○神栖市子どもを虐待から守る条例

令和2年3月25日

神栖市条例第11号

全ての子どもは,児童の権利に関する条約の精神にのっとり,一人の人間としてその権利が尊重され,保障されなければならない。子どもへの虐待は,その健やかな成長及び発達並びに人格の形成に重大な影響を与える著しい人権侵害であり,市,地域住民,保護者及び関係機関等が協働して,虐待から子どもを守ることが求められている。

神栖市の未来を担う子どもを虐待から守るため,全ての市民が一体となって,地域の力で子どもと家庭を支える環境づくりを推進するため,この条例を制定する。

(目的)

第1条 この条例は,子どもを虐待から守ること(以下「虐待防止」という。)に関し,基本理念を定め,市,保護者,市民等及び関係機関等の責務を明らかにするとともに,虐待防止及び虐待の早期発見のための連携体制等基本となる事項を定め,もって児童の権利利益の擁護に資するとともに,子育て家庭への支援を図り,次代の社会を担う子どもが健やかに成長することができる社会の実現に寄与することを目的とする。

(定義)

第2条 この条例において,次の各号に掲げる用語の意義は,当該各号に定めるところによる。

(1) 子ども 児童虐待の防止等に関する法律(平成12年法律第82号。以下「法」という。)第2条に規定する児童をいう。

(2) 虐待 法第2条に規定する児童虐待をいう。

(3) 保護者 法第2条に規定する保護者をいう。

(4) 市民等 市内に居住する者,市内において就業し,又は就学する者並びに市内で事業活動を行う個人,企業及び団体をいう。

(5) 関係機関等 学校,幼稚園,保育所,認定こども園,地域型保育事業所,医療機関その他児童の福祉に業務上関係のある団体及び子どもの福祉に職務上関係のある者をいう。

(基本理念)

第3条 虐待は,子どもの心身の健やかな成長及び発達並びに人格の形成に重大な影響を与える著しい人権侵害行為であり,何人もこれを行ってはならず,許してはならない。

2 虐待への対応は,子どもの生命を守ることを最優先するとともに,子どもの最善の利益を考慮しなければならない。

3 何人も,次代の社会を担う全ての子ども一人一人の人権が尊重され,虐待がなく,子どもが健やかに成長することができる社会の実現及び保護者が安心して子育てをすることができる環境づくりに取り組まなければならない。

(市の責務)

第4条 市は,前条に規定する基本理念(以下「基本理念」という。)にのっとり,児童相談所,保健所及び関係機関等と連携し,虐待防止に係る施策を実施するとともに,子育て家庭が孤立することのないよう相談その他必要な支援を行わなければならない。

2 市は,虐待防止に必要な施策を実施するに当たっては,市民等,児童相談所,保健所及び関係機関等と連携し,協力体制を構築するものとする。

3 市は,子育て家庭が安心して,子育ての悩み,不安等を相談することができる体制の整備に努めるとともに,市民等及び関係機関等への理解を図るために必要な啓発活動を行うものとする。

(保護者の責務)

第5条 保護者は,基本理念にのっとり,子育てについての責任を有することを自覚し,虐待が決して正当化されることではないことを認識し,子どものしつけに関して,人権に配慮し子どもを心身共に健やかに育成するよう努めなければならない。

2 保護者は,子育てに対する悩み,不安等があるときは,積極的に子育て支援に係る事業を利用するとともに,市,児童相談所,保健所及び関係機関等に相談し,又はこれらの機関の援助を活用し,子育てに当たって地域社会から孤立することのないよう努めなければならない。

(市民等の責務)

第6条 市民等は,基本理念にのっとり,虐待防止について,市が実施する施策及び児童相談所,保健所又は関係機関等の取組に関し協力するとともに,子育て家庭への支援を行うよう努めなければならない。

2 市民等は,虐待を受けた(受けたおそれがある場合を含む。次条第2項において同じ。)子どもを発見した場合は,法第6条第1項の規定に基づき,速やかに直接又は児童委員を介して,通告受理機関(市又は児童相談所をいう。以下同じ。)に通告しなければならない。

3 市民等は,通告受理機関が行う子どもの安全の確認及び安全の確保に協力するよう努めなければならない。

(関係機関等の責務)

第7条 関係機関等は,基本理念にのっとり,虐待防止について,市が実施する施策に協力するよう努めなければならない。

2 関係機関等は,虐待を受けた子どもを発見した場合は,速やかに通告受理機関に通告しなければならない。

3 関係機関等は,通告受理機関が行う子供の安全の確認及び安全の確保に協力するよう努めなければならない。

4 関係機関等は,地域において子ども及び子育て家庭が見守られる環境を築くよう努めなければならない。

(子育てに係る情報の提供及び支援)

第8条 市は,虐待を未然に防止するため,子育て家庭に対し,子育てに係る情報の提供を行うとともに,子育て支援を要する家庭に対し,早期相談支援,訪問支援,専門的な知識及び技術の提供その他の必要な支援を行うものとする。

2 市は,前項の情報の提供及び支援に当たっては,児童相談所,保健所及び関係機関等との連携により行うよう努めるものとする。

(市民等及び関係機関等に対する情報の提供等)

第9条 市は,市民等及び関係機関等に対し,子育て支援に係る情報の提供を行うとともに,市民等及び関係機関等と連携し,保護者が安心して子育てをすることができるような環境づくりに努めるものとする。

(転出及び転入等の場合における情報の共有)

第10条 市は,子どもの保護を図るために必要な支援を行っている家庭等が他の市町村(特別区を含む。)へ転出等をする場合は,当該家庭等に対する支援が継続的に提供されるよう当該市町村への適切な引継ぎその他必要な措置を講ずるものとする。

2 市は,子どもの保護を図るために必要な支援が行われている家庭等の転入等に係る引継ぎを受ける場合は,転入前の住所地を管轄する市町村(特別区を含む。)に対し,積極的に必要な資料又は情報の提供を求める等により,迅速かつ的確に,当該子ども及び家庭の状況その他子どもの安全の確保に必要な情報を把握することができるよう努めるものとする。

(虐待を受けた子どもに対する保護及び支援)

第11条 市は,関係機関等と連携し,虐待を受けた子どもに対し,当該子どもの心身の健やかな成長及び発達を促進するために,適切な保護及び支援を行うよう努めなければならない。

(虐待を行った保護者に対する指導)

第12条 市は,関係機関等と連携し,虐待を行った保護者に対し,虐待を受けた子どもとの良好な関係の再構築及び虐待の再発防止のための指導を行うものとする。

(虐待防止の体制強化)

第13条 市は,子ども及び保護者への支援を適切に行うことができるよう,人員の確保,専門職の配置等必要な体制の整備に努めなければならない。

(財政上の措置)

第14条 市は,子どもを虐待から守るための施策を実施するために必要な財政上の措置を講ずるよう努めるものとする。

(虐待の状況等の公表)

第15条 市長は,毎年度,市における虐待に係る通告等の状況及び虐待防止への取組の状況を公表するものとする。

(委任)

第16条 この条例の施行について必要な事項は,規則で定める。

付 則

この条例は,公布の日から施行する。

神栖市子どもを虐待から守る条例

令和2年3月25日 条例第11号

(令和2年3月25日施行)