○風致地区内における建築等の規制に関する条例
昭和45年4月14日
条例第32号
(目的)
第1条 この条例は、都市計画法(昭和43年法律第100号)第58条第1項の規定に基づき、風致地区内における建築等の規制に関し、必要な事項を定めることを目的とする。
(風致地区の種別)
第2条 市長は、風致地区をそれぞれの地域の特性に応じ、次に掲げる種別のいずれかに指定するものとする。
(1) 第1種風致地区 瀬戸内海国立公園六甲地区を中心とする自然的景観の特にすぐれた山林、池沼等の地区で、現存の風致を維持することが必要なもの
(2) 第2種風致地区 自然的景観のすぐれた良好な樹林地、池沼等の地区で、現存の風致を維持することが必要なもの
(3) 第3種風致地区 自然的景観を保持している住宅地等の地区で、現存の風致を維持することが必要なもの
2 市長は、前項の規定による指定をしたときは、これを告示しなければならない。
(許可を要する行為)
第3条 風致地区内において、次の各号に掲げる行為をしようとする者は、あらかじめ、規則で定めるところにより、市長の許可を受けなければならない。
(1) 建築物その他の工作物(以下「建築物等」という。)の新築、改築、増築又は移転
(2) 宅地の造成、土地の開墾その他の土地の形質の変更
(3) 木竹の伐採
(4) 土石の類の採取
(5) 水面の埋立て又は干拓
(6) 建築物等の色彩の変更
(7) 屋外における土石、廃棄物(廃棄物の処理及び清掃に関する法律(昭和45年法律第137号)第2条第1項に規定する廃棄物をいう。以下同じ。)又は再生資源(資源の有効な利用の促進に関する法律(平成3年法律第48号)第2条第4項に規定する再生資源をいう。以下同じ。)の堆積
(1) 都市計画事業の施行として行う行為
(2) 国、県若しくは市又は当該都市計画施設を管理することとなる者が当該市街地開発事業又は都市施設に関する都市計画に適合して行う行為
(3) 非常災害のため必要な応急措置として行う行為
(4) 建築物の新築、改築又は増築で、新築、改築又は増築に係る建築物若しくはその部分の床面積の合計が10平方メートル以下であるもの(新築、改築又は増築後の建築物の高さが風致地区の種別ごとに別表第2の高さの欄に掲げる限度を超えることとなるものを除く。)
(5) 建築物の移転で移転に係る建築物の床面積が10平方メートル以下であるもの
(6) 次に掲げる工作物(建築物以外の工作物をいう。以下同じ。)の新築、改築、増築又は移転
ア 風致地区内において行う工事に必要な仮設の工作物
イ 水道管、下水道管、井戸その他これらに類する工作物で地下に設けるもの
ウ 消防又は水防の用に供する望楼及び警鐘台
(7) 面積が10平方メートル以下の土地の形質の変更で、高さが1.5メートルを超えるのりを生ずる切土又は盛土を伴わないもの
(8) 次に掲げる木竹の伐採
ア 間伐、枝打、整枝等木竹の保育のため通常行われるもの
イ 枯損した木竹又は危険な木竹
ウ 自家の生活の用に充てるために必要な木竹
エ 仮植した木竹
(9) 土石の類の採取で、その採取による地形の変更が第7号の土地の形質の変更と同程度のもの
(10) 建築物等のうち、屋根、壁面、日よけ、煙突、門、へい、橋、鉄塔その他これらに類するもの以外のものの色彩の変更
(11) 面積が10平方メートル以下の水面の埋立て又は干拓
(12) 面積が10平方メートル以下であり、かつ、高さが1.5メートル以下である土石、廃棄物又は再生資源の堆積
(13) 前各号に掲げるもののほか都市の風致の維持に支障を及ぼすおそれがないと認めて規則で定めるもの
(協議を要するもの)
第5条 国、県又は市の機関若しくは規則で定める者が行う行為については、第3条の許可を受けることを要しない。この場合において当該国、県又は市の機関若しくは規則で定める者は、その行為をしようとするときは、あらかじめ、市長に協議しなければならない。
(1) 国土保全施設、水資源開発施設、道路交通、船舶交通若しくは航空機の航行の安全のため必要な施設、気象、海象、地象、洪水等の観測若しくは通報の用に供する施設、自然公園の保護若しくは利用のための施設又は都市公園又はその施設の設置若しくは管理に係る行為、土地改良事業若しくは地方公共団体若しくは農業等を営む者が組織する団体が行う農業構造、林業構造若しくは漁業構造の改善に関する事業の施行に係る行為、重要文化財等の保存に係る行為又は鉱物の掘採に係る行為で規則で定めるもの
(2) 道路、鉄道若しくは軌道、国若しくは地方公共団体が行う通信業務、第1種電気通信事業、有線放送電話業務若しくは放送事業の用に供する線路若しくは空中線系(その支持物を含む。)、水道若しくは下水道又は電気工作物若しくはガス工作物の設置又は管理に係る行為で規則で定めるもの
(3) 前2号に掲げる行為に類する行為で都市の風致の維持に著しい支障を及ぼすおそれがないものとして規則で定めるもの
