○八戸市みどりの環づくり基本条例
平成19年12月27日
条例第61号
目次
前文
第1章 総則(第1条―第7条)
第2章 基本計画(第8条)
第3章 緑化と緑のネットワークづくり(第9条―第13条)
第4章 緑の普及啓発及び活動(第14条―第17条)
第5章 保存樹木等(第18条―第25条)
第6章 緑の審議会(第26条)
第7章 雑則(第27条)
附則
緑は、大気と水を清らかにし、大地を守り、多くの生き物たちを養い、生命をつないでいる。太古、この地でわれわれの祖先たちは、豊かな森の恵みをもとに世界に誇るべき縄文の文化を開花させた。縄文は、人と自然が共生する文化であり、そして地域を越えてダイナミックに結ばれた文化であった。是川遺跡に代表される縄文時代の遺跡の出土品からは、当時の交流圏の広さと、自然とともにあった古人たちの祈りや洗練された美意識をうかがい知ることができる。そして、幾千年の時間と、社会や環境の変化を経ながらも、八戸の緑は今に引き継がれてきた。
しかしながら、現在、都市の拡大や生活様式の変化、外来種の侵入などにより、緑の量の減少と質の低下が懸念されている。
かつてほど直接自然の恵みに依存しなくなったように見えても、緑は人の健康で安全な生活に不可欠な環境基盤であることに変わりない。また、われわれも緑への想いを失っているわけではなく、花をいとおしみ、緑に心を癒される。
緑は、さまざまなつながりによって再生される。緑と緑のつながりは、生態系を豊かにし、人と緑の多様なつながりは、人の精神や文化を豊かにする。そして、緑を縁とした人と人のつながりは、環境をより良いものとする力となる。われわれは、これら「みどりの環」とでも言うべきつながりの持つ力に着目し、緑について考え、行動し、緑豊かな八戸を次の世代へと引き継いでいかなければならない。
このような認識の下に、市、市民及び事業者がそれぞれの役割を分担しながら、八戸の緑をそだて、まもり、つなぐことによって「みどりの環」を広げるため、この条例を制定する。
第1章 総則
(目的)
第1条 この条例は、緑の保全及び創出に関する基本理念を定め、並びに市、市民、事業者及び土地の所有者又は管理者(以下「土地所有者等」という。)の責務を明らかにするとともに、緑の保全及び創出に関する施策について必要な事項を定めることにより、現在及び将来にわたり市民の財産である緑をそだて、まもり、緑と共生する緑豊かな都市の形成に寄与することを目的とする。
(定義)
第2条 この条例において「緑」とは、樹木、草花等の植物、水、その他の自然並びにこれらの要素を有する森林、農地、河川その他の土地及び空間が一体となって良好な自然的環境を形成しているものをいう。
(基本理念)
第3条 八戸市の緑をそだて、まもり、つなぐことによる「みどりの環」づくりに向けて、市並びに市民、事業者及び土地所有者等(以下「市民等」という。)それぞれが、責務を自覚し行動するとともに、お互いが協力し合い緑の保全及び創出に取り組まなければならない。
(市の責務)
第4条 市は、前条に定める緑の保全及び創出に関する基本理念(以下「基本理念」という。)にのっとり、緑の保全及び創出に関する総合的な施策を策定し、及び実施しなければならない。この場合において、市は、市民等が当該施策の策定及び実施に参画する機会を設けるよう努めなければならない。
2 市は、緑の保全及び創出に関する施策の策定及び実施に当たっては、国、関係地方公共団体等と連携を図るよう努めなければならない。
(市民の責務)
第5条 市民は、基本理念にのっとり、緑の保全及び創出に自ら努めるとともに、緑の保全及び創出に関する施策の策定及び実施に積極的に参画し、及び協力するよう努めなければならない。
(事業者の責務)
第6条 事業者は、基本理念にのっとり、その事業活動を行うに当たっては、緑の保全及び創出に必要な措置を講ずるとともに、緑の保全及び創出に関する施策の策定及び実施に積極的に参画し、及び協力するよう努めなければならない。
