○神戸市旅館業法の施行等に関する条例
平成16年3月31日
条例第66号
(趣旨)
第1条 この条例は、旅館業法(昭和23年法律第138号。以下「法」という。)の施行に関し必要な事項を定めるとともに、本市における旅館業の適正な運営を確保するために必要な事項を定めるものとする。
(旅館・ホテル営業の施設の構造設備の基準)
第2条 旅館業法施行令(昭和32年政令第152号。以下「令」という。)第1条第1項第8号に規定する条例で定める構造設備の基準は、次のとおりとする。
(1) 当該設備の外観は、次の要件を満たすものであること。
ア 外壁、屋根その他建築物の部分の形状及び色彩が善良な風俗を害しないものであること。
イ 周囲の環境と調和が保たれているものであること。
ウ 性的好奇心をそそるおそれのある広告物が備えられていないこと。
(2) 1人の者に利用させるための客室又は3人以上の者に利用させるための客室を当該施設の規模及び収客人員に応じた数有すること。
(3) 客室は、次の要件を満たすものであること。
ア 性的好奇心をそそるおそれのある鏡、寝具その他の物品が備え付けられていないこと。
イ 出入口には、客室の名称の表示がなされていること。
ウ 出入口は、宿泊者が自由に開閉できる構造であること。
エ 客室内において宿泊料を支払うことができる設備が設けられていないこと。
オ 寝室(浴室、便所その他これらに類する部分を除く。以下同じ。)の有効幅員は、1.8メートル以上であること。
カ 寝室には、直接外気に接する箇所に採光窓を設けること。
キ 更衣戸棚又はこれに類するものが設けられていること。
ク 寝室の1人当たりの床面積は、3平方メートル以上であること。
(4) 玄関帳場は、次の要件を満たすものであること。
ア 宿泊者及び宿泊しようとする者(以下「宿泊者等」という。)の出入りを直接確認することができる場所に設けられていること。
イ 玄関帳場の設置箇所は、1施設につき1箇所とすること。ただし、当該施設の規模その他の事情を考慮して、宿泊者等の出入りを直接確認する上で支障がないと認められる場合は、この限りでない。
ウ 玄関帳場及びその周囲に、宿泊者等の往来を容易に見通すことができなくなるようなカーテン、囲いその他障壁が設けられていないこと。
エ 玄関帳場の受付台は、事務を執るのに適した広さを有し、当該受付台を挟んで宿泊者等と従業者が直接面接することができる構造であること。
オ 玄関帳場の受付台の上方には、1メートル以上の高さの空間があること。
カ 必要に応じて、玄関帳場に接する事務室その他の宿泊者等との面接に係る事務を処理するための居室が設けられていること。
キ 必要に応じて、玄関帳場に、客室を開閉するための鍵その他これに類するものを収納するための設備が設けられていること。
ク 玄関帳場及びその周辺に、宿泊者等との面接に適した照度を有する照明設備が設けられていること。
ケ 玄関帳場に、宿泊者等が宿泊者名簿に記載するための設備が設けられていること。
コ 客室の扉を自動的に施錠し又は開錠することができる装置と連動した客室案内板その他の設備であって玄関帳場での宿泊者等との面接を妨げる設備が設けられていないこと。
(5) 令第1条第1項第2号に掲げる基準を満たしている玄関帳場を有しない施設にあっては、次の要件を満たすものであること。
ア 当該施設へおおむね10分以内で駆け付けることができる範囲内に、宿泊者等との面接を行うことができる事務所(以下「管理事務所」という。)を設けること。
イ 宿泊者等の出入りの状況を鮮明な画像により確認することができるビデオカメラその他の撮影機器を設置し、及び当該機器を利用して宿泊者等の本人確認を行うこと。
ウ 当該施設及び管理事務所に双方の間で連絡を取ることができる通話機器を設置すること。
エ 当該施設の出入口に、当該施設の名称及び営業者名、管理事務所の所在地並びに事故が発生したときその他の緊急を要する事態が発生した場合に対応する者の連絡先が表示されていること。
オ 管理事務所の出入口に、当該管理事務所が当該施設の一部である旨、当該施設の名称及び所在地並びに事故が発生したときその他の緊急を要する事態が発生した場合に対応する者の連絡先が表示されていること。
