○八王子市地区まちづくり推進条例
平成18年9月27日
条例第44号
目次
前文
第1章 総則(第1条―第5条)
第2章 地区まちづくり(第6条―第16条)
第3章 地区まちづくりに対する支援(第17条・第18条)
第4章 八王子市まちづくり審議会(第19条―第21条)
第5章 法定制度の活用(第22条―第26条)
第6章 雑則(第27条―第30条)
附則
私たちのまち八王子は、高尾、陣馬の山並みや清流浅川に代表される豊かな自然に彩られ、歴史と文化に培われた魅力ある多様な地域から成り立っている。
こうした地域は、社会資本の整備と都市機能の充実を重視したまちづくりのもとに大きく発展し、市民の生活環境も改善され、成熟した都市へと変貌しつつある。
地方分権が進展するなか、この都市の成長をさらに促すためには、多様な価値観を有する市民の主体的な参加を得ながら、八王子らしい独自のまちづくりを進めていくことが肝要である。
そのためには、私たちは、賢明な先人達によって築きあげられてきた誇りあるまち八王子を、後世に引き継いでいく重大な責務をなお一層自覚する必要がある。そして、その責務を果たすために、市民、事業者及び市の三者が課題を共有し、望ましいまちの将来像の実現に向け、協働の理念のもとに協力・連携して取り組んでいかなければならない。
ここに市民、事業者及び市の責務と役割を明らかにするとともに、協働によりまちづくりを推進するべく、条例を制定する。
第1章 総則
(目的)
第1条 この条例は、都市計画法(昭和43年法律第100号)第18条の2第1項の規定により定めた本市の都市計画に関する基本的な方針(以下「八王子市都市計画マスタープラン」という。)に掲げる将来都市像を実現するため、市民、事業者及び市の責務を明らかにするとともに、協働によりまちづくりを推進するために必要となる基本的な事項を定め、もって魅力ある住みよいまちづくりの推進を図ることを目的とする。
(1) 地区まちづくり 地区住民等による身近な地区における土地利用等に関する計画及び基準(以下「地区まちづくり計画」という。)の策定並びに地区まちづくり計画の実現及び法定制度の活用に向けた活動をいう。
(2) 地区住民等 市内の一定の地区に居住する者、当該地区で事業を営む者及び当該地区の土地所有者等をいう。
(3) 土地所有者等 市内の土地(国又は地方公共団体の所有する土地で公共施設(都市計画法第4条第14項に規定する公共施設をいう。)の用に供されている土地を除く。)について所有権又は建築物(建築基準法(昭和25年法律第201号)第2条第1号に規定する建築物をいう。以下同じ。)の所有を目的とする地上権若しくは賃借権(臨時設備その他一時使用のため設定されたことが明らかなものを除く。)を有する者をいう。
(4) 事業者 次号に掲げる建築行為等を行い、又は行わせる者をいう。
(5) 建築行為等 次に掲げる行為をいう。
ア 都市計画法第4条第12項に規定する開発行為
イ 土地の区画形質の変更(アに掲げるもの及び農林漁業を営むために行うものを除く。)
ウ 建築物の新築、増築、改築若しくは移転、外観を変更することとなる修繕若しくは模様替、色彩の変更又は用途の変更
エ 工作物(建築物を除く。)の新設、増築、改築若しくは移転、外観を変更することとなる修繕若しくは模様替、色彩の変更又は用途の変更
オ 屋外広告物法(昭和24年法律第189号)第2条第1項に規定する屋外広告物の掲出又は表示
カ 木竹の伐採
(市民の責務)
第3条 市内に居住する者、市内で事業を営む者及び土地所有者等(以下「市民」という。)は、市民相互の協力により、魅力ある住みよいまちづくりを推進するため、地区の特性を活かした地区まちづくりに主体的に取り組むよう努めなければならない。
2 市民は、市が行う魅力ある住みよいまちづくりに関する施策に協力しなければならない。
(事業者の責務)
第4条 事業者は、地域社会の一員として、建築行為等がまちづくりに及ぼす影響を自覚し、市民による地区まちづくりを尊重するとともに、環境に配慮し、魅力ある住みよいまちづくりへの協力に努めなければならない。
2 事業者は、市が行う魅力ある住みよいまちづくりに関する施策に協力しなければならない。
(市の責務)
第5条 市は、魅力ある住みよいまちづくりを推進するために必要な施策を策定し、その実施に努めなければならない。
2 市は、前項の施策の策定及び実施に当たっては、市民の意見を十分に反映するよう努めなければならない。
3 市は、地区まちづくりを支援し、その促進に努めなければならない。
第2章 地区まちづくり
(地区まちづくり準備会)
