○三鷹市総合設計許可要綱
平成14年4月1日
施行
第1 総則
1 目的及び趣旨
この要綱は三鷹市基本構想(平成13年9月28日議決)、第3次三鷹市基本計画(平成13年11月28日確定)、三鷹市再開発基本計画等の行政計画及び三鷹市まちづくり条例に基づく三鷹市のまちづくりを推進することを目的として、良好な市街地環境の整備改善に寄与する建築計画に対し建築基準法(昭和25年法律第201号。以下「法」という。)第59条の2の規定に基づく総合設計制度の適切かつ積極的な活用を図るため、総合設計許可の取扱方針を定めるものとする。
2 運用方針
この要綱は、特定行政庁の許可の取扱方針を定めたものであるとともに、その許可に係る良好な建築計画の要件となる基準を広く一般に示したものである。この基準は、技術基準として、許可の申請に当たっての必要条件としての性格を持つものであり、許可の条件を十分に充たすものであるか否かは、具体的な計画に即し、総合設計制度の趣旨等を勘案して判断する必要がある。したがって、本制度の運用に当たっては、常に1の目的及び趣旨に照らし合せて総合的見地から行うものとする。
3 用語の定義
この要綱において、次の各号に掲げる用語の定義は、それぞれ当該各号に定めるところによる。
ア 計画建築物 総合設計の計画に係る建築物をいう。
イ 一般建築物 計画建築物の敷地内において法第3章第4節の一般規定によって許容される建築物をいう。
ウ 基準建ぺい率 法第53条に規定する建ぺい率を(%)で表したものをいう。
エ 空地 建築物又はこれに準じる工作物に覆われていない敷地の部分をいう。
オ 空地率 次式による数値をいう。
カ 基準容積率 法第52条に規定する容積率を(%)で表したものをいう。
キ 割増容積率 この要綱によって基準容積率に割増しされる容積率(%)をいう。
ク 公開空地 計画建築物の敷地内の空地又は開放空間(建築物の屋上、ピロティ、アトリウム等をいう。)のうち、日常一般に公開される部分(当該部分に設ける環境の向上に寄与する植栽、花壇、池泉等及び空地の利便性の向上に寄与する公衆便所等の小規模の施設に係る土地並びに屋内に設けられるもの等で、特定行政庁が深夜等に閉鎖することを認めるものを含み、自動車が出入り又は駐車する部分及び自転車が駐輪する部分を除く。)で、第3の1の(1)に定める公開空地の基準に適合する次の(ア)から(エ)までに該当するものをいう。
(ア) 歩道状空地 前面道路に沿って設ける歩行者用の空地(当該空地に沿って設ける修景施設のうち、その接する部分から幅4メートル未満の部分を含む。)をいう。
(イ) 貫通通路 敷地内の屋外空間及び計画建築物内を動線上自然に通り抜け、かつ、道路、公園その他これらに類する公共施設(以下「道路等の公共施設」という。)相互間を有効に連絡する歩行者用通路(当該通路に沿って設ける修景施設のうち、その接する部分から幅員4メートル未満の部分を含む。)をいう。
a 屋外貫通通路 貫通通路のうち、計画建築物の屋外に設けるものをいう。
b 屋内貫通通路 貫通通路のうち、計画建築物の屋内に設けるものをいう。
(ウ) アトリウム 計画建築物内に設ける大規模な吹き抜け空間で、天空光を確保できるものをいう。
(エ) 広場状空地 (ア)から(ウ)までに掲げる以外の公開空地で、一団の形態をなすものをいう。
ケ 公開空地の有効面積 公開空地の面積に、当該公開空地の種別に応じて第3の1の(2)に定める公開空地の有効係数を乗じた数値をいう。
コ 有効公開空地率 次式による数値をいう。
サ 基準公開空地率 有効公開空地率から第2の計画の基本要件に定める有効公開空地率の最低限度を減じた数値をいう。
シ 道路斜線制限 法第56条第1項第1号に規定する道路からの建築物の高さの制限をいう。
ス 隣地斜線制限 法第56条第1項第2号に規定する隣地からの建築物の高さの制限をいう。
セ 斜線投影面積 第3の2に定める斜線投影図の作図法による斜線投影図のうち、敷地境界線から外側の部分の面積をいう。