(土地所有者等の責務)
第7条 土地所有者等は、その所有し、又は管理する土地について緑の保全及び創出に自ら努めるとともに、緑の保全及び創出に関する施策の策定及び実施に積極的に参画し、及び協力するよう努めなければならない。
第2章 基本計画
第8条 市長は、緑の保全及び創出に関する施策の総合的かつ計画的な推進を図るため、緑の保全及び創出に関する基本的な計画(以下「基本計画」という。)を定めなければならない。
2 基本計画は、都市緑地法(昭和48年法律第72号)第4条第1項の緑地の保全及び緑化の推進に関する基本計画の内容を満たすものでなければならない。
3 基本計画には、次に掲げる事項を定めるものとする。
(1) 緑の保全及び創出の目標
(2) 緑の保全及び創出の推進のための施策に関する事項
(3) 保存樹又は保存樹林に関する基本的事項
(4) その他緑の保全及び創出に関し必要な事項
4 市長は、基本計画を定めようとするときは、あらかじめ市民等の意見を反映させるために必要な措置を講ずるとともに、八戸市緑の審議会の意見を聴かなければならない。
5 市長は、基本計画を定めたときは、これを公表するものとする。
6 前2項の規定は、基本計画の変更について準用する。
第3章 緑化と緑のネットワークづくり
(公共施設の緑化)
第9条 市長は、市が設置し、又は管理する道路、公園、学校、庁舎その他の公共施設について、樹木、草花等の植物の植栽を行うこと等により緑化に努めなければならない。
2 市長は、国又は他の地方公共団体が設置し、又は管理する公共施設について、その緑化に努めるよう、当該国又は地方公共団体に対して協力を要請するよう努めなければならない。
(民有地の緑化)
第10条 市民等は、その所有し、又は管理する住居、工場、事務所、店舗、賃貸住宅等の敷地(以下「民有地」という。)について、樹木、草花等の植物の植栽を行うこと等により緑化に努めなければならない。
(まちかど広場の設置等)
第11条 市長は、市街地の緑化を推進するため、市街地を形成している地域において市が設置し、若しくは管理する公共施設又は市民等から借り受けた民有地に、まちかど広場(市民の休息その他の利用に供する広場で植栽、花壇その他の緑化のための施設及びこれに附属して設けられる園路、土留めその他の施設を有するものをいう。)を設置し、管理することができる。
(在来種による緑化等)
第12条 市及び市民等は、緑化に当たっては、できる限り市の木、市の花等の在来種を選定するものとする。
2 市及び市民等は、緑化に当たっては、希少種の保存に努めるとともに、生態系に影響を及ぼさないよう配慮するものとする。
(緑のネットワーク)
第13条 市及び市民等は、緑化に当たっては、できる限り既存の街路樹、公園、生垣、花壇等の緑と連続させ、緑のネットワークの形成に努めるものとする。
第4章 緑の普及啓発及び活動
(普及啓発)
第14条 市長は、緑の保全及び創出に関する普及啓発のため、緑の保全及び創出に関する情報を収集するとともに、市民等に当該情報を提供するものとする。
2 市は、市民等が自主的に行う緑の保全及び創出に関する活動を促進するために必要な施策を講ずるよう努めるものとする。
3 市は、緑の保全及び創出に関する学校教育及び社会教育を充実させるために必要な施策を講ずるよう努めるものとする。
(緑化協力員)
第15条 市長は、緑の保全及び創出に関する地域の自主的な活動を促進するため、緑化協力員を置くものとする。
2 緑化協力員は、緑の保全及び創出に関する施策に協力するとともに、地域における緑の保全及び創出に関する普及啓発に努めるものとする。
3 市長は、講習会の開催を行うこと等により、緑化協力員の育成に努めるものとする。
(緑の活動団体)
第16条 市長は、緑の保全及び創出に関する自主的な活動を行う団体(以下「緑の活動団体」という。)の育成に努めるものとする。
