○滑川市議会基本条例

平成28年9月22日

条例第19号

目次

前文

第1章 総則(第1条)

第2章 議会及び議員の活動原則(第2条―第5条)

第3章 市民と議会の関係(第6条)

第4章 市長等と議会及び議員の関係(第7条―第10条)

第5章 議員間の自由討議と合意形成(第11条―第14条)

第6章 議会及び議会事務局の体制整備(第15条―第19条)

第7章 議員の政治倫理(第20条)

第8章 最高規範性(第21条―第23条)

附則

滑川市議会は、滑川市民(以下「市民」という。)から選挙により選ばれた議員により構成され、同じく市民から選挙で選ばれた滑川市長(以下「市長」という。)とともに、二元代表として滑川市の機関を構成している。

議会は合議制の機関、市長は独任制の機関としてそれぞれ二元代表制の趣旨を踏まえ、緊張感をもって真摯に向かい合うとともに、市民の意思を市政に反映させるために競い合い協力しながら、市民福祉の向上のため滑川市としての最良の意思決定を導く共通の使命が課されている。

地方分権の時代を迎え、自治体の自主的な決定とそれに伴う責任の範囲が拡大した今日、議会は自治体事務の立案、決定、執行、評価における論点、争点を広く市民に明らかにする責務を有している。

このような責務を達成するために我々は、情報公開、市民参加、議員間討議、市長等の行政機関との緊張の保持、自己研鑽と資質の向上、議会を支える体制の確立等に積極的に取り組まねばならない。

よって、市民の信頼と期待に応えるべく、滑川市議会としての最高規範となる滑川市議会基本条例を制定する。

第1章 総則

(目的)

第1条 この条例は、滑川市議会(以下「議会」という。)と滑川市議会議員(以下「議員」という。)の役割と責任を明確にするとともに、議会に関する基本事項を定め、公平、公正で透明な議会運営を図り、もって市民福祉の向上と、市政の発展に寄与することを目的とする。

第2章 議会及び議員の活動原則

(議会の活動原則)

第2条 議会は、市民の代表機関であることを常に自覚し、公正性、透明性及び信頼性を重視し、市民に開かれた議会を目指すものとする。

2 議会は、市民の多様な意見を把握し、政策に適切に反映できるよう努めるとともに、市民参加の機会の拡充に努めるものとする。

3 議会は、市民本位の立場から、市政運営が適切に行われているかを監視し、事務の執行について評価をする。

4 議会は、市民の傍聴意欲が高まるよう努めるものとする。

5 議会は、議会運営について、市民に対して説明する責任を有するものとする。

(議員の活動原則)

第3条 議員は、議会が言論の場であること及び合議制の機関であることを認識し、議員相互の自由な討議を尊重するものとする。

2 議員は、市民の意見を的確に把握するとともに、自己の資質を高めるために不断の研鑚に努め、市民全体の奉仕者及び代表者としてふさわしい活動をするものとする。

3 議員は、市民全体の福祉の向上を目指して活動するものとする。

4 議員は、自らの議会活動について市民に説明責任を果たすよう努めるものとする。

(議長の責務)

第4条 議長は議会を代表し、中立かつ公正に職務を遂行するとともに、議会の品位を保持し、民主的な議会運営を行うものとする。

(会派)

第5条 議員は、議会活動を行うため、1名又はそれ以上をもって会派を結成することができる。

2 会派は、政策を中心とした同一の理念を有する議員で構成し、議会運営、政策立案及び政策決定等に関し、必要に応じて会派間で調整を行い、合意形成に努めるものとする。

3 会派は、その活動について、市民に対し説明するよう努めなければならない。

第3章 市民と議会の関係

(市民参加及び市民との連携)

第6条 議会は、議会の活動に関する情報公開を徹底するとともに、市民に対する説明責任を十分に果たさなければならない。

2 議会は、本会議のほか、常任委員会、特別委員会及び全員協議会等を、原則公開するものとする。

3 議長は、市民の傍聴に関し、議案の審議に用いる資料を提供するなど、傍聴の意欲を高めるように努める。

4 議会は、常任委員会及び特別委員会等の運営に当たり、参考人制度及び公聴会制度を十分に活用して、市民の専門的又は政策的識見等を議会の討議に反映させるものとする。

5 議会は、請願及び陳情の審査において、必要に応じて提出者の意見聴取の機会を設けることができる。

6 議会は、市政全般にわたる諸課題に対応するため、議員及び市民が自由に情報及び意見を交換する議会報告会を開催するものとする。

7 議会報告会の実施要領については、別に定める。

第4章 市長等と議会及び議員の関係

(市長等と議会及び議員の関係)

第7条 議会の本会議における議員、市長及び執行機関の職員(以下「市長等」という。)の質疑応答は、広く市政上の論点及び争点を明確にするため、一問一答の方式で行うことができる。

2 議長から本会議並びに常任委員会及び特別委員会への出席を要請された市長等は、議員の質問に対して議長又は委員長の許可を得て、議員の質問の趣旨を明確にする目的で反問することができる。