(6) 宿泊者等が自動車の駐車の用に供するための建築物又は区画から玄関帳場を経由することなく直接個々の客室へ出入りすることのできる構造になっていないこと。
宿泊者の定員 | 面積 |
30人以下 | 30平方メートル |
31人から50人まで | 40平方メートル |
51人以上 | 50平方メートル |
(8) 入浴設備は、次の要件を満たすものであること。
ア 壁その他の区画により、外部から見通すことができない構造であること。
イ 共同用の浴室を有する場合には、次の要件を満たすものであること。
(ア) 浴槽は、汚水が流入しない構造であること。
(イ) 脱衣室を設け、当該脱衣室には衣類その他携帯品を入浴者ごとに区分して保管することができる設備が設けられていること。
(ウ) 脱衣室には、洗面設備が1個以上設けられていること。この場合において、当該洗面設備に供給する水は、原則として上水道の水を使用することとし、井戸水その他の上水道以外の水を使用するときは、消毒し、飲用に適する旨の確認を受けておくこと。
(9) 洗面設備は、次の要件を満たすものであること。
ア 宿泊者の利用しやすい場所に設けられていること。
イ 洗面器は、不浸透性の材料で作られており、かつ、流水受槽式であること。
(10) ロビー及び食堂の利用者の用に供するための共同用の便所が、適当な場所に設けられていること。
(11) 便所には、流水式手洗い設備(共同用の便所にあっては、流水式手洗い設備及び手指の消毒設備)が設けられていること。
(12) 宿泊者等に食事を提供する施設にあっては、適当な規模の調理室を有すること。
(13) 宿泊者の需要を満たすことができる能力を有し、かつ、設備の外部から汚染されない構造である給水設備を有すること。
(14) 客室外の適当な場所に、当該施設の規模及び収容人員に応じた量の寝具類を衛生的に保管することができる保管室又はこれに類する収納設備を有すること。
(15) 屋内の共用施設には、性的好奇心をそそるおそれのある鏡、寝具その他の物品が備え付けられていないこと。
(16) 施設は、玄関、客室その他宿泊者等の用途に供する施設を一体的に管理することができる構造であることとし、共同住宅の一部で旅館業を営む場合(旅館業を営む者が当該共同住宅の共用部分であって、かつ、宿泊者が使用できる部分の管理を行うことができる場合を除く。)にあっては宿泊者の区画と共同住宅の住民の区画とを明確にすること。
(簡易宿所営業の施設の構造設備の基準)
第3条 令第1条第2項第7号に規定する条例で定める構造設備の基準は、次のとおりとする。
ア 当該施設へおおむね10分以内で駆け付けることができる範囲内に、管理事務所が設けられていること。
イ 宿泊者等の出入りの状況を鮮明な画像により確認することができるビデオカメラその他の撮影機器を設置し、及び当該機器を利用して宿泊者等の本人確認を行うこと。
ウ 当該施設及び管理事務所に双方の間で連絡を取ることができる通話機器を設置すること。
エ 当該施設の出入口に、当該施設の名称及び営業者名、管理事務所の所在地並びに事故が発生したときその他の緊急を要する事態が発生した場合に対応する者の連絡先が表示されていること。
オ 管理事務所の出入口に、当該管理事務所が当該施設の一部である旨、当該施設の名称及び所在地並びに事故が発生したときその他の緊急を要する事態が発生した場合に対応する者の連絡先が表示されていること。
(3) 寝室の1人当たりの床面積は、2.25平方メートル以上であること。
(4) 階層式寝台を有する場合には、次の要件を満たすものであること。
ア 階層式寝台は、3層以上ではないこと。
イ 階層式寝台の上段の上方には、おおむね1メートル以上の高さの空間があること。
ウ 安全に階層式寝台の上段へ昇り、及び階層式寝台の上段から降りることを可能とするための堅固な階段又ははしごがそれぞれの階層式寝台に設置されていること。
エ 階層式寝台の大きさは、幅0.9メートル以上、長さ1.8メートル以上であること。
(5) 多数人で共用することを目的としない客室を設ける場合にあっては、当該客室に係る寝室の床面積の当該施設内における合計は、当該施設内に設ける全ての客室に係る寝室の床面積の合計の2分の1未満とすること。
(下宿営業の施設の構造設備の基準)
