○みやま市消防本部火災調査規程

令和8年3月24日

消防本部訓令第1号

みやま市消防本部火災調査規程(平成19年みやま市消防本部訓令第7号)の全部を改正する。

目次

第1章 総則(第1条―第5条)

第2章 調査の体制

第1節 火災調査の体制(第6条―第11条)

第2節 調査員の心構え(第12条―第14条)

第3章 火災原因調査

第1節 火災原因調査の原則(第15条)

第2節 現場調査(第16条―第22条)

第3節 資料提出及び保管(第23条)

第4節 火災原因の判定(第24条・第25条)

第4章 火災の損害調査

第1節 損害状況の調査(第26条・第27条)

第5章 調査書類の作成及び報告

第1節 火災調査書類(第28条・第29条)

第2節 報告(第30条―第33条)

第3節 年少者に係る火災等の調査(第34条―第39条)

第6章 罹災の証明(第40条)

第7章 雑則(第41条―第43条)

附則

第1章 総則

(趣旨)

第1条 この訓令は、消防法(昭和23年法律第186号)第7章の規定に基づく火災の調査(以下「火災調査」という。)に関し必要な事項を定めるものとする。

(調査の目的)

第2条 火災調査は、火災の原因及び火災により受けた損害を明らかにして、火災予防施策及び警防対策の推進に必要な基礎資料を得ることを目的とする。

(定義)

第3条 この訓令における用語の意義は、火災報告取扱要領(平成6年4月21日付け消防災第100号消防庁長官通知。以下「取扱要領」という。)の定めるところによる。

2 前項に定めるもののほか、用語については別表のとおりとする。

(火災の種別)

第4条 火災の種別は、取扱要領第1総則6火災の種別に規定によるものとする

2 前項に規定する火災の種別が2以上複合するときは、第26条第1項に掲げる焼き損害の額の大なるものの種別(焼き損害の額が同額又は算出されない場合は火元となった対象物の種別)とする。ただし、その態様により焼き損害額の大なるものの種別によることが社会通念上適当でないと認められるときは、この限りでない。

(調査の区分)

第5条 調査は、火災原因調査及び火災損害調査に区分する。

2 火災原因調査は、次の各号に掲げる事項を究明するために行うものとする。

(1) 出火前の状況

(2) 出火原因(出火箇所、発火源、経過及び着火物)

(3) 延焼拡大の状況

(4) 初期消火等の状況

(5) 避難の状況

(6) 消防用設備等の状況

(7) 死傷者の状況

(8) 前各号に掲げるもののほか、消防行政対策上必要な事項

3 火災損害額調査は、次に掲げる事項を明らかにするために行うものとする

(1) 焼き損害

(2) 消火損害

(3) 爆発損害

(4) 前3号に掲げるもの以外の損害

(5) 火災による死傷者

第2章 調査の体制

第1節 火災調査の体制

(調査の責任)

第6条 消防長又は消防署長は、管轄区域内の火災調査の責任を有する。

(調査員)

第7条 調査は、消防長又は消防署長が指名した消防吏員(以下「調査員」という。)がこれを行う。

2 調査員は、本部にあっては警防課警防係、署にあっては南部出張所をもって充てる。

3 前項の規定にかかわらず、消防長又は消防署長は、必要があると認めるときは、調査員以外の者に命じて調査を行わせることができる。

(体制の確立)

第8条 消防長は、調査員にあらかじめ質問権等を委任代理する。

2 権限を付与された調査員は、消防長の代理執行として、その意思と責任において調査を行うものとする。

3 調査員は、調査能力の向上に努めるとともに、調査器材を管理し調査体制の確立に努めなければならない。

(調査の着手)

第9条 消防長又は消防署長は、管轄区域内に火災を覚知したときは、直ちに調査に着手しなければならない。

(調査実施責任者)

第10条 火災調査の実施責任者は、警防課長とする。

(調査実施責任者の責務)

第11条 調査実施責任者は、具体的な火災調査計画を立て任務分担を明確に指示し、実況見分、質問及び書類作成等を適切かつ円滑に行わなければならない。

第2節 調査員の心構え

(調査員の心得)

第12条 調査員は、関係法令に精通するとともに、常に火災調査技術の研鑚及び知識の習得に努め、科学的調査の実をあげるよう努めなければならない。

2 調査員は、調査員相互の連絡協調を図り、火災調査全般の進展を期すとともに綿密周到かつ公正に火災調査に当たらなければならない。

3 関係者に対しては、その立場を考慮するとともに、基本的人権の尊重に留意して接しなければならない。

(民事不介入の原則)

