○神戸市監査基準

令和元年12月20日

監委訓令甲第1号

目次

第1章 総則(第1条~第4条)

第2章 監査等の種類(第5条~第8条)

第3章 監査等の実施(第9条~第14条,別表1―1,別表1―2,別表2,別表3)

第4章 監査等の結果に関する報告の提出及び公表等(第15条~第22条)

第5章 補則(第23条)

附則

第1章 総則

(神戸市監査基準の位置付け)

第1条 この基準は,地方自治法第198条の4に基づく監査基準であり,この基準を策定,変更したときは,直ちに,市長等に通知するとともに,これを公表する。

2 この基準は,地方自治法(昭和22年法律第67号。以下「法」という。),地方公営企業法(昭和27年法律第292号)及び地方公共団体の財政の健全化に関する法律(平成19年法律第94号。以下「財政健全化法」という。)の規定に基づいて監査委員が行う監査,検査及び審査(以下「監査等」という。)の実施並びに報告に関し,必要な事項を定めることを目的とする。

(監査等の目的及び基本方針)

第2条 監査等を行うにあたっては,本市の事務事業が住民の福祉の増進に努めるとともに,最少の経費で最大の効果をあげるようになされているか,また,その組織及び運営の合理化がなされているかどうかに特に配慮し,指導的監査を主眼として実施するものとする。

2 地方分権が進められ自治体の権限と責任が高まる中で,自治体が市民に対する説明責任を果たす一環として,監査等を通して行政運営の公平性,公正性,透明性,効率性の向上に努める。そのため,①監査等項目及び着眼点に抵触するものについて指摘するだけでなく,改善の方向を示す,②全庁に共通する事務について業務プロセスの制度化やルールの改善の方向を示す,③庁内からの相談に迅速,的確に対応するとともに,改善を支援し,ルールの浸透を図るといった監査等とともに,④伝わる監査等を充実させていく。

(公正不偏の態度と秘密の保持)

第3条 監査委員は,高潔な人格を維持し,いかなる場合も信義にのっとり誠実な態度を保持しなければならない。

2 監査委員は,常に,独立的かつ客観的な立場で公正不偏の態度を保持し,正当な注意を払って監査等を実施しなければならない。

3 監査委員は,職務上知り得た秘密を他に漏らし,又は他の目的に利用してはならない。その職を退いた後も同様とする。

4 監査委員は,第2条の目的及び基本方針を果たすため,自らの専門能力の向上と知識の蓄積を図り,その専門性を維持及び確保するため常に自己研さんに努めなければならない。

(各種監査の調整)

第4条 監査委員は,各種の監査等は,その計画の策定及び実施にあたり,相互に関連を持たせ,総合して成果があがるように調整運用するものとする。

第2章 監査等の種類

(監査)

第5条 監査の種類は,次の各号に掲げるとおりとする。

(1) 財務定期監査及び工事定期監査(法第199条第1項,第2項及び第4項による監査)

 市の財務に関する事務の執行が,地方自治法体系に照らして,適正に行われているかどうか(経済的,効率的,効果的かつ合理的に行われているかを含む)を主眼として実施する。

 市の経営に係る事業の管理が,地方自治法体系に照らして,経済的,効率的,効果的かつ合理的に行われているかどうかを主眼として実施する。

 市の一般行政事務の執行が,地方自治法体系に照らして,適正に行われているかどうか(経済的,効率的,効果的かつ合理的に行われているかを含む)を主眼として実施する。

 上記に加え,工事定期監査については,工事が関係法令に照らして,適正に行われているかどうか,また,正確性,安全性などの観点から適切に行われているかどうかを主眼として実施する。

(2) 行政監査(法第199条第2項による監査)

必要があると認めるときは,前号の監査とは別に,市の自治事務又は法定受託事務の執行につき,各局室区に共通する事務に着目したもの,または特定の局室区の事務に着目したものの中から対象とする事務を選択して,監査対象,監査項目及び着眼点,監査の方法を定め,実施する。

