○鎌ケ谷市環境基本条例
平成20年3月24日
条例第5号
目次
前文
第1章 総則(第1条―第4条)
第2章 各主体の連携及び役割(第5条―第8条)
第3章 良好な環境の保全等に関する基本的施策
第1節 環境に関する基本的な計画の策定(第9条―第11条)
第2節 良好な環境の保全等のための施策(第12条―第14条)
第3節 環境審議会(第15条)
第4節 地球環境の保全のための施策(第16条―第18条)
第4章 市民等との協働のための施策(第19条―第23条)
第5章 推進体制等(第24条―第27条)
附則
私たちのまち鎌ケ谷は、「緑とふれあいのあるふるさと」をめざすべき都市像に掲げ、緑を守り育て、産業を興し、歴史や文化を育みながら、安全かつ快適で便利なまちづくりを進めてきました。また、都心と成田空港を結ぶ要の地にあることから、千葉県北西部における新たな人と物の広域交流拠点として発展を続けています。
しかし、社会の成熟が進む中、物のゆたかさや生活の利便性を過度に優先した経済活動や日常生活が、少なからず環境に対する負荷を増大させています。この結果、地域の誇りであるゆたかな緑や、いにしえより続いてきた農のある風景も失われつつあると同時に、地球規模の環境に深刻な影響を及ぼすまでに至っています。
私たちは今、得たものの大きさとともに失ったものの大きさを省みる必要があります。そして、私たち自身の生活や事業活動のあり方を問い直すことなしには、その解決が図られないことを認識しなければなりません。
こうした自覚のもとで、市民、市民団体、事業者及び行政を含む鎌ケ谷市に関わるすべての者が、互いに協働し、それぞれの役割を果たしながら、健康で安全かつ快適な生活を送ることのできる、社会と自然が調和した良好な環境を創造するとともに、将来の世代に引き継いでいくため、この条例を制定します。
第1章 総則
(目的)
第1条 この条例は、良好な環境の保全及び創造(以下「良好な環境の保全等」という。)について基本理念を定め、市、市民、市民団体及び事業者の役割を明らかにし、良好な環境の保全等の施策の基本となる事項を定め、総合的かつ計画的に推進し、もって市において良好な環境を実現するとともに、地球環境及び広域的な環境の保全に貢献することを目的とする。
(1) 良好な環境 社会環境と自然環境が調和し、そこで生まれた独自の歴史や文化、景観やまちなみ等が守られ創出される中で、現在及び将来の市民が健康を維持し、安全で快適かつ文化的な生活を送ることができる環境をいう。
(2) 環境への負荷 人の活動により環境に加えられる影響であって、環境の保全上の支障の原因となるおそれのあるものをいう。
(3) 公害 環境の保全上の支障のうち、事業活動及びその他の活動に伴って生ずる大気の汚染、水質の汚濁、土壌の汚染、騒音、振動、地盤の沈下及び悪臭等によって、人の健康又は生活環境に被害が生ずることをいう。
(4) 地球環境の保全 人の活動による地球全体の温暖化又はオゾン層の破壊の進行、海洋の汚染、野生生物の種の減少その他の地球の全体又はその広範な部分の環境に影響を及ぼす事態に係る環境の保全をいう。
(5) 持続的発展が可能な循環型社会 有限な資源から商品を大量に生産し、これを大量に消費し、又は廃棄する一方通行の流れを改め、将来の世代のために限りある資源を有効活用するとともに、廃棄物の発生を抑制し、環境への負荷をできる限り低減した社会をいう。
(6) 市民団体 設立目的に関わらず、良好な環境の保全等のための活動を行う、市民を中心に組織された団体をいう。
(7) 協働 市民、市民団体、事業者(以下「市民等」という。)及び市が、共通の課題・目的に対し、それぞれの果たすべき役割を自覚し、相互に補完し、協力しあって取り組むことをいう。
(基本理念)
第3条 環境はすべての生命を育む母体であり、かつ、生態系の微妙な均衡により成り立つ有限なものであることから、これを健全で恵みゆたかなものとして維持することが、環境に対する市民の権利の確保につながるため、市に関わるすべての者が、人と人とのふれあいを基本とした地域力を結集し、協働して良好な環境の保全等に資することを基本理念とする。
(基本方針)
第4条 市に関わるすべての者が、主体的に前条の基本理念(以下「基本理念」という。)を具体化していくための基本方針を、次のとおり定める。
(1) 人の健康の保護及び安全な生活環境の保全の確保を旨とし、公害の防止及び廃棄物の適正処理等により、大気、水、土壌その他の環境の自然的な構成要素を良好な状態に保持すること。
(2) 人と自然の共生の確保を旨とし、森林、農地、水辺等における多様な自然環境を保全するとともに、野生生物の保護その他、生物の多様性の確保を図ること。
(3) うるおい、安らぎ、ゆとり等の心のゆたかさの確保を旨とし、身近にある緑や水辺とのふれあいができる環境づくり、地域の個性を活かした良好な景観の形成、魅力的なまちなみの形成及び歴史的文化遺産の保全と活用等を推進すること。
