○八戸市中小企業・小規模企業振興基本条例

令和4年3月23日

条例第8号

太平洋に面する八戸市は、海からひらけ、海とともに発展した日本有数の水産都市であるとともに、臨海部に大規模な工業地帯を有するなど北東北を代表する工業都市である。また、八戸港、東北縦貫自動車道八戸線、東北新幹線八戸駅などで広域交通網に接続された八戸市は、交通や物流における利便性を生かし、北東北を代表する産業経済拠点として発展を遂げてきた。

こうした八戸市の発展を支えてきたのは、市内企業の大多数を占める中小企業・小規模企業であり、これらの企業は、八戸市の産業及び経済並びに雇用の担い手として重要な役割を果たしてきた。

しかしながら、近年、人口減少、少子高齢化、経済のグローバル化による競争激化など、中小企業・小規模企業を取り巻く環境は厳しさを増しており、さらには、地震や津波、洪水、土砂災害等の大規模な自然災害の頻発や、感染症の世界的な大流行等が中小企業・小規模企業の事業継続に大きな影響を及ぼしている。

このような状況の中で、将来にわたり八戸市が持続的な発展を遂げていくためには、中小企業者・小規模企業者が自らの創意工夫及び自主的な努力により経営基盤の強化及び経営の革新に努めるとともに、地域社会を構成する多様な主体が連携し、それぞれの役割に応じ、中小企業・小規模企業の振興に向けた取組を行うことが必要である。

ここに、中小企業・小規模企業の振興を市政の重要な柱の1つとして位置付けるとともに、地域社会が中小企業・小規模企業の重要性を共有し、一体となってその振興に取り組むため、この条例を制定する。

(目的)

第1条 この条例は、中小企業(小規模企業を含む。以下同じ。)の振興について基本理念を定め、市の責務等を明らかにするとともに、中小企業の振興に関する施策の基本となる事項を定めることにより、中小企業の振興に関する施策を総合的に推進し、もって本市経済の発展及び市民生活の向上に寄与することを目的とする。

(定義)

第2条 この条例において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。

(1) 中小企業者 次に掲げる者であって、市内に事務所又は事業所を有するものをいう。

 中小企業基本法(昭和38年法律第154号。以下「法」という。)第2条第1項各号に掲げる者

 中小企業団体の組織に関する法律(昭和32年法律第185号)第3条第1項に規定する中小企業団体、商店街振興組合法(昭和37年法律第141号)第2条第1項に規定する商店街振興組合及び商店街振興組合連合会その他これらに類する団体

(2) 小規模企業者 中小企業者のうち、法第2条第5項に規定する小規模企業者であって、市内に事務所又は事業所を有するものをいう。

(3) 中小企業関係団体 商工会議所、商工会その他の中小企業の振興に関係する団体であって、市内に事務所又は事業所を有するものをいう。

(4) 大企業者 中小企業者以外の事業を営む者であって、市内に事務所又は事業所を有するものをいう。

(5) 金融機関 銀行、信用金庫、信用協同組合その他の金融業を営む者及び信用保証協会であって、市内に事務所又は事業所を有するものをいう。

(6) 大学等 学校教育法(昭和22年法律第26号)第1条に規定する大学及び高等専門学校であって、市内に所在するものをいう。

(7) 経営の革新 法第2条第2項に規定する経営の革新をいう。

(8) 創造的な事業活動 法第2条第3項に規定する創造的な事業活動をいう。

(基本理念)

第3条 中小企業の振興は、次に掲げる事項を基本として行われなければならない。

(1) 中小企業が本市経済の発展、雇用の創出等に寄与し、市民生活の向上に大きく貢献する重要な存在であることを踏まえること。

(2) 中小企業者自らの創意工夫及び自主的な努力が促進されること。

(3) 本市が有する地域資源及び産業基盤の積極的な活用により、経営の革新及び創業並びに創造的な事業活動が促進されること。

(4) 本市経済の循環の促進により、持続可能な地域社会の構築が図られること。

(5) 小規模企業の活力が最大限に発揮されるよう、事業活動に資する環境が整備され、小規模企業の持続的な発展が図られること。

(6) 市、中小企業関係団体、大企業者、金融機関、大学等及び市民が、中小企業者とともに相互に連携し、及び協力すること。

(市の責務)

第4条 市は、前条の基本理念(以下「基本理念」という。)にのっとり、中小企業の振興に関する施策を総合的に実施する責務を有する。この場合において、市は、中小企業の実態を的確に把握するとともに、中小企業者の意見を聴き、適切に施策に反映するよう努めるものとする。

2 市は、前項の施策の実施に当たっては、国、関係地方公共団体、中小企業者、中小企業関係団体、大企業者、金融機関、大学等及び市民との連携及び協力に努めるものとする。

(中小企業者の努力)

第5条 中小企業者は、基本理念にのっとり、経済的及び社会的な環境の変化に対応するため、自らの創意工夫及び自主的な努力により、経営基盤の強化及び経営の革新に努めるものとする。

2 中小企業者は、市内における雇用機会の確保、人材の育成及び従業員の福利厚生の充実に努めるものとする。

3 中小企業者は、事業活動を行うに当たっては、市内において生産され、製造され、若しくは加工される物品又は提供されるサービスを積極的に利用するよう努めるものとする。