(3) 随時監査(法第199条第5項による監査)

必要があると認めるときは,第1号アの監査を実施する。

(4) 財政援助団体等監査(法第199条第7項等による監査)

財政的援助を与えている団体,出資団体,借入金の元金又は利子の支払を保証している団体,信託の受託団体及び公の施設の指定管理者に対し,当該財政的援助等に係る出納その他の事務の執行が,当該財政的援助等の目的に沿って行われているかを主眼として実施する。

出資団体に対する工事定期監査については,工事が関係法令に照らして,適正に行われているかどうか,また,正確性,安全性などの観点から適切に行われているかどうかを主眼として実施する。

(5) 公金の収納支払事務に関する監査(法第235条の2第2項及び地方公営企業法第27条の2第1項による監査)

必要があると認めるとき,又は市長等の要求があるとき,指定金融機関等に対し,公金の収納,支払等の事務処理が,法令の規定及び指定契約の約定のとおり行われているかどうかを主眼として実施する。

(6) 一定数の選挙人の請求による事務監査(法第75条による監査)

(7) 議会の請求による事務監査(法第98条第2項による監査)

(8) 市長の要求による事務監査(法第199条第6項,財政健全化法第26条第1項による監査)

(9) 市長の要求による財政援助団体等監査(法第199条第7項による監査)

(10) 住民の請求による財務会計上の行為又は財務会計上の怠る事実に関する事務の監査(法第242条による監査)

(11) 市長又は企業管理者の要求に基づく職員の賠償責任に関する監査(法第243条の2の2第3項又は地方公営企業法第34条による監査)

(12) 共同設置機関の監査(法第252条の11第4項の規定による監査)

(検査)

第6条 検査の種類は,次に掲げるとおりとする。

(1) 例月出納検査(法第235条の2第1項による検査)

会計管理者及び企業管理者の行う現金(預金,有価証券を含む)の出納事務が,適正に行われているかどうかを主眼として実施する。

(審査)

第7条 審査の種類は,次の各号に掲げるとおりとし,地方自治法体系に照らして実施する。

(1) 決算審査(法第233条第2項及び地方公営企業法第30条第2項による審査)

決算,その他関係諸表等は法令に従って作成され,その計数は正確かどうかを検証するとともに,公営企業会計については,企業の経済性を発揮するとともに公共の福祉を増進するよう運営されているかどうかを主眼として実施する。

(2) 基金運用審査(法第241条第5項及び地方公営企業法第30条第2項(地方公営企業法施行令第26条の2)による審査)

特定の事業を行う基金の運用状況を示す書類は法令に従って作成され,その計数は正確かどうかを検証するとともに,基金の運用は設置目的に応じ確実に運用されているかどうかを主眼として実施する。

(3) 健全化判断比率等審査(財政健全化法第3条及び第22条による審査)

健全化判断比率及び資金不足比率に関する計数が正確かどうかを主眼として実施する。

(4) 内部統制評価報告書審査(法第150条第5項による審査)

市長が作成した内部統制評価報告書について,市長による評価が適切に実施され,内部統制の不備について重大な不備に当たるかどうかの判断が適切に行われているかを審査する。審査をするに当たっては,内部統制が有効に機能しているかどうかについて,特に,意を用いるものとする。

(報告の徴取)

第8条 監査委員は,地方自治法施行令(昭和22年政令第16号。以下「法施行令」という。)第168条の4第3項又は地方公営企業法施行令(昭和27年政令第403号)第22条の5第3項の規定により,指定金融機関等に対する検査の結果について,会計管理者又は企業管理者に対して報告を求めることができる。

2 監査委員は,法施行令第158条の2第5項の規定により,地方税の収納事務の受託者に対する検査の結果について,会計管理者に対して報告を求めることができる。

第3章 監査等の実施

(年間監査計画の策定)

第9条 監査等を実施するにあたっては,原則として,あらかじめ策定した別表1―1に定める年間監査計画に基づいて実施する。

(個別実施計画)

