○近江八幡市農用地保全条例

平成24年9月28日

条例第34号

目次

第1章 総則(第1条―第6条)

第2章 農地を守るまちづくり委員会(第7条―第10条)

第3章 農地を守る計画(第11条―第14条)

第4章 農用地保全のための事前協議(第15条―第17条)

第5章 補則(第18条)

付則

第1章 総則

(目的)

第1条 この条例は、農業振興地域の整備に関する法律(昭和44年法律第58号。以下「農振法」という。)第8条第1項の規定により定める近江八幡農業振興地域整備計画のうち、農用地利用計画に定められた農用地区域内の優良な農地を保全し、本市の土地利用に関して必要な事項を定めることにより、秩序ある土地利用調整を推進し、魅力ある農村づくりに資するとともに市の振興を図ることを目的とする。

(用語の定義)

第2条 この条例において、次に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。

(1) 農用地等 農振法第3条に規定する土地をいう。

(2) 農用地保全区域 農業振興地域農用地区域内において、継続的かつ安定的に農用地等として保全していく区域をいう。

(3) 非農用地予定区域 農業振興地域農用地区域内において、非農業的な土地需要に計画的かつ適切に対応する区域をいう。

(4) 農地を守る計画 農業振興地域の整備に関する法律施行規則(昭和44年農林省令第45号)第4条の4第1項第26号の2の規定による地域の農業の振興に関する本市の計画をいう。

(5) 農地を守る計画区域 農地を守る計画を適用する区域をいう。

(6) 開発行為 宅地の造成、土石の採取その他の土地の形質の変更又は建築物その他の工作物の新築、改築若しくは増築をいう。

(7) 市民 市内に住所を有する者をいう。

(8) 土地の所有者等 農地を守る計画区域内の土地の所有者又はその土地に関し法律上保護される権原(地上権、永小作権、質権、使用貸借による権利、賃借権、抵当権、鉱業権等)を有している者をいう。

(9) 事業者 開発行為を行おうとする者をいう。

(基本理念)

第3条 土地は、地域の自然的、社会的、経済的及び文化的諸条件に応じて適正に利用されるものとする土地基本法(平成元年法律第84号)の理念に基づき、適正かつ合理的な土地に関する計画に従って利用されなければならない。

2 農用地等は、食料の生産及び安定供給並びに多面的機能の発揮の基盤となる社会共通資本であり、農村の豊かな自然環境の保全のために景観と調和した農業的土地利用に誘導する等計画的な土地利用を推進し、地域の特色を活かした農業及び農村の活性化に寄与するものでなければならない。

3 農地を守る計画における土地利用計画は、地域の食料供給に支障をきたすことなく、地域住民の合意形成の下、市、市民及び土地の所有者等の相互の信頼関係に基づき協力して定められなければならない。

(市の責務)

第4条 市は、この条例の目的を達成するため、農地を守る計画を策定することができる。

2 市は、前項の農地を守る計画の策定に当たっては、市民と協力して行わなければならない。

3 市は、開発行為が行われるときは、市民、土地の所有者等及び事業者に対して、適切な指導を行うことができる。

(市民の責務)

第5条 市民は、この条例の目的を達成するため、土地利用に関する施策の策定及び実施に積極的に参加するとともに、その施策に協力しなければならない。

(土地の所有者等及び事業者の責務)

第6条 土地の所有者等は、この条例の目的を達成するために策定する農地を守る計画により土地を適正に管理し利用しなければならない。

2 事業者は、市がこの条例の目的を達成するために行う施策に協力するとともに、良好な農地保全を図る環境の形成に努めなければならない。

第2章 農地を守るまちづくり委員会

(農地を守るまちづくり委員会)

第7条 第3条の基本理念に基づき、地方自治法(昭和22年法律第67号)第138条の4第3項の規定により、農地を守るまちづくり委員会(以下「委員会」という。)を設置する。

2 委員会は、次に掲げる事項について調査、審議等を行う。

(1) 農地を守る計画の企画立案に関する事項

(2) 農地を守る計画に関する市、市民、土地の所有者等の合意形成に関する事項

(3) その他この条例の目的を達成するために必要な事項

(委員会の組織)

