○高知市産業廃棄物処理指導要綱
平成10年4月1日
告示第67号
(目的)
第1条 この要綱は,事業者及び産業廃棄物処理業者(以下「事業者等」という。)が産業廃棄物処理施設の設置及び維持管理を行う場合に,廃棄物の処理及び清掃に関する法律(昭和45年法律第137号。以下「法」という。)に定めるもののほか,産業廃棄物の適正な処理に関して必要な事項を定めることにより,生活環境の保全及び公衆衛生の向上並びに産業経済活動の円滑な推進を図ることを目的とする。
(1) 産業廃棄物 法第2条第4項及び第5項に規定する産業廃棄物をいう。
(2) 事業者 産業廃棄物を排出する事業者をいう。
(3) 産業廃棄物処理業者 法第14条第1項若しくは第6項又は第14条の4第1項若しくは第6項の規定による許可を受けようとする者及びこれらの規定による既に許可を受けている者(以下「処理業者」という。)をいう。
(4) 産業廃棄物の処理 産業廃棄物の収集・運搬,中間処理及び最終処分をいう。
(5) 中間処理 産業廃棄物を減量化,安定化又は無害化させるために,産業廃棄物を焼却,破砕又は中和させるなどの処理をいう。
(6) 中間処理施設 次に掲げる施設をいう。
ア 廃棄物の処理及び清掃に関する法律施行令(昭和46年政令第300号。以下「政令」という。)第7条第1号から第13号の2までに掲げる施設
イ 処理業者が業の用に供するために設置する政令第7条第1号から第13号の2までに定める規模に満たない施設その他破砕,圧縮,選別等の施設
(7) 最終処分場 政令第7条第14号に掲げる施設をいう。
(8) 事前協議書 第7条第1項に規定する協議書をいう。
(9) 関係市町村 第6条第1項各号に規定する区域を管轄する市町村をいう。
(事業者等の責務)
第3条 事業者等は,産業廃棄物の処理に起因する公害及び災害の発生を防止し,地域住民の生命及び財産に被害を与えないようにしなければならない。
2 事業者等は,中間処理施設及び最終処分場の設置等に関する事前協議書の策定に当たっては,事前に関係市町村及び地域住民への説明を行うとともに,他法令等の規制がある場合はその解除等の手続をとらなければならない。
3 事業者等は,産業廃棄物の処理を行う場合は,マニフェストシステムによる適正な処理を図らなければならない。
4 高知市が実施する公共事業にあっては,仕様書にマニフェストシステムによる産業廃棄物の処理を明記しなければならない。
(高知県及び関係市町村との連携)
第4条 高知市は,産業廃棄物の適正な処理を推進するため,高知県及び関係市町村と密接な連携を図るものとする。
(立地基準)
第5条 事業者等は,次の各号に掲げる地域又は地区には,原則として最終処分場を設置してはならない。
(1) 自然公園特別地域(高知県立自然公園条例(昭和33年高知県条例第5号)第13条第1項の規定による自然公園特別地域をいう。)
(2) 自然環境保全地域(高知県自然環境保全条例(昭和48年高知県条例第27号)第18条第1項の規定による自然環境保全地域をいう。)
(3) 地すべり防止区域(地すべり等防止法(昭和33年法律第30号)第3条第1項の規定による地すべり防止区域をいう。)
(4) 急傾斜地崩壊危険区域(急傾斜地の崩壊による災害の防止に関する法律(昭和44年法律第57号)第3条第1項の規定による急傾斜地崩壊危険区域をいう。)
(5) 保安林(森林法(昭和26年法律第249号)第25条第1項の規定による保安林をいう。)
(6) 水道の取水地点から上流1,000メートル以内の区域
(7) 鏡川清流保全条例(平成元年条例第37号)第8条第1項の規定による水質管理区域及び同条例第15条第1項の規定による自然環境保全区域
(地域住民等の同意)
第6条 事業者等は,中間処理施設又は最終処分場を設置する場合は,次の各号に掲げる者の同意を得なければならない。
(1) 隣接地の土地所有者及び土地の使用権原を有する者
(2) 設置しようとする施設の敷地境界から中間処理施設にあっては300メートル以内,最終処分場にあっては500メートル以内に居住する地域住民の世帯主の3分の2以上の者
(3) 最終処分場からの排水を公共用水域に放流する場合は,放流地点から下流500メートル以内の水利権者
(1) 移動可能な施設であって,次のいずれかに該当する特定建設作業を行う場所に設置するもの(焼却施設を除く。)
ア 騒音規制法施行令(昭和43年政令第324号)別表第2に規定する作業
イ 振動規制法施行令(昭和51年政令第280号)別表第2に規定する作業
ウ 高知市公害防止条例施行規則(昭和50年規則第75号)別表第5に規定する作業