第13条 調査は、火災原因の究明又は損害の調査のため、必要な事項に限り行うものとし、個人の民事的紛争に関与してはならない

(関係機関との協力)

第14条 調査責任者は、警察機関その他の関係機関と密接な連絡をとり、相互に協力して火災調査に当たらなければならない。

2 調査員は、捜査機関等から証言等を求められた場合は、消防長又は消防署長に事前に報告しなければならない。

3 前項の規定により証言等を終了したときは、その結果を消防長又は消防署長に報告しなければならない。

第3章 火災原因調査

第1節 火災原因調査の原則

(火災原因調査の原則)

第15条 火災原因調査に当たっては、先入観にとらわれることなく、科学的な方法による確認と合理的な判断の上に立ち、事実の立証に努めなければならない。

第2節 現場調査

(出火出動時の見分)

第16条 消防活動に従事する職員(以下「消防隊員」という。)が、火災現場に出動したときは、出動途上の煙の状況、現場到着時の燃焼状況とその推移及び戸締まり状況並びに関係者の言動等火災原因究明に必要と思われる事項を必要に応じて火災調査実施責任者に報告するものとする。

(現場保存)

第17条 消防隊員は、出火箇所と認められる場所及びその付近の消火活動に当たっては、出火前の状況が推測できるよう留意し、現状の保存に努めなければならない。

2 消防隊員は、消火活動のため、やむを得ず出火箇所と認められる場所及びその付近の物件を移動し、又は破壊するときは、必要最小限にとどめ、現状が復元できるよう必要な措置を採るように努めなければならない。

3 消防長又は消防署長は、消防活動が終了したときは、所轄警察署と協議の上、現場保存に必要かつ最小限度の区域を指定して保存に努めるものとする。ただし、調査上その必要がないと認めたときは、この限りでない。

(焼死者等の取扱い)

第18条 消防隊員は、火災現場において焼死者その他の死者を発見した場合は、速やかに消防長に報告するとともに警察署長等にその旨を通報し、現場保存に努めなければならない。

(実況見分)

第19条 調査員は、火災現場その他関係ある場所に立ち入って焼き状況を詳細に見分し、そのてん末を記録するとともに原因の究明に必要な資料を収集しなければならない。この場合において、原則として関係者の立会いの下に行わなければならない。

2 調査員は、実況見分時の関係者に対する質問等による聴取事実に基づき、現場の復元を行うよう努めなければならない。

(鑑識見分)

第20条 調査員は、必要があると認めるときは、関係者の承諾を得た上で罹災した物件を鑑識することができる。

(写真撮影)

第21条 調査員は、現場において原因究明上必要なものについては、その内容を明確にするため、写真撮影を行うものとする。

(質問)

第22条 調査員は、関係ある者に調査上必要な事項に関して質問する場合は、常に任意に事実の回答を得るように努めなければならない。この場合において、質問権の行使に当たっては、相手方の意思に反して、回答を強要したり、同意を得ずに一方的に同行又は出頭を求めたりしてはならない。

2 現場における質問に当たっては、被質問者の冷静かつ正確な回答を得るためにその場の事情を勘案し、時間、場所等に留意して原因究明の端緒を得るように努めなければならない。

3 調査員は、回答を被質問者に暗示する等の誘導を行ってはならない。

4 前3項の規定により質問調査書を作成したときは、記録した内容を当該関係者に読み聞かせるなどし、記載事項に誤りがないことを確認するものとする。

第3節 資料提出及び保管

(資料の提出等)

第23条 消防長は、調査のため必要と認める資料については、関係ある者に対し、任意に提出を求めることができる。

2 特に必要である場合は、関係者に対し、資料の提出又は報告の徴収を命じることができる。この場合において、資料の提出又は報告の徴収を依頼した資料のうち、提出者が所有権を放棄しないものについては、鑑識、鑑定処分承諾書により提出者の承諾を得ておかなければならない。

3 前項により、理由なく資料の提出を拒み、又は虚偽の資料を提出した場合における違反是正についての手続は別に定める。

4 消防長は、資料の提出があった場合、提出者に対し資料保管書を交付しなければならない。

5 資料を保管する場合は、保管票を付し、保管台帳に記録し、調査が完了するまで保管しなければならない。

6 資料提出者が資料の返還を求めるときは、資料保管書と引換えに返還しなければならない。

第4節 火災原因の判定

(火災原因の判定)

第24条 火災調査責任者は、火災原因の判定に当たって、火災の実況見分、質問調査書及びその他の関係資料等を総合的に検討し判定するものとし、物的調査、人的調査による資料により裏付けるものとする。

(鑑定)