(4) 資源と環境復元力の有限性を認識し、環境への負荷の少ない持続的発展が可能な循環型社会の構築を目指した活動及び施策を自主的かつ積極的に推進すること。
(5) 事業活動及び日常生活による地球環境への影響を認識し、地球環境の保全のために行動すること。
(6) 人と環境との関わりについて理解と認識を深め、良好な環境への主体的な取組みを啓発することを旨とし、環境に関する系統的な教育及び学習の推進を図ること。
(7) 市に関わるすべての者の相互の理解と協力のもとに、対等の立場で参加し、協働して前各号に規定する活動を進めること。
第2章 各主体の連携及び役割
(市の役割)
第5条 市は、市域の自然的・社会的条件に応じた良好な環境の保全等に関する施策を策定し、計画的に実施する役割を有する。
2 市は、市民等が行う自発的かつ良好な環境の保全等に関する活動に対する支援に努めなければならない。
3 市は、市民等との連携及び協働に努めなければならない。
(市民の役割)
第6条 市民は、住み良い生活環境を築くため、自らの行動によって良好な環境を損なうことのないよう互いに配慮するとともに、日常生活において、資源及びエネルギーの使用並びに廃棄物の排出等による環境への負荷の低減に努めるものとする。
2 前項に掲げるもののほか、市民は、市、市民団体及び事業者と協働し、環境保全活動に努めるとともに、市が実施する良好な環境の保全等に関する施策に協力するものとする。
(市民団体の役割)
第7条 市民団体は、市民の先導的な役割を担うため、市民が参画できる体制の整備、情報の提供、活動機会の充実を図り、市、市民及び事業者と協働して環境保全活動に努めるとともに、市が実施する良好な環境の保全等に関する施策に協力するものとする。
(事業者の役割)
第8条 事業者は、自らの責任と負担において、事業活動に伴って生ずる公害を防止するための必要な措置を講ずるとともに、積極的に環境保全対策に努めるものとする。
2 事業者は、資源及びエネルギーの有効利用並びに廃棄物の発生抑制等により、環境への負荷を低減するよう努めるものとする。
3 事業者は、事業活動に係る製品その他のものが廃棄物となった場合には、循環的な利用が促進されるよう、適正かつ必要な措置を講ずるものとする。
4 事業者は、公害その他の良好な環境の保全等に支障を及ぼす行為に係る紛争が生じたときは、誠意をもって解決に当たるものとする。
5 前各項に掲げるもののほか、事業者は、市、市民及び市民団体と協働し、環境保全活動に努めるとともに、市が実施する良好な環境の保全等に関する施策に協力するものとする。
第3章 良好な環境の保全等に関する基本的施策
第1節 環境に関する基本的な計画の策定
(環境基本計画)
第9条 市長は、第5条に規定する良好な環境の保全等に関する施策を総合的かつ計画的に推進するため、基本的な計画(以下「環境基本計画」という。)を定めなければならない。
2 環境基本計画は、次に掲げる事項について定めるものとする。
(1) 良好な環境の保全等に関する長期的な施策の大綱
(2) 前号に定めるもののほか、良好な環境の保全等に関する施策を総合的かつ計画的に推進するために必要な事項
3 市長は、環境基本計画を策定し、又は変更しようとするときは、あらかじめ市民等の意見を反映させるための必要な措置を講ずるとともに、第15条に規定する鎌ケ谷市環境審議会の意見を聴かなければならない。
4 市長は、環境基本計画を策定し、又は変更したときは、これを公表しなければならない。
(他の計画等との整合)
第10条 市長は、環境に影響を及ぼすと認められる施策を策定し、及び実施するに当たっては、環境基本計画との整合を図るよう努めなければならない。
2 市長は、環境基本計画の実施に当たっては、効果的な推進及び総合的な調整を行うために必要な措置を講じなければならない。
(年次報告)
第11条 市長は、毎年、環境の状況及び環境基本計画に基づき実施された施策の実施状況について年次報告書を作成し、これを公表しなければならない。
第2節 良好な環境の保全等のための施策
(開発事業等への措置)
第12条 市は、環境に著しい影響を及ぼすおそれのある事業を行う事業者に対し、あらかじめ当該事業に係る環境への影響について自ら適正に調査し、その結果に基づき、当該事業に係る環境の保全等について適正に配慮するよう促すため、必要な措置を講ずるよう努めるものとする。
(規制等の措置)
第13条 市は、公害の原因となる行為並びに良好な環境の保全等に支障を及ぼすおそれのある行為に対し、必要な規制等の措置を講ずるものとする。
2 市は、前項に定めるもののほか、環境の保全上の支障を防止するため、必要な規制等の措置を講ずるよう努めるものとする。
(経済的措置)
第14条 市は、市民等が自ら行う環境への負荷の低減その他の環境の保全に資する活動を促進するため、必要な経済的措置を講ずるよう努めるものとする。
第3節 環境審議会
(環境審議会)
第15条 環境基本法(平成5年法律第91号)第44条の規定により、鎌ケ谷市環境審議会(以下「審議会」という。)を置く。