第10条 監査等を行うに当たっては,別表1―2に定める個別実施計画を策定しこれに基づいて実施する。

2 個別実施計画は,別表2に定める次の①から⑥や別表3に定める手法を踏まえ,対象とする事務,監査対象(対象とする事務がどうであると評定するかを設定),監査等項目及び着眼点(監査対象を評定するため更にいくつか設定する具体的な判断規準),監査の方法を具体的に立案し策定する。

① 対象とする事務の理解

② 内部統制の理解及び評価

③ 事前調査

④ リスク評価手続

⑤ 内部統制の運用評価手続

⑥ 実証手続

3 監査等項目及び着眼点

監査等項目及び着眼点は,監査実施要領で定める。個別の監査等で評定する監査等項目及び着眼点は,この監査等項目及び着眼点の中から適宜選択して,個別実施計画において定める。

(相手方等への通知)

第11条 監査等の実施に当たっては,特別の場合を除き,相手方に対し,監査等の種別,対象,期間,担当職員等をあらかじめ通知し,参考書類の提出及び事務事業概要の説明を求めるものとする。

2 住民監査請求があったときは,直ちに当該請求の要旨を議会及び市長に通知しなければならない。

(事実の調査)

第12条 事実の調査の段階では,個別実施計画において定める別表2の3内部統制の運用評価手続及び別表2の4実証手続を実施する。

2 監査委員は,監査等の実施の結果,不正の兆候もしくは不正の事実を発見した場合には,適宜監査等の手続を追加して十分かつ適切な監査等の証拠を入手し,監査等の結果及び意見の合理的な基礎を形成しなければならない。

3 事実の調査の過程で,監査実施経過・実施手続・評定結果を記録する監査調書を作成する。

(他者情報の利活用及び調整)

第13条 監査委員は,監査等の実施に当たり,市長部局等(法第199条第7項に規定する財政援助団体等を含む。)の内部監査人,監査役,監事,外部監査人等と必要に応じて連携の上情報収集を図り,効果的かつ効率的な監査等の実施に努めなければならない。

2 監査委員は,外部監査人との間で,相互の監査の実施に支障を来さないよう配慮しなければならない。

3 監査委員は,必要に応じて監査専門委員を選任し,必要な事項を調査させることができる。

4 監査委員は,監査等の実施に当たり,効率的かつ効果的に実施することができるよう,監査専門委員,外部監査人等との連携を図るものとする。

(監査等の評定)

第14条 事実の調査での発見事項が,実施した監査手続及び入手した十分かつ適切な監査証拠に基づいて,個別実施計画において定める監査等項目及び着眼点に抵触するかどうかを基に監査対象の正否を評定する。

第4章 監査等の結果に関する報告の提出及び公表等

(法に基づく監査等の結果に関する報告の提出及び公表等)

第15条 監査等を終了したときは,すみやかに法第199条第9項等により監査等の結果に関する報告の提出及び公表等の手続をとる。監査の結果に関する報告の提出は,原則として,文書をもって行い,公表は,市公報,市ホームページ等の記載により行う。

2 監査の結果に関する報告及び監査の結果に関する報告に係る勧告の前に必要があると認めるときは,監査の結果について関係責任者に講評し,これに対する弁明又は意見を聴取するものとする。

(監査委員の合議)

第16条 次に掲げる監査等の結果に関する報告等の決定は,監査委員の合議によらなければならない。

(1) 第5条第1項第1号から第4号まで,第6号から第9号及び第12号に定める監査の結果に関する報告(法第199条第12項,法第75条第4項,法第252条の11第5項)

(2) 第5条第1項第10号に定める暫定的停止勧告,監査及び勧告(法第242条第11項)

(3) 第7条に定める審査意見(法第233条第4項,地方公営企業法第30条第5項,法第241条第6項及び地方公営企業法施行令第26条の2,財政健全化法第3条第2項,財政健全化法第22条第3項,法第150条第7項)

(4) 外部監査人の補助者に関する協議及び外部監査契約を解除することに関する意見(法第252条の32第3項及び第252条の35第4項)