(市長等による政策等の形成過程の説明)

第8条 議会は、市長等が提案する政策、計画、施策及び事業等(以下「政策等」という。)について、政策等の水準を高めるため、市長等に対して、次に掲げる事項の説明を求めるものとする。

(1) 必要とする背景

(2) 提案に至るまでの経緯

(3) 総合計画における根拠又は位置付け

(4) 関係する法令又は条例等

(5) 財源措置

(6) 将来にわたる効果及び費用

2 議会は、前項の政策等を審議するに当たっては、それらの政策等の立案及び執行における論点及び争点を明らかにするとともに、執行後における政策評価に資する審議に努めるものとする。

(予算及び決算における政策説明)

第9条 議会は、予算及び決算の審議に当たっては、前条の規定に準じて、分かりやすい施策別又は事業別の説明資料を市長等に求めるものとする。

(地方自治法第96条第2項の議決事件の追加)

第10条 地方自治法第96条第2項に基づく議会の議決事件は、市政全般にわたり重要な計画について、議会及び市長等がともに市民に対する責任を担いながら、計画的かつ市民の視点に立った透明性の高い市政運営に資するため、次のとおり定めるものとする。

(1) 市の基本構想及びこれに基づく基本計画の策定又は変更

(2) 市政の基本的な方向を定める計画等の策定又は変更

(3) 前2号に掲げるものは、議会の意思決定機能及び監視機能上の必要性と市長等の政策執行上の必要性を比較考量し、市長等と協議し、決定するものとする。

第5章 議員間の自由討議と合意形成

(議員間の討議による合意形成)

第11条 議会は、議員による言論の場であることを十分に認識し、議員相互間の自由討議により、議論を尽くし合意形成に努めなければならない。

2 議会は、本会議及び委員会等において、議案の審議及び審査に当たり結論を出す場合にあっては、合意形成に向けて議員相互の積極的な議論を尽くすよう努める。

(政策討論会)

第12条 議会は重要な施策及び課題について、共通認識及び合意形成を図るため政策討論会を開催することができる。

2 政策討論会に関し、必要な事項は別に定める。

(委員会運営)

第13条 議会は、社会情勢等により新たに生じる行政課題等に迅速かつ的確に対応するため、委員会の専門性と特性を活かし、適切な運営に努めなければならない。

2 委員会は、当該委員会の所管する政策及び課題に関する資料の開示を求めることができる。

3 委員長は、議員間の自由討議による合意形成に努め、委員長報告に当たっては、審議過程における論点及び争点を明確にするよう努める。

(調査機関等の設置)

第14条 議会は、市政の課題に関する調査等のため必要があるときは、有識者等で構成する調査機関等を設置することができる。

第6章 議会及び議会事務局の体制整備

(政務活動費)

第15条 調査研究に資するために政務活動費の交付を受けた会派又は議員は、証拠書類を公開する等により、その使途の透明性を確保するものとする。

2 前項に定めるもののほか、政務活動費の交付に関しては、滑川市議会政務活動費の交付に関する条例(平成25年条例第1号)の定めるところによる。

(議員の研修)

第16条 議会は、議員の政策形成及び政策立案能力の向上を図るため、議員研修の充実強化に努めるものとする。

(議会事務局)

第17条 議会は、議会の政策立案能力を向上させ、議会活動を円滑効率的に行うため、議会事務局の調査及び法務機能の充実並びに組織体制の整備を図るよう努めるものとする。

(議会図書室)

第18条 議会は、議会図書室を設置し、その充実に努めるものとする。

(議会広報及び広聴の充実)

第19条 議会は、市政に係る重要な情報を、議会独自の視点から、常に市民に対して周知するよう努めるものとする。

2 議会は、多様な広報及び広聴手段を活用することにより、多くの市民が議会と市政に関心を持つよう議会広報及び広聴活動に努めるものとする。

第7章 議員の政治倫理

(議員の政治倫理)

第20条 議員は、高い倫理的義務が課せられていることを自覚し、市民の代表として識見を高め、市民の信頼を得るよう努めなければならない。

2 前項に定めるもののほか、議員の政治倫理については、別に条例で定める。

第8章 最高規範性

(最高規範性)

第21条 この条例は、議会における最高規範であって、この条例の趣旨に反する議会に関係する条例、規則又は告示等を制定してはならない。

2 議会は、議員にこの条例の理念を浸透させるため、議員の任期開始後、速やかに、この条例の研修を行わなければならない。

(議会改革)

第22条 議会は、議会改革に継続的に取り組むものとする。

(見直し手続)

第23条 議会は、この条例の目的が達成されているかどうかを定期的に検証するものとする。

2 議会は、常に市民の意見及び社会情勢の変化等を勘案し、必要があると認めるときは、この条例の改正を含め、所要の措置を講ずるものとする。

この条例は、公布の日から施行する。

滑川市議会基本条例

平成28年9月22日 条例第19号

(平成28年9月22日施行)

体系情報
第2編
沿革情報
平成28年9月22日 条例第19号