○おいしい神戸産農水産物等の活用の推進に関する条例

平成31年3月29日

条例第40号

神戸市は、異国の文化が溶け込んだハイカラな街として国内外に知られている。その一方、六甲山の北部には、水田地帯や果樹園が広がり、六甲山系を西に過ぎると、広大な平野部に農地が形成されるなど、畜産や花きを含め近畿圏でも有数の農業が営まれてきた。さらには、兵庫から舞子にかけ瀬戸内海の魚を扱う漁業の街でもある。

このように豊かな農産物、畜産物、水産物に恵まれ、また早くから外国と交易を行うことで、神戸ビーフに代表される独自の食文化が発展してきた神戸の食に注目し、本市では食を軸とした都市戦略を掲げ、地産地消や食のブランド化、世界への情報発信などに取り組んでいる。

しかし、農水産業等の従事者の高齢化や担い手不足は、深刻な課題となってきており、将来世代にわたり、神戸の農水産業等を維持し、神戸独自の地域文化を継承していくためには、新たな潮流が必要である。現在、神戸産農水産物等の市内における認知度や流通量は十分とはいえず、市内流通の促進を図ることで、巨大消費地の近くに生産地があり、神戸産農水産物等を新鮮に供給・消費できる地域特性をいかしていくことが必要である。また、消費者である市民に対し、市内で生産され、とれたてでおいしく、かつ安全で安心な農水産物等を届けていくことは、広く市民の豊かな生活に寄与することにもつながる。

そこで、人と自然との共生を図りながら持続的な産業として農水産業等を営んでいけるよう、地産地消を含めたおいしい神戸産農水産物等の活用を推進するため、この条例を制定する。

(目的)

第1条 この条例は、神戸産農水産物等の活用の推進に関する基本理念を定め、市の責務並びに市、生産者、事業者及び市民の役割を明らかにするとともに、施策の基本となる事項を定め、もって神戸産農水産物等の活用の推進に資することを目的とする。

(定義)

第2条 この条例において、次の各号に掲げる用語の意義は、それぞれ当該各号に定めるところによる。

(1) 農水産業等 農業、水産業及び畜産業をいう。

(2) 農水産物等 農産物、水産物及び畜産物をいう。

(3) 神戸産農水産物等 市内で生産された農水産物等及びこれを市内で加工したものをいう。

(4) 生産者 市内で農水産物等を生産する者及びその組織する団体をいう。

(5) 事業者 次に掲げるいずれかの者に該当する者及びその組織する団体をいう。

 市内で農水産物等又はこれを加工した製品の流通を行う者

 市内で農水産物等又はこれを加工した製品の加工を行う者

 市内で農水産物等又はこれを加工した製品を調理し、又は飲食物として提供する者

(6) 6次産業化 1次産業としての農水産業等、2次産業としての加工業及び3次産業としての小売業等の事業の総合的かつ一体的な推進を図り、市内で生産された農水産物等を活用した新たな付加価値を生み出す取組をいう。

(基本理念)

第3条 市、生産者、事業者及び市民は、健全で豊かな市民生活の向上及び神戸独自の地域文化を継承していくことを旨として、次項に規定する取組を実施するよう努めるものとする。

2 市、生産者、事業者及び市民は、相互に連携し、神戸産農水産物等の情報を共有することを通じてそれぞれの立場を理解し、及び協力しながら神戸産農水産物等の活用を推進することにより、市内における農水産業等を健全で持続可能な産業として振興し、及び発展させるよう取り組むものとする。

(市の責務)

第4条 市は、生産者、事業者及び市民と連携し、及び協力して、神戸産農水産物等の活用の推進に関する施策を総合的に実施するものとする。

2 市は、新たに農水産業等に就業しようとする者及び就業した者(いずれも後継者を含む。)並びに農水産業等の多様な担い手への支援を行うものとする。

(生産者の役割)

第5条 生産者は、第3条の基本理念にのっとり、安全で安心な農水産物等の供給の重要性を認識し、農水産業等の生産拡大及び担い手の育成並びに6次産業化の推進に努めるとともに、神戸産農水産物等の市内流通の促進に協力するよう努めるものとする。

(事業者の役割)

第6条 事業者は、第3条の基本理念にのっとり、神戸産農水産物等の活用及び市内流通の促進並びに6次産業化の推進に努めるものとする。

2 事業者は、安全で安心な食品の提供の重要性を認識し、市民に対し食品に関する幅広い情報を提供するよう努めるものとする。

(市民の役割)

第7条 市民は、第3条の基本理念にのっとり、市内における農水産業等の振興に対する理解を深めるとともに、調理を始めとした食及び神戸産農水産物等に関する知識を深め、神戸産農水産物等を消費し、又は活用するよう努めるものとする。

(生産者、事業者及び市民の交流支援)

第8条 市は、農漁業体験等を通じた生産者、事業者及び市民による交流を支援することにより、それぞれの立場の理解が深まり信頼関係が構築されるよう努めるものとする。

(啓発活動等)

第9条 市は、神戸産農水産物等の魅力及び活用に対する市民の関心及び理解を深め、及び生産者、事業者及び市民の間の相互理解を促進するため、情報共有、広報その他の啓発活動等を行うよう努めるものとする。

(生産、供給及び市内流通の促進)

第10条 市は、神戸産農水産物等が安定的に生産され、及び供給されるよう、市内における農水産物等の生産拡大、農水産業等の担い手に対する支援及び神戸産農水産物等の市内流通の促進に努めるものとする。

(生産環境及び生産基盤の整備等)

第11条 市は、神戸産農水産物等の生産性の向上を図るため、農水産業等の生産環境(農地、漁場等の周辺の環境をいう。)及び生産基盤の整備、保全及び活用のために必要な措置を講ずるよう努めるものとする。

(神戸産農水産物等の優先利用)

第12条 市は、自らが主催する行事等において農水産物等(これを加工したものを含む。)の提供又は販売を行うときは、できる限り神戸産農水産物等を利用するよう努めるものとする。

2 市は、学校給食の食材調達に当たっては、神戸産農水産物等を優先的に利用するよう努めるものとする。

(ブランド化の推進)

第13条 市は、生産者、事業者及び市民と連携し、神戸産農水産物等のブランド化を進め、その魅力を国内外に発信するものとする。

(他の施策との連携)

第14条 市は、観光旅行者の来訪を促進するため、観光に関する施策との連携を図り神戸産農水産物等を観光資源として有効に活用するとともに、多様な媒体による広報宣伝の充実その他の必要な施策を講ずるものとする。

2 市は、神戸産農水産物等の活用の推進に当たっては、食育の推進に関する施策との連携を図るものとする。

(6次産業化の支援)

第15条 市は、生産者及び事業者が行う6次産業化を支援するとともに、6次産業化に対する市民の関心及び理解を深めるため、市民に対する情報提供及び啓発活動等を実施するよう努めるものとする。

(組織体制の整備)

第16条 市は、神戸産農水産物等の活用の推進に関する施策を実施するために必要な体制の整備を図るものとする。

(財政上の措置)

第17条 市は、神戸産農水産物等の活用の推進に関する施策を実施するために必要な財政上の措置を講ずるよう努めるものとする。

(議会への報告)

第18条 市長は、毎年度、市の施策の実施状況を議会に報告するものとする。

この条例は、平成31年4月1日から施行する。

おいしい神戸産農水産物等の活用の推進に関する条例

平成31年3月29日 条例第40号

(平成31年4月1日施行)