○嘉麻市政治倫理条例
平成18年9月29日
条例第237号
目次
第1章 目的及び責務(第1条―第4条)
第2章 政治倫理基準(第5条―第7条)
第3章 資産等報告書(第8条・第9条)
第4章 審査請求及び審査機関(第10条―第16条)
第5章 違反の措置(第17条―第22条)
第6章 雑則(第23条)
附則
第1章 目的及び責務
(目的)
第1条 この条例は、嘉麻市(以下「市」という。)の市長、副市長、教育長(以下「市長等」という。)及び市議会議員(以下「議員」という。)が地方自治の本旨に則り、市民全体の奉仕者として政治倫理の確立に努め、いやしくもその権限又は地位による影響力を不正に行使して、自己及び親族又は特定の者の利益を図ることのないよう必要な措置を定めることにより、市政に対する市民の信頼に応えるとともに、市民が市政に対する正しい理解を持ち、もって公正で開かれた民主的な市政の運営を確保することを目的とする。
(一部改正〔平成19年条例9号〕)
(市長等及び議員の責務)
第2条 市長等及び議員は、市民の信頼に値する倫理性を自覚し、市民に対し自ら進んでその高潔性を実証しなければならない。
(市民の責務)
第3条 市民は、主権者として自らも公共の利益を実現する自覚を持ち、市長等及び議員に対し、その権限又は地位による影響力を不正に行使させる働きかけを行ってはならない。
(職員の責務)
第4条 職員(臨時職員及び嘱託職員を含む。以下「職員等」という。)は、市民全体の奉仕者としての責務を自覚し、この条例の趣旨を尊重し、市長等及び議員による不正又は不当な働きかけを受けないものとし、市長等及び議員による不正又は不当な働きかけがあった場合は、別に定める嘉麻市職員倫理規則(平成18年嘉麻市規則第172号)に基づき、速やかに市長に報告しなければならない。
(一部改正〔平成18年条例243号・20年23号・29年16号〕)
第2章 政治倫理基準
(市長等及び議員の遵守事項)
第5条 市長等及び議員は、第2条の責務に照らし、市民全体の奉仕者として公共の利益を損なうような一切の行為を慎み、その職務に関して自己又は特定の個人若しくは団体の利益を図るなど、不正の疑惑を持たれるおそれのある行為をしてはならず、次に掲げる事項を遵守し、その権限又は地位による影響力を行使することによって職員等の適正な職務執行を妨げてはならない。
(1) 第1条の目的に照らし、その職務の公正を疑わせるような行為をしないこと。
(2) その権限又は地位による影響力を行使することによる見返りとしていかなる金品の授受、飲食の供応その他これに類する行為をしないこと。
(3) 市が行う請負契約(下請負を含む。)、業務委託契約、一般物品納入契約及び地方自治法(昭和22年法律第67号。以下「法」という。)第244条の2第3項の規定により公の施設の管理を行う指定管理者(以下「指定管理者」という。)の指定に関して特定の業者を推薦、紹介する等の行為をしないこと。
(4) 職員等の採用、昇格及び異動に関して推薦又は紹介をしないこと。
(一部改正〔平成20年条例23号・29年16号〕)
(市の禁止事項)
第6条 市は、在任中の市長等及び議員に関し、次に掲げる個人事業者、法人企業その他の団体(国、県その他の地方公共団体又は市が出資若しくは財政上の助成を行っている団体を除く。以下「法人等」という。)と請負契約、業務委託契約若しくは年間50万円以上の一般物品納入契約を締結し、又は指定管理者の指定をしてはならない。ただし、法令に定めのあるもののほか、地方自治法施行令(昭和22年政令第16号)第167条の2第1項第2号に基づく契約については、この限りでないものとする。
(1) 市長等、議員及びその配偶者又は2親等以内の親族が経営する法人等
(2) 市長等、議員及びその配偶者又は2親等以内の親族が、報酬(顧問料その他の名目を問わない。)を受領し、又は役員として経営に関与している法人等
(3) 市長等及び議員の同居者が経営する法人等
