○須磨海岸を守り育てる条例

平成20年3月31日

条例第37号

目次

第1章 総則(第1条―第5条)

第2章 海岸の管理

第1節 使用(第6条―第16条)

第2節 使用料(第17条―第20条)

第3節 海岸における行為制限(第21条―第24条)

第3章 雑則(第25条)

第4章 罰則(第26条―第30条)

附則

第1章 総則

(目的)

第1条 この条例は、歴史的文化的な景勝の地である須磨海岸が市民の憩いの場、海水浴客のにぎわいの場等として利用されてきたことにかんがみ、須磨海岸の利用について、市、市民その他の来訪者及び事業者(以下「市民等」という。)の責務を明らかにするとともに、須磨海岸の利用及びその港湾施設の管理運営に関し必要な事項を定めることにより、利用の適正化を図るとともに、須磨海岸の健全化を推進し、市民等が愛着を持ち、安全に安心して利用することができる須磨海岸とすることを目的とする。

(適用範囲)

第2条 この条例は、須磨海岸の区域(海岸保全区域の指定(昭和32年兵庫県告示第643号)大阪湾沿岸の部神戸港の款須磨海岸の項の区域をいう。)のうち、規則で定める区域(以下「海岸」という。)について適用する。

(港湾施設の設置)

第3条 海岸のうち、神戸港に係る港湾法(昭和25年法律第218号)第3条の3第1項に規定する港湾計画に定める港湾環境整備施設計画須磨地区の区域内の緑地及び海浜を、港湾施設(以下「緑地等」という。)として設置する。

(市の責務)

第4条 市は、海岸の良好な環境の保全、海岸周辺の事業活動及び生活環境に対する影響への配慮並びに海岸における事故その他の危険の発生の防止に関し、必要な施策を実施しなければならない。

(市民等の責務)

第5条 市民等は、他の利用者の海岸の利用の妨げとならないよう配慮して海岸を利用するとともに、海岸の美化その他の良好な環境の保全に積極的に努めなければならない。

2 市民等は、第1条の目的を達成するために、市が実施する施策に協力する責務を有する。

第2章 海岸の管理

第1節 使用

(使用の許可)

第6条 緑地等を使用しようとする者は、規則で定めるところにより、市長の許可を受けなければならない。

2 前項の許可を受けた者は、当該許可に係る事項については、海岸法(昭和31年法律第101号)第7条第1項又は第8条第1項の規定による許可を受けることを要しない。

3 緑地等以外の海岸を使用しようとする者は、海岸法第7条第1項又は第8条第1項の規定による許可を受けなければならない。

4 市長は、第1項の許可に緑地等の管理運営上必要な条件を付し、又はこれを変更することができる。

(工作物等の設置)

第7条 緑地等の使用の許可を受けた者(以下「使用者」という。)が、当該緑地等に自己の工作物その他の設備を設置しようとするときは、市長の承認を受けなければならない。その承認に係る設備を廃止し、又は変更しようとするときも同様とする。

(許可等の基準)

第8条 市長は、第6条第1項の許可又は第7条の承認を受けようとする者が次の各号のいずれかに該当する場合においては、許可又は承認を与えてはならない。ただし、第6号又は第7号に該当する場合において、市長が特に理由があると認めるときは、この限りでない。

(1) 公の秩序又は善良な風俗を害するおそれがあると認められるとき。

(2) 緑地等を汚損し、損傷し、又は滅失させるおそれがあると認められるとき。

(3) 緑地等の使用に関し必要な免許、許可その他の資格を有しないとき。

(4) その使用内容が緑地等の能力を超え、又は著しく適正を欠くおそれがあるとき。

(5) その使用内容が海岸の環境を悪化させるおそれがあるとき。

(6) 次条第1項の規定により許可又は承認を取り消され、その取消しのあった日から起算して2年を経過しないとき。

(7) 第29条又は第30条の規定により過料に処せられ、その処分のあった日から起算して2年を経過しないとき。

(8) 前各号に定めるもののほか、市長がその使用を不適当であると認めるとき。

2 市長は、次の各号のいずれかに該当するときは、第6条第1項の許可又は第7条の承認をしないことができる。

(1) 海岸の管理運営上支障があると認められるとき。

(2) 前号に掲げるもののほか、公益上支障があると認められるとき。

(許可の取消し等)

第9条 市長は、使用者が次の各号のいずれかに該当するときは、第6条第1項の許可若しくは第7条の承認を取り消し、又は緑地等の使用の制限をし、若しくはその停止を命ずることができる。

