○八戸市公害健康被害者の救済に関する条例
昭和52年4月1日
条例第22号
目次
第1章 総則(第1条―第14条)
第2章 医療費(第15条・第16条)
第3章 障害補償費(第17条―第19条)
第4章 遺族補償費及び遺族補償一時金(第20条―第29条)
第5章 児童補償手当、療養手当及び葬祭料(第30条―第32条)
第6章 補償給付の制限等(第33条・第34条)
第7章 公害健康被害者認定審査会(第35条)
第8章 雑則(第36条・第37条)
附則
第1章 総則
(この条例の目的)
第1条 この条例は、大気汚染の影響によると認められる健康被害に係る被害者に対し、医療費の支給等の補償を行うことにより、被害者の救済を図ることを目的とする。
(疾病の指定)
第2条 この条例において「指定疾病」とは、大気汚染の影響によると認められる疾病で、次の各号に掲げるもの及びその続発症をいう。
(1) 慢性気管支炎
(2) 気管支ぜん息
(3) ぜん息性気管支炎
(4) 肺気しゅ
(地域の指定)
第3条 市長は、指定疾病が多発している地域(以下「指定地域」という。)を指定しなければならない。
2 市長は、前項の規定により、指定地域を指定しようとするときは、八戸市環境審議会の意見をきかなければならない。これを変更し、又は廃止しようとするときも、同様とする。
(一部改正〔平成6年条例27号〕)
(1) 医療費
(2) 障害補償費
(3) 遺族補償費
(4) 遺族補償一時金
(5) 児童補償手当
(6) 療養手当
(7) 葬祭料
(認定等)
第5条 市長は、指定疾病にかかっていると認められる者で、次の各号のいずれかに該当するものの申請に基づき、当該指定疾病が、指定地域における大気汚染の影響によるものである旨の認定を行う。この場合において、指定疾病にかかっているかどうかについては、公害健康被害者認定審査会の意見をきかなければならない。
(1) 申請の当時指定地域の区域内に住所を有している者で、申請の時まで引き続き指定地域の区域内に住所を有した期間が疾病の種類に応じて規則で定める期間以上であり、又は申請の時まで引き続く疾病の種類に応じて規則で定める期間内において指定地域の区域内に住所を有した期間が疾病の種類に応じて規則で定める期間以上であるもの
(2) 申請の当時1日のうち規則で定める時間(以下この条において「指定時間」という。)以上の時間を指定地域の区域内で過ごすことが常態である者で、申請の時まで引き続き1日のうち指定時間以上の時間を指定地域の区域内で過ごすことが常態であった期間が疾病の種類に応じて規則で定める期間以上であり、又は申請の時まで引き続く疾病の種類に応じて規則で定める期間内において1日のうち指定時間以上の時間を指定地域の区域内で過ごすことが常態であった期間が疾病の種類に応じて規則で定める期間以上であるもの
(3) 前2号に該当する者を除き、申請の当時、指定地域の区域内に住所を有している者又は指定時間以上の時間を指定地域の区域内で過ごすことが常態である者で、指定地域の区域内に住所を有した期間と指定時間以上の時間を指定地域の区域内で過ごすことが常態であった期間とが、規則で定めるところにより、疾病の種類に応じて算定した期間以上であるもの
(4) 申請の当時指定地域の区域内に住所を有していない者で、申請の時まで引き続く疾病の種類に応じて規則で定める期間内において、指定地域の区域内に住所を有した期間が疾病の種類に応じて規則で定める期間以上であるもの
2 前項第4号の申請は、指定地域の指定の日から1年以内に限り、することができる。
3 市長は、第1項の申請があったときは、申請者に対して医学的検査をしなければならない。
4 市長は、第1項の認定を行ったときは、当該認定を受けた者(以下「被認定者」という。)に対し、公害医療手帳(以下「手帳」という。)を交付する。
5 認定は、その申請のあった日にさかのぼってその効力を生ずる。
(一部改正〔平成17年条例79号〕)
(1) 慢性気管支炎、気管支ぜん息及び肺気しゅ並びにこれらの続発症 3年
(2) ぜん息性気管支炎及びその続発症 2年
(認定の更新)
第8条 前条の規定により有効期間が定められた被認定者の当該認定に係る指定疾病が、有効期間の満了前に治る見込みがないときは、当該被認定者は、市長に対し、認定の更新を申請することができる。
2 市長は、前項の規定による申請があった場合において、公害健康被害者認定審査会の意見をきき、当該指定疾病が有効期間の満了後においても継続すると認めるときは、当該指定疾病に係る認定を更新する。
(認定の取消し)
第9条 市長は、被認定者が次の各号のいずれかに該当する場合は、認定を取り消すものとする。
(1) 公害健康被害者認定審査会の意見をきき、被認定者の当該認定に係る指定疾病が治ったと認めるとき。