(4) 市長等及び議員の就任前1年以内に、市長等、議員及びその配偶者又は2親等以内の親族が経営権を有していた法人等
(5) 市長等、議員及びその配偶者又は2親等以内の親族並びに同居者が経営する法人等と取引上重要な利害関係を有する法人等(その系列企業を含む。)
(6) 行政の理念及び社会的倫理に反する行為として市民から批判の対象とされる法人等
(一部改正〔平成18年条例238号・27年42号・29年16号〕)
(公職等の就任)
第7条 市長等及び議員は、市の機関の公職に就任するに当たり、次に掲げる事項に抵触する行為をしてはならない。
(1) 市長等及び議員が、公職就任の手段としてその選任に権限を有するものに対する金品の授受、飲食の供応及びそれに類する行為を行うこと。
(2) 議員が、法令及び市が定める条例並びに規則によりその就任が求められているものを除くほか、市が設ける行政機関の審議会委員等に就任すること。
(一部改正〔平成29年条例16号〕)
第3章 資産等報告書
(資産等報告書の提出義務)
第8条 毎年5月1日現在、現にその職にある市長等及び議員は、1月1日現在の資産、地位、肩書並びに前年1年間の収入、贈与、もてなし及び税等の納付状況を記載した報告書(税等にあっては提出日における前年度分。以下「資産等報告書」という。)を作成し、毎年5月15日から同月31日までに、市長等にあっては市長に、議員にあっては議会議長(以下「議長」という。)に提出しなければならない。
2 前項の資産等報告書の提出には、提出義務者の配偶者及び扶養する子(以下「配偶者等」という。)に係る資産等報告書も併せて提出しなければならない。
(一部改正〔平成20年条例23号〕)
(資産等報告書の記載事項)
第9条 資産等報告書には、次に掲げる事項を記入しなければならない。
(1) 資産 ただし、固定資産にあっては評価証明書、預貯金にあっては残高証明書を添付
ア 土地 所在、地目、面積、取得の時期及び価額
イ 建物 所在、種類、構造、床面積、取得の時期及び価額
ウ 不動産に関する権利(借地権等) 権利の種類、契約期日及び契約価額
エ 動産 価額が50万円以上の動産の種類、数量、取得の時期及び価額(ただし、生活に通常必要な家具、じゅう器及び衣類を除く。)
オ 預貯金 預入金融機関名、預貯金の種類及び金額、定期預金の預金日及び満期日
カ 信託 信託に関する権利の種類、受託者、信託財産の種類及び数量、信託の時期及び価額
キ 有価証券 公債、社債、株券、出資その他の有価証券の明細、取得の時期及び価額(株券にあっては株数及び時価総額)
ク ゴルフ会員権 ゴルフ場等の名称、取得の時期及び価額
ケ 貸付金及び借入金 市長を除く提出義務者にあっては、1件につき50万円以上の貸付金及び借入金の明細、契約期日及び金額
コ 保証債務 金銭保証、身元保証等の保証債務の内容及び金額(ただし、金銭保証については、市長を除く提出義務者にあっては、同一人に対し総額50万円未満のものを除く。)
サ 貯蓄性保険 貯蓄性の生命保険、損害保険等の種類、保険会社名、契約期日及び保険金額
(2) 地位及び肩書
ア 企業その他の団体における役職名及び報酬(顧問料等その名目を問わない。)の有無及び金額(ただし、宗教的、社交的及び政治的団体を除く。)
イ 公職を退いた後の雇用に関する契約その他の取決めについての相手方及び条件
(3) 収入、贈与及びもてなし ただし、収入にあっては確定申告書の写しを添付
ア 給与、報酬、事業収入、配当金、利子、賃貸料、謝礼金、講演料、原稿料、農業所得、年金その他これらに類する収入の出所及び金額。ただし、1出所当たり3万円以上のもの
イ 1出所当たり3万円以上の贈与及びもてなし(交通、宿泊、飲食、娯楽等)の出所、内容及び金額又は価額
(4) 税等の納付状況 ただし、税にあっては、納税証明書を添付
ア 所得税及び事業税の前年分、市県民税、固定資産税、国民健康保険税、自動車税及び軽自動車税、消費税及び国民年金保険料の前年度分の納付状況