(1) この条例若しくはこれに基づく規則又はこれらに基づく命令に違反したとき。

(2) 偽りその他不正な手段により許可又は承認を受けたとき。

(3) 許可又は承認の条件に違反したとき。

(4) 指定された納期内に使用料を納付しないとき。

(5) 正当な理由がないのに使用許可を受けた緑地等を使用せず、又は承認を受けた行為をしないとき。

(6) 前条第1項第1号から第5号まで及び第8号の規定のいずれかに該当するに至つたとき。

(7) 神戸市民の環境をまもる条例(平成6年3月条例第52号)第52条の規定に基づく命令に違反したとき。

2 市長は、次の各号のいずれかに該当するときは、使用者に対し、前項に規定する処分をすることができる。

(1) 海岸の管理運営上やむを得ない必要が生じたとき。

(2) 前号に掲げるもののほか、公益上やむを得ない必要が生じたとき。

(使用者の一般的義務)

第10条 使用者は、常に善良な管理者の注意をもって緑地等を使用するとともに、効率的な使用を図らなければならない。

2 使用者は、緑地等の使用に伴って生ずる廃棄物を自ら適正に処理するとともに、環境の保全に必要な措置を講じなければならない。

(権利の譲渡等の禁止)

第11条 使用者は、当該緑地等を使用する権利を譲渡し、転貸し、又は担保に供してはならない。

(原状回復の義務)

第12条 使用者は、緑地等の使用期間が満了したとき、又は許可若しくは承認を取り消されたときは、自己の費用をもって物件を搬出し、工作物その他の設備を撤去し、その他緑地等を原状に回復して、市長の検査を受けなければならない。ただし、使用者が原状回復に必要な費用を納入した場合その他市長が認める場合においては、この限りでない。

2 市長は、使用者が前項の義務を履行しないときは、その原状回復に必要な措置をとるべきことを命ずることができる。

(損害の賠償等)

第13条 海岸内において、緑地等を汚損し、損傷し、又は滅失させた者は、これを原状に回復し、又はその損害を賠償しなければならない。

(使用禁止物件)

第14条 何人も、次の各号のいずれかに該当する物を緑地等に持ち込み、又は緑地等において使用してはならない。ただし、当該物件に関する事項について、安全の確保のために必要な措置がとられていると認めて市長が承認するものについては、この限りでない。

(1) 消防法(昭和23年法律第186号)第2条第7項に規定する危険物

(2) 神戸市火災予防条例(昭和37年4月条例第6号)第34条第1項に規定する指定可燃物等又は同条例第56条に規定する消防長の指定するもの

(3) 前2号に掲げるもののほか、市長が指定する物

2 市長は、前項に規定するもののほか、腐敗物その他緑地等を汚損し、損傷し、又は滅失させるおそれのある物については、緑地等の使用を制限することができる。

(緑地等の使用制限)

第15条 市長は、緑地等を保全し、使用の秩序を維持し、環境を保全し、又は設置の目的を達成するため、緑地等の使用を制限し、又は一定の行為を命じ、若しくは禁止することができる。

(物件の搬出等)

第16条 市長は、次の各号のいずれかに該当する者に対して、物件の搬出、工作物その他の設備若しくは自動車の撤去その他の必要な措置をとること又は緑地等を原状に回復することを命ずることができる。

(1) この条例又はこれに基づく規則に違反して緑地等に物件を放置し、工作物その他の設備を設置し、又は自動車を駐車させた者

(2) 許可又は承認を受けて緑地等に物件を保管し、工作物その他の設備を設置し、又は自動車を駐車させた者で、許可若しくは承認の期間を経過し、許可若しくは承認の条件に違反し、又は許可若しくは承認を取り消された者

第2節 使用料

(使用料)

第17条 使用者は、別表に定める使用料を納付しなければならない。

(使用料の納付)

第18条 使用者は、使用料を前納しなければならない。ただし、規則で定める特別の理由があるときは、後納することができる。

(使用料の減免)

第19条 市長は、規則で定める特別の理由があるときは、使用料を減額し、又は免除することができる。

(使用料の返還)

第20条 既納の使用料は、還付しない。ただし、規則で定める特別の理由があるときは、その全部又は一部を返還することができる。

第3節 海岸における行為制限

(騒音の発生の禁止等)

第21条 何人も、海岸において、次に掲げる行為をしてはならない。

(1) 規則で定める時間帯において、規則で定める基準を超える音量の音又は音声を発生させること。ただし、市長が海岸の管理運営上特に必要があると認める場合は、この限りでない。