(2) 都市計画法(昭和43年法律第100号)第8条第1項の規定による工業専用地域に設置するもの
(事前協議)
第7条 事業者等は,中間処理施設若しくは最終処分場を設置し,又はその構造若しくは規模の変更を行う場合は,事前に,第1号様式による事前協議書を市長に提出し,協議しなければならない。
2 事業者等は,前項の協議内容に変更があった場合は,新たに事前協議書を作成し,市長に提出しなければならない。
(産業廃棄物の最終処分場の災害防止計画)
第8条 事業者等は,最終処分場の設置に際しては,次に掲げる災害防止のための計画を定めて,事前協議書に添付するものとする。
(1) 産業廃棄物の飛散及び流出の防止に関する事項
(2) 公共の水域及び地下水の汚染の防止に関する事項
(3) 火災の発生の防止に関する事項
(4) その他最終処分場に係る災害防止に関する事項
(関係市町村長等に対する照会)
第9条 市長は,事業者等から事前協議書が提出された場合は,当該協議書の内容を第2号様式により高知県知事及び関係市町村の長に照会し,関係法令との整合性等について意見を求めるものとする。
2 市長は,事前協議書の内容について,他法令等の規制の有無等を関係部局に照会するものとする。
(事前協議内容の変更等の勧告)
第10条 市長は,事前協議の内容に変更を要する場合又は計画の廃止が相当と認める場合は,第3号様式により事業者等に協議内容の変更又は計画の廃止の勧告を行うものとする。
2 事業者等は,協議内容の変更の勧告を受けた場合は,速やかに必要な措置を講じるとともに,第4号様式によりその結果を市長に報告するものとする。
3 市長は,前項の報告において,勧告事項が改善されていないと認める場合は,当該計画の廃止の勧告を行うものとする。
(事前協議書の取下げ)
第11条 事業者等は,次に掲げる場合には,第5号様式により事前協議書を取り下げるものとする。
(1) 前条第1項の変更の勧告に対し,必要な措置を講ずることができない場合
(2) 第7条第1項の規定により提出した事前協議書の内容を変更又は廃止する場合
(事前協議の完了)
第12条 市長は,事前協議の内容に支障がないと認める場合又は勧告により事前協議内容の変更の勧告が改善されたと認めた場合は,第6号様式による事前協議完了通知書を事業者等に送付し,併せてその写しを高知県及び関係市町村の長に送付するものとする。
(県外産業廃棄物処理(受託)協議)
第13条 高知県の区域外の事業場で発生した産業廃棄物(以下「県外産業廃棄物」という。)は,市長の承認を受けた場合を除き,高知市の区域内においてはこれを処理(積卸しを行わない運搬を除く。以下同じ。)することができない。
2 運搬及び再生以外の処理に係る前項の承認は,災害その他やむを得ない理由があると市長が認める場合に限り,するものとする。
3 第1項の承認の有効期間は,5年(災害又は建設工事等により発生した県外産業廃棄物を処理する場合にあっては,5年以内)とする。
5 市長は,前項の規定に基づく協議があった場合で,緊急の必要があると認めるときは,仮に事業者等が県外産業廃棄物を高知市の区域内において処理することを承認すること(以下「仮承認」という。)ができる。
6 仮承認の有効期間は,市長が必要と認める期間とする。
4 市長は,前項の報告において,勧告事項が改善されていないと認める場合は,当該計画の廃止の勧告を行うものとする。
(県外産業廃棄物処理(受託)協議内容の変更)
第15条 事業者等は,第13条第4項の規定に基づく協議内容のうち,次に掲げる事項を変更しようとする場合は,新たに協議書を作成し,市長に提出しなければならない。
(1) 事業者の事業場の所在地
(2) 県外産業廃棄物の処理を行う場所の所在地
(3) 県外産業廃棄物の種類
(4) 県外産業廃棄物の年間処理量の上限(10パーセント以上増加する場合に限る。)
(5) 県外産業廃棄物の処理の方法
(分析試験結果の報告)
第16条 県外産業廃棄物を再生利用以外の目的のために処理する事業者等は,当該廃棄物の分析試験を年2回以上行い,その試験結果の報告書を市長に提出するものとする。
(環境調査)
第17条 事業者等は,中間処理施設及び最終処分場を設置しようとする場合は,事前に別表1に掲げる項目について環境調査を行い,周辺の環境に与える影響の予測・検討を行うものとする。
(排水基準等の遵守)
第18条 事業者等は,最終処分場の設置及び維持管理について,次の各号に定める基準等を遵守しなければならない。
(1) 地下水の監視のため,水質監視用井戸を設置し,別表2に掲げる項目について,低水位・高水位時の年2回以上水質検査を行うこと。