第4条 令第1条第3項第5号に規定する条例で定める構造設備の基準は、次のとおりとする。
(2) 寝室の1人当たりの床面積は、4.5平方メートル以上であること。
(施設の指定等)
第7条 法第3条第3項第3号(法第3条の2第2項及び第3条の3第3項において準用する場合を含む。)に規定する条例で定める施設は、次に掲げる施設とする。
(1) 図書館(図書館法(昭和25年法律第118号)第2条第1項に規定するものをいう。)
(2) 博物館(博物館法(昭和26年法律第285号)第2条第1項に規定するものをいう。)及び博物館に相当する施設(同法第29条の指定を受けた施設をいう。)
(3) 公民館(社会教育法(昭和24年法律第207号)第20条に規定するものをいう。)
(4) スポーツ施設(スポーツ基本法(平成23年法律第78号)第12条第1項に規定するスポーツ施設及びこれに類する施設で、国又は地方公共団体が設置するものをいう。)
(5) 都市公園(都市公園法(昭和31年法律第79号)第2条第1項に規定するものをいう。)
(6) 前各号に掲げるもののほか、青少年の教育その他その健全な育成を目的として青少年の利用に供される施設で市長が指定するもの
2 法第3条第4項に規定する条例で定める者は、次に掲げる者とする。
(1) 当該施設の設置者が国であるときは、当該施設の長
(2) 当該施設の設置者が地方公共団体であるときは、当該施設を所管する地方公共団体の長又は教育委員会
(3) 当該施設の設置者が国及び地方公共団体以外の者であるときは、当該施設についての監督官庁(当該施設についての監督官庁がないときは、当該施設の清純な施設環境に係る事務を所管する部署の長)
(旅館業の施設について講ずべき措置の基準)
第8条 法第4条第2項に規定する条例で定める措置の基準は、次のとおりとする。
(1) 客室の定員を超えて宿泊させないこと。
(2) 機械換気設備及び照明設備は、適切に維持管理し、その機能を保つこと。
(3) 冷房又は暖房を行うときは、適当な温度及び湿度を保ち、かつ、有害ガス等による被害を防止する措置を講ずること。
(4) 寝具類は、常に清潔に保つこと。
(5) 布団カバー、敷布及び枕カバーは、1宿泊者ごとに洗濯したものを用いること。
(6) 浴衣その他の就寝用の衣類を備えるときは、1宿泊者ごとに洗濯したものを用いること。
(7) 宿泊者が伝染性の病気にかかっていることが明らかになったときは、その宿泊者が使用した客室、寝具類及び器具類を消毒すること。
(8) 常に営業施設の内外を清掃し、ねずみ、昆虫等の駆除に努めること。
(9) 水は、原則として上水道を使用し、井戸水等を使用するときは、毎年2回以上水質検査を受け、飲用に適する旨の確認を受けておくこと。
(10) 浴室には、水及び摂氏38度以上の湯を供給すること。
(11) 浴槽は神戸市公衆浴場法施行条例(平成24年12月条例第43号)第4条第1項第15号及び第17号に掲げる基準に、浴用の水及び湯は同項第20号に掲げる基準にそれぞれ適合するものであること。
2 前項に定めるもののほか、旅館業の施設について講ずべき措置の基準は次のとおりとする。
(1) 前項第12号ただし書の規定の適用を受ける施設にあっては、旅館業法施行規則(昭和23年厚生省令第28号)第4条の3第1項第2号に規定する宿泊者名簿の正確な記載を可能とするための措置として、宿泊者の顔及び旅券を鮮明な画像により確認し、その画像の保存を行うこと。
(2) 宿泊者等に緊急を要する事態が発生した場合において、その求めに応じておおむね10分以内で従業者その他の対応可能な者が駆け付けることができる体制を整備すること。
(3) 鍵の受渡しを適切に行うこと。
(4) 前3号の基準による措置を適正に行うため、旅館業の施設ごとに当該施設を管理する者を置かなければならない。ただし、営業者自らが管理を行う旅館業の施設についてはこの限りではない。
3 市長は、営業施設の特殊性により前項の基準によることが適当でないと認めるときは、公衆衛生の維持のために必要な特別の措置を命ずることができる。
(宿泊を拒むことができる事由)
第9条 法第5条第3号に規定する条例で定める事由は、次に掲げる事由とする。
(1) 宿泊しようとする者が宿泊料を支払う能力を有しないと認められること。