(2) 被認定者が八戸市の区域外に住所を移したとき。
(一部改正〔平成17年条例79号・27年30号〕)
(補償給付の請求)
第10条 補償給付の請求は、認定の申請がされた後は、認定前であってもすることができる。
2 補償給付を支給する旨の処分は、その請求のあった日にさかのぼってその効力を生ずる。
(支給期間及び支払期月)
第11条 定期的に行う補償給付の支給は、その請求があった日の属する月の翌月から始め、支給すべき理由が消滅した日の属する月で終る。
2 定期的に行う補償給付は、毎年2月、5月、8月及び11月の4期に、それぞれの前月までの分を支払う。ただし、前支払期月に支払うべきであった補償給付又は支給すべき理由が消滅した場合におけるその期の補償給付は、その支払期月でない月であっても、支払うことができる。
(未支給の補償給付)
第12条 補償給付を受けることができる者が死亡した場合において、その死亡した者に支給すべき補償給付でまだその者に支給していなかったものがあるときは、その者の配偶者(届出をしていないが、事実上婚姻関係と同様の事情にあった者を含む。以下同じ。)、子、父母、孫、祖父母又は兄弟姉妹であって、その者の死亡の当時その者と生計を同じくしていたものは、自己の名で、その支給を請求することができる。
2 未支給の補償給付を受けることができる者の順位は、前項に規定する順序による。
3 未支給の補償給付を受けることができる同順位者が2人以上あるときは、その1人がした請求は、全員のためその全額につきしたものとみなし、その1人に対してした支給は、全員に対してしたものとみなす。
(不正利得の返還)
第13条 偽りその他不正の手段により補償給付の支給を受けた者があるときは、市長は、その者からその補償給付の支給に要した費用に相当する金額の全部又は一部を返還させることができる。
(譲渡等の禁止)
第14条 補償給付の支給を受ける権利は、これを譲渡し、又は担保に供してはならない。
第2章 医療費
(医療費の支給等)
第15条 市長は、被認定者が当該認定に係る指定疾病について、次の各号に掲げる医療を受けたときは、当該被認定者の請求に基づき、医療費を支給する。
(1) 診療
(2) 薬剤又は治療材料の支給
(3) 医学的処置、手術及びその他の治療
(4) 居宅における療養上の管理及びその療養に伴う世話その他の看護
(5) 病院又は診療所への入院及びその療養に伴う世話その他の看護
2 被認定者が医療を受けようとするときは、自己の選定する医療機関に手帳を提示して、当該機関から受けるものとする。
(一部改正〔平成6年条例35号〕)
(1) 健康保険法(大正11年法律第70号)
(2) 国民健康保険法(昭和33年法律第192号)
(3) 船員保険法(昭和14年法律第73号)
(4) 国家公務員等共済組合法(昭和33年法律第128号)
(5) 地方公務員等共済組合法(昭和37年法律第152号)
(6) 私立学校教職員共済組合法(昭和28年法律第245号)
2 前項の医療に要する費用の額は、健康保険の療養に要する費用の額の算定方法の例により算定した額とする。ただし、現に要した費用の額を超えることができない。
3 被認定者が当該認定に係る指定疾病について医療機関で医療を受けた場合には、当該医療機関は、当該医療を受けた者に対する請求に代えて、その者が前条第1項の規定により支給されるべき医療費の額を、市長に対し、請求することができる。
4 市長は、前項の規定による請求があったときは、当該医療を受けた者に代わり、当該医療機関に医療費を支払うものとする。
5 前項の規定による支払があったときは、当該医療を受けた者に対し医療費の支給があったものとみなす。
6 医療費の支給又は支払の請求は、その請求をすることができる時から2年を経過したときは、することができない。
(一部改正〔昭和52年条例46号・平成6年35号〕)
第3章 障害補償費
(障害補償費の支給)
第17条 市長は、被認定者(15歳に達しない者を除く。)の指定疾病による障害の程度が、規則で定める障害の程度に該当するものであるときは、当該被認定者の請求に基づき、公害健康被害者認定審査会の意見をきいて、その障害の程度に応じた障害補償費を支給する。
(障害補償費の額)
第18条 障害補償費の額は、被認定者の障害補償標準給付基礎月額に相当する額にその者の障害の程度に応じた規則で定める率を乗じて得た額(指定疾病による障害の程度が前条の規則で定める障害の程度のうち最も重度である障害の程度に該当するものである場合にあっては、その額と規則で定める介護加算額とを合算した額)とする。
2 障害補償標準給付基礎月額は、規則で定める。
(障害補償費の額の改定等)