第6条 地区住民等は、次条に規定する地区まちづくり協議会の設立を準備する団体を組織し、市長に対し、市規則で定めるところにより地区まちづくり準備会としての登録を申請することができる。
2 市長は、前項の団体が次の要件に適合すると認めたときは、地区まちづくり準備会として登録するものとする。
(1) 規約等があること。
(2) 代表者を定めていること。
(3) おおむねの活動対象区域を定めていること。
(4) その他市規則で定める要件
3 市長は、必要があると認めたときは、地区まちづくり準備会に対し、活動内容の報告を求めることができる。
(地区まちづくり協議会)
第7条 地区住民等は、地区まちづくりの推進を目的とする団体を組織し、市長に対し、市規則で定めるところにより地区まちづくり協議会(以下「協議会」という。)としての認定を申請することができる。
2 市長は、前項の団体が次の要件に適合すると認めたときは、協議会として認定するものとする。
(1) 規約等があること。
(2) 代表者を定めていること。
(3) 活動区域を定めていること。
(4) 地区住民等で構成されていること。ただし、協議会の決定により、当該地区住民等以外の者を構成員とすることができる。
(5) 地区住民等の自由な参加を保障していること。
(6) 認定を受けることについて、市規則で定める基準以上の地区住民等から支持を得ていること。
(7) 活動内容が特定の者に利害を及ぼすものではないこと。
(8) その他市規則で定める要件
4 市長は、必要があると認めたときは、協議会に対し、活動内容の報告を求めることができる。
5 市長は、協議会が長期間活動を停止しているときその他市規則で定める要件に該当したときは、あらかじめ八王子市まちづくり審議会の意見を聴き、協議会の認定を取り消すことができる。
(地区まちづくり計画の案の策定)
第8条 協議会は、次に掲げる事項を定めた地区まちづくり計画の案を策定することができる。
(1) 地区まちづくり計画の名称
(2) 地区まちづくり計画の地区の位置及び区域
(3) 地区まちづくり計画の目標及び方針
2 協議会は、地区まちづくり計画の案に、次に掲げる事項を定めることができる。
(1) 地区まちづくり計画の地区における建築行為等に関する制限(以下「地区まちづくりルール」という。)
(2) その他地区まちづくりのために必要な事項
3 協議会は、次に掲げる要件を満たす地区まちづくり計画の案を策定したときは、市長に対し、市規則で定めるところにより認定を申請することができる。
(1) おおむね5,000平方メートル以上の面積を有するまとまりのある区域であること。
(2) 地区の土地利用、建築物の建築、自然環境の保全、景観の形成等の方針を定めたものであること。
(3) 地区住民等の半数以上で市規則で定める基準以上の同意があること。
(4) 八王子市都市計画マスタープランその他の市のまちづくりに関する計画及び市が行うまちづくりに関する施策に適合していること。
(5) その他市規則で定める要件
(地区まちづくり計画の案の縦覧等)
第9条 市長は、前条の地区まちづくり計画の案を認定しようとするときは、あらかじめ次に掲げる事項を公告し、当該計画の案を当該公告の日の翌日から起算して3週間公衆の縦覧に供しなければならない。
(1) 地区まちづくり計画の案の名称、位置及び区域
(2) 縦覧場所
2 市長は、地区住民等に対する周知のため必要があると認めたときは、協議会に対し、縦覧期間中に説明会の開催その他必要な措置を講ずるよう要請することができる。
3 地区住民等は、縦覧に供された地区まちづくり計画の案について意見があるときは、縦覧期間満了の日までに、市長に対し、意見書を提出することができる。
(地区まちづくり計画の認定)
第10条 市長は、地区まちづくり計画の案が、第8条第3項各号に規定する要件に適合していると認めたときは、地区まちづくり計画として認定するものとする。
2 前項の場合において、市長は、あらかじめ八王子市まちづくり審議会の意見を聴かなければならない。
3 市長は、八王子市まちづくり審議会の意見を聴くときは、前条第3項に規定する意見書の要旨並びに意見書に対する協議会及び市の見解を書面で提出しなければならない。
4 市長は、地区まちづくり計画として認定したときは、速やかに申請をした協議会に通知するとともに、その旨を告示し、当該計画を公衆の縦覧に供しなければならない。この場合において、当該地区まちづくり計画は、当該告示があった日から、その効力を生ずる。
