○平戸市指定管理者制度運用指針

令和元年9月17日

訓令第7号

第1 指定管理者制度の概要

1 指定管理者制度の目的

指定管理者制度は、地方公共団体が設置する「公の施設」の管理運営について、民間事業者・NPO等を含む団体に委ねることを可能とする地方自治法上の制度である。

つまり、指定管理者制度とは、公の施設の管理運営を通じて政策目的を達成するための手法の一つと位置づけられ、その目的は「多様化する市民ニーズにより効果的、効率的に対応するため、公の施設の管理に民間の能力を活用しつつ、市民サービスの向上と経費の節減等を図ること」であるとされている。

2 指定管理者制度の特徴

(1) 民間事業者を指定することが可能

公共団体や公共的団体に加え、民間の営利法人やNPO法人などの団体(法人格の有無は問わない。)も指定管理者となることができる。なお、個人は、指定管理者となることができない。

(2) 指定は行政処分

指定管理者の指定は、事業者からの申請に基づく「行政処分」であり、「契約行為」ではないため入札の対象にならない。そのため、市は、公の施設の管理に関する権限を指定管理者に委任し、指定管理者は、市に代わって公の施設を管理運営することになる。

(3) 施設の使用許可が可能

指定管理者は、市から公の施設の管理に関する権限を委任されたことにより、施設の使用許可や許可の取り消しなどの行政処分を自らの責任において行うことができる。ただし、基本的な利用条件(開館時間や使用制限の要件、使用料の減免基準など)を設定することや次に掲げる事項は、市長の専属的処分事項のため、指定管理者が行うことはできない。

ア 使用料の強制徴収

イ 審査請求に対する決定

ウ 行政財産の目的外使用許可

エ その他法令に基づき市長が行うこととされている処分

第2 指定管理者制度導入の検討

1 指定管理者制度導入の対象施設

指定管理者制度は、公の施設の管理運営を委任する制度であり、公の施設以外の施設又は公の施設として条例上の位置付けがなされていないものは、指定管理者制度の対象とならない。

2 指定管理者制度導入の判断基準

指定管理者制度の導入を検討する前に、全市的かつ多角的な観点から廃止、譲渡を含めた施設のあり方について検討した上で、次の判断基準に基づき各施設所管課において指定管理者制度導入の判断を行う。なお、選考方法等については、「平戸市公の施設に係る指定管理者選定委員会」に付議し、その審議結果を踏まえて決定する。

(1) 指定管理者制度へ移行

判断基準

ア 民間事業者等の能力やノウハウを活用することにより、市民ニーズにあったサービスの充実やコストの削減が期待できる。

イ 民間事業者等が同様又は類似するサービスを提供している。若しくは、民間事業者等も行うことができる業務である。

ウ 利用料金制度を導入することにより、収益が期待できる施設である。

(2) 直営継続

判断基準

ア 法律等により、民間事業者等が行うことに明確な制約がある。

イ 民間事業者等に当該施設の目的を達成できる能力やノウハウがない。

ウ 施設の性格等、行政で行わなければならない明確な理由がある。

エ 施設・事業の規模が小さく、指定管理者制度を導入するメリットが少ない。

第3 指定管理者制度導入の基本的事項

1 指定管理者の選考方法

指定管理者の選考については、公募とする。ただし、次に掲げる基準に基づき、施設の設置目的等を考慮し特定の団体に管理を行わせることが適当であると判断される施設については、公募せずに特定の団体を指定することができるものとする。

(1) 当該公の施設において地域住民による自主的な管理運営を確保する必要があるとき。

(2) 当該公の施設の設置目的を実現し、又は市の計画を実施するために、特定の法人等に当該公の施設を管理運営させる必要があるとき。

(3) 当該公の施設の適正な維持管理を確保しつつ、住民に対し効果的にサービスを提供することができるものが特定の法人等に限られるとき。

(4) 当該公の施設の廃止又は用途変更の予定を勘案して、選定の際現にその管理を行っている法人等を指定管理者の候補者に選定するとき。

(5) 前各号に掲げるもののほか、公募を行わないことについて合理的な理由があると市長等が認めるとき。

2 業務内容の検討

指定管理者が行う管理の基準及び業務の範囲は、各施設の目的や態様等に応じて設定する。特に施設管理に併せて事業を展開する場合は、どこまで任せるのかを精査し検討する。また、使用許可事務及び利用料金制度についても総合的に検討する。

(1) 使用許可事務

市長は、条例の定めるところにより、指定管理者に公の施設の使用許可、使用許可の取消などの行政処分を行わせることができるが、使用料の強制徴収(地方自治法第231条の3)、不服申立てに対する決定(地方自治法第244条の4)、行政財産の目的外使用許可(地方自治法第238条の4第4項)のような権限については、市長のみが行うことができる権限であり、指定管理者に行わせることはできない。

