○神戸市男女共同参画の推進に関する条例

平成15年3月27日

条例第57号

目次

前文

第1章 総則(第1条―第6条)

第2章 男女共同参画の推進を阻害する行為の制限(第7条・第8条)

第3章 基本的施策(第9条―第21条)

第4章 神戸市男女共同参画審議会(第22条)

附則

個人の尊重と法の下の平等がうたわれている日本国憲法の下、国においては、男女平等の実現に向けて、女子に対するあらゆる形態の差別の撤廃に関する条約及び家族的責任を有する男女労働者の機会及び待遇の均等に関する条約を批准し、男女共同参画社会基本法(平成11年法律第78号)を制定するなどして、国際社会の取組と連動しつつ、法制度の整備が進められてきた。

神戸市においても、こうした国際社会や国内の動向を踏まえ、男女共同参画社会の実現を目指して様々な取組を進めてきた。しかしながら、今なお、社会には、性別による固定的な役割分担等とそれに基づく制度や慣行及び様々な形態の暴力等の人権侵害が存在しており、真の男女平等を達成するためには多くの課題が残されている。

一方で、少子高齢化が一層進行し、経済が成熟化するなど、社会経済情勢は急速に変化している。このことは、家族形態や地域社会の変化にも影響を与えており、社会の基礎である家族とそれを取り巻く地域社会とのつながりは、ますますその重要性が増大している。

このような状況に対応していく上で、男女が、互いを尊重し合い、責任を分かち合いながら共に力を合わせて有償又は無償の労働を担い、かつ、社会の様々な場で意思決定の過程にかかわることができる男女共同参画社会づくりは、本市においても緊要な課題となっている。

こうした認識の下、市民のだれもが、性別によって活動を制限されることなく個人として尊重され、自律的に自分らしい生き方を選択することができる夢と活力あふれる神戸を、市、市民、事業者の協働により築くことを目指して、この条例を制定する。

第1章 総則

(目的)

第1条 この条例は、男女共同参画の推進に関し、基本理念を定め、並びに市、市民及び事業者の責務を明らかにするとともに、市の施策の基本的事項を定めることにより、男女共同参画社会づくりを総合的かつ計画的に推進することを目的とする。

(定義)

第2条 この条例において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。

(1) 男女共同参画 男女が、社会の対等な構成員として、自らの意思によって社会のあらゆる分野における活動に参画する機会が確保され、もって男女が均等に政治的、経済的、社会的及び文化的利益を享受することができ、かつ、共に責任を担うべきことをいう。

(2) 積極的改善措置 前号に規定する機会に係る男女間の格差を改善するため必要な範囲内において、男女のいずれか一方に対し、当該機会を積極的に提供することをいう。

(基本理念)

第3条 男女共同参画の推進は、男女の個人としての尊厳が重んぜられること、男女が性別による差別的取扱いを受けないこと、男女が個人として能力を発揮する機会が確保されることその他の男女の人権が尊重されることを旨として、行われなければならない。

2 男女共同参画の推進に当たっては、社会における制度又は慣行が、性別による固定的な役割分担等を反映して、男女の社会における活動の選択に対して中立でない影響を及ぼすことにより、男女共同参画の推進を阻害する要因となるおそれがあることにかんがみ、社会における制度又は慣行が男女の社会における活動の選択に対して及ぼす影響をできる限り中立なものとするように配慮されなければならない。

3 男女共同参画の推進は、男女が、社会の対等な構成員として、様々な政策又は方針の立案及び決定に共同して参画する機会が確保されることを旨として、行われなければならない。

4 男女共同参画の推進は、家族を構成する男女が、相互の協力及び社会の支援の下に、子の養育、家族の介護その他の家庭生活における活動について家族の一員としての役割を円滑に果たし、かつ、職域、地域等における活動を行うことができるようにすることを旨として、行われなければならない。

5 男女共同参画の推進は、男女が、妊娠及び出産の機能を有する女性の心身に対する理解を深めるとともに、対等な関係の下に性と生殖に関する互いの意思が尊重されること並びに男女の生涯にわたる健康の維持及び増進が図られることを旨として、行われなければならない。

