○神戸市北野町山本通伝統的建造物群保存地区における建築基準法の制限の緩和に関する条例

平成29年12月11日

条例第12号

(目的)

第1条 この条例は,建築基準法(昭和25年法律第201号。以下「法」という。)第85条の3の規定に基づき,文化財保護法(昭和25年法律第214号)第143条第1項の規定により定めた神戸市北野町山本通伝統的建造物群保存地区(以下「保存地区」という。)の区域内における建築物の敷地及び構造に関する制限の緩和に関し必要な事項を定めることにより,伝統的建造物等の現状変更の規制及び保存のための措置を確保し,もって歴史的価値を有する良好な都市環境の保全を図ることを目的とする。

(用語の定義)

第2条 この条例において,次の各号に掲げる用語の意義は,それぞれ当該各号に定めるところによる。

(1) 伝統的建造物等 保存地区に係る神戸市都市景観条例(昭和53年10月条例第59号。以下「景観条例」という。)第20条第1項の保存計画において定められた同条第2項第2号の伝統的建造物及び必要物件(樹木を除く。)をいう。

(2) 建築物 法第2条第1号に規定する建築物をいう。

(3) 居室 法第2条第4号に規定する居室をいう。

(4) 主要構造部 法第2条第5号に規定する主要構造部をいう。

(5) 延焼のおそれのある部分 法第2条第6号に規定する延焼のおそれのある部分をいう。

(6) 準耐火構造 法第2条第7号の2に規定する準耐火構造をいう。

(7) 防火構造 法第2条第8号に規定する防火構造をいう。

(8) 不燃材料 法第2条第9号に規定する不燃材料をいう。

(9) 防火設備 法第2条第9号の2ロに規定する防火戸その他の政令で定める防火設備をいう。

(10) 大規模の修繕 法第2条第14号に規定する大規模の修繕をいう。

(11) 大規模の模様替 法第2条第15号に規定する大規模の模様替をいう。

(12) 道路 法第42条第1項に規定する道路をいう。

(13) 敷地 建築基準法施行令(昭和25年政令第338号。以下「令」という。)第1条第1号に規定する敷地をいう。

(14) 敷地面積 令第2条第1号に規定する敷地面積をいう。

(15) 建築面積 令第2条第2号に規定する建築面積をいう。

(16) 建築等 法第2条第13号の建築(移転することを除く。),大規模の修繕又は大規模の模様替(景観条例第21条第1項の許可を受けたもの又は景観条例第23条の規定による協議が成立したものに限る。)をいう。

(大規模の建築物の主要構造部の制限の緩和)

第3条 伝統的建造物等の存する敷地(以下「対象敷地」という。)内で建築等をする場合においては,次の各号のいずれかに該当する対象敷地内の伝統的建造物等に限り,法第21条第1項本文の規定を適用しない。

(1) 外壁(真壁造とする場合の柱及びはりの部分を除く。以下同じ。)及び軒裏に次のからまでのいずれかの措置又は主要構造部及び軒裏に次のの措置を講じ,かつ,スプリンクラー設備,神戸市火災予防条例(昭和37年4月条例第6号。以下「予防条例」という。)第9条の2第1項第2号エに規定する自動消火装置(ちゅう房室に設置する場合に限る。),パッケージ型自動消火設備の設置及び維持に関する技術上の基準を定める件(平成16年消防庁告示第13号)第2第1号及び第2号に規定するパッケージ型自動消火設備又は消防法施行令(昭和36年政令第37号)第12条第2項第3号の2に規定する特定施設水道連結型スプリンクラー設備(以下「スプリンクラー設備等」という。)を全ての居室に設置し,市長が安全上及び防火上支障がないと認め,神戸市建築審査会条例(昭和30年6月条例第17号)に基づき設置された神戸市建築審査会(以下「審査会」という。)の同意を得て許可したもの

 外壁及び軒裏の仕上げを不燃材料である木材とすること。

 外壁及び軒裏の仕上げを不燃材料の上に厚さ12ミリメートル以上の木材を貼ったものとすること。

 外壁及び軒裏の仕上げを防火構造の認定を受けたものの上に木材を貼ったものとすること。

 外壁及び軒裏を防火構造とすること。

 主要構造部のうち,外壁,屋根並びに外部に面した柱及び梁(真壁造の壁に代わる柱及び梁の部分を除く。)並びに軒裏の構造を準耐火構造とすること。

(2) 伝統的建造物等の位置,構造又は設備の設置状況から判断して,当該伝統的建造物等が前号に規定する措置を講じた伝統的建造物等と同等以上の性能を有するものとして,市長が安全上及び防火上支障がないと認め,審査会の同意を得て許可したもの

(道路内の建築制限の緩和)

