○神戸市建築物等における環境配慮の推進に関する条例
平成24年3月30日
条例第45号
目次
第1章 総則(第1条―第6条)
第2章 建築物等における環境配慮の措置(第7条―第21条)
第3章 建築物等における緑化の推進(第22条―第27条)
第4章 補則(第28条―第30条)
附則
第1章 総則
(目的)
第1条 この条例は、市民が健全かつ快適に生活することができる環境を確保するため、建築物及びその敷地(以下「建築物等」という。)における環境への配慮の取組(以下「環境配慮」という。)について市長、建築主等、建築物等の所有者等及び市民の責務を明らかにするとともに、建築物等による環境への負荷の低減及び潤いと安らぎのある豊かな都市空間の整備その他の措置に関し必要な事項を定めることにより、持続可能な社会の構築と地球環境の保全を図ることを目的とする。
(1) 環境への負荷 人の活動により環境に加えられる影響であって、環境の保全上の支障の原因となるおそれのあるものをいう。
(2) 建築主等 建築主(工作物の築造主を含む。)、建築物(工作物を含む。以下この章において同じ。)の設計者又は建築物の工事施工者(請負工事の下請負人を含む。)若しくは工事監理者をいう。
(3) 所有者等 建築物等の所有者、管理者又は占有者をいう。
(市長の基本的責務)
第3条 市長は、建築物等における環境配慮の推進のために必要な施策を策定し、及び実施する責務を有する。
2 市長は、前項の施策を策定し、及び実施するに当たっては、市民、建築主等及び所有者等の意見が十分に反映されるように努めなければならない。
3 市長は、建築主等、所有者等及び市民に対し、建築物等における環境配慮に関する知識の普及、情報提供その他必要な措置を講ずる責務を有する。
4 市長は、建築物等における環境配慮の推進のために必要な情報を収集するよう努めなければならない。
(建築主等の基本的責務)
第4条 建築主等は、建築物の建築(工作物にあっては築造)、修繕若しくは模様替、用途の変更又は建築設備の設置に当たっては、建築物等における環境配慮を推進するため、自らの責任及び負担において、必要な措置を講ずる責務を有する。
(所有者等の基本的責務)
第5条 所有者等は、建築物等の維持及び保全に当たっては、建築物等における環境配慮を推進するため、自らの責任及び負担において、必要な措置を講ずる責務を有する。
(市民の基本的責務)
第6条 市民は、建築物等における環境配慮について、その重要性に対する関心と理解を深めるよう努めなければならない。
第2章 建築物等における環境配慮の措置
(建築物総合環境配慮指針の策定及び公表)
第7条 市長は、建築物における新築、改築、増築その他規則で定める行為(以下「新築等」という。)に関して、建築物等による環境への負荷の低減を図るため、建築物等における環境配慮の総合的な評価を行うための指針(以下「建築物総合環境配慮指針」という。)を定め、これを公表するものとする。
(市有建築物等における環境配慮)
第8条 市は、特定建築物(建築物のうち規則で定める規模のものをいう。以下同じ。)の新築等をしようとする場合は、当該特定建築物についての、建築物総合環境配慮指針に基づく建築物等における環境配慮の評価(以下「環境配慮の評価」という。)の結果が建築物総合環境配慮指針で定める基準以上のものとなるように努めるものとする。
(届出及び公表)
第9条 特定建築物の建築主(以下「特定建築主」という。)は、特定建築物の新築等をしようとするときは、その旨を市長に届け出なければならない。
2 前項の届出を行う者は、建築物総合環境配慮指針に基づいて新築等をしようとする特定建築物における環境配慮の評価を行い、かつ、次に掲げる事項を記載した計画書(以下「建築物総合環境計画書」という。)を作成し、届出を行う際に、これを市長に提出しなければならない。
(1) 特定建築主の氏名及び住所(法人にあっては、その名称、代表者の氏名及び主たる事務所の所在地)
(2) 特定建築物の名称及び所在地
(3) 設計者の氏名及び住所(法人にあっては、その名称、代表者の氏名及び主たる事務所の所在地)
(4) 特定建築物の概要
(5) 環境配慮の評価
(6) 前各号に掲げるもののほか、規則で定める事項
3 第1項の規定による届出は、特定建築物の新築等に係る工事に着手する日前の範囲において規則で定める日までに行わなければならない。
3 市長は、前2項の届出があったときは、その旨及び建築物総合環境計画書の変更の概要を、規則で定めるところにより、公表するものとする。
(工事完了の届出)
第12条 特定建築主は、特定建築物の新築等に係る工事が完了したときは、規則で定めるところにより、完了した日後の範囲において規則で定める日までに、その旨を市長に届け出なければならない。