(2) 宿泊しようとする者の身体、衣服等が著しく不潔で、他の宿泊者に迷惑をかけるおそれがあると認められること。
(3) 宿泊しようとする者が泥酔し、又は宿泊しようとする者の言動が著しく異状で、他の宿泊者に迷惑をかけるおそれがあると認められること。
(事前の事業計画の周知)
第10条 旅館業を営もうとする者(下宿営業を営もうとする者を除く。次項において同じ。)は、当該営業の内容を周知するため、法第3条第1項の許可の申請を行う前に、周辺地域の住民に対し、当該内容を記載した書面の配布及び説明会の開催をしなければならない。
2 旅館業を営もうとする者は、前項の規定による書面の配布及び説明会の開催をした場合において、周辺地域の住民から意見を聴き、又は要望を受けたときは、適切かつ迅速な対応をするよう努めなければならない。
附則
(施行期日)
1 この条例は、平成16年4月1日から施行する。
(経過措置)
2 条例の規定は、この条例の施行の日以後になされた申請に係る旅館業法(昭和23年法律第138号)第3条第1項の許可について適用し、同日前になされた申請に係る同項の許可については、なお従前の例による。
3 この条例の施行の際現に建築基準法(昭和25年法律第201号)第6条第1項又は第6条の2第1項の規定による確認を受け、又はこれらの規定による確認の申請がなされている建築物で旅館業を経営しようとする者に対する旅館業法第3条第1項の規定による許可(平成17年4月1日までになされた申請に対してなされるものに限る。)については、前項の規定にかかわらず、なお従前の例による。
附則(平成20年3月31日条例第38号)
(施行期日)
1 この条例は、平成20年4月1日(以下「施行日」という。)から施行する。
(経過措置)
2 この条例による改正後の旅館業法施行令の規定に基づく構造設備の基準を定める条例の規定は、施行日以後になされた申請に係る旅館業法(昭和23年法律第138号)第3条第1項の許可について適用し、同日前になされた申請に係る同項の許可については、なお従前の例による。
3 この条例の施行の際現に建築基準法(昭和25年法律第201号)第6条第1項又は第6条の2第1項の規定による確認を受け、又はこれらの規定による確認の申請がなされている建築物で旅館業を経営しようとする者に対する旅館業法第3条第1項の規定による許可(平成21年4月1日までになされた申請に対してなされるものに限る。)については、前項の規定にかかわらず、なお従前の例による。
附則(平成24年12月20日条例第44号)
この条例は、平成25年4月1日から施行する。
附則(平成30年6月14日条例第1号)抄
(施行期日)
1 この条例は、平成30年6月15日から施行する。
(経過措置)
2 この条例による改正後の神戸市旅館業法の施行等に関する条例(以下「新条例」という。)の規定は、施行日以後になされた申請に係る旅館業法第3条第1項の許可について適用し、同日前になされた申請に係る同項の許可については、なお従前の例による。
3 この条例の施行の際現に建築基準法(昭和25年法律第201号)第6条第1項又は第6条の2第1項の規定による確認を受け、又はこれらの規定による確認の申請がなされている建築物で旅館業を営もうとする者に対する旅館業法第3条第1項の規定による許可(平成31年6月15日までに行われた申請に対してなされるものに限る。)については、新条例第2条第1項第16号の規定は、この条例の施行の日以後初めて施設の構造設備を変更するまでの間は、適用しない。
4 この条例の施行の際現に建築基準法第6条第1項又は第6条の2第1項の規定による確認を受け、又はこれらの規定による確認の申請がなされている建築物で旅館業を営もうとする者に対する旅館業法第3条第1項の規定による許可(平成31年6月15日までに行われた申請に対してなされるものに限る。)については、新条例第10条の規定は、適用しない。
5 この条例の施行の際現に旅館業法第3条第1項の規定による簡易宿所営業の許可を受けている施設にあっては、新条例第3条第1項第5号の規定については、この条例の施行後最初に施設の構造設備を変更するまでの間は、適用しない。
附則(令和2年3月31日条例第60号)抄
(施行期日)
1 この条例は、令和2年4月1日から施行する。