5 市長は、地区まちづくり計画として認定しないときは、速やかにその旨及び理由を、当該地区まちづくり計画の案を申請した協議会に通知しなければならない。この場合において、市長は、あらかじめ八王子市まちづくり審議会の意見を聴かなければならない。
2 市長は、地区まちづくり計画の変更について、協議会に対し、これを要請することができる。
(地区まちづくり計画の実現)
第12条 地区住民等及び協議会は、地区まちづくり計画を遵守し、その実現に努めなければならない。
2 市長は、地区まちづくり計画を尊重し、これを実現するために必要な措置を講ずるよう努めなければならない。
(地区まちづくりルールへの適合)
第13条 事業者は、地区まちづくり計画を尊重するとともに、地区まちづくりルールに適合した建築行為等を行わなければならない。
2 事業者は、建築行為等に係る許可、認可、確認等(以下「許可等」という。)の申請をする日(2以上の許可等の申請を行う場合にあっては最初の許可等の申請をする日をいい、許可等の申請が不要な場合にあっては建築行為等に着手する日をいう。)の30日前までに、市長に対し、建築行為等の内容を届け出なければならない。当該届出をした事項を変更しようとする場合も、同様とする。
3 市長は、前項の届出があった場合において、当該届出の内容が地区まちづくりルールとの適合において必要があると認めたときは、事業者に対し、協議会と協議をすることを求めることができる。
4 前3項の規定は、地区まちづくりルールに定めのない事項に係る行為その他市規則で定める行為については、適用しない。
(指導及び勧告)
第14条 市長は、前条第2項の規定による届出があった場合において、当該届出の内容が地区まちづくりルールに適合しないと認めたときは、当該事業者に対し、地区まちづくりルールに適合するよう指導し、これに従わないときは勧告することができる。
2 市長は、前条第2項の規定による届出をしない事業者又は虚偽の届出をした事業者に対し、期限を定めて、必要な措置を講ずるよう指導し、これに従わないときは勧告することができる。
3 市長は、事業者の行為が地区まちづくりルールに適合しないときは、期限を定めて、必要な措置を講ずるよう指導し、これに従わないときは勧告することができる。
(立入検査等)
第15条 市長は、この条例の施行について必要な限度において、事業者から建築行為等に係る工事その他の行為の状況について報告若しくは資料の提出を求め、又は関係職員を建築行為等を行っている区域内に立ち入らせ、工事その他の行為の状況を検査(以下「立入検査等」という。)させることができる。
2 前項の規定による立入検査等を行う職員は、その身分を示す証明書を携帯し、関係者に提示しなければならない。
3 第1項の規定による立入検査等の権限は、犯罪捜査のために認められたものと解してはならない。
(公表)
第16条 市長は、第14条の規定により勧告を受けた者が正当な理由がなく当該勧告に従わないときは、その者の住所及び氏名(法人にあっては、その名称及び主たる事務所等の所在地)並びにその事実を公表することができる。
2 市長は、前項の規定により公表をしようとするときは、あらかじめ当該公表をされる者に対し、その旨を通知し、書面で意見を述べる機会を与えなければならない。
3 第1項の場合において、市長は、あらかじめ八王子市まちづくり審議会の意見を聴かなければならない。
第3章 地区まちづくりに対する支援
(まちづくり情報の提供)
第17条 市民は、市長に対し、地区まちづくりの推進に必要な情報の提供を求めることができる。
2 市長は、市民に対し、地区まちづくりに関する適切な情報提供を行うため、まちづくりに関する情報の収集等に努めるものとする。
3 市長は、地区まちづくりについて、協議会が成果を発表し、相互交流する機会を設けるよう努めなければならない。
(協議会等への支援)
第18条 市長は、地区まちづくり準備会及び協議会(以下「協議会等」という。)に対し、予算の範囲内において財政的な援助その他必要な支援を行うことができる。
2 市長は、協議会等に対し、地区まちづくりについて助言及び指導をすることができる。
3 協議会等は、市長に対し、地区まちづくりに必要な助言及び指導を受けるため、まちづくりに関する専門知識、経験等を有する者のあっ旋を求めることができる。
第4章 八王子市まちづくり審議会
(設置)
第19条 この条例に定めるまちづくりに関する事項を調査審議するため、市長の附属機関として、八王子市まちづくり審議会(以下「まちづくり審議会」という。)を置く。
(所掌事項)
第20条 まちづくり審議会は、市長の諮問に応じ、次に掲げる事項について調査審議し、答申する。
(1) 協議会の認定に関すること。
