものとし、都市計画、農業振興地域整備計画などと整合した合理的且つ適切な区域であることとする。
② 優良田園住宅の建設が基本的に適当と認められるおおよその土地の区域は以下の要件を満たすものとする。
イ 既存の集落内又はその集落に隣接若しくは近接する区域
ロ 農用地の利用に支障のない区域
ハ 公共施設の整備状況などから、良好な住環境の形成が見込まれる区域
③ 優良田園住宅が建設される地域における個性豊かな地域社会を創造するため、以下の要件を満たすものとする。
イ 建築資材などについて、地場産材の活用に努める。
ロ 住宅において、階数は、地階を含め3階以下、最高の高さを10m以下とし、勾配屋根を採用する他、形態や意匠・色彩などと周辺の自然環境との調和に配慮する。
ハ 敷地周辺の開放性を確保し、敷地境界の生け垣の設置に努める。
ニ 地域環境の保全・緑化に努め、環境共生住宅や敷地内外の植樹・植栽に配慮する。
ホ 近隣などの既存集落住民との交流・連携のもとで、良好な地域社会の助長が可能な住宅・街区とする。
ヘ 敷地面積の最低規模は、500m2とする。
ト 建ぺい率・容積率の算定については、建築基準法による特例措置の適用はないものとする。
チ 建物の配置について、敷地境界線から適切な壁面後退距離を確保する。
リ 住宅は一戸一棟の専用住宅(車庫併用住宅を含む。)にするとともに、住宅部分の面積を80m2以上とし、世帯人数に応じた適切な規模とする。
④ 自然環境の保全と調和、農林漁業の健全な発展との調和その他優良田園住宅の建設に際しては、以下の要件を満たすものとする。
イ 貴重な動植物の生息環境などの保全処置に配慮する。
ロ 良好な緑地、樹林地などの保全処置に配慮する。
ハ 農林漁業の土地利用、水利用、水面利用との調整及び地域の営農環境の保全並びに地域の農林漁業の振興方策との整合を図る。特に、周辺農地や営農への支障が生じないよう区域内の生活排水及び雨水排水の適切な処理、農道の農業的利用の確保などについて適切に措置する。
ニ 生活排水の処理については、下水道未設置地域では合併浄化槽を設置し、地域環境の保全上適切に放流する。
⑤ その他として、以下の要件を満たすものとする。
イ 優良田園住宅の建設が確実に見込めるもので、認定後、3年以内に建築物を完成すること。
ロ 高齢化対策として、建物内外でバリアフリー化を図る他、雪降ろしの不要な克雪住宅に配慮する。
(参考;「長寿社会対応住宅設計指針」(建設省監修)・「雪に強い家づくりの手引き」(福井県編))
ハ 土地利用について、集落自治会、農家組合、農業協同組合、土地改良区などの同意が得られること。
ニ 建設に係る区域が市街化調整区域の場合は、原則として地区計画を定めた区域とする。
ホ 都市計画法に基づく開発許可基準に適合すること。
ヘ 計画区域の全部又は一部が農用地区域に含まれる場合は、農用地区域以外の土地において計画区域を選定することが困難であることなどについて、やむを得ない理由が存すること。
附則
1 この基本方針は、平成11年10月1日より施行する。
2 敷地面積の最低規模については、基本方針の③ヘの規定にかかわらず、基本方針の施行の日から1年間は、市長が当該地域の立地条件などを勘案した面積とする。