第19条 障害補償費の支給を受けている者は、当該指定疾病による障害の程度につき、1年ごとに、市長の診査を受けなければならない。市長が、障害補償費の支給に関し特に必要があると認めて診査を受けるべき旨を命じたときも、同様とする。
3 障害補償費の支給を受けている者は、市長に対し、当該指定疾病による障害の程度が増進したことを理由として、障害補償費の額の改定を請求することができる。
5 障害補償費の額の算定の基礎となる障害補償標準給付基礎月額に変更があったときは、障害補償費の額は、改定されるものとする。
7 障害補償費の支給を受けている者が、正当な理由がなく第1項の診査を受けなかったときは、市長は、障害補償費の支給を一時差し止めることができる。
第4章 遺族補償費及び遺族補償一時金
(遺族補償費の支給)
第20条 市長は、被認定者が当該認定に係る指定疾病に起因して死亡したときは、死亡した被認定者の遺族の請求に基づき、公害健康被害者認定審査会の意見をきいて、遺族補償費を支給する。
2 遺族補償費を支給する期間は、10年を限度とする。
(遺族補償費を受けることができる遺族の範囲及び順位)
第21条 遺族補償費を受けることができる遺族は、被認定者の配偶者、子、父母、孫、祖父母及び兄弟姉妹であって、被認定者の死亡の当時その者によって生計を維持していたもの(死亡の当時その者によって生計を維持していたものがないときは、認定の申請の当時その者によって生計を維持していたもの)とする。ただし、妻(届出をしていないが、事実上婚姻関係と同様の事情にあった者を含む。)以外の者にあっては、被認定者の死亡の時に次に掲げる要件に該当した場合に限るものとする。
(1) 夫(届出をしていないが、事実上婚姻関係と同様の事情にあった者を含む。)、父母又は祖父母については、60歳以上であること。
(2) 子、孫又は兄弟姉妹については、18歳未満又は60歳以上であること。
2 被認定者の死亡の時に胎児であった子が出生したときは、前項の規定の適用については、将来に向かって、その子は、被認定者の死亡の当時その者によって生計を維持していた子とみなす。
3 遺族補償費を受けることができる遺族の順位は、配偶者、子、父母、孫、祖父母及び兄弟姉妹の順序とする。
(遺族補償費の額)
第22条 遺族補償費の額は、当該死亡した被認定者の遺族補償標準給付基礎月額に相当する額とする。
2 遺族補償標準給付基礎月額は、規則で定める。
3 遺族補償費を受けることができる同順位の遺族が2人以上ある場合における各人の遺族補償費の額は、第1項の額をその人数で除して得た額とする。
(遺族補償費の額の改定)
第23条 遺族補償費を受けることができる同順位の遺族の数に増減を生じたときは、遺族補償費の額を改定する。
(遺族補償費が支給されない場合)
第24条 遺族補償費を受けることができる者が次の各号のいずれかに該当するに至ったときは、その者に対する遺族補償費は、支給しない。
(1) 死亡したとき。
(2) 婚姻(届出をしていないが、事実上婚姻関係と同様の事情にある場合を含む。)をしたとき。
(3) 直系血族又は直系姻族以外の者の養子(届出をしていないが、事実上養子縁組関係と同様の事情にある者を含む。)となったとき。
(4) 離縁によって、死亡した被認定者との親族関係が終了したとき。
(5) 子、孫又は兄弟姉妹にあっては、18歳に達したとき。
(一部改正〔平成17年条例79号〕)
(後順位者からの遺族補償費の請求)
第25条 遺族補償費を受けることができる先順位者がその請求をしないで死亡した場合においては、次順位者が遺族補償費を請求することができる。前条の規定により遺族補償費が支給されないこととなった場合において、同順位者がなくて後順位者があるときも、同様とする。
(遺族補償一時金の支給)
第26条 市長は、被認定者が当該認定に係る指定疾病に起因して死亡した場合において、その死亡の時に遺族補償費を受けることができる遺族がないときは、次に掲げる者の請求に基づき、公害健康被害者認定審査会の意見をきいて、遺族補償一時金を支給する。
(1) 配偶者
(2) 被認定者の死亡の当時その者によって生計を維持していた子、父母、孫及び祖父母
(3) 被認定者の認定の申請の当時その者によって生計を維持していた子、父母、孫及び祖父母
(4) 前2号に該当しない子、父母、孫及び祖父母並びに兄弟姉妹
(一部改正〔平成17年条例79号〕)
(遺族補償一時金の額)
第27条 前条第1項の規定により支給する遺族補償一時金の額は、当該死亡した被認定者の遺族補償標準給付基礎月額に相当する額に36月を乗じて得た額に相当する額とする。
(一部改正〔平成17年条例79号〕)
(遺族補償費等の支給制限)