(5) 包括外部監査人に係る包括外部監査契約の締結に関する意見,関係者調査に関する協議及び監査の結果に関する意見(法第252条の36第3項及び第252条の38第5項)

(6) 住民の直接請求に基づく監査について,個別外部監査契約に基づく監査によること,及び個別外部監査契約の締結に関する意見(法第252条の39第7項)

(7) 議会の請求に基づく監査について,個別外部監査契約に基づく監査によること,及び個別外部監査契約の締結に関する意見(法第252条の40第4項)

(8) 市長の要求に基づく監査について,個別外部監査契約に基づく監査によること,及び個別外部監査契約の締結に関する意見(法第252条の41第4項)

(9) 市長の要求に基づき,財政援助団体等に対する監査を,個別外部監査契約に基づく監査によること,及び個別外部監査契約の締結に関する意見(法第252条の42第4項)

(10) 住民監査請求に係る監査について,個別外部監査契約に基づく監査によることの決定,個別外部監査契約の締結に関する意見及び個別外部監査人が陳述を行う場合の立会いに関する協議(法第252条の43第3項及び第8項)

(11) 住民監査請求に係る個別外部監査による監査の結果に関する報告における請求理由の有無及び勧告(法第252条の43第5項)

(12) 職員の賠償責任に関する決定及び賠償責任の免除に対する意見(法第243条の2の2第9項)

(13) 第18条の意見の提出(法第199条第12項)

(14) 監査の結果に関する報告に係る勧告の決定(法第199条第12項)

(15) 住民監査請求に係る行為又は怠る事実に関する損害賠償又は不当利得返還の請求権その他の権利の放棄に関する議決をしようとするときに聴かれる意見(法第242条第11項)

(16) 市長等が負う損害賠償責任を一部免れさせる条例の制定又は改廃に関する議決をしようとするときに予め聴かれる意見(法第243条の2第3項)

(17) 別表1―1,4の策定

(18) 別表1―2,2,4の決定

(19) 神戸市監査基準の決定(法第198条の4第2項)

2 監査委員は,監査等の結果に関する報告の決定について,各監査委員の意見が一致しないことにより,前項の合議により決定することができない事項がある場合には,その旨及び当該事項についての各監査委員の意見を議会,市長及び関係のある委員会又は委員に提出するとともに公表するものとする。

(監査等の結果に関する報告への記載事項)

第17条 監査等の結果に関する報告には,概ね次の各号に掲げる事項を記載する。

(1) 監査等の概要

 対象とする事務

 監査対象

 監査等項目及び着眼点

 監査等の方法

 監査等の期間

(2) 監査等の結果

 監査等項目の概要

 評定

 指摘事項(個別実施計画において定める監査等項目及び着眼点に抵触するもの。)

必要に応じて,監査等の実施過程で明らかとなった当該事項の原因等を記載するよう努めるものとする。

 意見(個別実施計画において定める監査等項目及び着眼点に抵触するものではないが,より良い事務処理等を提案するもの。)

 内部統制評価報告書審査においては,市長による評価が評価手続に沿って適切に実施されていないと考えられる場合及び内部統制の不備について重大な不備に当たるかどうかの判断が適切に行われていないと考えられる場合は,その内容を記載するものとする。

2 監査委員は,制約により重要な監査等の手続を実施できなかった場合には,監査等の結果に関する報告にその旨を記載する。

(法に基づく意見の提出)

第18条 監査の結果に基づいて必要があると認めるときは,前条の報告書に添えて法第199条第10項の規定による意見(第5条第5号第10号第11号及び第12号の監査を除く)を提出するものとする。

(情報管理)

第19条 監査委員は,監査等において入手し,又は作成した情報が意図せず外部に流出しないよう,情報管理を徹底しなければならない。

2 監査委員は,監査等において入手した個人情報について,個人情報保護条例等に基づき適切に取り扱わなければならない。

3 監査等の結果は,原則として,正式に報告又は公表する以前に関係者以外の者に知らせてはならない。

(品質管理)