2 第3条の許可には、都市の風致の維持上必要な条件を付することができる。この場合において、この条件は、当該許可を受けた者に不当な義務を課するものであつてはならない。
3 市長は、第3条の許可に際して、当該許可に係る行為が風致の維持上特に重要なものであると認めるときは、あらかじめ、執行機関の附属機関に関する条例(昭和31年11月条例第36号)に規定する神戸市公園緑地審議会の意見を聴くものとする。
(1) この条例の規定又はこれに基づく処分に違反した者
(2) この条例の規定又はこれに基づく処分に違反した工事等の注文主若しくは請負人(下請人を含む。)又はみずからその工事等をしている者若しくはした者
(3) 第3条の許可に付した条件に違反している者
(4) 詐欺その他不正な手段により、第3条の許可を受けた者
2 前項の規定により必要な措置をとることを命じようとする場合において、過失がなくて当該措置を命ずべき者を確知することができないときは、市長は、その者の負担において、当該措置を自ら行い、又はその命じた者若しくは委任した者にこれを行わせることができる。この場合においては、相当の期限を定めて当該措置を行うべき旨及びその期限までに当該措置を行わないときは、市長又はその命じた者若しくは委任した者が当該措置を行う旨を、あらかじめ、公告しなければならない。
(立入検査)
第9条 市長又はその命じた者若しくは委任した者は、前条の規定による権限を行うため必要がある場合においては、当該土地に立ち入り、当該土地若しくは当該土地にある物件又は当該土地において行われている行為の状況を検査することができる。
2 前項の規定により他人の土地に立ち入ろうとする者は、その身分を示す証明書を携帯しなければならない。
3 前項に規定する証明書は、関係人の請求があつたときは、これを提示しなければならない。
(罰則)
第10条 第8条の規定による市長の命令に違反した者は、50万円以下の罰金に処する。
第11条 次の各号のいずれかに該当する者は、30万円以下の罰金に処する。
(1) 市長の許可を受けないで第3条各号に掲げる行為をした者
(2) 第7条第2項の規定により許可に付せられた条件に違反した者
第12条 第9条第1項の規定による立入検査を拒み、妨げ、又は忌避した者は、20万円以下の罰金に処する。
(施行の細目)
第14条 この条例に定めるもののほか、条例の施行に関し必要な事項は規則で定める。
附 則
(施行期日)
1 この条例は、昭和45年6月14日から施行する。
附 則(昭和56年12月22日条例第34号)
(施行期日)
1 この条例は、規則で定める日から施行する。
(昭和57年1月26日規則第71号により昭和57年2月1日から施行)
(経過措置)
2 この条例の施行前に改正前の風致地区内における建築等の規制に関する条例の規定に基づいて行われた許可の申請、協議及び通知に係る行為については、なお従前の例による。
附 則(昭和57年3月30日条例第53号)抄
(施行期日)
1 この条例は、規則で定める日から施行する。
(昭和57年7月1日規則第45号により昭和57年7月5日から施行)
附 則(昭和60年10月15日条例第22号)
この条例は、公布の日から施行する。
附 則(平成4年4月1日条例第2号)
この条例は、平成4年5月1日から施行する。
附 則(平成8年3月13日条例第48号)抄
(施行期日)
第1条 この条例は、規則で定める日から施行する。
(平成8年6月20日規則第35号により平成8年7月1日から施行)
附 則(平成16年4月16日条例第6号)
この条例は、平成16年5月18日から施行する。
別表第1(第7条関係)
許可の基準
行為 | 基準 | 特例 | |
1 建築物等の新築 | (1) 仮設の建築物等 | ア 建築物等の構造が容易に移転し、又は除却することができるものであること。 イ 建築物等の規模及び形態が新築の行われる土地及びその周辺の土地の区域における風致と著しく不調和でないこと。 |
|
(2) 地下に設ける建築物等 | 建築物等の位置及び規模が新築の行われる土地及びその周辺の土地の区域における風致の維持に支障を及ぼすおそれが少ないこと。 | ||
(3) (1)、(2)以外の建築物 | ア 建築物の高さが風致地区の種別ごとに別表第2の高さの欄に掲げる限度以下であること。 | 建築物の位置、規模、形態及び意匠が新築の行われる土地及びその周辺の土地の区域における風致と著しく不調和でなく、かつ、敷地について風致の維持に有効な措置が行われることが確実と認められる場合 | |
イ 建築物の建ぺい率が風致地区の種別ごとに別表第2の建ぺい率の欄に掲げる限度以下であること。 | 土地の状況により支障がないと認められる場合 | ||
ウ 建築物の外壁の後退距離が風致地区の種別ごとに道路に接する部分にあつては別表第2の外壁の後退距離1の欄に掲げる限度以上、その他の部分にあつては同表の外壁の後退距離2の欄に掲げる限度以上であること。 | 土地の状況により支障がないと認められる場合 | ||