6 男女共同参画の推進が国際社会における取組と密接な関係を有していることにかんがみ、男女共同参画の推進は、国際的な協調の下に行われなければならない。

7 男女共同参画の推進は、地域社会を構成する市民一人一人が自律的に、及び協働して取り組むことを旨として、行われなければならない。

(市の責務)

第4条 市は、前条に定める男女共同参画の推進についての基本理念にのっとり、男女共同参画の推進に関する施策(積極的改善措置を含む。以下同じ。)を策定し、及び実施しなければならない。

2 市は、市の職員一人一人の男女共同参画に関する認識を高めるよう努めなければならない。

3 市は、男女共同参画の推進に関する施策を実施するため、財政上の措置その他の必要な措置を講ずるよう努めなければならない。

(市民の責務)

第5条 市民は、男女共同参画に関する理解を深め、その推進に主体的かつ自律的に取り組むよう努めなければならない。

(事業者の責務)

第6条 事業者は、法人であるか個人であるかを問わず、その事業活動において、男女が職業生活と家庭生活等とを両立して行うことができる就業環境を整備し、及び職域における活動に平等に参画することができる機会を確保するよう努めるとともに、市が実施する男女共同参画の推進に関する施策に協力するよう努めなければならない。

第2章 男女共同参画の推進を阻害する行為の制限

(性別による権利侵害の禁止)

第7条 何人も、社会のあらゆる場において、性別による差別的取扱い、セクシュアル・ハラスメント(性的な言動に対する相手方の対応によってその者に不利益を与え、又は性的な言動により相手方の生活の環境を害することをいう。)又は配偶者間など男女の間における身体若しくは精神に苦痛を与える暴力的行為を行ってはならない。

(公衆に表示する情報に関する留意)

第8条 何人も、公衆に表示する情報において、性差別、性別による固定的な役割分担又は暴力的行為を助長する表現及び著しく性的感情を刺激する表現を行わないよう留意しなければならない。

第3章 基本的施策

(男女共同参画計画)

第9条 市長は、男女共同参画の推進に関する施策を総合的かつ計画的に実施するための基本的な計画(以下「男女共同参画計画」という。)を策定するものとする。

2 男女共同参画計画は、次に掲げる事項について定めるものとする。

(1) 総合的かつ長期的に講ずべき男女共同参画の推進に関する施策の大綱

(2) 前号に掲げるもののほか、男女共同参画の推進に関する施策を総合的かつ計画的に推進するために必要な事項

3 市長は、男女共同参画計画を策定するに当たっては、第22条第1項に規定する神戸市男女共同参画審議会の意見を聴くものとする。

4 市長は、男女共同参画計画を策定するに当たっては、市民及び事業者(以下「市民等」という。)の意見を反映することができるよう適切な措置を講ずるものとする。

5 市長は、男女共同参画計画を策定したときは、遅滞なく、これを公表するものとする。

6 前3項の規定は、男女共同参画計画の変更について準用する。

(施策の策定等に当たっての配慮)

第10条 市は、男女共同参画の推進に影響を及ぼすと認められる施策を策定し、及び実施するに当たっては、男女共同参画の推進に配慮するものとする。

(附属機関等への共同参画の機会確保)

第11条 市長は、審議会その他の附属機関を組織する委員を委嘱し、又は任命する場合には、男女の数の均衡に配慮するよう努めるものとする。

2 市は、女性職員の職域の積極的な拡大及び能力開発に努めるものとする。

(市民等の理解を深めるための措置)

第12条 市は、広報活動、広聴活動等を通じて、男女共同参画に関する市民等の理解を深めるよう適切な措置を講ずるものとする。

(男女共同参画推進月間)

第13条 市は、男女共同参画について広く市民等の関心と理解を深めるため、年1回、男女共同参画推進月間を設けるものとする。

(調査研究)

第14条 市は、男女共同参画の推進に関する施策の総合的かつ計画的な推進のために必要な調査研究を行うとともに、その成果を公表するものとする。

(家庭生活における活動とその他の活動の両立の支援)

第15条 市は、男女が共に、家庭生活における活動と職域、地域等における活動とを両立して行うことができるように、必要な支援を行うよう努めるものとする。

(雇用等の分野における男女共同参画の推進)

