○神栖市男女共同参画推進条例

平成18年12月21日

条例第41号

目次

前文

第1章 総則(第1条―第9条)

第2章 市が行う基本的施策(第10条―第20条)

第3章 神栖市男女共同参画審議会(第21条)

第4章 雑則(第22条)

付則

日本国憲法では,個人の尊重と法の下の平等がうたわれ,男女平等に向けた取組がさまざまな形で行われてきているが,性別による固定的な役割分担意識やそれに基づく社会の慣行があらゆる分野に根強く存在し,今なお真の男女平等社会の実現には多くの課題が残されている。

わたしたちの神栖市は,豊かな自然に恵まれ,古くから農業と漁業のまちとして栄え,住民が力を合わせ,これを支えながら鹿島開発という時代の変遷を経て,国内有数の工業都市へと発展を遂げてきた。

これまで,男女共同参画社会の形成に向けての取組を進めてきているところではあるが,さまざまな形態の暴力による人権侵害や社会的性別の視点に対する正確な理解の推進等,課題の解決に向けなお一層の努力が必要となっている。

ここに神栖市は,男女共同参画社会の実現を目指し,市民,事業者,市が互いの違いを認め合い,個性と能力を発揮し,ともに責任を担い,協働して豊かで活力のある社会を実現するため,「女男ひとにやさしくできるまち・かみす」の推進に取り組むことを決意し,この条例を制定する。

第1章 総則

(目的)

第1条 この条例は,男女共同参画の推進に関し,基本理念を定めるとともに,市民,事業者及び市の責務を明らかにし,男女共同参画の推進に関する施策の基本となる事項を定めることにより,男女共同参画社会の実現を総合的かつ計画的に推進することを目的とする。

(定義)

第2条 この条例において,次の各号に掲げる用語の意義は,当該各号に定めるところによる。

(1) 男女共同参画社会 男女が,社会の対等な構成員として,自らの意思によって社会のあらゆる分野における活動に参画する機会が確保され,もって男女が均等に政治的,経済的,社会的及び文化的利益を享受することができ,かつ,共に責任を担うべき社会をいう。

(2) 積極的改善措置 男女平等の参画に係る男女間の格差を改善するため,必要な範囲内において,男女の格差が生じていると認められている部分について積極的に機会を提供することをいう。

(3) ドメスティック・バイオレンス 配偶者等に対する,身体的暴力,精神的暴力(中傷,脅迫等をいう。),経済的暴力(生活費を渡さないこと等をいう。)又は性的な暴力行為及び当該暴力的行為に付随して生じる子への暴力的な行為をいう。

(4) セクシュアル・ハラスメント 相手の意に反した性的な言動(不必要な身体への接触,性的関係の強要,性的なうわさの流布等をいう。)又は性別の違いによる社会的な慣行に基づく言動により,当該言動を受けた個人の生活環境を害し,又は当該個人に不利益を与える行為をいう。

(5) 市民 市内に居住し,又は勤務し,若しくは在学する者をいう。

(6) 事業者 市内において,公的・私的機関又は営利・非営利を問わず,事業又は活動を行う個人及び法人その他の団体をいう。

(基本理念)

第3条 市民,事業者及び市は,男女共同参画社会の実現を目指し,次に掲げる事項を基本理念として,「女男ひとにやさしくできるまち・かみす」を推進するものとする。

(1) 男女の個人としての尊厳が重んぜられること,男女が直接的にも間接的にも性別による差別的取扱いを受けないこと,男女が個人として性別にとらわれることなく能力を発揮できる機会が確保されることその他の男女の人権が尊重されることに配慮されなければならない。

(2) 性別による固定的な役割分担による社会の制度又は慣行が男女共同参画を阻害する要因となるおそれがあることを考慮し,社会のあらゆる分野における活動の選択に関して,男女が,制度又は慣行によって直接的又は間接的に差別されないよう配慮されなければならない。

(3) 男女が,社会の対等な構成員として,市又はその他の団体における方針の立案及び決定に共同して参画する機会が確保されなければならない。

(4) 家族を構成する男女が,相互の協力と社会の支援の下に,子の養育,家族の介護その他の家庭生活において家族の一員としてその役割を担い,かつ,地域,職場,学校その他の社会における活動が円滑に行われなければならない。

(5) 国際社会における取組と密接な関係を有していること及び地域における国際化の進展にかんがみ,国際的協調の下に行われなければならない。

(目指すべき目標すがた)