(2) 利用料金制度(地方自治法第244条の2第8項)

利用料金制については、利用料金を指定管理者の収入として収受させることができるため、指定管理者の自主的努力により利用料金収入の増加や経費節減といった経営努力の動機付けになることから施設において総合的に検討することとする。

(3) 経費の負担

指定管理者が管理を行うために必要な経費を賄う方法は、次のとおりである。

ア すべて設置者たる市からの指定管理料で賄う。

イ すべて利用料金で賄う。

ウ 一部を市からの指定管理料で、残りを利用料金で賄う。

(4) 指定管理料の算出

指定管理料は、過去3年間程度の収支実績に基づき、施設の管理運営に必要な経費総額を算出し、利用料金制の採否など勘案して設定する必要がある。算出にあたっては、「指定管理料算出シート」に基づき、指定管理料の上限額(年額ベースで千円未満切り捨て)を算出する。

ア 収入額の積算

指定管理施設の収入額の積算は、過去3年間の年度ごとの利用実績及び増減傾向等を参考に算出する。ただし、利用実績によらない算出を行う場合は、算出根拠を合理的かつ具体的に説明できる資料を添付する。

イ 人件費の積算

雇用者総数の検討及び人員配置については、直営での運営を基本に算出する。ただし、民間による管理であることに鑑み、類似施設等の状況も参考に、人員の効率化などにも配慮することが必要である。

人件費の算出にあたっては、平戸市一般職の職員の給与に関する条例(平成17年平戸市条例第41号)別表第1再任用職員の項及び会計年度任用職員給料表により算出する。

ウ 物件費の積算

物件費の積算にあたっては、過去3年間の年度ごとの支出実績及び増減傾向等を参考に算出する。

なお、新たに整備した施設に指定管理者制度を導入する場合は、費用の実績がないことから、協定書に明示し、想定額を指定管理料に計上し、後日精算する方法をとることができる。ただし、指定管理の1年目のみとし、2年目以降は実績額により算出した指定管理料とする。

(5) 指定管理料の精算

災害など特別な場合を除き、指定管理料については、精算しない。ただし、公募によらず特定団体を指定した施設については、この限りでない。

(6) 指定管理者における利益

指定管理者の経営努力によって生じた利益については、指定管理者の収益とする。ただし、その利益が業務の一部を実施しなかったなど、不適切な運営を行ったことによるもの又は客観的にみて、過大な利益であると認められる場合などについては、指定管理料の返還を含め適切な対応をとることとする。

(7) 災害等発生時の対応

当該施設が本市地域防災計画上に位置付けられている場合には、募集要項及び協定書に災害時の使用内容等について明記した上で、別途「災害時等における施設利用の協力に関する協定」を締結することとする。

3 指定期間

指定期間については、安定した管理を確保するため、また、指定管理者となるに当たって初期投資(付加価値業務に係るものを含む。)を行う団体も考えられることから、原則4年間とする。また、再指定は妨げないものとする。

4 魅力ある指定管理者制度とするための工夫

利用者たる住民が高品質なサービスを享受できることが指定管理者制度導入の目的であり、この目的や住民の平等利用の確保等、公の施設としての前提を損なわない範囲で事業者に魅力的と映る仕様を提示することとする。

なお、協定により施設を活用しての指定管理業務以外の一定の企業活動等(指定管理業務への付加価値の付与)を認めるなど、指定管理業務以外に付加価値業務を認める場合には、別途協定等を作成することとする。

(1) 付加価値付与の基準

ア 住民の平等利用について一定の確保が保証されていること。

イ 付加価値業務が公の施設の目的・価値を損なうものでないこと。

ウ 付加価値業務が公序良俗に反するものでないこと。

エ 付加価値業務が新たな市の負担を必要とするものでないこと。

(2) 指定管理業務への付加価値の例

ア 施設内での物品販売の許可

イ 自動販売機の設置許可

第4 指定管理者導入の手続

1 共通手続条例の制定と個別条例の改正

指定管理者の指定手続等については、共通条例を制定している。施設の管理を指定管理者に行わせる旨、指定管理者が行う管理の基準及び業務範囲、その他必要な事項については、個別条例に規定する。