エ 建築物が接する地盤面の高低差が6メートル以下であること。 | 建築物の位置、規模、形態及び意匠が新築の行われる土地及びその周辺の土地の区域における風致と著しく不調和でなく、かつ、敷地について風致の維持に有効な措置が行われることが確実と認められる場合 | ||
オ 当該建築物の位置、形態及び意匠が新築の行われる土地及びその周辺の土地の区域における風致と著しく不調和でないこと。 |
| ||
カ 建築物の敷地が造成された宅地又は埋立て若しくは干拓が行われた土地であるときは、緑地率が風致地区の種別ごとに別表第2の緑地率の欄に掲げる限度以上であること。 | 土地の状況により支障がないと認められる場合 | ||
(4) (1)、(2)以外の工作物 | ア 工作物の高さが風致地区の種別ごとに別表第2の高さの欄に掲げる限度以下であること。 | 工作物の位置、規模、形態及び意匠が新築の行われる土地及びその周辺の土地の区域における風致と著しく不調和でなく、かつ、敷地について風致の維持に有効な措置が行われることが確実と認められる場合 | |
イ 工作物の位置、規模、形態及び意匠が新築の行われる土地及びその周辺の土地の区域における風致と著しく不調和でないこと。 |
| ||
2 建築物等の改築 | (1) 建築物 | ア 改築後の建築物の高さが改築前の建築物の高さを超えないこと。 イ 改築後の建築物の位置、形態及び意匠が、改築の行われる土地及びその周辺の土地の区域における風致と著しく不調和でないこと。 |
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(2) 工作物 | ア 改築後の工作物の高さが改築前の工作物の高さを超えないこと。 イ 改築後の工作物の規模、形態及び意匠が改築の行われる土地及びその周辺の土地の区域における風致と著しく不調和でないこと。 |
| |
3 建築物等の増築 | (1) 仮設の建築物等 | ア 増築部分の構造が容易に移転し、又は除却することができるものであること。 イ 増築後の建築物等の規模及び形態が増築の行われる土地及びその周辺の土地の区域における風致と著しく不調和でないこと。 |
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(2) 地下に設ける建築物等 | 増築後の建築物等の位置及び規模が増築の行われる土地及びその周辺の土地の区域における風致の維持に支障を及ぼすおそれが少ないこと。 |
| |
(3) (1)、(2)以外の建築物 | ア 増築後の建築物の高さが風致地区の種別ごとに別表第2の高さの欄に掲げる限度以下であること。 | 増築後の建築物の位置、規模、形態及び意匠が増築の行われる土地及びその周辺の土地の区域における風致と著しく不調和でなく、かつ、敷地について風致の維持に有効な措置が行われることが確実と認められる場合 | |
イ 増築後の建築物の建ぺい率が風致地区の種別ごとに別表第2の建ぺい率の欄に掲げる限度以下であること。 | 土地の状況により支障がないと認められる場合 | ||
ウ 増築部分の外壁の後退距離が風致地区の種別ごとに道路に接する部分にあつては別表第2の外壁の後退距離1の欄に掲げる限度以上、その他の部分にあつては同表の外壁の後退距離2の欄に掲げる限度以上であること。 | 土地の状況により支障がないと認められる場合 | ||
エ 増築後の建築物が接する地盤面の高低差が6メートル以下であること。 | 増築後の建築物の位置、規模、形態及び意匠が増築の行われる土地及びその周辺の土地の区域における風致と著しく不調和でなく、かつ、敷地について風致の維持に有効な措置が行われることが確実と認められる場合 | ||
オ 増築後の建築物の位置、形態及び意匠が、増築の行われる土地及びその周辺の土地の区域における風致と著しく不調和でないこと。 |
| ||
(4) (1)、(2)以外の工作物 | ア 増築後の工作物の高さが風致地区の種別ごとに別表第2の高さの欄に掲げる限度以下であること。 | 増築後の工作物の規模、形態及び意匠が増築の行われる土地及びその周辺の土地の区域における風致と著しく不調和でなく、かつ、敷地について風致の維持に有効な措置が行われることが確実と認められる場合 | |
イ 増築後の工作物の規模、形態及び意匠が、増築の行われる土地及びその周辺の土地の区域における風致と著しく不調和でないこと。 |
| ||
4 建築物等の移転 | (1) 建築物 | ア 移転後の建築物の外壁の後退距離が風致地区の種別ごとに道路に接する部分にあつては別表第2の外壁の後退距離1の欄に掲げる限度以上、その他の部分にあつては同表の外壁の後退距離2の欄に掲げる限度以上であること。 | 土地の状況により支障がないと認められる場合 |