4 適用区域
適用区域は、三鷹駅前地区再開発基本計画(平成8年3月三鷹市策定)に定める三鷹駅南口駅前地区の約17haの区域とする。
5 許可の対象となる建築計画
この要綱により許可の対象となる建築計画は、法及び建築基準法施行令(昭和25年政令第338号。以下「令」という。)に定める有効な都市空間の確保を基調とし、併せて第1の1に定める本市の望ましいまちづくりの実現に貢献する次の要件に適合する計画とする。
ア 一定規模以上の敷地面積を有すること。
イ 一定比率以上の実効あるオープンスペースを確保していること。
ウ 周辺の市街地環境に対して配慮した建築形態であること。
エ 計画の規模及び周辺市街地の状況に応じ、都市公共施設等の機能補完又はこれらの負荷軽減のための具体的な措置を講じていること。
オ 計画の規模に応じ、周辺市街地の防災、避難に有効な施設を設けていること。
カ 福祉のまちづくりの推進に配慮したものであること。
キ 計画の内容に応じ、適切に用途・施設が計画されていること。
ク 敷地内の空地及び建築物の屋上等について、緑化が図られていること。
ケ その他本市の行政計画の理念に沿った計画であること。
6 緩和の基準が適用される法の規定
第2の1に定める法令要件及び第2の2に定める付加要件に適合し、かつ、第4に定めるそれぞれの緩和基準に適合する建築計画にあっては、次のア及びイの基準に応じて掲げる法の規定について、緩和の対象とする。
ア 第4の1に定める道路斜線制限及び隣地斜線制限の緩和の基準
法第56条第1項第1号及び第2号の規定
イ 第4の2に定める容積率制限の緩和の基準
法第52条第1項から第6項までの規定
7 他の手法との併用
都市計画で定める高度地区(最高限高度地区)の規定に基づく許可の特例と総合設計を併用する場合においては、「都市計画高度地区内の総合設計に係る建築物の高度地区の高さ制限の許可基準」に適合するものとする。
8 計画建築物の敷地が二以上の区域、地域、地区の内外にわたる場合の取扱い
計画建築物の敷地が区域、地域、地区の内外にわたる場合は、本要綱に別に定めのある場合又は法第52条から第54条まで、第55条から第56条の2まで及び第58条に規定する場合を除き、その建築物又はその敷地の全部について、敷地の過半の属する区域、地域、地区の建築物に関するこの要綱の規定を適用する。
第2 計画の基本要件
1 法令要件
(1) 空地率の最低限度
ア 計画建築物の敷地内における空地率の最低限度は、当該敷地の基準建ぺい率に応じて、下表に掲げる数値とする。
(単位 %)
基準建ぺい率(Fo) | 空地率 |
55<Fo≦100 | 120-Fo |
イ 絶対高制限、道路斜線制限又は隣地斜線制限のみを超える計画建築物の敷地内における空地率の最低限度は、アの規定にかかわらず、当該敷地の基準建ぺい率に応じて、下表に掲げる数値とする。
(単位 %)
基準建ぺい率(Fo) | 空地率 |
55<Fo≦100 | 115-Fo |
(2) 敷地面積の最低限度
計画建築物の敷地面積の最低限度は、用途地域の種別に応じて、下表に掲げる数値とする。
(単位 m2)
用途地域 | 敷地面積 |
第一種低層住居専用地域及び第二種低層住居専用地域以外の地域 | 500 |
2 付加要件
(1) 前面道路の幅員
計画建築物の敷地は、幅員8メートル以上の道路に接するものであること。ただし、計画建築物の敷地が、幅員6メートル以上の道路に当該敷地境界線の長さの合計の4分の1以上接する場合で、かつ、幅員4メートル以上の歩道状空地(当該道路境界線から2メートルまでの部分は、建築物又は建築物の部分で覆われていないものとする。この場合、公開空地の有効面積の算定から除くものとする。)を当該道路に接して有効に設けたときは、この限りでない。
(2) 接道長
