○建築物に附置すべき駐車施設に関する条例

昭和42年3月28日

条例第54号

(目的)

第1条 この条例は、建築物に附置すべき駐車施設に関し必要な事項を定めることにより、道路交通の円滑化を図り、もつて都市の機能の維持及び増進に寄与することを目的とする。

(用語の定義)

第2条 この条例において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。

(1) 駐車場整備地区 駐車場法(昭和32年法律第106号。以下「法」という。)第3条第1項の規定による駐車場整備地区をいう。

(2) 特定部分 法第20条第1項に規定する特定用途(以下「特定用途」という。)のうち駐車施設及び駐輪施設の用途以外の用途に供する部分(観覧場にあつては、屋外観覧席の部分を含む。)をいう。

(3) 駐車施設 法第20条第1項に規定する駐車施設をいう。

(4) 非特定部分 特定用途及び住宅以外の用途(以下「非特定用途」という。)のうち駐車施設及び駐輪施設の用途以外の用途に供する部分をいう。

(5) 商業地域 都市計画法(昭和43年法律第100号)第8条第1項第1号の商業地域をいう。

(6) 近隣商業地域 都市計画法第8条第1項第1号の近隣商業地域をいう。

(7) 駐輪施設 道路交通法(昭和35年法律第105号)第2条第1項第10号に規定する原動機付自転車及び同項第11号の2に規定する自転車の駐車のための施設をいう。

(8) 特定自動二輪車 駐車場法施行令(昭和32年政令第340号)第7条第1項第5号イに規定する特定自動二輪車をいう。

(9) 延べ面積 建築基準法施行令(昭和25年政令第338号)第2条第1項第4号に規定する延べ面積をいう。

(周辺地区の指定)

第3条 法第20条第2項に基づき、駐車場整備地区又は商業地域若しくは近隣商業地域の周辺の地域内で条例で定める地区(以下「周辺地区」という。)は、駐車場整備地区又は商業地域若しくは近隣商業地域に接続する都市計画区域内において市長が指定する区域とする。

2 市長は、前項の規定により周辺地区を指定したときは、その旨を告示しなければならない。

(建築物の新築の場合の駐車施設の附置)

第4条 次の表(あ)項に掲げる地区又は地域内において、(い)項に掲げる面積が(う)項に掲げる面積を超える建築物を新築しようとする者は、(え)項に掲げる建築物の部分の延べ面積をそれぞれ(お)項に掲げる面積で除して得た数値を合計した数値(当該建築物の特定部分と非特定部分の延べ面積を合計した面積が6,000平方メートルに満たない場合においては、当該合計した数値に(か)項に掲げる式により算出して得た数値を乗じて得た数値とし、小数点以下の端数がある場合においては、端数を切り上げた数値とする。)の駐車台数以上の規模を有する駐車施設を当該建築物又は当該建築物の敷地内に附置しなければならない。

(あ)

駐車場整備地区又は商業地域若しくは近隣商業地域

周辺地区

(い)

特定部分の延べ面積と非特定部分の延べ面積に2分の1を乗じて得たものとの合計の面積

特定部分の延べ面積

(う)

1,500平方メートル

3,000平方メートル

(え)

百貨店その他の店舗の用に供する部分

事務所の用に供する部分

百貨店その他の店舗及び事務所の用に供する部分以外の特定部分

非特定部分

特定部分

(お)

200平方メートル

350平方メートル

350平方メートル

550平方メートル

350平方メートル

(か)

1-(1,500平方メートル×(6,000平方メートル-延べ面積))(6,000平方メートル×(い)項に掲げる面積-1,500平方メートル×延べ面積)

1-(6,000平方メートル-延べ面積)/延べ面積

備考 この表の(か)項において「延べ面積」とは、当該建築物の特定部分と非特定部分の延べ面積を合計した面積をいう。

2 事務所に供する部分の延べ面積が1万平方メートルを超える建築物については、前項の規定にかかわらず、当該事務所に供する部分の延べ面積のうち、1万平方メートルを超え5万平方メートルまでの部分の延べ面積に0.7を、5万平方メートルを超え10万平方メートルまでの部分の延べ面積に0.6を、10万平方メートルを超える部分の延べ面積に0.5をそれぞれ乗じたものの合計に1万平方メートルを加えた面積を当該事務所に供する部分の延べ面積とみなして、同項の規定を適用する。

(建築物の新築の場合の特定自動二輪車のための駐車施設の附置)

第4条の2 駐車場整備地区又は商業地域若しくは近隣商業地域において、特定部分の延べ面積が1,500平方メートルを超える建築物を新築しようとする者は、(あ)項に掲げる建築物の部分の床面積をそれぞれ(い)項に掲げる面積で除して得た数値を合計した数値(小数点以下の端数がある場合においては、端数を切り上げた数値とする。)の台数以上の規模を有する特定自動二輪車のための駐車施設を当該建築物又は当該建築物の敷地内に附置しなければならない。