(2) 拡声機、拡声装置(マイクロホン、増幅器及びスピーカーを組み合わせて音又は音声を増幅できるよう構成された装置をいう。)若しくは音響再生装置(録音盤等のあらゆる媒体の再生に係る機器、増幅器及びスピーカーを組み合わせて音又は音声を再生する装置をいう。)又は楽器(電源を使用し、スピーカー又はこれに類するものが付属し、又は接続されているものに限る。)を使用すること。ただし、規則で定める特別の理由があるときは、この限りでない。

2 市長は、前項の規定に違反した者に対して、当該違反に係る行為の中止その他の必要な措置を講ずべきことを命ずることができる。

(花火の禁止)

第22条 何人も、火薬類取締法(昭和25年法律第149号)第2条第2項に規定するがん具煙火を爆発又は燃焼させてはならない。ただし、午前6時から午後9時までの間において、火薬類取締法施行規則(昭和25年通商産業省令第88号)第1条の5第1号イ、ト及びチに規定するがん具煙火を爆発又は燃焼させる場合については、この限りでない。

2 市長は、前項の規定に違反した者に対して、当該違反に係る行為の中止その他の必要な措置を講ずべきことを命ずることができる。

(行為の禁止)

第23条 何人も、法令に別に定めがあるもののほか、海岸において、正当な理由なく、次に掲げる行為をしてはならない。

(1) 緑地等を汚損し、損傷し、又は滅失させること。

(2) 竹木を伐採し、又は植物を採取すること。

(3) 土地の形質を変更すること。

(4) 第3条の緑地において鳥獣魚類を捕獲し、又は殺傷すること。

(5) 立入禁止区域に立ち入ること。

(6) たき火をし、又は火気を使用する調理器具を使用すること。ただし、規則で定める特別の理由があり、かつ、必要な安全対策を講じたときは、この限りでない。

(7) もり、やすその他これらに類する漁具を携行すること。

(8) 次に掲げる行為を行うことによって、他の者に不安を覚えさせ、他の者を畏怖させ、他の者を困惑させ、又は他の者に嫌悪を覚えさせることにより、当該他の者の海岸の利用を妨げること。

 入れ墨その他これに類する外観を有するものを公然と公衆の目に触れさせること。

 粗野又は乱暴な言動をし、又は威勢を示すこと。

 緑地等の全部又は一部を独占して使用し、他の者の迷惑となる行為をすること。ただし、規則で定める場合に該当するときは、この限りでない。

(9) 喫煙すること。ただし、次に掲げる場所については、この限りでない。

 海岸を管理する権限を有する者が設置し、又は設置を許可した灰皿その他これに類する設備が設けられた場所

 第6条第1項の許可又は第7条の承認を受けて設置した施設又は工作物の室内

(10) 第21条第1項第22条第1項又は前各号の規定に違反する行為を助長する行為を行うこと。

(11) 前各号に掲げるもののほか、市長が海岸の管理運営上支障があると認める行為

2 緑地等において次に掲げる行為をしようとする者は、規則で定めるところにより、市長の許可を受けなければならない。

(1) 出店、募金その他これらに類する行為をすること。

(2) 業として広告写真又は動画を撮影すること。

(3) 興行を行うこと。

(4) 競技会、展示会、博覧会、その他これらに類する催しのために緑地等の全部又は一部を独占して使用すること。

(5) 集会その他これらに類する催しのために緑地等の全部又は一部を独占して使用すること。

(6) 貼紙又は貼札をし、広告を表示すること。

(7) 自動車を乗り入れ、又は駐車すること。

3 市長は、前2項の規定に違反した者に対して、当該違反に係る行為の中止その他の必要な措置を講ずべきこと又は緑地等からの退去を命ずることができる。

(航行の禁止)

第24条 何人も、海岸の適正利用及び安全確保のため必要があるものとして規則で定める区域内において、推進機関として内燃機関又は電動機を備える船舶のうち次に掲げる船舶以外の船舶を航行させてはならない。

(1) 漁船法(昭和25年法律第178号)第2条第1項に規定する漁船

(2) 国又は地方公共団体が所有する船舶

(3) 国の機関又は地方公共団体が、海岸の管理その他の行政目的を達成するために必要な船舶

(4) 海岸における水難事故その他の事故(以下「水難事故等」という。)に係る救助に従事する船舶

(5) 海岸における水難事故等を防止するために必要な船舶

(6) 第6条第1項の許可を受けた者が使用する又は第23条第2項各号の許可を受けた行為をする船舶

(7) その他市長が認める船舶

第3章 雑則

(施行細目の委任)

