○菊池市農業次世代人材投資資金交付規則
平成25年1月8日
規則第1号
(趣旨)
第1条 この規則は、次世代を担う農業者となることを志向する経営開始直後の新規就農者に対して、経営開始型の農業次世代人材投資資金(以下「資金」という。)を交付することにより、青年の就農意欲の喚起と就農後の定着を図るため、農業人材力強化総合支援事業実施要綱(平成24年4月6日付け23経営第3543号農林水産事務次官依命通知。以下「国の実施要綱」という。)、熊本県農業次世代人材投資事業(旧青年就農給付金事業)(経営開始型)実施要領及び菊池市補助金等交付規則(平成19年規則第1号)に定めるもののほか、必要な事項を定めるものとする。
(交付対象者)
第2条 市長は、以下の要件を満たす者に対し、予算の範囲内で資金を交付する。
(1) 独立・自営就農時の年齢が、原則50歳未満であり、次世代を担う農業者となることについての強い意欲を有していること。
(2) 次に掲げる要件を満たす独立・自営就農であること。
ア 農地の所有権又は利用権(農地法(昭和27年法律第229号)第3条に基づく農業委員会の許可を受けたもの、同条第1項各号に該当するもの、農業経営基盤強化促進法(昭和55年法律第65号。以下「基盤強化法」という。)第19条に基づく公告があったもの、農地中間管理事業の推進に関する法律(平成25年法律第101号)第18条に基づく公告があったもの、都市農地の貸借の円滑化に関する法律(平成30年法律第68号)第4条に基づく認定を受けたもの及び特定作業受委託契約を締結したものをいう。)を交付対象者が有していること。
イ 主要な農業機械・施設を交付対象者が所有し、又は借りていること。
ウ 生産物や生産資材等を交付対象者の名義で出荷・取引すること。
エ 交付対象者の農産物等の売上げや経費の支出などの経営収支を交付対象者の名義の通帳及び帳簿で管理すること。
オ 交付対象者が農業経営に関する主宰権を有していること。
(3) 基盤強化法第14条の4第1項に規定する青年等就農計画の認定を受けた者であること。ただし、交付期間中に、同法第14条の5第2項に規定する認定の取消しを受けた場合及び同法同条第3項に規定する認定の効力を失った場合を除く。
(4) 青年等就農計画に農業次世代人材投資資金申請追加資料(様式第1号)を添付したもの(以下「青年等就農計画等」という。)が次に掲げる要件に適合していること。
ア 農業経営を開始して5年後までに農業(農業生産のほか、農産物加工、直接販売、農家レストラン、農家民宿等関連事業を含む。)で生計が成り立つ計画であること。
イ 計画の達成が実現可能であると見込まれること。
(5) 経営の全部又は一部を継承する場合は、継承する農業経営に従事してから5年以内に継承して農業経営を開始し、かつ交付期間中に、新規作目の導入、経営の多角化等経営発展に向けた取組を行い、新規参入者(土地や資金を独自に調達し、新たに農業経営を開始した者をいう。)と同等の経営リスクを負って経営を開始する青年等就農計画等であると市長に認められること。なお、一戸一法人(原則として世帯員のみで構成される法人。)以外の農業法人を継承する場合は交付の対象外とする。
(6) 人・農地プラン進め方通知の2の(1)の実質化された人・農地プラン、同通知3により実質化された人・農地プランとみなすことができると判断できる既存の人・農地プラン及び同通知4により実質化された人・農地プランとして取り扱うことのできる人・農地プラン以外の同種取決め等に中心となる経営体として位置づけられ、又は位置づけられることが確実と見込まれること、あるいは農地中間管理機構から農地を借り受けていること(以下「人・農地プランに位置づけられた者等」という。)。
(7) 次に掲げる条件に該当していること。
ア 原則として生活費の確保を目的とした国の他の事業による給付等を受けていないこと。
イ 農の雇用事業による助成金の交付を現に受けておらず、かつ、過去に受けていないこと。
ウ 経営継承・発展等支援事業実施要綱(令和3年3月26日付け2経営第2988号農林水産事務次官依命通知)別記1の経営継承・発展支援事業による補助金の交付を現に受けておらず、かつ、過去に受けていないこと。
(8) 前年の世帯所得が600万円以下(被災による資金の交付休止期間中の所得を除く。以下同じ。)であること。ただし、600万円を超える場合であっても、生活費の確保の観点から支援対象とすべき切実な事情があると市長が認める場合に限り、採択及び交付をすることができる。