第16条 市は、事業者が、その事業活動において積極的改善措置を講ずることができるように、情報提供その他の必要な支援を行うよう努めるものとする。

2 市は、個人で営む事業にその家族が従事している場合において、その家族が経営の方針の立案及び決定に共同して参画する機会が確保されるように、情報提供その他の必要な支援を行うよう努めるものとする。

3 市は、必要があると認めるときは、事業者に対し、男女共同参画の状況に関する調査について協力を求めることができる。

4 市は、男女共同参画の推進に関して積極的な取組を行っている事業者の表彰を行い、当該取組を公表するものとする。

第16条の2 市長の附属機関として、神戸市男女いきいき事業所表彰選考委員会(以下「選考委員会」という。)を置く。

2 選考委員会は、前条第4項に規定する事業者の表彰に係る受賞者の選考に関する事務を行う。

3 前項に定めるもののほか、選考委員会の組織及び運営に関し必要な事項は、規則で定める。

(男女平等の視点に立つ学校教育及び社会教育の推進)

第17条 市は、学校教育及び社会教育の場において、男女平等を推進するための教育又は学習の充実のために必要な措置を講ずるものとする。

(市民等に対する支援)

第18条 市は、男女共同参画の推進に関する活動を行う市民等に対し、情報提供その他の必要な支援に努めるものとする。

(年次報告)

第19条 市長は、男女共同参画計画に基づいた施策の実施状況について年次報告書を作成し、これを公表するものとする。

(市民等からの申出の処理)

第20条 市長の附属機関として、男女共同参画苦情処理委員(以下「苦情処理委員」という。)を置く。

2 市民等は、市が実施する男女共同参画の推進に関する施策又は男女共同参画の推進に影響を及ぼすと認められる施策についての苦情又は提案(以下「苦情等」という。)並びに男女共同参画の推進を阻害する要因によって人権が侵害された場合の相談について、市長に申し出ることができる。

3 市長は、前項の申出があった場合、規則の定めるところにより、苦情処理委員に事案の調査及び処理を命ずるものとする。

4 苦情処理委員は、市長に調査結果を報告し、必要があると認めるときは、助言、是正の要望等必要な措置を講ずるよう市長に意見を述べることができる。

5 市長は、前項の意見を尊重して、必要な措置を講ずるよう努めるとともに、調査結果及び意見並びに講じた措置の内容を申出人に通知しなければならない。

6 市長は、前項の措置を行うに当たって、必要があると認めるときは、第22条第1項に規定する神戸市男女共同参画審議会の意見を聴くことができる。

7 前各項に定めるもののほか、市民等からの申出の処理に関し必要な事項は、規則で定める。

(推進体制)

第21条 市は、男女共同参画の推進に関する施策を総合的に実施するため、必要な推進体制を整備するものとする。

第4章 神戸市男女共同参画審議会

(男女共同参画審議会)

第22条 市長の附属機関として、神戸市男女共同参画審議会(以下「審議会」という。)を置く。

2 審議会は、次に掲げる事務を行う。

(1) 諮問に応じ、男女共同参画計画その他男女共同参画の推進に関する重要事項を調査審議し、及び意見を述べること。

(2) 男女共同参画の推進に関する施策の実施状況について意見を述べること。

(3) 諮問に応じ、第20条第2項の苦情等の申出に関して意見を述べること。

3 審議会は、20人以内の委員で組織する。

4 前項の委員のうち男女いずれか一方の委員の数は、委員の総数の10分の4未満であってはならない。

5 委員の任期は、2年とする。ただし、再任を妨げない。

6 委員が欠けた場合における補欠委員の任期は、前任者の残任期間とする。

7 前各項に定めるもののほか、審議会の組織及び運営に関し必要な事項は、規則で定める。

附 則

この条例は、平成15年4月1日から施行する。ただし、第9条第20条及び第22条の規定は、規則で定める日から施行する。

(平成15年7月7日規則第23号により第9条及び第22条の規定は、平成15年7月10日から施行)

(平成15年9月16日規則第28号により第20条の規定は、平成15年10月1日から施行)

附 則(平成25年3月29日条例第66号)

この条例は、平成25年4月1日から施行する。

神戸市男女共同参画の推進に関する条例

平成15年3月27日 条例第57号

(平成25年4月1日施行)

体系情報
第12類 市民生活
沿革情報
平成15年3月27日 条例第57号
平成25年3月29日 条例第66号