第20条 監査委員は,監査委員の事務を補助する職員に対し,監査委員の職務が本基準に則って遂行されるよう,地方公共団体の財務管理,事業の経営管理その他行政運営に関して,自らの専門能力の向上と知識の蓄積を図るよう研鑽に努めさせるものとする。

2 監査委員は,本基準に則って,その職務を遂行するに当たり求められる質を確保するものとする。そのために,監査委員の事務を補助する職員に対して,適切に指揮及び監督を行うものとする。

(監査の結果に関する報告等の公表)

第21条 監査委員は,監査の結果に関する報告のうち,第5条第1項第1号から第4号まで,第6号から第10号及び第12号に定める監査並びに外部監査人からの報告に係るものについては,速やかに公表しなければならない。

2 監査の結果に関する報告に添える意見及び監査の結果に関する報告に係る勧告の内容についても速やかに公表しなければならない。

(措置等の報告)

第22条 監査の結果に関する報告,住民監査請求に係る勧告及び監査の結果に関する報告に係る勧告に基づき講じた措置等を当該局室区より提出させるものとする。

2 監査委員は,第5条第1号から第4号第6号から第9号及び監査の結果に関する報告に係る勧告並びに外部監査人の監査の結果に基づく議会又は市長等からの措置状況の通知は,これを公表しなければならない。

3 監査委員は,第5条第10号の住民監査請求に基づく監査に係る勧告に基づき,議会又は市長等から必要な措置を講じた旨通知があったときは,これを請求人に通知し,かつ,公表しなければならない。

4 第5条第5号第10号第11号及び第12号の監査を除く監査に係る措置の有無やその状況によっては勧告することを検討する。

第5章 補則

(細目)

第23条 この基準の実施に関し必要な監査実施要領等の細目は,監査事務局長が定める。

附 則

改正後の基準は,決定の日から施行する。

附 則(令和3年3月30日監委訓令甲第2号)

この訓令は,令和3年3月30日から施行する。

別表1―1 年間監査計画(第9条関係)

1 年間監査計画において定める監査等は当該年度に実施する定期監査,行政監査,財政援助団体等監査,例月出納検査,決算審査,基金運用審査,健全化判断比率等審査,内部統制評価報告書審査とする。

2 年間監査計画において定める内容は,監査等の種類,基本方針,対象局室区,実施時期等とする。

3 対象局室区の選定,実施時期の設定にあたっては,事務の性質,量,前回監査の状況等を勘案し,合理的に決めなければならない。

4 年間監査計画は,毎年度3月,委員の会議において翌年度の計画を策定するものとする。

5 年間監査計画策定後,大規模災害やパンデミックなどの発生により,計画が実情に合わなくなった場合は,監査委員の合意に基づいて変更を行う。この場合,当該年度において,監査を実施し得なかったものは翌年度の年間監査計画の策定の際,新規の対象の一つとして,他の対象と並列的にこれを取り扱うものとする。

別表1―2 個別実施計画(第10条関係)

1 個別実施計画においては,①いつ,②どこで,③誰が,④何を,⑤何ゆえ,⑥いかにして,を個別,具体的に立案し定める。

2 定期監査,行政監査及び財政援助団体等監査にあっては,対象とする事務,監査対象,監査項目及び着眼点,期間並びに担当職員を委員の会議において定める。

3 例月出納検査にあたっては,検査の対象,主な着眼点,時期及び担当職員を年間監査計画において定めるものとし,検査の期日は,監査事務局長が定める。

4 決算審査,基金運用審査,健全化判断比率等審査及び内部統制評価報告書審査にあっては,審査の対象,着眼点,日程及び担当職員を委員の会議において定める。

5 監査等項目及び着眼点は,監査実施要領の監査等項目及び着眼点から選択するほか,必要に応じ,対象局室区等の事務事業の内容,市政の動向,時代適合性,危機管理のあり方等を勘案して定めるものとする。妥当性にわたる経済性,効率性,有効性(3E)の観点については,特に個別・具体的に設定する。