第4条 対象敷地内で伝統的建造物等の建築等(増築を除く。)をする場合において,伝統的建造物等並びに伝統的建造物等以外の門,塀及び擁壁の位置が,この条例の施行の日(以下「施行日」という。)における位置から前面道路の側に超えず,かつ,当該伝統的建造物等(門,塀及び擁壁を除く。)次の各号のいずれかに該当するものであるときは,対象敷地内の伝統的建造物等(伝統的建造物等の門に続く石段を含む。以下この条及び第12条において同じ。)並びに対象敷地内の伝統的建造物等以外の門,塀及び擁壁に限り,法第44条第1項本文の規定を適用しない。ただし,法第42条第2項の規定により道路とみなされる範囲内(前面道路が2以上ある場合においては,道路ごとの範囲内)に伝統的建造物等がない場合の当該範囲内については,この限りでない。

(1) 住宅の用途に供する伝統的建造物等である建築物(住宅以外の用途を兼ねるものを除く。)及び住宅以外の用途に供する伝統的建造物等である建築物(住宅の用途を兼ねるものを含む。)のうち次号に該当するもの以外のものにあっては,前条第1号オの措置を講じ,市長が安全上及び防火上支障がないと認めたもの

(2) 住宅以外の用途に供する伝統的建造物等である建築物(住宅の用途を兼ねるものを含む。)のうち油脂を含む蒸気を発生させるおそれのある厨房設備又は法第35条の2に規定する火を使用する設備若しくは器具を設けたものにあっては,前条第1号オの措置を講じ,かつ,油脂を含む蒸気を発生させるおそれのある厨房設備を使用する箇所(住宅の用途に供する部分を除く。)又は法第35条の2に規定するかまど,こんろその他火を使用する設備若しくは器具にスプリンクラー設備等を設置し,市長が安全上及び防火上支障がないと認め,審査会の同意を得て許可したもの

(3) 伝統的建造物等の位置,構造又は設備の設置状況から判断して,当該伝統的建造物等が前2号のいずれかに該当する伝統的建造物等と同等以上の性能を有するものとして,市長が安全上及び防火上支障がないと認め,審査会の同意を得て許可したもの

2 対象敷地内で伝統的建造物等以外の建築物及び擁壁のみの建築等(増築を除く。)をする場合において,伝統的建造物等並びに伝統的建造物等以外の門,塀及び擁壁の位置が,施行日における位置から前面道路の側に超えず,市長が安全上及び防火上支障がないと認めたときは,伝統的建造物等並びに伝統的建造物等以外の門,塀及び擁壁に限り,法第44条第1項本文の規定を適用しない。ただし,法第42条第2項の規定により道路とみなされる範囲内(前面道路が2以上ある場合においては,道路ごとの範囲内)に伝統的建造物等がない場合の当該範囲内については,この限りでない。

3 対象敷地内で伝統的建造物等である建築物に接続して増築する場合(以下「同一棟増築」という。)において,伝統的建造物等並びに伝統的建造物等以外の門,塀及び擁壁の位置が,施行日における位置から前面道路の側に超えず,かつ,当該伝統的建造物等(門,塀及び擁壁を除く。)第1項各号のいずれかに該当するものであるときは,対象敷地内の伝統的建造物等並びに対象敷地内の伝統的建造物等以外の門,塀及び擁壁に限り,法第44条第1項本文の規定を適用しない。前項ただし書の規定は,この場合について準用する。

4 対象敷地内で伝統的建造物等である建築物に接続せずに増築する場合(以下「別棟増築」という。)において,伝統的建造物等並びに伝統的建造物等以外の門,塀及び擁壁の位置が,施行日における位置から前面道路の側に超えず,市長が安全上及び防火上支障がないと認めたときは,伝統的建造物等並びに伝統的建造物等以外の門,塀及び擁壁に限り,法第44条第1項本文の規定を適用しない。第2項ただし書の規定は,この場合について準用する。

(建築面積の敷地面積に対する割合の制限の緩和)

第5条 対象敷地内で建築等(大規模の修繕及び大規模の模様替を除く。この条及び次条において同じ。)をする場合において,建築等を行った時の伝統的建造物等の建築面積の敷地面積に対する割合が,施行日における伝統的建造物等の建築面積の敷地面積に対する割合を超えないときは,対象敷地内の伝統的建造物等に限り,法第53条の規定を適用しない。

(建築物の各部分の高さの制限の緩和)

第6条 対象敷地内で建築等をする場合において,建築等を行った時の伝統的建造物等の各部分の高さの位置が,施行日における伝統的建造物等の各部分の高さの位置を超えないときは,対象敷地内の伝統的建造物等に限り,法第56条の規定を適用しない。

(準防火地域内の建築物の構造制限の緩和)

