○神戸市民の健康の保持及び良好な生活環境の確保のための自動車の運行等に関する条例
平成14年4月15日
条例第8号
神戸市自動車公害防止条例(昭和51年4月条例第6号)の全部を改正する。
(目的)
第1条 この条例は、自動車の運行に伴って生ずる自動車公害ひいては地球温暖化(地球温暖化対策の推進に関する法律(平成10年法律第117号)第2条第1項に規定する地球温暖化をいう。以下同じ。)を防止するための必要な措置を講じ、及び健康被害者の救済に関する措置を講ずることにより、人の健康を保持し、及び良好な生活環境を確保することを目的とする。
(1) 自動車 道路運送車両法(昭和26年法律第185号)第2条第2項に規定する自動車及び同条第3項に規定する原動機付自転車をいう。
(2) 自動車公害 自動車の運行に伴って生ずる排出ガス、騒音及び振動の影響によって人の健康又は生活環境に係る被害が生ずることをいう。
(3) 健康被害者 第18条の規定による認定を受けた者をいう。
(4) 道路 道路交通法(昭和35年法律第105号)第2条第1項第1号に規定する道路をいう。
(市の基本的責務)
第3条 市は、第1条の目的を達成するために、自動車、道路、交通及び健康被害者の救済に関する施策を策定する責務を有する。
2 市は、国、県その他の地方公共団体その他公共団体(以下「国等」という。)と連携して、前項の施策を実施する責務を有する。
(自動車環境計画)
第4条 市長は、国等の意見を聴いて、自動車公害ひいては地球温暖化の防止に関する施策の実施計画(以下「自動車環境計画」という。)を定めなければならない。
2 自動車環境計画は、人の健康の保持及び良好な生活環境の確保に関する施策の目標及び大綱その他の必要な事項について定めるものとする。
3 自動車環境計画は、環境の状況の変化等に応じ、必要な変更がなされなければならない。
4 市長は、自動車環境計画を定め、又は変更したときは、速やかに当該計画を公表するものとする。
(環境優良車の普及)
第5条 市は、自動車公害ひいては地球温暖化の防止に資する自動車(以下「環境優良車」という。)の普及に努めなければならない。
2 市は、事業者が市庁舎その他の市の施設において物品の配送その他自動車による出入りを行う場合には、その事業者に対し、環境優良車を使用するように指導するものとする。
(公共交通機関の整備等)
第6条 市は、市内の公共交通機関の機能的な整備及びその利用の促進その他自動車公害ひいては地球温暖化の防止に資するための総合的な交通体系の整備に努めなければならない。
(市、事業者及び市民の協力等)
第7条 市、事業者及び市民は、自動車の合理的な使用による交通量の抑制及び自動車の運行に伴って生ずる環境への負荷(神戸市民の環境をまもる条例(平成6年3月条例第52号)第2条第2号に規定する環境への負荷をいう。)の低減に努めなければならない。
2 市、事業者及び市民は、第3条第1項の施策が総合的かつ効果的に実施されるように協力する責務を有する。
(県条例の順守の指導)
第8条 事業者は、その管理する自動車を運転する者に対して、環境の保全と創造に関する条例(平成7年兵庫県条例第28号)第72条の規定を順守するように指導しなければならない。
(粒子状物質等の量を増大させる燃料の使用の禁止)
第9条 自動車の保有者(自動車損害賠償保障法(昭和30年法律第97号)第2条第3項に規定する保有者をいう。以下同じ。)及び運転者(他人のために自動車の運転に従事する者をいう。以下同じ。)は、自動車の運行に伴って生ずる排出ガスに含まれる粒子状物質又は窒素酸化物の量を増大させる燃料であって次の各号のいずれかに該当するものを自動車の燃料として使用してはならない。
(1) 重油(産業標準化法(昭和24年法律第185号)第20条第1項に規定する日本産業規格に適合する重油をいう。次号において同じ。)
(2) 重油を混和した燃料
(3) 揮発油等の品質の確保等に関する法律施行規則(昭和52年通商産業省令第24号)第23条第1項第1号から第3号まで及び第7号に規定する基準のいずれかを満たさない軽油
(新車販売者の義務)
第10条 自動車(新車(道路運送車両法第4条の規定による登録を受けていない自動車、同法第60条第1項後段の規定による車両番号の指定を受けていない検査対象軽自動車及び二輪の小型自動車、同法第97条の3第1項の規定による車両番号の指定を受けていない検査対象外軽自動車並びに地方税法(昭和25年法律第226号)第442条の2第1項の規定による課税がなされていない原動機付自転車及び小型特殊自動車をいう。)に限る。以下この条において同じ。)の販売を業とする者(以下「新車販売者」という。)は、自動車を購入する者に対し、当該自動車に係る排出ガスの量、騒音の大きさその他規則で定める事項について説明をしなければならない。
(沿道保全区域の指定等)
第11条 市長は、自動車公害の状況、土地の利用状況、利用計画及び形状、道路の車線の数その他の状況を考慮し、生活環境を保全する必要がある沿道区域を沿道保全区域として指定する。
2 市長は、前項の規定により沿道保全区域を指定したときは、速やかにその区域を告示するとともに、その区域を表示した図面を公衆の縦覧に供するものとする。
3 市長は、必要があると認めるときは、第1項の規定により指定した沿道保全区域を変更し、又は廃止することができる。
2 前項に規定する届出を行った建築主は、当該届出に係る事項の変更をしようとするときは、当該変更をする前にその内容を市長に届け出なければならない。