イ 普通地方公共団体に関する使用料等の前年度分の納付状況 ただし、使用料等にあっては納付証明書を添付
(一部改正〔平成20年条例23号・29年16号・30年14号〕)
第4章 審査請求及び審査機関
(政治倫理審査会の設置)
第10条 資産等報告書の審査その他の処理を行うため、法第138条の4第3項の規定に基づき、嘉麻市政治倫理審査会(以下「審査会」という。)を設置する。
2 審査会委員(以下「委員」という。)は5人とし、人格高潔にして政治倫理に関し専門的知識を有する者及び法第18条に定める選挙権を有する市民のうちから、市長が委嘱する。
3 委員の任期は2年とし、再任を妨げない。委員が欠けたときにおける補欠委員の任期は、前任者の残任期間とする。ただし、任期満了後における後任委員の選任までの期間は、その職務を行うものとする。
(一部改正〔平成20年条例23号・29年16号・30年31号〕)
2 市長は、前項の規定により回答された審査結果のうち、議員に係るものについては議長に、市長等に係るものについてはその写しを、議長に送付しなければならない。
3 審査会は、第1項の審査を行うに当たり、関係人に対する事情聴取、資料提出等必要な調査を行うことができる。
4 審査の請求者及び審査の対象者(市長等及び議員)は、前項の調査を拒むことができない。
5 審査の関係者(職員等)は、第3項の審査に必要な調査に応えなければならない。
(一部改正〔平成20年条例23号・29年16号〕)
(資産等報告書の審査)
第12条 議長は、第8条の規定により提出された議員の資産等報告書の写しを市長に送付し、市長は、市長等の資産等報告書の写しとともに、これを毎年6月30日までに審査会に提出し、審査を求めなければならない。
2 審査会は、前項の規定により審査を求められたときは、審査を求められた日から起算して60日以内に意見書を作成し、市長に提出しなければならない。
3 審査会は、資産等報告書に提出の遅滞又は疑義があるときは、調査を行うものとする。この調査は、報告義務者に対する事情聴取、資料提出要求等のほか、その関係者に対しても必要な調査を行うことができる。
(一部改正〔平成20年条例23号・29年16号〕)
(資産等報告書及び意見書の閲覧)
第13条 市長は、前条第2項の規定により提出された意見書を提出された日から15日以内に市民の閲覧に供するとともに、その要旨を市広報等に速やかに掲載しなければならない。
2 議員に係る意見書については、市長は、その写しを議長に送付しなければならない。
3 資産等報告書及び意見書の閲覧期間は、閲覧開始の日から5年間とする。
4 市民は、閲覧により知り得たことをこの条例の目的に沿うように適正に活用しなければならない。
(一部改正〔平成20年条例23号〕)
(会議及び委員の義務)
第14条 審査会の会議は、原則として公開とする。ただし、必要により非公開とするとき又は審査結果に利害を有する者の傍聴の許可は、出席委員の3分の2以上の同意を要する。
2 委員は、職務上知り得た秘密を漏らしてはならない。その職を退いた後も、また、同様とする。
(一部改正〔平成30年条例31号〕)
2 前項の審査請求がなされたときは、市長等に係る事案については議長が市長を通じて、議員に係る事案については市長が、審査請求書及び添付資料の写しを請求された日から10日以内に審査会に送付し、審査を求めなければならない。
(一部改正〔平成20年条例23号〕)
(審査請求の処理)
第16条 審査会は、前条第2項の規定による審査請求書の送付を受けたときは、送付された日から60日以内に市長に審査結果を文書により回答しなければならない。ただし、60日以内に審査が終了しないときはその理由を付して市長に、文書により審査期限の延長を求めなければならない。この場合において、審査期限の延長は30日以内とする。