イ 移転後の建築物の位置が移転の行われる土地及びその周辺の土地の区域における風致と著しく不調和でないこと。 |
| ||
(2) 工作物 | 移転後の工作物の位置が移転の行われる土地及びその周辺の土地の区域における風致と著しく不調和でないこと。 |
| |
5 宅地の造成、土地の開墾その他の土地の形質の変更 | ア 造成又は形質の変更後の土地の地表面の形状その他の状態が植栽その他の適切な措置が行われることにより当該土地及びその周辺の土地の区域における風致と著しく不調和でなく、かつ、造成又は形質の変更を行う土地の区域及びその周辺の土地の区域における木竹の生育に支障を及ぼすおそれが少ないこと。 |
| |
イ 緑地率が風致地区の種別ごとに別表第2の緑地率の欄に掲げる限度以上であること。 | 土地の状況により支障がないと認められる場合 | ||
ウ 区域の面積が1ヘクタール以上である森林で風致の維持上特に重要であるものとして、あらかじめ、市長が指定したものの伐採を伴わないこと。 |
| ||
エ 造成又は形質の変更を行う土地の区域の面積が1ヘクタールを超えるものにあつては、高さが4メートルを超えるのりを生ずる切土又は盛土を伴わないこと。 | 土地の状況により支障がないと認められる場合 | ||
6 木竹の伐採 | 次のいずれかに該当し、かつ、伐採の行われる土地及びその周辺の土地の区域における風致をそこなうおそれが少ないこと。 ア 第3条第1号及び第2号に掲げる行為をするために必要最小限度の木竹の伐採 イ 森林の択伐 ウ 伐採後の成林が確実であると認められる森林の皆伐(区域の面積が1ヘクタール以上である森林で風致の維持上特に重要であるものとして、あらかじめ、市長が指定したものに係るものを除く。)で、伐採区域の面積が1ヘクタール以下のもの エ 森林である土地の区域外における木竹の伐採 |
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7 土石の類の採取 | 採取の方法が、露天掘りでなく(適切な埋めもどし又は植栽を行うこと等により風致の維持に著しい支障を及ぼさない場合を除く。)、かつ、採取を行う土地及びその周辺の土地の区域における風致の維持に支障を及ぼすおそれが少ないこと。 |
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8 水面の埋立て又は干拓 | ア 水面の埋立て又は干拓後の地表面の形状その他の状態が埋立て又は干拓を行う土地及びその周辺の土地の区域における風致と著しく不調和とならないこと。 |
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イ 当該行為に係る土地及びその周辺の土地の区域における木竹の生育に支障を及ぼすおそれが少ないこと。 | |||
9 建築物等の色彩の変更 | 変更後の色彩が変更の行われる土地及びその周辺の土地の区域における風致と調和すること。 |
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10 屋外における土石、廃棄物又は再生資源の堆積 | 堆積を行う土地及びその周辺の土地の区域における風致の維持に支障を及ぼすおそれが少ないこと。 |
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備考
1 この表において「建ぺい率」とは、建築物の建築面積の当該敷地面積に対する割合をいう。
2 この表において「外壁の後退距離」とは、建築物の外壁又はこれに代わる柱の面から当該建築物の敷地の境界線までの距離をいう。
3 この表において「緑地率」とは、当該土地において規則で定める既存の良好な樹木を保存し、及び規則で定める風致の維持に有効な植栽その他の措置が行われた面積の当該土地の面積に対する割合をいう。
別表第2(第7条関係)
種別 | 高さ | 建ぺい率 | 外壁の後退距離 1 | 外壁の後退距離 2 | 緑地率 |
第1種風致地区 | 10メートル | 10分の2 | 3メートル | 1.5メートル | 10分の5 |
第2種風致地区 | 10メートル | 10分の3 | 3メートル | 1.5メートル | 10分の4 |
第3種風致地区 | 15メートル | 10分の4 | 2メートル | 1メートル | 10分の3 |
備考
1 この表において「建ぺい率」とは、建築物の建築面積の当該敷地面積に対する割合をいう。
2 この表において「外壁の後退距離」とは、建築物の外壁又はこれに代わる柱の面から当該建築物の敷地の境界線までの距離をいう。
3 この表において「緑地率」とは、当該土地において規則で定める既存の良好な樹木を保存し、及び規則で定める風致の維持に有効な植栽その他の措置が行われた面積の当該土地の面積に対する割合をいう。