6 監査委員は,監査計画の前提として把握した事象若しくは状況が変化した場合又は監査等の実施過程で新たな事実を発見した場合には,必要に応じて適宜,監査計画を修正するものとする。

別表2 監査手続(第10条関係)

監査手続は,評定の基礎となる十分かつ適切な監査証拠を入手できるように計画段階,実施段階を通じて適用する手順であり,次の手続により構成される。

具体的には事前研究(対象とする事務の理解,内部統制の理解及び評価,事前調査),リスク評価手続,内部統制の運用評価手続,実証手続があり,下記に記載する順に実施する。

1 事前研究

(1) 対象とする事務の理解

対象とする事務の状況,関連法規,取り巻く環境等の調査研究を行い,その基礎知識を得る。

(2) 内部統制の理解及び評価

業務活動の遂行を阻害する事象の発生可能性に対応して整備・運用されている内部統制について理解するとともに,内部統制制度の設計の確認をはじめ,誤謬等を有効に防止又は発見・是正できるかどうか等の検討を行う。

(3) 事前調査

監査等について,問題意識を持ち,何が問題であるかを具体化する判断規準を設定して問題の有無を検証し,その解決を図る方向で実施するため,既に実施した監査等を踏まえ全庁共通のリスクを視野に,また個別の対象とする事務に関しては,予め数次にわたって資料を入手し,確認すべき事務を検討して絞り込む。監査に入るに当たっては,そうした検討結果を踏まえた監査の意義や枠組みを監査対象局へ説明する。

2 リスク評価手続

効果的かつ効率的に監査を行うために,対象とする事務における固有リスクについて影響度(損害の規模・影響範囲)と発生頻度から重要なリスクを選定し,このリスクに対して統制リスクを考慮してなおリスクの高いものを監査等項目とする。

リスク評価は,予め監査等項目設定前に行い,個別実施計画では,監査等項目に加え着眼点や監査の方法を具体化する。監査手続の途上においては,監査証拠や新しい情報の入手に応じてリスク評価を修正し,これに応じて監査手続も修正して監査を実施する。

【参考】諸リスクの構造及び関係

対象とする事務のリスク(業務活動の遂行を阻害する事象の発生可能性)は,固有リスク(不正・誤謬が発生するリスク)と統制リスク(不正・誤謬が内部統制によって防止されずまたは発見・是正されないリスク)からなる。これに発見リスク(監査手続を実施しても発見されないリスク),監査固有リスク(監査の方法が原則試査となっていることにより見逃すリスク,監査手続の適用を誤るリスク,監査手続の結果を誤って解釈するリスク)を加味してなお残るものが監査リスク(誤った監査の結果を述べるリスク)である。

3 内部統制の運用評価手続

内部統制の運用状況の有効性を評価するため,それが業務にどう適用されているかを,試査,質問,閲覧,分析的手続などの技法を選択・適用して評定する。精査は通常適用しない。

4 実証手続

実証手続は,発見リスクと監査固有リスクを勘案して個別実施計画において定め,監査等項目及び着眼点に抵触することを見逃さないように実施する。許容できる一定水準以下の監査リスクとなるよう,監査等項目のリスクが高い場合は証拠力の強い手続を,監査等項目のリスクが低い場合は証拠力の弱い手続を選択して個別実施計画に基づき適用する。

実証手続は,抽出により実施する詳細テストと,分析的手続の中から実施する分析的実証手続で構成される。

詳細テストは,監査等項目に対して監査手続の目的に適う有効な抽出方法を決定し下記の(1)①~③の方法のいずれかにより実施する。監査証拠として利用する情報の適合性と信頼性,十分性を考慮して,原則として試査を適用して評定する。

評価したリスクの程度にかかわらず,現金預金をはじめとする勘定残高,資産台帳に対する実施手続は実施する。

(1) 詳細テスト

① 精査(100%の検討)