2 市長は、審査会による審査結果の通知を受けた日から5日以内にその写しを審査請求者及び審査対象者に送付するとともに議会に報告しなければならない。
(一部改正〔平成20年条例23号〕)
第5章 違反の措置
(虚偽報告等の公表)
第17条 審査会の意見書に資産等報告書の提出の遅滞、虚偽の報告又は調査に協力しなかった等の指摘があったときは、市長等に係るものについては市長が、議員に係るものについては議長が、その旨を速やかに広報紙等で公表しなければならない。
(追加〔平成29年条例16号〕)
(一部改正〔平成18年条例238号・29年16号〕)
(職務関連犯罪容疑による逮捕後の説明会)
第19条 市長等又は議員が、刑法(明治40年法律第45号)第197条から第197条の4まで及び第198条若しくは公職にある者等のあっせん行為による利得等の処罰に関する法律(平成12年法律第130号)第1条その他職務に関連する犯罪(以下「職務関連犯罪」という。)の容疑による逮捕後、引き続きその職にとどまろうとするときは、市長等にあっては市長に、議員にあっては議長に、市民に対する説明会の開催を求めることができる。この場合において、当該市長等又は議員は、説明会に出席し釈明するものとする。
(一部改正〔平成20年条例23号・29年16号〕)
(職務関連犯罪容疑による起訴後の説明会)
第20条 市長等又は議員が職務関連犯罪による起訴後、引き続きその職にとどまろうとするときは、市長等にあっては市長に、議員にあっては議長に、市民に対する説明会の開催を求めなければならない。この場合において、当該市長等又は議員は、説明会に出席し釈明しなければならない。
3 前項の開催請求は、逮捕後の説明会にあっては起訴又は不起訴の処分がなされるまでの間に、起訴後の説明会にあっては起訴された日から50日以内に、市長等に係るものについては市長に、議員に係るものについては議長を通じて行うものとする。ただし、逮捕後の説明会開催請求中に起訴処分がなされたときは、当該請求は起訴後の説明会開催請求とみなす。
4 市民は、説明会において当該市長等又は議員に質問することができる。
5 市長は、説明会の開催に関して審査会にあらかじめ諮問し、意見書の提出を求めなければならない。
6 議員に係る意見書については、市長は、その写しを議長に送付しなければならない。
(一部改正〔平成20年条例23号・29年16号〕)
(一部改正〔平成20年条例23号・29年16号〕)
(職務関連犯罪による有罪確定後の措置)
第22条 市長等又は議員が前条の有罪判決の宣告を受け、その刑が確定したときは、公職選挙法(昭和25年法律第100号)第11条第1項の規定により失職する場合を除き、市長等又は議員は、市民全体の代表者としての品位と名誉を守り、市政に対する市民の信頼を回復するため、必要な措置をとるものとする。
2 議会は、前項の議員に対して法第134条及び第135条の規定により懲罰を科さなければならない。
(一部改正〔平成20年条例23号・29年16号〕)
第6章 雑則
(一部改正〔平成20年条例23号・26年2号・29年16号〕)
附則
附則(平成18年9月29日条例第238号)
この条例は、公布の日から施行する。
附則(平成18年12月25日条例第243号)
この条例は、公布の日から施行する。
附則(平成19年3月26日条例第9号)
この条例は、(中略)平成19年4月1日から施行する。
附則(平成20年3月26日条例第23号)
この条例は、平成20年4月1日から施行する。
附則(平成26年1月20日条例第2号)
この条例は、公布の日から施行する。
附則(平成27年9月18日条例第42号)
この条例は、公布の日から施行する。
附則(平成29年3月23日条例第16号)
この条例は、平成29年4月1日から施行する。
附則(平成30年3月12日条例第14号)
この条例は、平成30年4月1日から施行する。
附則(平成30年6月26日条例第31号)抄
(施行期日)
1 この条例は、公布の日から施行する。