第29条 遺族補償費又は遺族補償一時金は、被認定者を故意に死亡させた者には、支給しない。被認定者の死亡前に、その者の死亡によって遺族補償費又は遺族補償一時金を受けることができる先順位又は同順位となるべき者を故意に死亡させた者についても、同様とする。
2 遺族補償費は、遺族補償費を受けることができる先順位又は同順位の者を故意に死亡させた者には、以後支給しない。
第5章 児童補償手当、療養手当及び葬祭料
(児童補償手当の支給)
第30条 市長は、被認定者で15歳に達しないものの指定疾病による障害の程度が、規則で定める障害の程度に該当するものであるときは、当該被認定者を養育している者の請求に基づき、公害健康被害者認定審査会の意見をきいて、その障害の程度に応じた規則で定める額(指定疾病による障害の程度が当該規則で定める障害の程度のうち最も重要である障害の程度に該当するものである場合にあっては、その額と第18条第1項の規則で定める介護加算額とを合算した額)の児童補償手当を支給する。
(療養手当の支給)
第31条 市長は、被認定者が当該認定に係る指定疾病について第15条第1項各号に掲げる医療を受けており、かつ、その病状の程度が規則で定める病状の程度に該当するものであるときは、当該被認定者の請求に基づき、その病状の程度に応じた規則で定める額の療養手当を支給する。
2 第16条第6項の規定は、療養手当の支給の請求について準用する。
(一部改正〔昭和52年条例46号〕)
(葬祭料の支給)
第32条 市長は、被認定者が当該認定に係る指定疾病に起因して死亡したときは、葬祭を行う者の請求に基づき、規則で定める額の葬祭料を支給する。
2 第28条の規定は、葬祭料の支給及びその請求について準用する。
第6章 補償給付の制限等
(補償給付の制限)
第33条 被認定者又は被認定者で15歳に達しないものを養育している者が、正当な理由がなく医療に関する指示に従わなかったときは、市長は、補償給付の全部又は一部を支給しないことができる。
第7章 公害健康被害者認定審査会
(公害健康被害者認定審査会)
第35条 この条例により、その権限に属させられた事項を行わせるため、八戸市公害健康被害者認定審査会(以下この条において「認定審査会」という。)を置く。
2 認定審査会は、委員10人以内で組織する。
3 委員は、医学、法律学その他公害に係る健康被害の救済に関し知識経験のある者のうちから、市長が委嘱する。
4 委員は、職務上知り得た秘密を他に漏らしてはならない。その職を退いた後も、同様とする。
5 認定審査会の運営について必要な事項は、市長が定める。
(一部改正〔昭和57年条例11号・平成17年79号〕)
第8章 雑則
(給付に係る資金)
第36条 この条例に基づく補償給付に係る必要な資金は、八戸市内の関係企業の協力によるものとし、当該協力について必要な事項は、別に関係企業と協定を締結するものとする。
(一部改正〔平成17年条例79号〕)
(委任事項)
第37条 この条例の施行について必要な事項は、市長が定める。
附則
1 この条例は、公布の日から起算して6月を超えない範囲内において規則で定める日から施行する。
(昭和52年5月規則第11号で、同52年6月1日から施行)
2 八戸市特別職の職員の報酬及び費用弁償等に関する条例(昭和31年八戸市条例第26号)の一部を次のように改正する。
別表第1中「
選挙長 投票管理者 開票管理者 | 同3,400円 |
」を「
公害健康被害者認定審査会の委員 | 同7,000円 |
選挙長 投票管理者 開票管理者 | 同3,400円 |
」に改める。
別表第2中「公害対策審議会の委員」を「
公害対策審議会の委員 公害健康被害者認定審査会の委員 |
」に改める。
附則(昭和52年12月24日条例第46号)
この条例は、昭和53年1月1日から施行する。
附則(昭和57年3月30日条例第11号)抄
1 この条例は、昭和57年4月1日から施行する。(後略)
附則(平成6年6月24日条例第27号)抄
1 この条例は、平成6年8月1日から施行する。
附則(平成6年9月30日条例第35号)
1 この条例は、平成6年10月1日から施行する。ただし、第16条の改正規定は、公布の日から施行する。
2 平成6年10月1日前に行われた看護又は移送に係る医療費の支給については、なお従前の例による。
附則(平成17年2月18日条例第79号)
1 この条例は、平成17年3月31日から施行する。
2 改正後の第35条の規定にかかわらず、八戸市公害健康被害者認定審査会の委員の定数については、この条例の施行の際現に在任する委員の任期が満了するまでの間、なお従前の例による。
附則(平成27年3月20日条例第30号)
この条例は、平成27年4月1日から施行する。