第25条 この条例の施行に関し必要な事項は、規則で定める。

第4章 罰則

(罰則)

第26条 次の各号のいずれかに該当する者は、20万円以下の罰金に処する。

(1) 第21条第2項の規定による命令に違反した者

(2) 第24条の規定に違反した者

第27条 第22条第2項の規定による命令に違反した者は、10万円以下の罰金に処する。

第28条 法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者が、その法人又は人の業務に関して、前2条の違反行為をしたときは、その行為者を罰するほか、その法人又は人に対して各本条の刑を科する。

第29条 次の各号のいずれかに該当する者は、5万円以下の過料に処する。

(1) 第23条第1項第1号から第5号までに掲げる行為をして、同条第3項の規定による市長の命令に違反した者

(2) 第23条第2項各号に掲げる行為をして、同条第3項の規定による市長の命令に違反した者

第30条 使用料の徴収を免れた者及び指定期限までに納付すべき金額を納付しない者は、次項に定めるものを除くほか、5万円以下の過料に処する。

2 詐欺その他不正の行為により、使用料の徴収を免れた者は、その徴収を免れた金額の5倍に相当する金額(当該5倍に相当する金額が5万円を超えないときは、5万円とする。)以下の過料に処する。

この条例は、平成20年4月1日から施行する。ただし、第4章の規定は、同年7月1日から施行する。

(平成23年3月29日条例第30号)

この条例は、平成23年4月1日から施行する。

(平成29年3月31日条例第56号)

この条例は、平成29年5月1日から施行する。

(令和2年4月1日条例第3号)

この条例は、令和2年5月1日から施行する。ただし、別表ウの項からクの項までの改正規定は、令和3年4月1日から施行する。

(令和4年3月31日条例第48号)

この条例は、令和4年5月1日から施行する。

(令和5年12月7日条例第17号)

(施行期日)

1 この条例は、令和6年4月1日から施行する。

(罰則の適用に関する経過措置)

2 この条例の施行前にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。

(令和6年3月29日条例第46号)

(施行期日)

1 この条例は、令和6年4月1日から施行する。ただし、次項の規定は、公布の日から施行する。

(準備行為)

2 この条例による改正後のそれぞれの条例を施行するために必要な許可、使用料の徴収、利用料金の収受その他の行為は、この条例の施行前においても行うことができる。

(経過措置)

3 この条例の施行の日前の使用又は行為に係る許可並びに使用料の徴収及び利用料金の収受については、なお従前の例による。

別表(第17条関係)

用途

使用料

ア 自動販売機の設置

1台1月につき 3,000円

イ 広告物その他これに類するもの

1平方メートル1月につき 350円

ウ 出店(露店その他これに類するものを含む。)

1平方メートル1月につき 2,500円

エ 興行、競技会、展示会、博覧会その他これらに類する催しのため緑地等の全部又は一部を占用するとき。

1平方メートル1日につき 13円20銭

オ ウに掲げるもの以外の建築物(作業場、物置小屋その他これらに類するものを含む。)を設置するとき。

1平方メートル1月につき 120円

カ 電柱(支柱及び支線を含む。)、係船くい、標識その他これらに類するものを設置するとき。

1本1月につき 110円

キ 水路、道路又は橋りょうの用に供するとき。

1平方メートル1月につき 80円

ク 軌条、桟橋その他これらに類するものを設置するとき。

1平方メートル1月につき 60円

ケ 円管その他これに類するものを設置するとき。

1メートル1月につきその直径又は幅が30センチメートル以下のもの 30円

コ アからケまでに掲げるもの以外のものの用に供するとき(業として写真又は動画を撮影するとき及び集会その他これに類する催しのため緑地等の全部又は一部を占用するときを除く。)

1平方メートル1月につき 120円

備考

1 1月未満の端数は、日割りにより計算する。この場合において、1月は30日として計算する。

2 1日未満及び1平方メートル未満の端数は、それぞれ1日及び1平方メートルとして計算する。

3 ケの項に規定するものであって、その直径又は幅が30センチメートルを超えるものについては、当該超える部分10センチメートル(10センチメートル未満のものは、10センチメートルとして計算する。)につき6円を同項の金額に加算する。

須磨海岸を守り育てる条例

平成20年3月31日 条例第37号

(令和6年4月1日施行)

体系情報
第16類 設/第4章 港湾等
沿革情報
平成20年3月31日 条例第37号
平成23年3月29日 条例第30号
平成29年3月31日 条例第56号
令和2年4月1日 条例第3号
令和4年3月31日 条例第48号
令和5年12月7日 条例第17号
令和6年3月29日 条例第46号