計画建築物のそれぞれの敷地の接道長については、(1)に掲げる数値以上の幅員を有する道路に当該敷地境界線の長さの合計の6分の1以上接するものであること。ただし、(1)のただし書に掲げる場合及び敷地内に屋外貫通通路を確保することにより、又は地区計画若しくは法第4章の規定に基づく建築協定の内容に適合することにより計画的に街区整備を図っていく上で、支障がないと認められる場合は、この限りでない。
(3) 有効公開空地率の最低限度
計画建築物の敷地内における有効公開空地率の最低限度は、当該敷地の基準容積率に応じて、下表に掲げる数値とする。
(単位 %)
基準容積率(Vo) | 有効公開空地率の最低限度(Po) |
100<Vo<500 | |
500≦Vo | 10 |
(4) 歩道状空地及び広場状空地の設置
計画建築物の敷地には、原則として歩道状空地及び広場状空地を設けること。
(5) 外壁面の後退
計画建築物の外壁又はこれに代わる柱の外面から敷地境界線まで及び歩道状空地で通行可能な部分までの水平距離は、当該部分の計画建築物の高さ(敷地境界線又は歩道状空地の地表面からの高さをいう。)の平方根の2分の1以上であること。ただし、落下物に対する危険防止の措置を有効に講じているもの又は高さが12メートル以下の部分については、この限りでない。
第3 計画基準
1 公開空地
(1) 公開空地の基準
ア 歩道状空地は、次に掲げるものであること。
(ア) 幅員が3メートル以上で、かつ、通行可能な部分の幅(以下「有効幅員」という。)が2メートル以上であり、原則として前面道路に接する全ての部分に設けるものであること。ただし、当該部分に沿って有効幅員が3メートル以上の歩道がある場合における歩道状空地の有効幅員については、この限りでない。
(イ) 原則として段差が設けられておらず、車椅子ですれ違いが可能であるなど福祉のまちづくりに寄与する構造であること。
イ 貫通通路は、次に掲げるものであること。
(ア) 屋外貫通通路は、幅員が3メートル以上で、かつ、有効幅員が2メートル以上であること。ただし、車路に沿って設ける貫通通路にあっては、幅員が2メートル以上で、かつ、有効幅員を1.5メートル以上とすることができる。
(イ) 屋内貫通通路は、有効幅員が8メートル以上で、かつ、天井の各部分の高さが12メートル以上であること。
ウ アトリウムは、おおむね、幅が30メートル以上で、かつ、床面から天井までの高さが30メートル以上であり、他の公開空地と有効に連絡する吹き抜け空間であること。
エ 一の広場状空地(当該空地面に高低差がある場合において、その高低差が3メートル以内であり、かつ、その相互間を有効に連絡するものを含む。以下同じ。)は、次のいずれにも該当するものであること。ただし、二以上の広場状空地が一体の空間をなし、かつ、相互間を有効に連絡するものにあっては、これらを一の広場状空地とみなすことができる。
(ア) 最も狭い部分の幅は、4メートル以上であること。
(イ) 面積(歩道状空地又は屋外貫通通路が当該一の広場状空地と同じ高さで接するか若しくは貫通するものについては、当該部分を含んだ面積をいい、これらのうち、その幅員が4メートル以上であるものについては、そのすべての部分を含んだ面積をいう。)は、敷地面積の10分の1以上、かつ、100平方メートル以上とする。
オ ピロティ、アーケード等の建築物又は建築物の部分で覆われた公開空地(屋内貫通通路及びアトリウムを除く。以下「ピロティ等」という。)にあっては、天井の高さが3メートル以上で、かつ、奥行きが当該高さの4倍以内の部分であること。
カ 建築物の低層屋上面、サンクンガーデン、人工地盤その他これらに類する広場状空地(以下「人工地盤等」という。)は、次のいずれにも該当するもの又は該当する部分であり、かつ、サンクンガーデンにあっては、その最も狭い部分の幅が最大の深さの2倍以上であること。
(ア) 道路等の公共施設又は他の公開空地と幅員2メートル以上の階段若しくは傾斜路により、又は同一平面上で、2箇所以上(その位置及び幅員により同等以上の効果があると認められる場合は1箇所)で有効に通じていること。