(2) 最終処分場からの排水を公共用水域に放流する場合は,別表2の一般項目の29から32までは毎月,その他の項目については年2回以上水質検査を行うこと。
(3) 水質検査の結果,排水基準を超えた場合は,速やかに産業廃棄物の搬入を停止し,その原因を調査し,必要な措置を講じるとともに,市長に報告すること。
(4) 水質検査の結果を記載した書類は,当該最終処分場の廃止までの間これを保存すること。
2 前項の規定により行った水質検査の結果については,毎年1月31日までに前年行った水質検査結果を市長に報告するものとする。
3 市長は,前項の報告があったときは,その内容を地域住民に公開できるものとする。
3 市長は,工事完了の検査を行った結果,事業者等に指示事項がないと認められるときは,検査済証を交付するものとする。
(許可申請等の時期)
第20条 政令第7条に定める産業廃棄物処理施設の設置許可申請は,第12条の事前協議の完了後に行うものとする。
2 法第14条第6項,第14条の2第1項,第14条の4第6項又は第14条の5第1項に規定する許可申請は,前条第3項の工事完了の検査済証の交付を受けた後に行うものとする。
(事故の措置)
第21条 事業者等は,産業廃棄物の処理施設等その他関連施設の故障,破損等により事故が生じたときは,直ちに必要な措置を講じるとともに,速やかにその状況を市長に報告するものとする。
2 事業者等は,前項に規定する場合において,市長が事故の拡大又は再発防止のために必要な措置を講ずべき旨を指示したときは,これに従わなければならない。
(廃止又は休止)
第22条 事業者等は,中間処理施設の一部若しくは全部を廃止し,又は休止したときは,遅滞なく第12号様式による産業廃棄物の処理施設廃止(休止)届出書を市長に提出しなければならない。
(指導に従わない者に対する措置)
第23条 市長は,この要綱に基づく勧告に従わない事業者等については,必要に応じて内容を公表するものとする。
(書類の提出)
第24条 この要綱の規定により市長に提出する書類の部数は,各2部とする。
(国等に関する特例)
第25条 国若しくは地方公共団体又はこれらに準ずる公益法人が産業廃棄物の処理施設を設置しようとするときは,この要綱の規定にかかわらず,市長との協議により行うものとする。
(その他)
第26条 この要綱の施行に関し必要な事項は,市長が別に定める。
附則
(施行期日)
1 この要綱は,平成10年4月1日から施行する。
(経過措置)
2 この要綱の施行の際現に効力を有する高知県産業廃棄物処理指導要綱(平成3年3月15日制定。以下「県要綱」という。)の規定に基づいて行った高知県知事若しくは高知県の保健所長(以下「知事等」という。)の行為又はこの要綱の施行の際現に知事等に対して行っている行為でこの要綱に相当する規定の存するものは,この要綱の施行の日以後において,高知市長の行った行為又は高知市長に対して行っている行為とみなす。
(鏡村及び土佐山村の編入に伴う経過措置)
3 鏡村及び土佐山村の編入(以下この項において「編入」という。)の際現に効力を有する県要綱の規定に基づいて行った知事等の行為又は編入の際現に知事等に対して行っている行為でこの要綱に相当する規定の存するものは,編入の日以後において,高知市長の行った行為又は高知市長に対して行っている行為とみなす。
(春野町の編入に伴う経過措置)
4 春野町の編入(以下「編入」という。)の際現に効力を有する県要綱の規定に基づいて行った知事等の行為又は編入の際現に知事等に対して行っている行為でこの要綱に相当する規定の存するものは,編入の日以後において,高知市長の行った行為又は高知市長に対して行っている行為とみなす。
附則(平成11年3月1日告示第28号)
この要綱は,平成11年3月1日から施行する。
附則(平成16年7月1日告示第135号)
この要綱は,平成16年7月1日から施行する。
附則(平成17年1月1日告示第14号)
この要綱は,平成17年1月1日から施行する。
附則(平成20年1月1日告示第18号)
この要綱は,平成20年1月1日から施行し,改正後の附則第2項の規定は,平成10年4月1日から適用する。
附則(平成28年3月15日告示第42号)
この要綱は,平成28年3月15日から施行する。
附則(平成29年4月1日告示第43号)
この要綱は,平成29年4月1日から施行する。
附則(平成31年4月1日告示第48号)
(施行期日)
1 この要綱は,平成31年4月1日から施行する。
(経過措置)
2 この要綱による改正前の高知市産業廃棄物処理指導要綱の規定に基づく様式は,この要綱による改正後の高知市産業廃棄物処理指導要綱の規定に基づく様式にかかわらず,当分の間,なお修正して使用することができる。