第4条 市民,事業者及び市は,次に掲げる事項を「女男ひとにやさしくできるまち・かみす」の目指すべき目標すがたとし,この達成に努めるものとする。

(1) 家庭において目指すべき目標すがた

 家族のだれもが,「男性らしさ」又は「女性らしさ」という固定観念にとらわれることなく,互いの個性及び違いを認め合い,良好なパートナーシップを築くこと。

 性別による固定的な役割分担がなくなり,家事,介護,育児等に家族がみんなでかかわり,喜びと責任を分かち合い,家族のつながりが深まること。

 家族それぞれが多様な生き方を選択でき,これをみんなで認め合う家庭生活が営まれること。

(2) 地域において目指すべき目標すがた

 男女が協働して地域活動又はまちづくりに参画することにより,連帯感又は満足感が得られるとともに,豊かで住みよい地域づくりに貢献できること。

 家族の理解及び協力の下に,男女が共にボランティア,NPO(民間非営利組織をいう。)活動等に積極的に参加し,その中から多くのリーダーが育まれること。

 男女共同参画の推進を妨げる慣習又はしきたりにとらわれず,人権が尊重され,差別なく諸活動に参加し,それぞれの意思又は行動の決定が互いの理解により尊重され,心豊かな地域社会がつくられること。

(3) 職場において目指すべき目標すがた

 採用,配置,賃金,昇進等の男女格差が解消されることにより,個人の能力,個性,意欲等を充分に発揮できるとともに,適切に評価され,生き生きとした職場になること。

 育児又は介護のための時間又は休業を男女がともに積極的に取得し,仕事及び家庭生活,仕事及び地域社会活動等がゆとりをもって両立できるようになること。

 管理職の男女比が均衡し,行政における政策決定及び農業,商工業等のあらゆる産業分野における方針決定に男女の共同参画が進んでいくこと。

 営利・非営利を問わず,積極的な起業が男女によって行われ,豊かで活力あるまちづくりが着実に進むこと。

 セクシュアル・ハラスメントがなく,安心して働ける環境が保証される職場であること。

(4) 学校において目指すべき目標すがた

 誰もが個性又は能力を最大限に発揮できるよう,互いを信頼し,かつ,尊重する教育が進むこと。

 人権教育及び道徳教育を大切にし,思いやりの心が育つこと。

 進学又は就職においては,男女の役割を固定的にとらえることなく,能力又は適性を考慮した指導がなされるとともに,個人の意思で自由な選択が可能となるよう配慮されること。

(5) 人権擁護において目指すべき目標すがた

 男女が互いの性に関する理解を深め,性に関する個人の意思が生涯にわたり尊重されること。

 ドメスティック・バイオレンスを含むさまざまな形態の暴力を防止し,被害者を安全に保護すること。

 誰もが社会的性別の存在に気づく視点を持ち,性別を理由とする差別を受けないこと。

(市民の責務)

第5条 市民は,男女共同参画に関する理解を深め,家庭,職場,学校,地域その他の社会のあらゆる分野において,基本理念にのっとり,自ら積極的に参画するよう努めなければならない。

2 市民は,市が実施する男女共同参画の推進に関する施策(積極的改善措置を含む。以下同じ。)に積極的に協力するよう努めなければならない。

(事業者の責務)

第6条 事業者は,その事業又は活動を行うに当たっては,基本理念にのっとり,男女が平等に能力を発揮できるよう必要な措置(積極的改善措置を含む。)を行うとともに,個人としての能力を適正に評価するよう努めなければならない。

2 事業者は,男女が,職業生活における活動,家庭生活における活動,地域生活における活動等を両立できるよう就労環境の整備に努めなければならない。

3 事業者は,市が実施する男女共同参画の推進に関する施策に積極的に協力するよう努めなければならない。

(市の責務)

第7条 市は,基本理念にのっとり,男女共同参画の推進を市の主要施策と位置付け,地域の実情を踏まえ,男女共同参画の推進に関する総合的な施策を策定し,実施するものとする。

2 市は,男女共同参画の推進に関する総合的な施策を実施するに当たり,国,県及び他の自治体と連携を図るとともに,市民及び事業者との協働に努めるものとする。

(性別による権利侵害の禁止)

第8条 何人も,社会のあらゆる分野において,直接的又は間接的にも性別を理由とする権利侵害又は差別的扱いを行ってはならない。

2 何人も,社会のあらゆる分野において,セクシュアル・ハラスメントを行ってはならない。

3 何人も,社会のあらゆる分野において,配偶者等に対する身体的又は精神的な苦痛を与える暴力的行為その他の男女共同参画を阻害する暴力的行為又は虐待を行ってはならない。

(情報表示の留意)

第9条 何人も,公衆に表示するすべての情報において,次に掲げる表現を行わないよう努めなければならない。

(1) 性別による固定的な役割分担又はあらゆる暴力及び性の商品化を助長し,若しくは連想させる表現

(2) 過度の性的な表現

第2章 市が行う基本的施策

(男女共同参画計画)

第10条 市長は,男女共同参画の推進に関する施策の総合的かつ計画的な実施を図るため,男女共同参画に関する基本的な計画(以下「男女共同参画計画」という。)を定めるものとする。