(1) 指定管理者の指定の手続

申請の方法や選考基準などを定める。

(2) 指定管理者が行う管理の基準

市民が当該施設を利用するに当たっての基本的な事項を定める。

例)休館日、開館時間、利用許可の基準、利用制限の要件、個人情報の取扱い等

(3) 指定管理者が行う業務の範囲

指定管理者が行う管理の業務について具体的な範囲を規定するもので、使用許可及び施設の維持管理等の範囲を当該施設の目的や態様等に応じて設定する。

2 指定管理者公募の手続

公募にあたっては、募集要項を作成し、広報ひらど、市ホームページ等のメディアを活用し、広く周知を行うこととし、十分な公募の期間を確保する。

(1) 募集要項

募集要項に規定する事項は概ね次のとおりとし、施設の性格等を勘案して適宜設定する。

ア 指定管理者選考の目的

イ 対象施設の概要(施設の名称、規模、開館時間、休館日など)

ウ 指定管理者が行う管理の基準及び業務の範囲

エ 指定期間

オ 利用料金制の有無、指定管理料の上限額

カ 応募資格

キ 提出書類(指定申請書、事業計画書、自主事業計画書、収支予算書、自主事業予算書、定款の写し及び登記簿の謄本、法人にあっては、会則等、団体の前事業年度の貸借対照表及び財産目録など。)

ク 説明会、現地見学会の有無(開催する場合は、開催日、開催場所など。)

ケ 選考方法(書類審査及び面接審査)

コ 結果通知

サ 応募窓口

シ その他市長が必要と認める事項

(2) 応募資格

地方自治法第244条の2の規定により、法人その他の団体であり、次の規定を満たす者であること。

ア 地方自治法施行令(昭和22年政令第16号)第167条の4の規定に該当する者でないこと。

イ 平戸市内に本社又は支店・営業所等を有する者であること。ただし、施設の性格等により適当でないと認められる場合においては、この限りでない。

ウ 会社法(平成17年法律第86号)第475条若しくは第644条の規定に基づく清算の開始又は破産法(平成16年法律第75号)第18条第1項若しくは第19条第1項の規定に基づく破産手続き開始の申立てがなされていない者であること。会社更生法(平成14年法律第154号)第30条の規定に基づく更生手続開始の申立て又は民事再生法(平成11年法律第225号)第21条の規定に基づく再生手続開始の申立てがなされていない者であること。(会社更生法又は民事再生法の規定に基づく更生手続開始又は再生手続開始の申立てがなされた者であって、更生計画の認可が決定し、又は再生計画の認可の決定が確定した者を除く。)

エ 平戸市工事請負契約に係る指名停止期間中の者でないもの

オ 平戸市税並びに消費税及び地方消費税について滞納がない者

カ 平戸市暴力団排除条例(平成24年平戸市条例第22号)第2条に規定する暴力団又は暴力団員の統制下にある者でないもの

キ その他必要な事項

(3) 公募の単位

公募は、原則として施設ごとに行うが、経費の縮減及び一体的運営等の観点から複数の施設を同一の指定管理者に管理を行わせることが適当と認められる場合においては、一括して募集することができる。

(4) 公募の期間

十分な情報を提供するため及び事業者が事業計画書等を作成する期間等を考慮し、原則1か月とするが、施設の規模、性格等に応じ期間を変更することができるものとする。また、必要に応じ公募の趣旨、目的、業務の内容や申請方法について説明会を開催する。

第5 指定管理者の選考

1 指定管理者候補者選定委員会の設置

公の施設の指定管理者の候補者を公正かつ適正に選定するため、指定管理者選定委員会(以下「選定委員会」とする。)を設置する。委員会の委員は、外部の識見ある者及び職員で構成し、委員会における審議経過及びに委員名は、原則公開するものとする。

2 指定管理者の選考基準

審査にあたっては、選考基準をあらかじめ設定し、選考項目別に点数を配分するなど総合的な観点から評価し、最も適当と認められる団体を選考することとする。

なお、指定管理料の上限額を設定し、予め募集要項に明記する。(上限額を超えて提案がなされた場合は失格とし、審査の対象から除外する。)

【選考項目例】

(1) 当該施設設置の目的・機能を最大限に発揮する内容となっているか。

(2) 市民の平等な利用の確保及びサービスの向上が図られるか。

(3) 経費効率の面から見てどうか。

(4) 当該団体の安定的な業務遂行能力が認められるか。

(5) 市民、地域、団体企業との協働及び市との連携が図られているか。

(6) 火災や事故等への危機管理体制が整っているか。

(7) その他総合的視点など。

3 庁内での意思決定

選考については、市長まで決裁をとる。

4 選考結果の通知

選考後は、速やかに選考結果を応募者全員に通知する。

第6 指定管理者の指定

1 指定

指定管理者の指定は、議会の議決事項であり、指定議案には、「公の施設の名称」「指定管理者となる団体の名称」「指定期間」を記載する。

2 法人格等変更時の再指定

指定管理者として指定されたのちに、団体の合併やNPO等の法人格取得又は公益法人改革関連3法への対応等によって、団体の法人格に変更が加えられた場合には、指定管理者を再度指定することが必要となり、議会での議決を要することとなる。