第25条 消防長は、火災原因調査に必要があるときは、公的機関に資料の鑑定を依頼することができる。

第4章 火災の損害調査

第1節 損害状況の調査

(損害調査)

第26条 火災の損害調査(以下「火災損害調査」という。)は、罹災物件を詳細に調査し、火災及び消火のために受けた全ての損害の把握に努めなければならない。

2 損害額の算定基準は、罹災状況を総合的に検討し、取扱要領に基づき算出しなければならない。

(罹災の届出)

第27条 消防長は、火災損害調査の資料として、罹災者から別に定める要領により火災の鎮火後速やかに罹災届の提出を求めるものとする。

第5章 調査書類の作成及び報告

第1節 火災調査書類

(火災調査書類)

第28条 火災調査書類の作成に当たっては、分かりやすい文章で事実をありのまま表現し、誇張、過大表現等の記述を避けなければならない。

2 調査書類には、原則として作成年月日、作成者の所属、階級及び氏名を記載するものとする。

(火災調査書類の作成基準)

第29条 火災調査報告書の作成基準は、次の区分によるものとする。

(1) 1号処理 次の全てに該当する火災

 火災による死傷者が発生しないもの

 損害額が計上されないもの

 立証のための調査を必要としないもの

(2) 2号処理 前号の火災を除く建物のぼや火災、林野火災、車両火災及びその他の火災であり、立証のための調査を必要としないもの及び前号の火災のうち警防課長が必要と認めるもの

(3) 3号処理 前2号に掲げる火災以外の火災及び警防課長が必要と認めるもの

第2節 報告

(火災速報)

第30条 消防長は、火災の状況についてその概要を市長に速報しなければならない。

(電気用品及び燃焼機器に係る事故報告)

第31条 電気用品及び燃焼機器に係る火災等の事故の場合は、電気用品及び燃焼機器に係る火災等事故報告書(平成18年9月19日付け消防予第398号消防庁予防課長及び消防技第61号消防技術施策室長通知)により報告しなければならない。

(火災調査書類の報告)

第32条 第28条の規定により作成した火災調査報告書は、1号処理においては火災覚知の日から起算して30日以内、2号処理においては60日以内、3号処理においては90日以内に消防長へ報告するものとする。ただし、鑑識、実験等の調査又は鑑定に伴う外部委託その他特別な事由により期限内処理が困難と予想される場合は、調査責任者にその理由を報告するものとする。

(火災即報)

第33条 消防長は、火災・災害等即報要領(昭和59年消防災第267号消防庁長官通知)に該当する火災が発生したときは、直ちに県又は国に報告しなければならない。

第3節 年少者に係る火災等の調査

(年少者に係る火災等の調査)

第34条 年少者(18歳未満の者をいう。以下同じ。)の関係する火災等の調査については、法令により別に定めがある場合のほか、この章の規定に基づき行うものとする。

(立会い)

第35条 年少者を実況見分等における立会人としてはならない。

2 前項の場合において、立会人は、原則として親権者とする。ただし、このため真実の供述が得られないと認める場合は、親権者以外の親族、教師又は雇主等を立ち会わせるものとする。

(署名)

第36条 調査書類には、年少者の署名を求めてはならない。ただし、質問調査書を作成したときは、その立会人に録取内容を閲覧させ、又は読み聞かせ、誤りのないことを確認するものとする。

(氏名の公表)

第37条 報道機関に対して、年少者の個人情報を公表し、又は察知させるような方法を用いてはならない。

(適用除外)

第38条 第34条から前条までの規定は、消防長が調査のため特に必要があると認める場合は、この限りでない。ただし、原則として親権者の同意を得るものとする。

(準用規定)

第39条 老齢、疾病、知的障がい又は身体障がい等が原因で、自己の意思表示を十分に行えない者に対する火災の調査については、この節の規定を準用する。

第6章 罹災の証明

(罹災の証明)

第40条 消防長は、罹災者、家族及び関係者から罹災に関する証明の発行申請がなされたときは、罹災の証明をすることができる。ただし、これらの者以外の申請については、原則として罹災者からの委任状を添付するものとする。

2 前項の規定は、その他の災害についても準用する。

第7章 雑則

(照会に対する回答)

第41条 捜査機関その他の公的機関からの照会に対する回答は、消防長又は消防署長が行うものとする。

(参考人、証人としての出廷等)

第42条 調査員等は、調査に関して捜査機関から参考人として出頭を要請され、又は裁判所から証人等として呼出し若しくは召喚を受けたときは、消防署長に報告しなければならない。

2 前項の報告を受けた消防署長は、調査員等の出廷等について消防長の許可を得なければならない。

(その他)