(イ) 歩道状空地又は道路等の公共施設(以下「道路等の公共施設等」という。)との高低差が6メートル以内であること。この場合、高低差とは、階段又は傾斜路により、道路等の公共施設等と有効に通じている部分における高低差(人工地盤等が高低差のある貫通通路又は他の広場状空地を経由して道路等の公共施設等に通じる場合には、当該貫通通路又は他の広場状空地と道路等の公共施設等との当該高低差を加えたもの)をいい、高低差の異なる2箇所以上で接続する場合にはこれらの平均の高さをいう。
(ウ) 全周長の4分の1以上が道路等の公共施設又は他の公開空地と接すること。ただし、高低差が1.5メートル以内のものにあっては、全周長の6分の1以上とすることができる。
キ 屋内貫通通路、アトリウム及びピロティ等については、これらの面積の合計が原則として公開空地の面積の合計の3分の1以内の部分を公開空地の有効面積の対象とする。
(2) 公開空地の有効係数
次の各号の一に該当する一の公開空地の有効係数は、当該各号に掲げる数値とし、各号の二以上に該当するものにあっては、これらの数値を乗じたものとする。
ただし、敷地の同一部分の上下にわたってそれぞれ別の公開空地を設ける場合において、当該公開空地のいずれかが歩道状空地であるときは、これらの数値を乗じた係数に0.5を加えた数値を、いずれも歩道状空地ではないときは、1.5をそれぞれ限度とする。
ア 歩道状空地
(ア) 歩道状空地(幅員が4メートル以下(建築協定、高度利用地区及び地区計画等で歩行者の利便を目的として幅員4メートルを超える壁面後退の指定がある場合については、当該指定の範囲内)で道路との高低差が1.5メートル以下のものに限る。)の有効係数は、計画する地域ごとに、連続(二辺以上の連続を含め、出入口等による分断は必要と認められる範囲で連続とみなす。)する歩道状空地の長さに応じて下表の当該各欄に掲げる数値とする。
長さL (m) | L<20 | 20≦L<40 | 40≦L<60 | 60≦L<80 | 80≦L<100 | 100≦L |
有効係数 | 1.3 | 1.3 | 1.5 | 1.7 | 1.9 | 2.1 |
なお、次のaからdに該当する場合は、各項目ごとにそれぞれ0.3を上表の数値に加えることができる。ただし、加算後の有効係数の上限は2.5とする。
a 建築協定、高度利用地区及び地区計画等で歩行者の利便を目的として壁面後退の指定のある場合(指定のある部分に限る。)
b 歩道状空地が、広場、公園及び緑道等に有効に通じる場合
c 既存道路に歩道がなく、計画敷地に新しく歩道状空地を設ける場合
d 歩道との段差がなく、歩道と合わせた幅員が6メートル以上となる場合又は歩道状空地の幅員が6メートル以上ある場合(歩道状空地の長さが連続して20メートル以上の場合に限る。)
(イ) その他の歩道状空地 1.0
イ 広場状空地
(ア) 一の広場状空地(ピロティ等及び人工地盤等の部分を除く。)で面積が300平方メートル以上のものが、道路、歩道状空地又は屋外貫通通路(以下「道路等」という。)で、幅員が6メートル以上のものに接する場合 1.2
(イ) 道路等に面さない場合 0.6
(ウ) その他の広場状空地 1.0
ウ 貫通通路
(ア) 屋外貫通通路 1.0
(イ) 屋内貫通通路 その規模、形態に応じて 0.4~1.0
エ アトリウム その規模、形態に応じて 0.4~0.8
オ ピロティ等
(ア) 天井の各部分の高さが5メートル以上で、かつ、奥行きが当該高さの2倍以内の部分 0.8
(イ) 天井の各部分の高さが5メートル未満で、かつ、奥行きが当該高さの2倍以内の部分 0.6
(ウ) その他の部分 0.4
カ 人工地盤等
次の(ア)から(オ)の二以上に該当する場合は、その最大値とする。
(ア) 人工地盤等とこれに有効に通じる道路等の公共施設又は他の公開空地との高低差が1.5メートル以下の場合 1.0