2 市長は、前項の規定による届出があったときは、その旨を、規則で定めるところにより、公表するものとする。
(すまいの環境性能表示の表示)
第15条 第9条第1項の届出をした者のうち、特定集合住宅の新築等をする者(以下「特定集合住宅建築主」という。)は、特定集合住宅の新築等に係る工事の期間中、当該工事の現場の見やすい場所に、表示基準に基づきすまいの環境性能表示を表示しなければならない。
3 特定集合住宅建築主は、第9条第1項の届出に関して新築等をした特定集合住宅を販売すること若しくは賃貸すること又はこれらの行為を媒介することを他人に委託した場合は、その委託を受けた者(以下「販売等受託者」という。)がその販売又は賃貸を目的として広告を行うときに当該広告の中にすまいの環境性能表示が表示されるよう必要となる措置を講じなければならない。
4 販売等受託者は、前項の広告を行うときは、当該広告の中にすまいの環境性能表示が表示されるよう特定集合住宅建築主に協力しなければならない。
2 市長は、前項の届出があったときは、その旨を、規則で定めるところにより、公表するものとする。
(特定集合住宅建築主等によるすまいの環境性能表示の説明)
第18条 特定集合住宅建築主及びその販売等受託者(以下「特定集合住宅建築主等」という。)は、特定集合住宅の集合住宅等の用途に供する部分の販売又は賃貸をしようとするときは、当該特定集合住宅の集合住宅等の用途に供する部分を購入し、又は賃借しようとする者に対し、当該特定集合住宅に係るすまいの環境性能表示の内容を説明するよう努めなければならない。
(表示の制限)
第19条 特定集合住宅建築主等でない者は、すまいの環境性能表示又はこれと紛らわしい標章(市長が特に認めるものを除く。)を表示してはならない。
2 市長は、特定集合住宅建築主等に対し、特定集合住宅について第18条の規定による説明の的確な実施を確保するため必要があると認めるときは、当該特定集合住宅におけるすまいの環境性能表示の内容の説明について、必要な指導又は助言を行うことができる。
第3章 建築物等における緑化の推進
(緑化基準の策定及び公表)
第22条 市長は、潤いと安らぎのある豊かな都市空間の整備を図るため、建築物等の緑化に関する基準(以下「緑化基準」という。)を定め、これを公表するものとする。
(都市における建築物等の緑化)
第23条 都市計画法(昭和43年法律第100号)第7条第1項の規定による市街化区域(以下「市街化区域」という。)内の建築物等の所有者又は管理者は、緑化基準に従い、当該建築物等を緑化しなければならない。
2 市街化区域内において規則で定める規模の建築物の新築、改築又は増築をしようとする者は、緑化基準に従い、当該建築物及びその敷地(環境の保全と創造に関する条例(平成7年兵庫県条例第28号。以下「県条例」という。)第118条第2項に規定する特定工場等又は工場立地法(昭和34年法律第24号)第6条第1項に規定する特定工場の用に供する建築物の新築、改築又は増築をしようとする者にあっては、当該建築物)の緑化に関する計画を作成して、規則で定めるところにより、これを市長に届け出なければならない。
3 前項の規定による届出をした者は、当該届出に係る規則で定める事項の変更(規則で定める軽微な変更を除く。)をしようとするときは、規則で定めるところにより、その旨を市長に届け出なければならない。
(緑化の完了の届出)
第24条 前条第2項の規定による届出をした者は、当該届出に係る緑化に関する計画に基づく緑化が完了したときは、規則で定めるところにより、完了した日後の範囲において規則で定める日までに、その旨を市長に届け出なければならない。
(緑化の指導等)
第25条 市長は、市街化区域内の建築物等の所有者又は管理者に対し、当該建築物等の緑化に関して、潤いと安らぎのある豊かな都市空間の整備のため必要があると認めるときは、必要な指導又は助言を行うことができる。
第4章 補則
(検査)
第28条 市長は、この条例の規定の施行に必要な限度において、その職員に、建築物等又は建築工事現場に立ち入り、建築物等その他の物件を検査させることができる。
2 前項の規定により立入検査をする職員は、その身分を示す証明書を携帯し、関係人に提示しなければならない。
3 第1項の規定による立入検査の権限は、犯罪捜査のために認められたものと解釈してはならない。
(施行細目の委任)
第30条 この条例の施行に関し必要な事項は、規則で定める。
附則
(施行期日)
1 この条例は、規則で定める日から施行する。
(平成24年6月28日規則第12号により平成24年7月1日から施行)