(あ)

百貨店その他の店舗の用に供する部分

百貨店その他の店舗の用に供する部分以外の特定部分

(い)

3,000平方メートル

6,000平方メートル

(建築物の増築又は用途変更の場合の駐車施設の附置)

第5条 建築物を増築しようとする者又は建築物の部分の用途の変更で、当該用途の変更により特定部分の延べ面積が増加することとなるもののために法第20条の2第1項に規定する大規模の修繕又は大規模の模様替えをしようとする者は、当該増築又は用途の変更後の建築物を新築した場合において前2条の規定により附置しなければならない最小の規模の駐車施設の駐車台数から、当該増築又は用途の変更前の建築物を新築した場合においてこれらの条の規定により附置しなければならない最小の規模の駐車施設の駐車台数を減じた駐車台数以上の規模を有する駐車施設を、当該増築又は用途の変更に係る建築物又は当該建築物の敷地内に附置しなければならない。

(駐車施設の規模等)

第6条 前3条の規定により附置する駐車施設は、自動車の駐車の用に供する部分(専ら特定自動二輪車の用に供する部分を除く。)の規模を駐車台数1台につき幅2.3メートル以上、奥行5メートル以上とし、専ら特定自動二輪車の駐車の用に供する部分の規模を駐車台数1台につき幅1.0メートル以上、奥行2.3メートル以上とし、自動車が有効に駐車し、かつ、出入りすることができるものとしなければならない。

2 前項の規定は、特殊の装置を用いる駐車施設で自動車が有効に駐車し、かつ、出入りすることができると市長が認めるものについては、適用しない。

(建築物が地区等の内外にわたる場合)

第7条 建築物の敷地が駐車場整備地区、商業地域若しくは近隣商業地域、周辺地区又はこれら以外の地域の2以上にわたる場合においては、当該建築物の敷地面積の最も大きい部分が属する地区又は地域内に当該建築物があるものとみなして、第4条から第5条までの規定を適用する。

第8条 削除

(附置の特例)

第9条 第4条から第5条までの規定により建築物に駐車施設を附置すべき者が、当該建築物の敷地からおおむね350メートル以内の場所に、交通の安全及び円滑化、良好な街並みの形成又は土地の有効な利用に資すると市長が認める駐車施設であつて、第4条から第5条までの規定により附置すべき駐車施設の規模のもの(以下「隔地駐車施設」という。)を設けようとするときは、第4条から第5条までの規定は、適用しない。

2 前項の規定により隔地駐車施設を設けようとする者は、規則で定めるところにより、当該隔地駐車施設の位置、規模及び構造について、あらかじめ市長に承認を申請しなければならない。承認を受けた事項を変更しようとする場合も、同様とする。

3 市長は、前項の規定による申請に対する承認又は不承認を決定したときは、申請者に対しその結果を通知しなければならない。

4 第2項の規定による承認を受けた者は、当該建築物の工事及び隔地駐車施設の設置完了後、速やかに工事が完了した旨を市長に届け出なければならない。

5 第6条の規定は、第1項の規定により設置する隔地駐車施設について準用する。

(公共交通利用促進策による附置義務台数の緩和)

第9条の2 第4条から第5条まで又は前条第1項の規定により建築物に駐車施設を附置すべき者が、公共交通機関の利用の促進に資する措置を講じた場合であつて、当該建築物の周辺の道路の安全及び円滑な交通に支障を生じさせるおそれがないと市長が認めたときは、規則で定めるところにより、附置しなければならない駐車施設の駐車台数を減ずることができる。

(届出)

第10条 第4条から第5条まで又は前条第1項の規定により駐車施設を設けようとする者は、規則で定めるところにより、当該駐車施設の位置、規模、構造等を市長に届け出なければならない。届け出た事項を変更しようとする場合も、同様とする。

(適用の除外)

第11条 建築基準法(昭和25年法律第201号)第85条に規定する仮設建築物を新築し、又は増築しようとする者については、第4条から第5条までの規定は、適用しない。

2 駐車場整備地区内又は商業地域内若しくは近隣商業地域内において、規則で定めるその全部又は一部を非特定用途に供する建築物を新築し、又は増築しようとする者については、当該非特定用途に供する部分に限り、第4条から第5条までの規定は、適用しない。

(駐車施設の維持管理)

第12条 第4条から第5条まで又は第9条第1項の規定により設置された駐車施設の所有者又は管理者は、当該駐車施設をその設置の目的に適合するように維持管理しなければならない。

2 市長は、隔地駐車施設の所有者又は管理者に対し、当該隔地駐車施設の維持管理の状況について、報告又は資料の提出を求めることができる。

(立入検査)

第13条 市長は、この条例を施行するため必要な限度において、建築物若しくは駐車施設の所有者若しくは管理者から報告若しくは資料の提出を求め、又は部下の職員をして建築物若しくは駐車施設に立ち入り、検査をさせることができる。