2 審議会は、市長の諮問に応じて、次に掲げる事項を調査審議する。
(1) 環境基本計画に関すること。
(2) 前号に掲げるもののほか、良好な環境の保全等に関すること。
3 審議会は、前項各号に定める事項のほか、良好な環境の保全等に関する重要な事項について調査審議し、市長に意見を述べることができる。
4 審議会は、市民、事業者、環境の保全に関し学識経験のある者又は市長が認める者のうちから、市長が委嘱する委員12人以内をもって構成する。
5 審議会の委員の任期は2年とし、再任を妨げない。ただし、委員に欠員が生じた場合における補充委員の任期は、前任者の残任期間とする。
6 前各項に定めるもののほか、審議会の組織及び運営に関し必要な事項は、市長が別に定める。
第4節 地球環境の保全のための施策
(資源の循環的な利用の促進)
第16条 市は、持続的発展が可能な循環型社会の構築を図るため、廃棄物の減量及び資源化が促進されるよう、必要な措置を講ずるものとする。
(地球温暖化対策の推進)
第17条 市は、地球温暖化が地球全体の環境に深刻な影響を及ぼすものとの認識のもと、地球環境の保全のため、市民等と協働して地球温暖化対策に関する施策を推進するものとする。
(行動指針の促進)
第18条 市は、市民等との協働により、それぞれの役割に応じて地球環境の保全のための行動指針を定め、その普及に努めるとともに、当該指針に即した行動を促進するための必要な措置を講ずるものとする。
第4章 市民等との協働のための施策
(協働の促進)
第19条 市は、市民等との協働を促進するため、各主体がそれぞれの役割を果たし、良好な環境の保全等に対する施策及び環境保全活動を、地域ぐるみで推進するための措置を講ずるよう努めるものとする。
(環境教育等の振興及び普及啓発の推進)
第20条 市は、環境教育及び環境学習(以下「環境教育等」という。)の振興及び充実を図るため、次に掲げる事項を総合的かつ計画的に実施するとともに、市民等の良好な環境の保全等に関する活動への意欲が増進されるよう、必要な措置を講ずるものとする。
(1) 学校教育における環境教育等の推進のための施策
(2) 良好な環境の保全等に関する生涯学習の支援のための施策
(3) 良好な環境の保全等に関する広報啓発活動
(4) 前各号に掲げるもののほか、環境教育等の推進のために必要な施策
2 市民及び市民団体は、良好な環境の保全等のため環境教育等が重要な役割を果たすことを認識し、環境に配慮した活動を自ら実践できるよう、環境教育等への主体的な取組みに努めるものとする。
3 事業者は、良好な環境の保全等のため環境教育等が重要な役割を果たすことを認識し、環境教育等を通じて従業員の環境への意識を高めるよう努めるものとする。
(自発的な活動の促進)
第21条 市は、市民等が自発的に行う緑化活動、再生資源に係る回収、地域の環境美化、その他の良好な環境の保全等に関する活動が促進されるよう、技術的指導、助言その他の必要な措置を講ずるものとする。
(環境情報の収集及び提供)
第22条 市は、環境の状況及び良好な環境の保全等に役立つ情報の収集に努めるとともに、個人及び法人の権利利益の保護に配慮しつつ、環境教育等の推進及び市民等の自発的な活動の促進に必要な情報を、適切に提供するよう努めるものとする。
(意見の反映)
第23条 市は、良好な環境の保全等に関する施策を推進するため、市民等の意見を反映するよう努めるものとする。
第5章 推進体制等
(推進体制)
第24条 市は、良好な環境の保全等に関する施策を総合的かつ計画的に推進し、調整するため、必要な体制を整備するものとする。
(監視等の体制の整備)
第25条 市は、環境の状況を把握し、良好な環境の保全等に関する施策を実効性のあるものとするため、必要な監視、測定及び検査の体制の整備に努めるものとする。
(財政措置)
第26条 市は、良好な環境の保全等に関する施策を推進するため、必要な財政上の措置を講ずるよう努めるものとする。
(国及び他の地方公共団体との協力)
第27条 市は、良好な環境の保全等を図るために、広域的な取組を必要とする施策については、国及び他の地方公共団体と協力して、その推進に努めるものとする。
附則
(施行期日)
1 この条例は、公布の日から施行する。
(鎌ケ谷市環境保全基本条例及び鎌ケ谷市環境審議会条例の廃止)
2 次に掲げる条例は廃止する。
(1) 鎌ケ谷市環境保全基本条例(平成5年鎌ケ谷市条例第21号)
(2) 鎌ケ谷市環境審議会条例(平成6年鎌ケ谷市条例第11号)
(経過措置)
3 この条例の施行の際に、現に策定されている鎌ケ谷市環境基本計画は、第9条第1項の規定により定められた環境基本計画とみなす。
5 この条例の施行前に、旧審議会に付託された諮問で、この条例の施行の際に、当該諮問に対する答申がされていないものは、鎌ケ谷市環境審議会に付託された諮問とみなし、当該諮問について旧審議会がした調査審議の手続きは、鎌ケ谷市環境審議会がした調査審議の手続きとみなす。