監査対象となっている事項について,全部にわたり精密に検査し,不法,不正,不当,その他例外事項を発見し,問題点を把握する。

② 特定項目抽出による試査

母集団から特定項目を設定し母集団からその一部の項目を抽出して検査し,その結果によって全体の傾向を把握する。

③ 監査サンプリングによる試査

母集団内のすべてのサンプリング単位に抽出の機会が与えられるような方法で母集団からその一部の項目を抽出して検査し,その結果によって全体の傾向を把握する。

(2) 分析的実証手続

選択・適用する技法がリスクに対して適切かどうか,推定に使用するデータの信頼性はどうか,十分な精度かどうか,推定値が許容可能な範囲かどうかを検討したうえで,要素別,時間別,比率別,問題別等に分析して事実の性質,内容を究明し,評定する。

① 比較

年度別,時間別あるいは都市別等に事実を比較して,問題点を究明し評定する。

② 調整

関連のある調査項目相互の相違点を,別の関係資料によって補足し,その実質的一致を確かめ評定する。

③ 総合

諸種の事実を総合して,総括的な観点から事実を判断して評定する。

【参考】 監査手続と監査証拠を入手する監査の技法の体系

画像

別表3 監査証拠を入手する監査の技法(第10条関係)

監査証拠を入手するために,リスク評価手続,内部統制の運用評価手続,又は実証手続を実施する際に適用する。具体的には,質問,閲覧,実査,観察,確認,再計算,再実施及び分析的手続などがあり,個々の技法を組み合わせて適用する。

1 監査証拠を入手する監査の技法の種類

(1) 質問

事実の存否又は問題点等について,当事者,関係者等に質問して確かめる。

(2) 閲覧

紙媒体,電子媒体又はその他の媒体による内部及び外部の記録や文書を確かめるため,記録や文書を閲覧する。

(3) 実査

事実の存否について,実地に現物検証,現場検証等によって直接検証する。

(4) 観察

プロセスや手続について,実施する様子を確かめる。

(5) 確認

事実の存否を,写真その他の証拠等をもって確かめる。

(6) 再計算

記録や文書の計算の正確性について自らが計算し確かめる。

(7) 再実施

実施されている手続を自ら実施する事によって確かめる。

(8) 分析的手続

財務データ相互間又は財務データ以外のデータとの間に存在すると推定される関係を分析・検討することによって,財務情報を評価する。分析的手続には,他の関連情報と矛盾する,または推定値と大きく乖離する変動や関係の調査も含まれる。

(9) その他の監査技法

① 資料要求

対象とする事務の現状,実態等を把握するため,その収支等の計数及び状況等を資料として要求し,あわせて検証する関係書類を整備させるとともに,監査を確実,迅速,かつ容易にし,さらには問題点を把握する。

② 通査

帳簿等の諸資料を概観して,例外事項,異常現象を発見し,問題点を把握する。

③ 照合

関係諸記録を計算,帳簿,証拠,陳述及びその他の資料によって相互に突き合わせ,その記録又は計算の正否を確かめる。

④ 立会

物品等の在庫高調査又は実地棚卸等を行う際に,現場に立会い,その実施状況を視察して正否を確かめる。

【参考】 監査証拠を入手する監査の技法の分類

・形態別分類

・実施時期による分類(期末手続,期中手続)

・監査対象による分類(実証手続,内部統制の運用評価手続)

・証拠力の程度による分類(証拠力の強い手続,証拠力の弱い手続)

【参考】 監査証拠を入手する監査の技法の監査リスクの程度に応じた選択

・監査リスクが高い場合…証拠力の強い手続(実査,立会,確認,期末手続)を選択する。

・監査リスクが低い場合…証拠力の弱い手続(質問,閲覧,照合,分析的手続,期中手続)を選択する。

神戸市監査基準

令和元年12月20日 監査委員訓令甲第1号

(令和3年3月30日施行)

体系情報
第3類
沿革情報
令和元年12月20日 監査委員訓令甲第1号
令和3年3月30日 監査委員訓令甲第2号