(9) 園芸施設共済の引受対象となる施設を所有する場合は、当該施設について、気象災害等による被災に備えて、園芸施設共済、民間事業者が提供する保険若しくは施工業者による保証等に加入している、又は加入することが確実と見込まれること。
(11) 就農する地域における将来の農業の担い手として、地域のコミュニティへの積極的な参加に努め、地域の農業の維持・発展に向けた活動に協力する意思があること。
(交付金額及び交付期間)
第3条 資金の額は、経営開始1年目から経営開始3年目までは交付期間1年につき1人当たり150万円、経営開始4年目以降は交付期間1年につき1人当たり120万円を交付する。また、交付期間は最長5年間(経営開始後5年度目分まで)とする。
(1) 家族経営協定を締結しており、夫婦が共同経営者であることが規定されていること。
(2) 主要な経営資産を夫婦で共に所有し、又は借りていること。
(3) 夫婦共に人・農地プランに中心となる経営体として位置付けられていること又は位置付けられることが確実と見込まれていること。
3 複数の青年就農者が農業法人を設立し、共同経営する場合は、当該青年就農者(当該農業法人及び青年就農者それぞれが人・農地プランに位置づけられた者等に限る。)に交付期間1年につきそれぞれ第1項の額を交付する。なお、経営開始後5年以上経過している農業者が法人を経営する場合は、交付の対象外とする。
(資金の停止)
第4条 交付対象者が次のいずれかに該当する場合は、市長は資金の交付を停止する。
(1) 第2条の要件を満たさなくなった場合
(2) 農業経営を中止した場合
(3) 農業経営を休止した場合
(4) 第12条第1項の就農状況報告を行わなかった場合
(5) 第18条第2項の就農状況の現地確認等により、次に掲げる事項に該当し、農業次世代人材投資資金の交付対象者の考え方について(平成31年4月3日付け事務連絡経営局就農・女性課長通知。以下「交付対象者の考え方」という。)に記載された事項を満たさず、適切な農業経営を行っていないと市長が判断した場合
ア 青年等就農計画等の達成に必要な経営資産を縮小した場合
イ 耕作すべき農地を遊休化した場合
ウ 農作物を適切に生産していない場合
エ 農業生産等の従事日数が一定(年間150日、かつ、年間1,200時間)未満である場合
オ 市長から改善指導を受けたにもかかわらず、改善に向けた取組を行わない場合
カ その他、市長が適切な農業経営を行っていないと特に判断した場合
(6) 国及び市長が実施する報告の徴収又は立入調査に協力しない場合
(7) 第19条の中間評価によりB評価相当と判断された場合
(8) 前年の世帯全体の所得が600万円を超えた場合(その後、世帯全体の所得が600万円以下となった場合は、翌年から交付を再開することができる。)。ただし、当該所得が600万円を超える場合であっても、生活費の確保の観点から支援対象とすべき切実な事情があると市長が認める場合に限り、交付を可能とする。
(1) 前条各号に掲げる事項に該当した時点が既に交付した資金の対象期間中である場合にあっては、残りの対象期間の月数分(当該事項に該当した月を含む。)の資金を月単位で返還する。
(2) 虚偽の申請等を行った場合は資金の全額を返還する。
(青年等就農計画等の承認申請)
第6条 資金の交付を受けようとする者は、青年等就農計画等を作成し、市長に承認申請するものとする。
2 交付の申請は半年分又は1年分を単位として行うことを基本とし、原則として、申請する資金の対象期間の最初の日から1年以内に行うものとする。
(交付の中止届)
第10条 資金の交付を受けた者(以下「交付対象者」という。)が、資金の受給を中止する場合は、速やかに市長に中止届(様式第3号)を提出する。
(交付の休止届)
第11条 交付対象者は、病気などのやむを得ない理由により就農を休止する場合は、市長に休止届(様式第4号)を提出する。なお、休止期間は原則1年以内とする。
2 交付期間終了後5年間の間に農業経営を中止し、離農した場合は、離農届(様式第7号)を提出する。
3 交付対象者は、交付期間内及び交付期間終了後5年間に氏名、居住地や電話番号等を変更した場合は、変更後1か月以内に住所等変更届(様式第8号)を市長に提出する。