第7条 対象敷地内で伝統的建造物等を建築等(増築,改築(令第137条の11に規定する改築を除く。),大規模の修繕及び大規模の模様替を除く。次項において同じ。)をする場合において,当該伝統的建造物等が第4条第1項各号のいずれかに該当するものであるときは,対象敷地内の伝統的建造物等に限り,法第62条第1項本文の規定を適用しない。

2 対象敷地内で伝統的建造物等以外の建築物のみの建築等をする場合において,市長が安全上及び防火上支障がないと認めたときは,対象敷地内の伝統的建造物等に限り,法第62条第1項本文の規定を適用しない。

3 対象敷地内で同一棟増築(令第137条の11に規定する増築を除く。)をする場合において,当該伝統的建造物等が第4条第1項各号のいずれかに該当するものであるときは,対象敷地内の伝統的建造物等に限り,法第62条第1項本文の規定を適用しない。

4 対象敷地内で別棟増築(令第137条の11に規定する増築を除く。)をする場合において,市長が安全上及び防火上支障がないと認めたときは,対象敷地内の伝統的建造物等に限り,法第62条第1項本文の規定を適用しない。

(準防火地域内の木造建築物等の外壁及び軒裏又は門及び塀の構造の制限の緩和)

第8条 対象敷地内で伝統的建造物等の建築等(増築を除く。)をする場合において,当該伝統的建造物等が次の各号のいずれかに該当するものであるときは,対象敷地内の伝統的建造物等に限り,法第62条第2項の規定を適用しない。

(1) 伝統的建造物等の外壁及び軒裏(延焼のおそれのある部分に限る。)第3条第1号アからまでに定めるいずれかの措置又は伝統的建造物等の主要構造部及び軒裏に第3条第1号オの措置を講じ,市長が安全上及び防火上支障がないと認めたもの

(2) 建築物に附属する平均地盤面からの高さ2メートルを超える伝統的建造物等の門若しくは塀(延焼のおそれのある部分に限る。以下この号において同じ。)であって,次のいずれかの措置を講じ,市長が安全上及び防火上支障がないと認めたもの又は門若しくは塀のうち建築等を行わないもの及び幅2.5メートル以内の門扉

 その仕上げを不燃材料の上に厚さ12ミリメートル以上の木材を貼ったものとすること。

 その仕上げを防火構造の認定を受けたものの上に木材を貼ったものとすること。

(3) 伝統的建造物等の位置,構造又は設備の設置状況から判断して,当該伝統的建造物等が前2号のいずれかに該当する伝統的建造物等と同等以上の性能を有するものとして,市長が安全上及び防火上支障がないと認め,審査会の同意を得て許可したもの

2 対象敷地内で伝統的建造物等以外の建築物のみの建築等(増築を除く。)をする場合において,市長が安全上及び防火上支障がないと認めたときは,対象敷地内の伝統的建造物等に限り,法第62条第2項の規定を適用しない。

3 対象敷地内で同一棟増築をする場合において,当該伝統的建造物等が第1項各号のいずれかに該当するものであるときは,対象敷地内の伝統的建造物等に限り,法第62条第2項の規定を適用しない。

4 対象敷地内で別棟増築をする場合において,市長が安全上及び防火上支障がないと認めたときは,対象敷地内の伝統的建造物等に限り,法第62条第2項の規定を適用しない。

(準防火地域内の建築物の開口部の制限の緩和)

第9条 対象敷地内で伝統的建造物等の建築等(増築を除く。)をする場合において,当該伝統的建造物等の外壁の開口部(延焼のおそれのある部分に限る。以下この条において同じ。)次の各号のいずれかに該当するものであるときは,対象敷地内の伝統的建造物等に限り,法第64条の規定を適用しない。

(1) 外壁の開口部に関して次に掲げるいずれかの措置を講じ,市長が安全上及び防火上支障がないと認めたもの

 開口部に設ける建具の内側に防火設備を設け,かつ,開口部の建具の枠に防火上の措置を講じたものとすること。

 開口部の建具(枠,桟及び方立を含む。)を不燃材料とし,かつ,ガラスについては,網入りガラス又はこれと同等以上の防火性能を有するものとすること。

(2) 伝統的建造物等の位置,構造又は設備の設置状況から判断して,当該伝統的建造物等の外壁の開口部が前号に規定するいずれかの措置を講じた伝統的建造物等の外壁の開口部と同等以上の性能を有するものとして,市長が安全上及び防火上支障がないと認め,審査会の同意を得て許可したもの

2 対象敷地内で伝統的建造物等以外の建築物のみの建築等(増築を除く。)をする場合において,市長が安全上及び防火上支障がないと認めたときは,対象敷地内の伝統的建造物等に限り,法第64条の規定を適用しない。