(イ) 人工地盤等がこれに有効に通じる道路等の公共施設又は他の公開空地より低い位置にあり、その高低差が1.5メートルを超え3メートル以下の場合 0.8
(ウ) 人工地盤等がこれに有効に通じる道路等の公共施設又は他の公開空地より低い位置にあり、その高低差が3メートルを超える場合 0.6
(エ) 人工地盤等がこれに有効に通じる道路等の公共施設又は他の公開空地より高い位置にあり、その高低差が1.5メートルを超え3メートル以下の場合 0.6
(オ) 人工地盤等がこれに有効に通じる道路等の公共施設又は他の公開空地より高い位置にあり、その高低差が3メートルを超える場合 0.4
2 斜線投影図の作図法
道路斜線制限又は隣地斜線制限の緩和を受けようとする計画建築物にあっては、斜線投影図を作図するのものとする。
(1) 作図の原則
建築物の任意の部分から当該部分の高さを、道路斜線勾配(法第56条第1項第1号に定める数値)で除した数値を長さとして道路境界線と直角の方向へ取った点及び建築物の任意の部分から当該部分の高さを隣地斜線勾配(法第56条第1項第2号に定める数値)で除した数値を長さとして隣地境界線と直角の方向へ取った点を、それぞれ地盤面上に水平投影し、これらの点(以下「斜線投影点」という。)を当該建築物の各部分について求め、斜線投影点により最大となる図形(以下「斜線投影図」という。)を作図するものとする。
(2) 一般建築物の斜線投影図
一般建築物の斜線投影図を作図する場合における道路斜線制限及び隣地斜線制限の適用については、それぞれ次に定めることによるものとする。
ア 道路斜線制限
(ア) 法第56条第1項第1号の規定中「前面道路の反対側の境界線からの水平距離が同表(は)欄に掲げる距離以下の範囲内においては、」の規定を除き、同号の規定を適用するものとする。
(イ) 法第56条第2項から同条第6項までの規定は、適用しないものとする。
(ウ) 前面道路の反対側に、幅員10メートルを超える公園、広場、水面その他これらに類するものがある場合においては、前面道路の反対側の境界線とみなす位置は、令第134条第1項の規定にかかわらず、当該境界線の外側10メートルを限度とする。
(エ) 二以上の前面道路がある場合で、一以上の道路の幅員((ウ)の規定により緩和される幅員を含む。)が、当該敷地の基準容積率に応じて定める下表に掲げる数値を超え、かつ、他の道路側における建築物の高さが緩和されることとなる場合においては、令第132条及び第134条第2項の規定にかかわらず、令第132条及び第134条第2項に定める区域は、当該敷地の基準容積率に応じて、下表の各欄に掲げる幅員の道路があるものとみなす。
(単位 m)
基準容積率(Vo) | 道路幅員 |
100<Vo | Vo/25 |
イ 隣地斜線制限
(ア) 隣地斜線制限における隣地境界線上の建築物の高さ(以下「立上がりの高さ」という。)は、法第56条第1項第2号の規定にかかわらず、当該敷地の基準容積率に応じて、下表に掲げる数値以下とする。ただし、31メートルを限度とする。
(単位 m)
基準容積率(Vo) | 立上がりの高さ |
100<Vo |
(イ) 敷地が、公園(都市公園法施行令(昭和31年政令第290号)第2条第1項第1号に規定する都市公園を除く。)、広場、水面その他これらに類するものに接する場合における令第135条の3第1項第1号の規定による立上がりの高さの緩和については、当該規定にかかわらず、当該公園、広場、水面その他これらに類するものの幅の2分の1以下の数値(10メートルを超える場合は、10メートルとする。)に、隣地斜線勾配を乗じて得た数値を(ア)の規定による立上がりの高さに加えたものを限度とする。
(3) 敷地の整形近似法
建築物の敷地の形態が不整形である場合における斜線投影図及び技術基準による立面投影図の作図に当たっては、等積の長方形又はこれに類する多角形の敷地に近似させることができるものとする。