4 中小企業者は、地域社会を構成する一員としての社会的責任を自覚し、地域社会との調和を図り、暮らしやすい地域社会の実現に貢献するよう努めるものとする。

5 中小企業者は、市が実施する中小企業の振興に関する施策に協力するよう努めるものとする。

(中小企業関係団体の役割)

第6条 中小企業関係団体は、基本理念にのっとり、中小企業者に対し、その事業活動に必要な情報を提供するとともに、中小企業者が経営基盤の強化及び経営の革新を図るために行う取組に対する積極的な支援に努めるものとする。

2 中小企業関係団体は、創業及び事業承継を希望する者に対する積極的な支援に努めるものとする。

3 中小企業関係団体は、市が実施する中小企業の振興に関する施策に協力するよう努めるものとする。

(大企業者の役割)

第7条 大企業者は、基本理念にのっとり、その事業活動において中小企業が果たす役割の重要性についての理解を深めるとともに、中小企業者との連携及び協力に努めるものとする。

2 大企業者は、事業活動を行うに当たっては、市内において生産され、製造され、若しくは加工される物品又は提供されるサービスを積極的に利用するよう努めるものとする。

3 大企業者は、市が実施する中小企業の振興に関する施策に協力するよう努めるものとする。

(金融機関の役割)

第8条 金融機関は、基本理念にのっとり、中小企業者の資金需要及び経営相談に対し適切に対応することにより、中小企業者の経営の改善及び向上が図られるよう支援に努めるものとする。

2 金融機関は、創業及び事業承継を希望する者に対する積極的な支援に努めるものとする。

3 金融機関は、市が実施する中小企業の振興に関する施策に協力するよう努めるものとする。

(大学等の役割)

第9条 大学等は、基本理念にのっとり、本市経済の発展に寄与する人材の育成に努めるとともに、中小企業者との連携による新商品及び新技術の研究並びにその成果の普及に努めるものとする。

2 大学等は、市が実施する中小企業の振興に関する施策に協力するよう努めるものとする。

(市民の理解及び協力)

第10条 市民は、基本理念にのっとり、中小企業の振興が本市経済の発展及び市民生活の向上に寄与することについての理解を深めるとともに、市内において生産され、製造され、若しくは加工される物品又は提供されるサービスを積極的に利用するよう努めるものとする。

2 市民は、市が実施する中小企業の振興に関する施策に協力するよう努めるものとする。

(市の施策の基本方針)

第11条 市は、中小企業の振興に関する施策の推進に当たっては、基本理念にのっとり、次に掲げる事項を基本として行うものとする。

(1) 経営基盤の強化の促進を図ること。

(2) 地域資源及び産業基盤を生かし、経営の革新及び創業の促進並びに創造的な事業活動の促進を図ること。

(3) 販路拡大の促進を図ること。

(4) 人材の確保及び育成を支援すること。

(5) 事業承継の円滑化を図ること。

(6) 資金の供給の円滑化を図ること。

(7) 地産地消等の推進による本市経済の循環の促進を図ること。

(8) 中小企業者相互間又は中小企業者と中小企業関係団体、大企業者、金融機関、大学等及び市民との間での連携及び協力の促進を図ること。

2 市は、前項の施策の推進に当たっては、経済的及び社会的な環境の変化による影響が特に大きい小規模企業者について、その事業の持続的な発展が図られるよう支援に努めるとともに、円滑かつ着実な事業の運営が確保されるよう配慮するものとする。

(受注機会の確保)

第12条 市は、工事の発注並びに物品及び役務の調達に当たっては、契約の透明性及び競争の公正性の確保並びに予算の適正な執行に留意しつつ、中小企業者の受注機会の確保に努めるものとする。

(実施状況の公表)

第13条 市長は、毎年度、中小企業の振興に関する施策の実施状況を公表するものとする。

(中小企業・小規模企業振興会議)

第14条 中小企業の振興を推進するため、八戸市中小企業・小規模企業振興会議(以下「振興会議」という。)を置く。

2 振興会議は、市長の諮問に応じ、中小企業の振興に関する基本的事項について調査審議し、その結果を答申する。

3 振興会議は、中小企業の振興に関する事項について必要があると認めるときは、市長に対して意見を述べることができる。

4 振興会議は、次に掲げる者のうちから市長が委嘱した委員をもって組織する。

(1) 学識経験者

(2) 中小企業関係団体の関係者

(3) 金融機関の関係者

(4) 中小企業の経営者

(5) 関係行政機関の職員

(6) 公募に応じた者

(7) その他市長が必要と認める者

5 前項の委員の定数は、15人以内とする。

6 前各項に定めるもののほか、振興会議の組織及び運営等について必要な事項は、市長が定める。

(委任)

第15条 この条例の施行に関し必要な事項は、市長が定める。

1 この条例は、令和4年4月1日から施行する。

別表第1及び別表第2中「魚菜小売市場使用者選考審査会の委員」を「

魚菜小売市場使用者選考審査会の委員

中小企業・小規模企業振興会議の委員

」に改める。

八戸市中小企業・小規模企業振興基本条例

令和4年3月23日 条例第8号

(令和4年4月1日施行)