(自動車公害を防止するための措置に係る指導等)
第14条 市長は、前2条の規定に違反した建築主に対し、必要な指導又は勧告を行うことができる。
(駐車施設基準の順守等)
第15条 駐車場(自動車の駐車のための施設をいう。)その他の自動車の出入りの頻繁な施設(以下「駐車施設」という。)を設置し、又は変更しようとする者(以下「駐車施設設置者」という。)は、当該駐車施設を使用する自動車の運行に伴って生ずる排出ガス、騒音及び振動を防止するため、次項に規定する基準(以下「駐車施設基準」という。)を順守しなければならない。
2 駐車施設基準は、次に掲げるものとする。
(1) 駐車施設の敷地が主として住居の用に供される建築物、学校教育法(昭和22年法律第26号)第1条に規定する学校、児童福祉法(昭和22年法律第164号)第7条に規定する保育所、医療法(昭和23年法律第205号)第1条の5第1項に規定する病院(以下「病院」という。)若しくは同条第2項に規定する診療所(患者を入院させるための施設を有するものに限る。以下「診療所」という。)、図書館法(昭和25年法律第118号)第2条第1項に規定する図書館又は老人福祉法(昭和38年法律第133号)第5条の3に規定する特別養護老人ホーム(以下「学校等」という。)の敷地と隣接する場合にあっては、当該駐車施設の周辺の生活環境に支障を及ぼさないように、自動車の駐車位置、当該駐車施設の出入口の位置、遮音のための構造物の設置その他の事項について配慮すること。
(2) 前号に掲げるもののほか、駐車の用に供される敷地面積又は床面積が500平方メートル以上である駐車施設については、当該駐車施設の敷地が学校等の敷地と隣接する部分について、当該隣接する学校等の日照及び通風の妨げとならない方法で当該駐車施設の内側に高さが0.8メートル以上の遮音のための構造物を設置すること。
(駐車施設の管理者の義務)
第17条 第8条の規定は、駐車施設の管理者について準用する。
(健康被害者の認定)
第18条 市長は、窒素酸化物、炭化水素その他の物質が光化学反応によってオキシダントを生成する現象の影響により市域において健康に係る被害を受けた者がその受けた被害について医療を受けたときは、その者の申請に基づき、その医療を行った医師の診断結果を基に健康被害者としての認定を行うものとする。
(1) 診察
(2) 薬剤又は治療材料の支給
(3) 処置、手術その他の治療
(4) 居宅における療養上の管理及びその療養に伴う世話その他の看護
(5) 病院又は診療所への入院及びその療養に伴う世話その他の看護
(6) 移送
3 前2項に規定する費用(以下「医療費等」という。)の負担又は助成を受けようとする者は、規則で定めるところにより、市長に申請しなければならない。
(医療費等の返還)
第20条 不実の申請その他不正な手段により医療費等の負担又は助成を受けた者があるときは、市長は、その医療費等の全部又は一部を、その者から徴収することができる。
(市の援助)
第21条 市は、第1条の目的を達成するために必要な資金の補助、技術的な助言その他の援助を行うことができる。
(光化学スモッグ健康被害者認定審査会の設置)
第22条 市長の附属機関として、神戸市光化学スモッグ健康被害者認定審査会(以下「審査会」という。)を置く。
2 審査会は、市長の諮問に応じ、第18条に規定する健康被害者の認定に関する事項を調査審議するものとする。
3 前2項に定めるもののほか、審査会の組織及び運営に関し必要な事項は、規則で定める。
2 当該職員は、前項の規定による立入検査、質問又は収去をする場合には、その身分を示す証明書を携帯し、関係人の請求があったときは、これを提示しなければならない。
3 第1項の規定による権限は、犯罪捜査のために認められたものと解釈してはならない。
(施行細目の委任)
第25条 この条例の施行に関し必要な事項は、規則で定める。
(罰則)
第26条 次の各号のいずれかに該当する者は、10万円以下の罰金に処する。
(2) 第15条第3項の規定による市長の命令に違反した者
第27条 次の各号のいずれかに該当する者は、3万円以下の罰金に処する。
(1) 第23条の規定による報告をせず、若しくは資料の提出をせず、又は虚偽の報告をし、若しくは虚偽の資料を提出した者
第28条 法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者が、その法人又は人の業務に関し、前2条の違反行為をしたときは、行為者を罰するほか、その法人又は人に対しても、各本条の罰金刑を科する。
附則
(施行期日)
1 この条例は、規則で定める日から施行する。
(平成14年7月31日規則第22号により、平成14年8月1日から施行。ただし、第10条の規定、第12条及び第14条の規定(第13条の規則で定める者(以下「特定建築主」という。)に係る部分を除く。)、第23条の規定(新車販売者及び第12条に規定する建築主(特定建築主を除く。)に係る部分に限る。)並びに第24条の規定(新車販売者の営業所、事務所、倉庫その他の場所並びに第11条第1項の規定による沿道保全区域内に存する第12条に規定する建築物及びその敷地(特定建築主に係る建築物及びその敷地を除く。)に係る部分に限る。)は、同年11月1日から施行)
(経過措置)
2 この条例の施行前にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。
附則(令和元年10月7日条例第30号)
この条例は、公布の日から施行する。