○松本市受動喫煙防止に関する条例
平成31年3月18日
条例第3号
前文
いつまでも健康であり続けることは、市民の願いである。健康寿命を延伸するためには、受動喫煙が健康に及ぼす害について普及啓発活動に努めるとともに、受動喫煙を生じさせない環境整備を進めることが必要である。
「健康寿命延伸都市・松本」を将来の都市像に掲げ、「健康」を軸に様々な施策を展開している松本市は、市、市民等及び事業者が協力し合い、未来を担う子どもたちに誇れる受動喫煙のない美しいまちづくりを推進することで、市民一人ひとりが健康でいきいきと暮らせる社会の実現を目指し、この条例を制定する。
(目的)
第1条 この条例は、公共の場所における受動喫煙の防止に関し、市、市民等及び事業者の責務を明らかにするとともに、受動喫煙に関する共通認識を広め、受動喫煙を防ぐ措置を講ずることにより、健康で快適な生活環境を保持することを目的とする。
(1) たばこ たばこ事業法(昭和59年法律第68号)第2条第3号に掲げる製造たばこであって、同号に規定する喫煙用に供されるもの及び同法第38条第2項に規定する製造たばこ代用品をいう。
(2) 喫煙 たばこに火をつけ、又はこれを加熱し、その煙を発生させることをいう。
(3) 受動喫煙 人が他人の喫煙によりたばこから発生した煙にさらされることをいう。
(4) 公共の場所 学校、病院、官公庁、劇場、集会所等の施設及び道路、公園その他の不特定多数の者の利用に供する場所をいう。
(5) 歩きたばこ 公共の場所において、歩行中(自転車等の乗車中を含む。)に喫煙することをいう。
(6) 市民等 市内に居住し、通勤し、通学し、若しくは滞在し、又は市内を通過する者をいう。
(7) 事業者 市内で事業活動を行う法人その他の団体又は個人をいう。
(8) 自転車等 自転車、原動機付自転車、大型自動二輪車及び普通自動二輪車をいう。
(基本理念)
第3条 受動喫煙の防止は、たばこの煙が生活習慣病等の疾病との因果関係が科学的にも明らかにされている中、受動喫煙により他人の健康に悪影響を及ぼすことを理解し、市、市民等及び事業者による協力の下、推進されなければならない。
2 受動喫煙の防止は、健康被害を受けやすい子ども、妊産婦、病者その他受動喫煙に配慮を必要とする者(以下「要配慮者」という。)について、受動喫煙を生じさせないための施策が重要との認識の下、推進されなければならない。
(市の責務)
第4条 市は、この条例の目的を達成するため、受動喫煙を防止する施策を総合的に実施しなければならない。
2 市は、市民等及び事業者の受動喫煙防止に関する取組みを促進するために、必要な支援を行わなければならない。
(市民等の責務)
第5条 市民等は、受動喫煙の防止に関する理解を深めるとともに、市が実施する施策に協力するよう努めなければならない。
2 市民等は、歩きたばこをしてはならない。
3 市民等は、公共の場所で喫煙する際には、受動喫煙による健康被害について配慮しなければならない。この場合において、要配慮者が周囲にいるときは喫煙してはならない。
(事業者の責務)
第6条 事業者は、公共の場所における受動喫煙を防止するため、灰皿の撤去、移設等の受動喫煙を生じさせない環境整備に努めなければならない。
2 事業者は、受動喫煙を防止するため、従業員その他事業活動にかかわる者の意識啓発を図るとともに、市が実施する施策に協力するよう努めなければならない。
(連携による取組み)
第7条 市、市民等及び事業者は、公共の場所において、受動喫煙が生じないように、相互に連携を図りながら協力するよう努めなければならない。
2 市、市民等及び事業者は、健康増進のため、たばこの煙による健康被害についての教育及び啓発に連携して努めなければならない。
(受動喫煙の防止)
第8条 市長は、受動喫煙の防止を図るため、別に定める区域を受動喫煙防止区域として指定することができる。
2 市長は、受動喫煙防止区域を指定しようとするときは、あらかじめ当該区域の市民等及び事業者の意見を聴くものとする。
3 市長は、必要があると認めるときは、受動喫煙防止区域内又はその周辺において、受動喫煙を防止するために必要な措置が講じられた喫煙することができる場所(以下「指定喫煙所」という。)を指定することができる。
4 市長は、前3項の規定により、受動喫煙防止区域又は指定喫煙所を指定したときは、その旨を告示するものとする。
5 市長は、必要があると認めるときは、受動喫煙防止区域の指定を解除し、又はその区域を変更することができる。この場合において、前項の規定は、当該指定の解除及び区域の変更について準用する。
(受動喫煙防止区域内における喫煙の禁止)
第9条 市民等は、受動喫煙防止区域内において喫煙をしてはならない。ただし、指定喫煙所で喫煙する場合においては、この限りでない。
(指導)
第10条 市長は、受動喫煙防止区域内で喫煙した者(指定喫煙所での喫煙を除く。)に対し、必要な指導をすることができる。
(委任)
第11条 この条例に定めるもののほか、この条例の施行に関し必要な事項は、市長が別に定める。
附則
(施行期日)
1 この条例は、平成31年7月1日から施行する。
(準備行為)
2 受動喫煙防止区域の指定その他この条例を施行するために必要な準備行為は、この条例の施行前においても行うことができる。