附則(令和4年3月3日告示第47号)
(施行期日)
1 この要綱は,令和4年3月3日から施行する。
(経過措置)
2 この要綱による改正前の高知市産業廃棄物処理指導要綱の規定に基づく様式は,この要綱による改正後の高知市産業廃棄物処理指導要綱の規定に基づく様式にかかわらず,当分の間,なお使用することができる。
別表1(第17条関係)
環境調査書
地形,地質等の事前調査の結果 その1
調査項目 | 結果 |
(1) 地形調査 | (谷口形状) (谷の開口幅,奥行,比高差) |
(2) 地質調査 | (在来地盤の成層状況) (断層の有無) |
(3) 地下水調査 | (地下水の水位及び水質) |
(4) 表流水等調査 | (計画地内に流入する表流水量) (放流先河川名及び水質汚濁に係る環境基準の類型) (放流先河川の低水量及び現況水質) (放流先河川の利水状況) |
(5) 降水 | (平均降雨量及び最大月間降雨量) |
(6) 文化財 | (文化財の有無) |
(7) 搬入道路 | (搬入道路の種類) (道路幅員及び舗装状況) |
(8) 土地利用 | (土地利用の状況) (他法令の規制解除条件) |
(9) 騒音 | (騒音レベル) |
(10) 既往災害 | (目安として過去20年の地滑り,崩壊等の災害の発生の有無) |
別表2(第18条関係)
排水基準
項目 | 許容限度 | ||
有害物質 | 1 | カドミウム及びその化合物 | 0.03mg/l |
2 | シアン化合物 | 1mg/l | |
3 | 有機燐化合物 | 1mg/l | |
4 | 鉛及びその化合物 | 0.1mg/l | |
5 | 六価クロム化合物 | 0.5mg/l | |
6 | ひ素及びその化合物 | 0.1mg/l | |
7 | 水銀及びアルキル水銀その他の水銀化合物 | 0.005mg/l | |
8 | アルキル水銀化合物 | 検出されないこと | |
9 | ポリ塩化ビフェニル | 0.003mg/l | |
10 | トリクロロエチレン | 0.1mg/l | |
11 | テトラクロロエチレン | 0.1mg/l | |
12 | ジクロロメタン | 0.2mg/l | |
13 | 四塩化炭素 | 0.02mg/l | |
14 | 1・2―ジクロロエタン | 0.04mg/l | |
15 | 1・1―ジクロロエチレン | 1mg/l | |
16 | シス―1・2―ジクロロエチレン | 0.4mg/l | |
17 | 1・1・1―トリクロロエタン | 3mg/l | |
18 | 1・1・2―トリクロロエタン | 0.06mg/l | |
19 | 1・3―ジクロロプロペン | 0.02mg/l | |
20 | チウラム | 0.06mg/l | |
21 | シマジン | 0.03mg/l | |
22 | チオベンカルブ | 0.2mg/l | |
23 | ベンゼン | 0.1mg/l | |
24 | セレン及びその化合物 | 0.1mg/l | |
25 | 1・4―ジオキサン | 0.5mg/l | |
26 | ほう素及びその化合物 | 10mg/l(海域以外) 230mg/l(海域) | |
27 | ふっ素及びその化合物 | 8mg/l(海域以外) 15mg/l(海域) | |
28 | アンモニア,アンモニウム化合物,亜硝酸化合物及び硝酸化合物 | 100mg/l 注 | |
一般項目 | 29 | 水素イオン濃度 | 5.8~8.6 |
30 | 生物化学的酸素要求量(BOD) | 20mg/l | |
31 | 化学的酸素要求量(COD) | 20mg/l | |
32 | 浮遊物質量 | 60mg/l | |
33 | ノルマルヘキサン抽出物質含有量(鉱油類含有量) | 5mg/l | |
34 | ノルマルヘキサン抽出物質含有量(動植物油脂類含有量) | 20mg/l | |
35 | フェノール類含有量 | 1mg/l | |
36 | 銅含有量 | 3mg/l | |
37 | 亜鉛含有量 | 5mg/l | |
38 | 溶解性鉄含有量 | 10mg/l | |
39 | 溶解性マンガン含有量 | 10mg/l | |
40 | クロム含有量 | 2mg/l | |
41 | 大腸菌群数 | 日間平均3,000個/cm3 | |
42 | 窒素含有量 | 日間平均60mg/l | |
43 | 燐含有量 | 日間平均8mg/l |
注 アンモニア性窒素に0.4を乗じたもの,亜硝酸性窒素及び硝酸性窒素の合計量