(青年等就農計画等の承認)
第14条 市長は、資金の交付を受けようとする者から青年等就農計画等の承認申請があった場合には、青年等就農計画等の内容について審査する。
(青年等就農計画等の変更の承認)
第15条 市長は、青年等就農計画等の変更申請があった場合は、前条の手続に準じて、承認する。
(資金の交付決定と交付)
第16条 市長は、交付申請の内容が適当であると認めた場合は、交付決定通知書(様式第12号)により予算の範囲内で資金を交付する。資金の交付は半年分を単位として行うことを基本とし、青年等就農計画等の承認後、速やかに資金の交付を行うものとする。なお、市長の判断により、1年分の資金を一括で交付することができるものとする。
(交付申請の変更)
第17条 交付申請書の内容に変更があり、市長が変更の内容が適当であると認めた場合は、変更した内容に基づき資金を交付する。
(1) 交付対象者への面談
ア 営農に対する取組状況
イ 栽培・経営管理状況
ウ 青年等就農計画等達成に向けた取組状況
エ 労働環境等に対する取組状況
(2) ほ場確認
ア 耕作すべき農地が遊休化されていないか
イ 農作物を適切に生産しているか
(3) 書類確認
ア 作業日誌
イ 帳簿
ウ 農地の権利設定の状況が確認できる書類(農地基本台帳、農地法第3条の許可を受けた使用賃借、賃貸借若しくは売買契約書、公告のあった農用地利用集積計画若しくは農用地利用配分計画、特定作業受託契約書又は都市農地の貸借の円滑化に関する法律第4条第1項の規定に基づく事業計画のうち該当する箇所のいずれかの書類の写し。以下同じ。)
(就農中断者の状況確認)
第18条の2 市長は、交付対象者から交付終了後の就農継続期間中に就農中断届の提出があり、その内容がやむを得ないと認められる場合、就農の中断を承認する。なお、就農中断期間は就農を中断した日から原則1年以内とする。また、市長は就農中断届の提出があった交付対象者の就農再開に向けた取組状況を適宜確認し、就農再開に向けたフォローアップを行う。
(交付対象者の中間評価)
第19条 市長は、資金の交付対象者の経営開始3年目が終了した時点で、当該交付対象者の農業所得及び農業収入等の状況や経営の課題等を交付対象者及びサポートチーム等関係機関が確認し、経営改善に役立てるとともに、青年等就農計画の達成に向けて指導が必要な者に対して重点的にサポートするため、中間評価を実施する。中間評価は以下の方法により行う。
(1) 市長は、第23条のサポートチーム、関係機関や関係者で構成する評価会を設置する。
(3) 次号の評価区分のうちAに該当する者は、次のいずれかに該当する者とする。
ア 経営開始3年目の農業所得が、青年等就農計画における経営開始5年目の農業所得目標(以下「農業所得目標」という。)のおおむね1/2を達成する者
イ アの基準を達成できていないが、次に掲げるいずれかに該当する者で、農業所得目標の達成が見込まれると市長が認める者
(ア) 設備投資等の経費がかさんだことが原因で経営開始3年目の農業所得が農業所得目標のおおむね1/2を達成していないが、経営開始3年目の農業収入が、様式第1号の別添1の収支計画における経営開始5年目の農業収入目標(以下「農業収入目標」という。)のおおむね1/2に達している者
(イ) 災害による収量低下、市場価格の下落等、本人の責によらない原因により農業所得目標又は農業収入目標のおおむね1/2を達成できていない者
(4) 評価区分は、A(順調)、B(順調ではない)の2段階とする。
(5) 市長は、A評価の交付対象者については、引き続き交付を継続する。なお、A評価相当の交付対象者のうち希望する者については、第25条の経営発展支援金を交付する。また、A評価の者のうち農業所得目標の達成に向けて重点指導が必要な者であると評価会で判断された者については、サポートチームが中心となって重点指導を行う。B評価の者については、資金の交付を中止する。
(交付の休止)
第21条 市長は、交付対象者から休止届の提出があり、やむを得ないと認められる場合は、資金の交付を休止する。なお、やむを得ないと認められない場合は資金の交付を中止する。
2 市長は、交付対象者から経営再開届の提出があり、適切に農業経営を行うことができると認められる場合は、資金の交付を再開する。
(資金の返還)