3 対象敷地内で同一棟増築をする場合において,当該伝統的建造物等の外壁の開口部が第1項各号のいずれかに該当するものであるときは,対象敷地内の伝統的建造物等に限り,法第64条の規定を適用しない。

4 対象敷地内で別棟増築をする場合において,市長が安全上及び防火上支障がないと認めたときは,対象敷地内の伝統的建造物等に限り,法第64条の規定を適用しない。

(消防用設備等の設置)

第10条 第3条から前条までの規定により法第21条第1項本文,法第44条第1項本文,法第53条,法第56条,法第62条第1項本文,法第62条第2項又は法第64条の規定を適用しない伝統的建造物等(以下「対象伝統的建造物等」という。)には,次に掲げる措置を講じなければならない。

(1) 消防法施行令第5条の6第2号に規定する住宅用防災報知設備又は住宅用防災警報器及び住宅用防災報知設備に係る技術上の規格を定める省令(平成17年総務省令第11号)第2条第4号の3に規定する連動型住宅用防災警報器を次に掲げる基準に従い設置すること。ただし,消防法施行令第7条第3項第1号に規定する自動火災報知設備を消防法(昭和23年法律第186号)の規定により設置した場合は,この限りでない。

 火災報知設備の感知器及び受信機に係る技術上の規格を定める省令(昭和56年自治省令第17号)第2条第1号に規定する感知器(以下この号において同じ。)は,次に掲げる部分に設置すること。

(ア) 住宅の用途に供する建築物又はその部分に設置する場合にあっては,予防条例第30条の3第1号に規定する部分

(イ) 住宅以外の用途に供する建築物又はその部分に設置する場合にあっては,各居室,階段,廊下,コンロその他の火災の発生のおそれのある調理の設備又は器具を設置する室及び便所の部分

 感知器は,天井又は壁の屋内に面する部分(天井のない場合にあっては,屋根又は壁の屋内に面する部分)に設置し,火災の発生を早期に,かつ,有効に感知できると市長が認めるものとすること。

 受信機に係る技術上の規格を定める省令(昭和56年自治省令第19号)第2条第7号に規定する受信機は,火災の発生を周囲に有効に報知できると市長が認めるものとすること。

(2) 消防法施行令第7条第2項第1号に規定する消火器を次に掲げる基準に従い設置すること。ただし,消火器を消防法の規定により設置した場合は,この限りでない。

 消火器の技術上の規格を定める省令(昭和39年自治省令第27号)第1条の2第1号に規定する消火器(住宅以外の用途に供する建築物又はその部分に設置する場合にあっては,同条第2号に規定する住宅用消火器を除く。)であって,同条第13号に規定するA火災及び同条第14号に規定するB火災に対応するものを設置すること。

 建築物の階ごとに,建築物の各部分からそれぞれ一の消火器に至る歩行距離が20メートル以下となるように配置すること。

(スプリンクラー設備等及び消防用設備等の維持管理)

第11条 対象伝統的建造物等の所有者,管理者又は占有者は,この条例に基づき設置したスプリンクラー設備等及び消防用設備等が有効に機能するよう適切に維持管理しなければならない。

(伝統的建造物等である門等に限り建築等をする場合の取扱い)

第12条 対象敷地内で伝統的建造物等である門,塀又は擁壁(以下「門等」という。)のみの建築等(大規模の修繕及び大規模の模様替を除く。)をする場合において,次の各号に掲げるものであって,市長が安全上及び防火上支障がないと認めるものについては,第4条及び第7条から第9条までの規定にかかわらず,当該各号に定める規定を適用しない。

(1) その位置が施行日における位置から前面道路の側に超えず,かつ,伝統的建造物等に第10条の措置を講じた場合における対象敷地内の伝統的建造物及び伝統的建造物以外の門等(法第42条第2項の規定により道路とみなされる範囲内(前面道路が2以上ある場合においては道路ごとの範囲内)に伝統的建造物等がない場合における当該範囲内のものを除く。) 法第44条第1項本文

(2) 伝統的建造物等に第10条の措置を講じた場合における対象敷地内の伝統的建造物等(令第137条の11に規定する増築又は改築に係るものを除く。) 法第62条第1項本文及び法第64条

(3) 伝統的建造物等に第10条の措置を講じ,かつ,伝統的建造物等である門等に第8条第1項第2号又は第3号の措置を講じた場合における対象敷地内の伝統的建造物等 法第62条第2項

(施行細則の委任)

第13条 この条例の施行に関し必要な事項は,規則で定める。

附 則

この条例は,公布の日から起算して6月を超えない範囲内において規則で定める日から施行する。

(平成30年3月16日規則第27号により平成30年3月19日から施行)

神戸市北野町山本通伝統的建造物群保存地区における建築基準法の制限の緩和に関する条例

平成29年12月11日 条例第12号

(平成30年3月19日施行)