第4 緩和基準
第2に定める計画の基本要件に適合する計画建築物にあっては、次に定める範囲内において、それぞれ当該事項を緩和するものとする。
1 道路斜線制限及び隣地斜線制限
(1) 緩和の原則
計画建築物の形態が、一般建築物の形態と同程度の天空光を当該敷地周辺に確保していると認められる範囲内で、その高さを緩和するものとする。
(2) 緩和の限度
ア 計画建築物の敷地の各辺における斜線投影面積は、当該敷地における一般建築物の対応するそれぞれの辺の斜線投影面積を超えないこと。ただし、前面道路の幅員が法別表第3(い)欄及び(ろ)欄に掲げる地域又は区域及び割合の限度の区分に応じて、同表(は)欄に掲げる数値を超える場合にあっては、当該辺については、この限りでない。なお、隣接地の用途地域、土地利用状況又は当該敷地からの方位によっては、二以上の辺の斜線投影面積の合計によって比較することができるものとする。
イ アの場合において、前面道路の境界線から後退した計画建築物の当該道路境界線側の辺における斜線投影面積は、斜線投影面積から、後退距離(法第56条第2項の規定に定めるものをいう。)に敷地の当該辺の長さを乗じて得た数値を減じたものによることができるものとする。また、隣地境界線から後退した計画建築物の当該隣地境界線側の辺における斜線投影面積は、斜線投影面積から計画建築物(当該辺に面する道路の路面の中心又は地表面からの高さが5メートル以下の部分を除く。)からの隣地境界線までの水平距離のうち最小のものに相当する距離に敷地の当該辺の長さを乗じて得た数値を減じたものによることができるものとする。
2 容積率制限
(1) 公開空地等の規模等に応じた緩和の原則
計画建築物の境域内(イに係るものに限る。)又は敷地内に、次のアからエのいずれかを設ける場合については、その容積率の制限を緩和するものとする。ただし、イからエについては、アの公開空地による割増の適用を受けないものは適用しない。また、階の2以上を公益施設等に供しない建築物においては、容積率の制限は緩和しないものとする。
ア 公開空地
当該計画敷地内び公開空地の有効公開空地率が、第2の2の(4)に定める計画の基本要件の付加要件の限度(以下「基本要件に定める有効公開空地率の最低限度」という。)を超えるもの
イ 公益施設等
次の(ア)から(カ)までに掲げる施設又はその建設予定地で計画建築物の境域内又は敷地内に設けるもの
(ア) 防災、保安、公害防止等に寄与する施設
(イ) 地域社会の文化、教育等の向上に貢献する施設
(ウ) 福祉の向上に貢献する施設
(エ) 一般交通の緩和に資する施設
(オ) 供給処理施設等の負荷軽減に益する施設
(カ) 地域社会の商業、業務等の環境の整備に資する施設
ウ 共同住宅附属自動車車庫
次のいずれにも該当する共同住宅附属自動車車庫の部分(令第2条第1項第4号及び同条第3項の規定により容積率制限に関して延べ面積に算入しないこととされる部分を除く。)
(ア) 共同住宅の附属自動車車庫の収容台数が、当該共同住宅の住宅戸数以上であるもの
(イ) 地下式等の自動車車庫で、敷地内の空地の利用に支障がなく、かつ、市街地景観に配慮していると認められるもの
エ 屋上緑化
次のいずれにも該当する屋上緑化部分(公開空地である部分及び「東京における自然の保護と回復に関する条例(平成12年東京都条例第216号)」により義務付けられる部分を除く。)
(ア) 土その他これに類するものを植栽及び生育に必要な深さ以上入れることができる植栽基盤があること。
(イ) 実施細目に定める屋上緑化の基準を満たしていること。
(2) 緩和の限度
ア 公開空地による割増容積率の限度
公開空地による割増容積率の限度は、次のとおりとする。
(ア) 敷地内の基準公開空地率に応じて、下表の各欄に掲げる数値とする。
(単位 %)
基準公開空地率 | 割増容積率の限度 |
(P-Po)<10 | 0 |