第8条 委員会は、委員11名以内をもって組織する。

2 委員は、次に掲げる者のうちから市長が委嘱又は任命する。

(1) 学識経験者

(2) 市民の代表者

(3) 農業関係団体の代表者

(4) 関係行政機関の職員

(5) その他市長が認める者

3 委員の任期は、3年とし、再任を妨げない。

4 委員が欠けた場合における補欠の委員の任期は、前任者の残任期間とする。

(委員長及び副委員長)

第9条 委員会に委員長1名及び副委員長2名を置き、委員の互選によってこれを定める。

2 委員長は、会務を総理し、委員会を代表する。

3 委員長に事故あるとき又は欠けたときは、あらかじめ委員長の指名する副委員長がその職務を代理する。

(委員会の会議)

第10条 委員会の会議は、委員長が招集し、その議長となる。

2 会議は、委員の半数以上が出席しなければ開くことができない。

3 会議の議事は、出席委員の過半数で決し、可否同数のときは、議長の決するところによる。

第3章 農地を守る計画

(計画の内容)

第11条 農地を守る計画は、次に掲げる事項を定めるものとする。

(1) 農業振興の方向、方策等

(2) 土地利用の方向

 農用地保全区域の位置

 非農用地予定区域の位置

 既存集落等の区域の位置

(3) 非農用地予定区域の状況

(4) 非農用地予定区域内に設置する施設

(5) その他必要な事項

2 市長は、農地を守る計画を策定しようとするときは、市が定めた他の計画等との整合を図らなければならない。

3 農地を守る計画は、集落単位等を基本とした市長が定める区域を設定し、その区域毎にこれを策定することができる。

(計画の策定)

第12条 市長は、農地を守る計画を策定するに当たっては、市民及び土地の所有者等の意見を反映することができるように努めるとともに、あらかじめ近江八幡市農業委員会、農業協同組合、土地改良区その他の関係機関の意見を聴かなければならない。

2 市長は、農地を守る計画を策定するに当たっては、委員会の意見を聴かなければならない。

(計画の縦覧、公告等)

第13条 市長は、農地を守る計画を定めようとするときは、その旨を公告し、当該農地を守る計画の案を当該公告の日から起算して30日間縦覧に供さなければならない。

2 市民並びに当該農地を守る計画区域内の農用地保全区域内及び非農用地予定区域内の土地の所有者等は、前項の規定による公告があったときは、同項に規定する縦覧期間の満了の日までに、縦覧に供された農地を守る計画の案について、市長に書面をもって意見書を提出することができる。

3 市長は、第1項の縦覧期間の満了後、前項の規定により提出された意見書の要旨及びその処理方針(以下「処理方針等」という。)を委員会に報告しなければならない。

4 市長は、農地を守る計画を定めたときは遅滞なく、その旨を公告しなければならない。この場合において、前項の処理方針等を併せて公告しなければならない。

(計画の変更)

第14条 農地を守る計画は、前条第4項の公告の日の属する年度の翌年度の開始の日から起算して5年を超えた日の属する年度にこれを見直すことができる。

2 前項に規定する農地を守る計画の変更の手続については、前2条の規定を準用する。

第4章 農用地保全のための事前協議

(事前協議)

第15条 事業者は、農地を守る計画区域内の非農用地予定区域において開発行為を行おうとするときは、市長と事前に協議しなければならない。

2 前項の規定は、次に掲げる開発行為には適用しない。

(1) 専ら自らが居住する住宅に係る行為

(2) 農振法第15条の2第1項第1号から第7号までに定める行為

(協議の手続)

第16条 前条第1項の事業者は、規則で定めるところにより、市長に農用地保全に関する開発行為協議書を提出しなければならない。

(協議書に対する意見)

第17条 市長は、前条の規定による農用地保全に関する開発行為協議書の提出があったときは、事業者に対し、この条例の目的を達成するために必要な範囲において意見を述べることができる。

2 事業者は、前項の意見の内容を尊重した開発行為となるように努めなければならない。

第5章 補則

(委任)

第18条 この条例の施行に関し必要な事項は、市長が別に定める。

この条例は、公布の日から施行する。

近江八幡市農用地保全条例

平成24年9月28日 条例第34号

(平成24年9月28日施行)