2 市長は、緑の活動団体に対し必要な支援を行うことができる。
(表彰)
第17条 市長は、緑の保全及び創出に関し、顕著な功績があったと認める個人又は団体を表彰することができる。
第5章 保存樹木等
(保存樹木等の指定)
第18条 市長は、地域の美観風致を維持するため保存する必要がある樹木若しくは樹木の集団又は神社、寺院等の建造物、遺跡等と一体となって当該地域において歴史的若しくは文化的意義を有する樹木若しくは樹木の集団のうち規則で定める基準に該当するものを、保存樹木又は保存樹林(以下「保存樹木等」という。)として指定することができる。
2 市長は、前項の規定による指定をしようとするときは、あらかじめその指定をしようとする樹木又は樹木の集団の所有者の承諾を得るとともに、八戸市緑の審議会の意見を聴かなければならない。
3 第1項の規定は、法令の規定に基づき指定され、又は仮指定された樹木又は樹木の集団については、適用しない。
4 市長は、第1項の規定により保存樹木等を指定したときは、その旨を告示するとともに、当該保存樹木等の所有者(以下「所有者」という。)に通知しなければならない。
(標識の設置)
第19条 市長は、前条第1項の規定による保存樹木等の指定があったときは、規則で定めるところにより、これを表示する標識を設置しなければならない。
2 何人も、設置された標識を市長の承認を得ないで移転し、除去し、又は損壊してはならない。
(所有者の保存義務等)
第20条 所有者は、保存樹木等について、枯損の防止その他その保存に努めなければならない。
2 何人も、保存樹木等が大切に保存されるように協力しなければならない。
(届出)
第21条 所有者は、保存樹木等が滅失し、又は枯死したときは、遅滞なく、その旨を市長に届け出なければならない。
2 所有者は、保存樹木等を伐採し、又は他に譲渡しようとするときは、あらかじめその旨を市長に届け出なければならない。
(変更措置)
第22条 市長は、前条第2項の規定による届出があったときは、保存樹木等を保存する観点からその変更を求めることができる。
(指導、助言又は技術的支援)
第23条 市長は、所有者に対し、保存樹木等の枯損の防止その他その保存に関し必要な指導、助言又は技術的支援をすることができる。
(台帳)
第24条 市長は、保存樹木等に関する台帳を作成し、これを保存しなければならない。
(指定の解除)
第25条 市長は、保存樹木等について、第18条第3項の樹木又は樹木の集団に該当するに至ったとき、又は保存樹木等について滅失、枯死等によりその指定の理由が消滅したときは、遅滞なく、その指定を解除しなければならない。
2 市長は、公益上の理由その他特別な理由があるときは、保存樹木等の指定を解除することができる。
3 所有者は、市長に対し、保存樹木等について前項の規定により指定を解除すべき旨を申請することができる。
第6章 緑の審議会
第26条 市長の諮問に応じ緑の保全及び創出に関する事項を調査審議するために、八戸市緑の審議会(以下「審議会」という。)を設置する。
2 審議会は、委員5人以内をもって組織する。
3 委員は、次に掲げる者のうちから、市長が委嘱する。
(1) 知識経験のある者
(2) 公募に応じた者
4 委員の任期は、2年とする。ただし、補欠の委員の任期は、前任者の残任期間とする。
5 委員は、再任されることができる。
6 審議会の運営について必要な事項は、市長が定める。
第7章 雑則
第27条 この条例の施行に関し必要な事項は、市長が定める。
附則
1 この条例は、平成20年4月1日から施行する。
2 この条例の施行の際現に策定されている八戸市緑の基本計画は、第8条第1項の規定に基づき定められた基本計画とみなす。
3 八戸市特別職の職員の報酬及び費用弁償に関する条例(昭和31年八戸市条例第26号)の一部を次のように改正する。
別表第1及び別表第2中「景観審議会の委員」を「
景観審議会の委員 緑の審議会の委員 |
」に改める。