2 前項の規定により立入検査をする職員は、その身分を示す証明書を携帯し、関係人の請求があつたときは、これを提示しなければならない。

3 前項の規定による証明書の様式は、規則で定める。

(措置命令)

第14条 市長は、第4条から第5条まで、第9条第2項若しくは第4項又は第12条第1項の規定に違反した者に対して、相当の期限を定めて、駐車施設の附置、原状回復その他当該違反を是正するために必要な措置を命ずることができる。

2 市長は、前項の規定により措置を命じようとするときは、当該違反者に対して、その命じようとする措置を記載した措置命令書により行うものとする。

3 前項の規定による措置命令書の様式は、規則で定める。

(罰則)

第15条 前条第1項の規定による市長の命令に従わなかつた者は、50万円以下の罰金に処する。

2 第12条第2項又は第13条第1項の規定による報告若しくは資料の提出をせず、若しくは虚偽の報告若しくは資料の提出をし、又は同項の規定による検査を拒み、妨げ、若しくは忌避した者は、20万円以下の罰金に処する。

第16条 法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者が、その法人又は人の業務又は財産に関し、前条の違反行為をしたときは、その行為者を罰するほか、その法人又は人に対しても前条の刑を科する。

(施行細目の委任)

第17条 この条例の施行について必要な事項は、規則で定める。

(施行期日)

1 この条例は、昭和42年4月1日から施行する。

(建築物に附置する駐車施設の規模に関する条例の廃止)

2 神戸市駐車場条例の規定に基づく大規模の建築物に附置する駐車施設の規模に関する条例(昭和35年10月条例第21号)は廃止する。

(経過措置)

3 駐車場整備地区又は周辺地区内において、この条例の施行の日から起算して6月以内に建築物の新築又は増築の工事に着手した者については、第4条及び第8条の規定にかかわらず、なお従前の例による。

4 この条例の施行後、新たに駐車場整備地区、商業地域若しくは近隣商業地域又は周辺地区に指定された区域内において、当該地区又は地域に指定された日から起算して6月以内に建築物の新築又は増築の工事に着手した者については、第4条及び第5条の規定にかかわらず、当該地区又は地域の指定前の例による。

(昭和44年3月31日条例第44号)

(施行期日)

1 この条例は、昭和44年4月1日から施行する。

(経過措置)

2 商業地域内において、この条例の施行の日から起算して6月以内に建築物の新築又は増築の工事に着手した者については、第4条及び第8条の規定にかかわらず、なお従前の例による。

3 この条例の施行後、新たに商業地域に指定された区域内において、当該地域に指定された日から起算して6月以内に建築物の新築又は増築の工事に着手した者については、第4条及び第8条の規定にかかわらず、当該地域指定前の例による。

(昭和44年10月20日条例第46号)

この条例は、公布の日から施行する。

(昭和48年3月23日条例第63号)

(施行期日)

1 この条例は、都市計画法第20条第1項の規定により同法第8条第1項第1号に規定する近隣商業地域及び第2種住居専用地域を指定する告示があつた日から施行する。

(経過措置)

2 この条例の施行の日から起算して6月以内に建築物の新築又は増築の工事に着手した者については、この条例による改正後の条例(以下「新条例」という。)第4条及び第5条の規定にかかわらず、なお従前の例による。

3 この条例の施行後、新たに近隣商業地域に指定された地域内において、当該地域に指定された日から起算して6月以内に建築物の新築又は増築の工事に着手した者については、新条例第4条及び第5条の規定にかかわらず、当該地域指定前の例による。

(平成3年1月11日条例第22号)

(施行期日)

1 この条例は、平成3年6月1日から施行する。

(経過措置)

2 この条例の施行の日前に改正前の第10条の規定による届出をした者については、改正後の第4条から第6条までの規定にかかわらず、なお従前の例による。

(平成8年3月13日条例第48号)

(施行期日)

第1条 この条例は、規則で定める日から施行する。

(平成8年6月20日規則第35号により平成8年7月1日から施行)

(平成18年3月31日条例第60号)

この条例は、平成18年7月1日から施行する。

(平成27年3月31日条例第73号)

この条例は、公布の日から起算して1年を超えない範囲内において規則で定める日から施行する。

(平成27年12月17日規則第24号により平成27年12月18日から施行)

建築物に附置すべき駐車施設に関する条例

昭和42年3月28日 条例第54号

(平成27年12月18日施行)

体系情報
第16類 設/第2章 道路、溝渠
沿革情報
昭和42年3月28日 条例第54号
昭和44年3月31日 条例第44号
昭和44年10月20日 条例第46号
昭和48年3月23日 条例第63号
平成3年1月11日 条例第22号
平成8年3月13日 条例第48号
平成18年3月31日 条例第60号
平成27年3月31日 条例第73号