(2) 地区まちづくり計画の認定に関すること。
(3) その他この条例に基づくまちづくりの推進に必要な事項
(組織)
第21条 まちづくり審議会は、10人以内の委員をもって組織する。
2 委員は、学識経験を有する者及び市民のうちから市長が委嘱する。
3 委員の任期は2年とする。ただし、再任を妨げない。
4 前3項に定めるもののほか、まちづくり審議会の組織及び運営に関し必要な事項は、市規則で定める。
第5章 法定制度の活用
(法定制度の活用)
第22条 市民及び市長は、魅力ある住みよいまちづくりの推進を図るため地区計画等(都市計画法第4条第9項に規定する地区計画等をいう。以下同じ。)、都市計画の提案制度(都市計画法第21条の2に規定する都市計画の決定等の提案をいう。)及び建築協定(建築基準法第69条に規定する建築協定をいう。以下同じ。)の活用に努めなければならない。
(地区計画等の原案の提示方法等)
第23条 市長は、都市計画法第16条第2項の規定に基づき、地区計画等の案を作成しようとするときは、あらかじめ次に掲げる事項を公告し、当該地区計画等の案の内容となるべき事項(以下「地区計画等の原案」という。)を、当該公告の日から2週間公衆の縦覧に供しなければならない。
(1) 地区計画等の原案のうち、種類、名称、位置及び区域
(2) 縦覧場所
2 前項の規定により縦覧に供された地区計画等の原案について意見を提出しようとする者は、縦覧の開始の日から3週間を経過する日までに、市長に対し、意見書を提出しなければならない。
3 市長は、必要があると認めたときは、地区計画等の原案について説明会の開催等を行うものとする。
(地区計画等の原案の申出等)
第24条 都市計画法第16条第3項の規定に基づく地区計画等に関する都市計画の決定若しくは変更又は地区計画等の原案の申出をしようとする者は、市規則で定めるところにより、地区計画等の種類、名称、位置、区域及び内容を記載した書面並びにその他必要な書類を、市長に対し、提出しなければならない。
3 市長は、地区計画等の案の作成の必要がないと判断したときは、八王子市都市計画審議会条例(昭和44年八王子市条例第26号)第1条に規定する八王子市都市計画審議会の意見を聴き、その旨及びその理由を当該申出をした者に通知しなければならない。
4 市長は、地区計画等の原案の申出をしようとする者に対し、地区計画等に関する情報の提供その他必要な支援を行うことができる。
(都市計画の提案団体)
第25条 都市計画法第21条の2第2項に規定する条例で定める都市計画の決定又は変更の提案ができる団体は、協議会とする。この場合において、当該協議会が提案できる都市計画は、都市計画法第15条第1項に規定する市が定める都市計画に限るものとする。
(建築協定)
第26条 建築基準法第69条の規定に基づき、市の区域内において、土地所有者等(土地区画整理法(昭和29年法律第119号)第98条第1項(大都市地域における住宅及び住宅地の供給の促進に関する特別措置法(昭和50年法律第67号)第83条において準用する場合を含む。)の規定により仮換地として指定された土地にあっては、当該土地に対応する従前の土地の所有者及び借地権を有する者を含む。)及び建築基準法第77条に規定する建築物の借主は、当該権利の目的となっている土地について一定の区域を定め、住宅地としての環境又は商店街としての利便を高度に維持増進する等建築物の利用を増進し、かつ、土地の環境を改善するため、当該区域内における建築物の敷地、位置、構造、用途、形態、意匠又は建築設備に関する基準について協定を締結することができる。
2 前項の規定による建築物に関する協定の内容は、建築物に関する法令及び条例に適合するものでなければならない。
第6章 雑則
(表彰)
第27条 市長は、この条例に基づくまちづくりに関して特に著しい功績のあったものに対し、表彰を行うことができる。
(報告)
第28条 市長は、この条例に基づくまちづくりに関する施策の推進状況等について定期的に取りまとめ、まちづくり審議会に報告し、これを公表するものとする。
(過料)
第29条 事業者が、第13条第2項の規定に違反して届出をしないとき、虚偽の届出をしたとき、又は変更の届出をしないときは、5万円以下の過料に処する。
附則
(施行期日)
1 この条例は、平成19年1月1日(以下「施行日」という。)から施行する。
(八王子市地区計画等の案の作成手続に関する条例等の廃止)
2 次に掲げる条例は、廃止する。
(1) 八王子市地区計画等の案の作成手続に関する条例(昭和58年八王子市条例第17号)
(2) 八王子市建築協定条例(昭和47年八王子市条例第7号)