しかし、法人の名称のみが変更された場合などに、法人としての「同一性」が保持されている場合には、再度の指定は不要であると考えられる。

第7 指定後の手続

1 予算措置

指定管理者の指定により複数年度にわたる管理費用の支払債務を負担するときは、債務負担行為の議決が必要となる。

債務負担行為に係る予算の提出時期は、債務負担行為の限度額を積算しなければならないことなどを考慮し、原則として、候補者を特定し、業務内容等を事実上確定させた後の指定議案を提出する議会とする。

なお、指定期間が複数年であっても、指定管理料(委託料)について、毎年度協定を結ぶこととする場合は、単年度の協定の継続と解され、債務負担行為は、必要ないものと解される。

この場合には、一般的事項に係る複数年にわたる一般協定と指定管理料に係る単年度協定の2種の協定を締結することになる。

2 協定等の締結

指定管理者が公の施設の管理を行う権限自体は、条例に基づく「指定」という行政処分によって生じるものであるため、管理業務上詳細な事項については、協定等を締結することとする。

標準的な協定書の内容は、概ね次のとおりとし、指定期間全体にかかる包括的な協定を締結することとするが、単年度ごとに実施する内容を具体的に協定で定める必要がある場合は、包括的な協定書と単年度協定を締結することも可能とする。また、基本協定書については、指定議案の議決後、速やかに締結することとする。

【基本的事項例】

(1) 施設の概要(施設の名称、規模、開館時間、休館日など)

(2) 指定管理者が行う管理の基準及び業務の範囲

施設の類型に対応した基準を定めることとする。なお、指定管理者が、清掃、エレベーターの保守管理、警備などの一部の個別業務を他のものに業務委託することについては、制限がない。

(3) 指定期間(原則4年)

(4) 事業計画及び管理経費に関する事項

(5) 利用料金に関する事項

施設使用の対価である使用料を指定管理者の収入とする利用料金制については、指定管理者の自主的な経営努力が発揮しやすく、かつ、市及び指定管理者の会計事務の効率化が図られる施設で、施設の性格、設置の趣旨からみて適したもの等については、利用料金制度を採ることができるものとする。

この場合は、利用料金の金額の範囲や市長の承認を必要とする、いわゆる承認料金制を採り、また、公益上必要があると認める場合には、市自らが利用料金を定めるものとする。

また、利用料金制度を採用しない施設については、原則として、地方自治法第243条及び地方自治法施行令第158条の規定による私人に対する徴収又は収納の委託により、指定管理者に利用者からの使用料を徴収・収納をさせることとする。

(6) 指定管理者からの納付

基本的に指定管理者の経営努力によって生じた利益については、指定管理者の収益とすべきだが、指定管理料が無くても十分な収益を確保できる施設については、募集の時点で最低納付額を提示し、事業者から納付額を毎年納付させることも可能とする。

(7) 個人情報保護に関する事項(個人情報保護に関する特約)

(8) 情報公開に関する事項

(9) 指定の取消し及び管理業務の停止に関する事項

(10) 事故及び損害の賠償に関する事項

(11) 事故報告に関する事項

(12) 事業報告書の作成及び業務報告に関する事項

(13) その他市長が必要と認める事項 など

3 事業報告書の提出及び指定管理者の指導

指定管理者は、毎年度終了後に、その管理する当該施設の管理業務の適正を期するために、管理業務の実施状況、利用状況、収支状況などを記載した事業報告書を作成し、市に提出しなければならない。所管課は、事業報告書等を精査して管理状況を把握するとともに、指定管理者を指導する。

4 点検・評価

指定管理者制度導入後、サービスの向上や利用者の増加が図られるなどの効果があったか厳正に点検・評価することによって、次年度以降の業務内容等に反映させる。

【点検・評価の観点】

(1) 住民の平等利用を確保する運営がなされているか。

(2) 施設効用が発揮され、管理経費の縮減がなされているか。

(3) 安定した管理が行われているか。

(4) その他

(一部改正〔令和2年訓令9号〕)

附 則

この告示は、告示の日から施行する。

附 則(令和2年6月26日訓令第9号)

この訓令は、令達の日から施行する。

平戸市指定管理者制度運用指針

令和元年9月17日 訓令第7号

(令和2年6月26日施行)

体系情報
第3編 行政通則/第3章 行政手続
沿革情報
令和元年9月17日 訓令第7号
令和2年6月26日 訓令第9号