第43条 この訓令の施行について必要な事項は、消防長が別に定める。

この訓令は、令和8年4月1日から施行する。

別表(第3条関係)

番号

用語

内容

備考

1

火災

人の意図に反して発生し、若しくは拡大し、又は放火により発生して消火の必要がある燃焼現象であって、これを消火するために消火施設又はこれと同程度の効果のあるものの利用を必要とするもの又は人の意図に反して発生し、若しくは拡大した爆発現象をいう。


2

建物火災

建物又はその収容物が焼損した火災をいう。


3

林野火災

森林、原野又は牧野が焼損した火災をいう。


4

車両火災

自動車車両、鉄道車両及び被けん引車又はこれらの積載物が焼損した火災をいう。


5

船舶火災

船舶又はその積載物が焼損した火災をいう。


6

航空機火災

船舶又はその積載物が焼損した火災をいう。


7

その他火災

番号2から6までに掲げる火災以外の火災(空地、田畑、道路、河川敷、ゴミ集積場、屋外物品集積場、軌道敷、電柱類等の火災)をいう。


8

爆発現象

化学的変化による爆発の1つの形態であり、急速に進行する化学反応によって多量のガスと熱とを発生し、爆鳴、火炎及び破壊作用を伴う現象をいう。


9

発生源

出火に直接関係し、又はそれ自体から出火したものをいう。


10

経過

出火に関係した現象、状態又は行為をいう。


11

着火物

発火源によって最初に着火したものをいう。


12

焼損程度

ア 「全焼」とは、建物の焼き損害額が火災前の建物の評価額の70パーセント以上のもの又はこれ未満であっても残存部分に補修を加えて再使用できないものをいう。

イ 「半焼」とは、建物の焼き損害額が火災前の建物の評価額の20パーセント以上のもので、全焼に該当しないものをいう。

ウ 「部分焼」とは、建物の焼き損害額が火災前の建物の評価額の20パーセント未満のもので、ぼやに該当しないものをいう。

エ 「ぼや」とは、建物の焼き損害額が火災前の建物の評価額の10パーセント未満であり、焼損床面積が1平方メートル未満のもの、建物の焼き損害額が火災前の建物の評価額の10パーセント未満であり、焼損床面積が1平方メートル未満のもの又は収容物のみ焼損したものをいう。


13

罹災程度

ア 「全損」とは、建物(収容物を含む。)の火災損害額が罹災前の70パーセント以上のものをいう。

イ 「半損」とは、建物(収容物を含む。)の火災損害額が罹災前の20パーセント以上で全損に該当しないものをいう。

ウ 「小損」とは、建物(収容物を含む。)の火災損害額が罹災前の20パーセント未満のものをいう。


14

死者及び負傷者

ア 「死者」及び「負傷者」とは、火災現場において火災に直接起因して、死亡した者(病死者を除く。)又は負傷した者をいい、消防職員及び消防団員については、火災を覚知した時より現場を引き揚げるまでの間に死亡し、又は負傷した者をいう。

イ 「30日死者」とは、負傷者のうち火災に起因する原因により48時間を経過して30日以内に死亡した者をいう。

ウ 火災により負傷した後48時間内に死亡した者は、火災による死者とする。


15

火災損害

ア 「火災損害」とは、火災によって受けた損害のうち、次に掲げる直接的な損害をいうのであって、休業による損失、焼け跡の整理費、消火に要した経費等の間接的な損害を除いたものをいう。

イ 「焼き損害」とは、火災の火炎、高熱等によって焼けた、壊れた、煤けた、変質したもの等の損害をいう。

ウ 「消火損害」とは、火災の消火行為に付随して発生する水損、破損、汚損等のものの損害をいう。

エ 「爆発損害」とは、爆発現象の破壊作用によって発生した損害のうち、焼き損害、消火損害以外の損害をいう。

オ 「その他の損害」とは、煙による損害、匂いの付着による損害、物品の搬出等による損害をいう。


16

負傷程度

ア 「重症」とは、傷病の程度が3週間以上の入院加療を要するものをいう。

イ 「中等症」とは、傷病の程度が重症又は軽症以外のものをいう。

ウ 「軽症」とは、傷病の程度が入院加療を要しないものをいう。


17

関係者

消防法第2条第4項に掲げる者をいう。


18

外形的事実

火災発生日時、火災種別、場所、建物等の概要、焼失面積、罹災世帯人員、死傷者の有無及び鎮火時刻に限られる調査事実をいう。


みやま市消防本部火災調査規程

令和8年3月24日 消防本部訓令第1号

(令和8年4月1日施行)

体系情報
第12編 防/第2章
沿革情報
令和8年3月24日 消防本部訓令第1号