2 男女共同参画計画は,次に掲げる事項について定めるものとする。

(1) 男女共同参画の推進に関する長期的な目標

(2) 男女共同参画の推進に関する長期的かつ総合的な施策の大綱

(3) 前2号に掲げるもののほか,男女共同参画の推進に関する施策を総合的かつ計画的に実施するために必要な事項

3 市長は,男女共同参画計画を定めるに当たっては,第21条に規定する神栖市男女共同参画審議会(以下第12条第2項及び第17条第2項において「審議会」という。)の意見を聴かなければならない。

4 市長は,男女共同参画計画を定めるに当たっては,市民及び事業者の意見を反映させることができるよう適切な措置を講じなければならない。

5 市長は,男女共同参画計画を定めたときは,遅滞なく,これを公表するものとする。

6 前3項の規定は,男女共同参画計画の変更について準用する。

(施策の策定等に当たっての配慮)

第11条 市は,男女共同参画の推進に影響を及ぼすと認められる施策を策定し,実施するに当たっては,男女共同参画の推進に配慮しなければならない。

(実施状況の公表)

第12条 市長は,毎年,市が行った男女共同参画の推進に関する施策の実施状況について,これを公表するものとする。

2 市長は,前項に規定する施策の実施状況を審議会に報告するものとする。

3 市長は,毎年,第1項に規定する施策の実施状況を市民及び事業者に周知するものとする。

(調査研究等)

第13条 市は,男女共同参画の推進に関する情報の収集,分析及び調査研究を行うものとする。

(教育及び学習の充実)

第14条 市は,男女共同参画の推進に関する教育及び学習の充実に努めるものとする。

(広報啓発活動)

第15条 市は,男女共同参画の推進に関して,市民及び事業者が関心及び理解を深めるために必要な広報啓発活動を行うものとする。

(附属機関等における積極的改善措置)

第16条 市は,附属機関(地方自治法(昭和22年法律第67号)第138条の4第3項の規定に基づく附属機関をいう。)その他これに準ずるものにおける委員の委嘱又は任命に当たっては,積極的改善措置を講ずるよう努めるものとする。

(報告及び表彰)

第17条 市長は,男女共同参画の推進に関し必要があると認めるときは,事業者に対し,男女共同参画の状況について報告を求めることができる。

2 市長は,男女共同参画の推進に関する取組を積極的に行っていると認められる事業者に対し,審議会の意見を聴いて,これを表彰することができるものとする。

(苦情及び相談への対応)

第18条 市長は,市民又は事業者から,市が行う男女共同参画の推進に関する施策又は男女共同参画の推進を阻害すると認められる施策に関し苦情の申出を受けたときは,関係機関と連携を図り,適切な措置を講ずるよう努めるものとする。

2 市長は,市民から性別による権利侵害に関する相談の申出を受けたときは,関係機関と連携を図り,適切な措置を講ずるよう努めるものとする。

(市民等に対する支援)

第19条 市は,市民又は事業者が行う男女共同参画の推進に関する活動を支援し,連携し,及び協働するため,必要な措置を講ずるよう努めなければならない。

(推進体制の整備等)

第20条 市は,男女共同参画の推進に関する施策を総合的かつ計画的に実施するため,必要な体制を整備するとともに,財政上の措置を講ずるよう努めるものとする。

2 市は,男女共同参画の推進に関する施策を総合的かつ計画的に実施し,及び市民又は事業者が行う男女共同参画の推進に関する活動の総合的な拠点となる施設を整備するよう努めるものとする。

第3章 神栖市男女共同参画審議会

(男女共同参画審議会の設置等)

第21条 男女共同参画の推進に資するため,神栖市男女共同参画審議会(以下「審議会」という。)を置く。

2 審議会は,市長の諮問に応じ,男女共同参画の推進に関する基本的かつ総合的な施策に関する事項について調査審議し,及び意見を述べる。

3 審議会は,男女共同参画の推進に関する施策の実施状況について調査審議し,及び意見を述べる。

4 審議会は,市長が委嘱する委員15人以内をもって組織する。この場合において,委員の一部は,公募した市民の中から委嘱しなければならない。

5 男女のいずれか一方の委員の数は,委員の総数の10分の4未満であってはならない。

6 委員の任期は,2年とする。ただし,委員が欠けた場合における補欠の委員の任期は,前任者の残任期間とする。

7 委員は,再任されることができる。

8 前各項に定めるもののほか,審議会の組織及び運営に関し必要な事項は,規則で定める。

第4章 雑則

(委任)

第22条 この条例の施行に関し必要な事項は,規則で定める。

付 則

(施行期日)

1 この条例は,平成19年1月1日から施行する。

(経過措置)

2 平成16年に策定した神栖町男女共同参画計画かみすハートフルプランは,第10条第1項の規定により策定した男女共同参画計画とみなす。

神栖市男女共同参画推進条例

平成18年12月21日 条例第41号

(平成19年1月1日施行)