10≦(P-Po) | ただし、100%を限度とする。 |
P:有効公開空地率(%) Vo:基準容積率(%)
Po:基本要件に定める有効公開空地率の最低限度(%)
イ 公益施設等による割増容積率の限度
公益施設等による割増容積率は、次式による数値をその限度として公益施設等の床面積に応じて緩和する。ただし、法第52条第11項に規定する許可に関する国土交通省通達(昭和60年12月21日付け建設省通達住街発第114号)に該当する施設については、同号の規定によることができるものとする。
(Vo:基準容積率(%)) (Z:第4に定める公益施設等の(ア)から(オ)までについては80%、(カ)については40%) |
ウ 屋上緑化による割増容積率の限度
屋上緑化による割増容積率は、次式による数値をその限度とする。
Ac:屋上緑化部分の面積(植栽基盤の面積。ただし「東京における自然の保護と回復に関する条例」により義務付けられる部分を除く。)(m2) A:敷地面積(m2) |
エ 公開空地、公益施設等及び屋上緑化による割増容積率の合計の限度
公開空地、公益施設等及び屋上緑化による割増容積率の合計の限度は、アからウまで(ただし書の規定に係るものを除く。)に定める割増容積率の限度にかかわらず、次式による数値をその限度とする。
(Vo:基準容積率(%))
(3) 共同住宅附属自動車車庫による割増容積率の特例
共同住宅附属自動車車庫による割増容積率の限度は、公開空地による割増容積率の2分の1以内とする。
(4) 公共空地による割増容積率緩和の特例
計画建築物の整備と一体的に計画配置される道路、公園、緑地及び広場その他これらに類する公共空地のうち、事業者の無償譲渡又は無償貸付に係るもので、かつ、都市計画決定されたもの、又は地方公共団体により管理されるものについては、当該空地部分が第3の1に定める公開空地の基準に適合する場合(都市計画決定済みの道路部分は除く。)は、当該空地部分を公開空地に算入して(2)のアの規定により割増容積率の算定を行うことができる。
(5) 高度利用地区内に計画する総合設計に対する基準容積率の取扱い
高度利用地区内に計画する場合は、この章で定める割増容積率の限度を求める場合の基準容積率(Vo)を第1の3のカに定める「基準容積率」の定義にかかわらず、高度利用地区内の都市計画で定める容積率の限度を適用しない場合の容積率の限度を基準容積率とみなして、(1)の規定による公開空地等による割増容積率の限度を算定するものとする。
(6) 容積率制限の割増を受ける計画建築物に対する形態制限の付加
上記(1)から(5)までの規定により容積率の割増しを受ける計画建築物で割増容積率に基準容積率を加えた割増後の容積率を適用する場合の道路斜線制限規定である法別表第3(は)欄に掲げる数値(距離)が割増前の基準容積率を適用する場合の数値と異なる場合は、次のいずれかの要件に該当しなければ、割増容積率に制限することができる。
ア 緩和後の容積率による法別表第3(は)欄に掲げる規定に適合する場合
イ 緩和後の容積率による法別表第3(は)欄に掲げる規定に適合いない場合にあっては、第4の1の道路斜線制限の緩和基準に準じて計画建築物の斜線投影図を作図し、同条(1)の緩和の原則及び(2)の緩和の限度を超えない場合
第5 雑則
この要綱の実施に関して必要な次の事項は、別に細目で定める。
(1) 公開空地及び公共空地である旨の標示
(2) 公開空地及び公共空地の維持管理
(3) 許可申請手続及び申請図書
(4) 屋上緑化の基準、表示及び維持管理
(5) この要綱の適用を受ける計画建築物等に設ける屋外広告物の設置基準
(6) その他この要綱の運用に際し必要な事項
附 則(平成14年3月27日13三都建発第212号)
1 この要綱は、平成14年4月1日から施行する。
2 この要綱の施行前に旧要綱の基準によりなされた許可、申請の処分又は手続は、それぞれ新要綱の相当する基準によりなされた処分又は手続とみなす。