第22条 第5条に規定する資金の返還に該当した場合、市長は、交付対象者に資金の返還を命ずる。
2 市長は、交付対象者から提出された返還免除申請書の申請内容が妥当と認められる場合は資金の返還を免除することができる。
3 市長は、交付対象者から資金の返還があったときは、速やかに返還された資金を熊本県に対して返還するものとする。
(サポート体制の整備)
第23条 市長は、平成29年度以降の新規交付対象者の「経営・技術」、「営農資金」、「農地」の各課題に対応できるよう、関係機関に所属する者及び関係者で構成するサポート体制を構築するものとする。
2 市長は、当該サポート体制の中から、交付対象者ごとに「経営・技術」、「営農資金」及び「農地」のそれぞれに専属の担当者(サポートチーム)を選任し、交付対象者の各課題の相談先を明確にするものとする。令和3年度以降に採択された交付対象者のサポートチームについては、新規就農者の農業経営、地域生活等の諸課題に対して適切な助言及び指導が可能な農業者を参画させることを必須とする。当該農業者は、交付対象者の農業経営、地域生活等に関する相談に乗り、必要に応じて助言及び指導を行うものとする。
(1) 青年等就農計画等作成への助言及び指導
(2) 審査への参加
(3) 就農状況の確認、助言及び指導
(4) 中間評価会への参加
(5) 中間評価の結果において、令和2年度以前に採択された交付対象者についてはB評価相当の者、令和3年度以降に採択された交付対象者についてはA評価の者のうち重点指導が必要な者であると判断された者に対する重点指導の実施
(農業共済等の積極的活用)
第24条 市長は、農業共済組合と連携し、交付対象者に対し、経営の安定を図るため、農業共済その他の農業関係の保険への積極的な加入を促すものとする。
(経営発展支援金事業)
第25条 市長は、第19条の中間評価でA評価相当とされた者のうち、経営発展支援金(以下「支援金」という。)の交付を希望する者に支援金を交付する。
2 支援金の交付を希望する者は、経営発展支援金交付申請書(様式第1号の別添8。以下「申請書」という。)を市長に提出するものとする。
3 市長は、申請書の内容を審査し、交付対象者のさらなる経営発展につながる取組であると認める場合は、承認し、審査結果を交付対象者に通知するとともに、支援金を交付する。
4 交付対象者は、承認された内容を実施し、事業完了(取組終了)後1か月以内又は当該事業年度の3月末日までに経営発展支援金実績報告書(様式第1号の別添8。以下「実績報告書」という。)を提出し、承認を得る。
5 市長は前項の実績報告書の内容を審査し、適当であると認める場合は承認し、支援金の精算を行う。
8 交付対象者が融資機関から行われる融資を活用し、農業用機械等の導入等の事業を行う場合について、当該事業に係る経費から融資額を除いた自己負担部分に充当することも可能とする。
(雑則)
第26条 市長は、本事業が適切に実施されたかどうか、及び本事業の効果を確認するため、交付対象者に対し、必要な事項の報告を求め、及び現地への立入調査を行うことができる。
2 市長は、偽りその他の不正行為により、本来受給することのできない資金を不正に受給したことが明らかになった場合、不正行為を行った者の氏名及びその内容を公表することができる。
附則
この規則は、公布の日から施行し、平成24年8月1日から適用する。
附則(平成29年規則第19号)
この規則は、平成29年4月1日から施行する。なお、施行日までに申請があったものについては、従前のとおりとする。
附則(平成30年規則第1号)
この規則は、公布の日から施行し、平成29年8月29日から適用する。
附則(平成30年規則第17号)
この規則は、公布の日から施行し、平成30年4月1日から適用する。
附則(令和元年規則第5号)
(施行期日)
1 この規則は、公布の日から施行し、改正後の菊池市農業次世代人材投資資金交付規則の規定は、平成31年4月1日から適用する。
(経過措置)
2 改正前の菊池市農業次世代人材投資資金(経営開始型)交付規則の規定に基づき実施している事業に対する同規則の適用については、なお従前の例による。ただし、改正後の第4条第5号及び第18条に規定する様式第13号については、改正後の菊池市農業次世代人材投資資金交付規則を適用するものとする。
附則(令和4年規則第19号)
この規則は、公布の日から施行する。