○小樽市職員倫理条例
平成24年3月15日
条例第1号
目次
第1章 総則(第1条―第7条)
第2章 コンプライアンス委員会及びコンプライアンス推進会議(第8条・第9条)
第3章 利害関係者との間の禁止行為(第10条・第11条)
第4章 不当要求行為等(第12条・第13条)
第5章 公益通報(第14条―第22条)
第6章 雑則(第23条―第25条)
附則
第1章 総則
(目的)
第1条 この条例は、職員が公務を遂行するに当たり、法令の遵守及び倫理の保持のために必要な事項を定めることにより、職員の公平かつ公正な職務の遂行を確保し、もって市民に信頼される市政を確立することを目的とする。
(1) 職員 地方公務員法(昭和25年法律第261号。以下「法」という。)第3条第2項に規定する一般職に属する職員及び同条第3項に規定する特別職に属する職員(議会の議員を除く。)をいう。
(2) 職員等 次のいずれかに該当する者をいい、これらの者であった者を含む。
ア 職員
イ 市が委託契約、請負契約その他の契約を締結している者が行う当該契約に基づく業務に従事する者
ウ 地方自治法(昭和22年法律第67号)第244条の2第3項の規定により市が指定した者(以下「指定管理者」という。)が行う市の公の施設の管理業務に従事する者
(3) 法令 法律、法律に基づく命令(告示を含む。)、条例並びに市の機関が定める規則(規程を含む。)及び訓令をいう。
(4) 任命権者 法第6条第1項に規定する任命権者をいう。
(6) 利害関係者 職員が職務として携わる次に掲げる事務の区分に応じ、それぞれ次に定めるもの(そのものの従業員、代理人等を含む。)をいう。
ア 許認可等をする事務 当該許認可等を受けて事業を行っているもの、当該許認可等の申請をしているもの及び当該許認可等の申請をしようとしていることが明らかであるもの
イ 補助金等を交付する事務 当該補助金等の交付を受けて当該交付の対象となる事務又は事業を行っているもの、当該補助金等の交付の申請をしているもの及び当該補助金等の交付の申請をしようとしていることが明らかであるもの
ウ 立入検査等(法令の規定に基づき行われるものに限る。)をする事務 当該立入検査等を受けるもの
エ 不利益処分をする事務 当該不利益処分をしようとする場合における当該不利益処分の相手方となるべきもの
オ 行政指導をする事務 当該行政指導により現に一定の作為又は不作為を求められているもの
カ 契約に関する事務 当該契約を締結しているもの、当該契約の申込みをしているもの及び当該契約の申込みをしようとしていることが明らかであるもの
(7) 不当要求行為等 次に掲げる行為をいう。
ア 市が行う許認可その他の行政処分又は請負契約その他の契約に関し、正当な理由なく、特定の法人その他の団体又は個人のために有利又は不利な取扱いをするよう要求する行為
イ 入札の公正を害し、又は公正な契約事務の遂行を妨げる行為
ウ 人事(職員の採用、昇任、降任、転任等をいう。)の公正を害する行為
エ 暴力、乱暴な言動その他の社会常識を逸脱した手段により要求の実現を図り、又は公務の執行に支障を生じさせる行為
(8) 公益通報 公益を守るために、職員等が知り得た市政運営に関する違法行為又は違法のおそれのある行為等について通報することをいう。ただし、不正の利益を得る目的、他人に損害を加える目的その他の不正な目的で行うものを除く。
(基本的心構え)
第3条 職員は、「全体の奉仕者であって、一部の奉仕者ではない」ことを深く自覚し、市民から信頼される職員となるよう常に公務員としての資質の向上に努めるとともに、公共の利益の増進を目指して公正な職務の遂行に当たらなければならない。
2 職員は、職務の遂行に当たっては、常に法令を遵守するとともに、倫理意識の高揚に努めなければならない。
(職員の責務)
第4条 職員は、法令遵守の重要性を深く認識するとともに、常に公平かつ公正に職務を遂行し、公務員としての信用を損なうことのないようにしなければならない。
2 職員は、職務の遂行に当たっては、市民等(市民その他市政に関わりのある者をいう。以下同じ。)に対して業務に関する説明を十分に行い、理解と協力を得るよう努めるとともに、不当な差別的取扱いをしてはならない。
3 職員は、自らの行動が公務の信用に影響を及ぼすことを深く認識し、市民の疑惑や不信を招くことのないよう、常に公私の別を明らかにし、職務やその地位を私的な利益のために用いてはならない。
4 職員は、自らの職務に関連する法令に精通するよう努め、職務を適正に遂行しなければならない。
5 職員は、職務上知り得た情報を適正に管理し、公正に職務を遂行しなければならない。
(管理監督者の責務)
第5条 職員を管理し、又は監督する地位にある職員は、その職務の重要性を自覚し、率先して自らを律するとともに、所属職員への適切な指導及び監督を行い、公正な職務の遂行及び厳正な服務規律の確保を図らなければならない。
(任命権者の責務)
第6条 任命権者は、職員の資質の向上及び職務に係る倫理の保持を図るため、職員の意識の啓発、研修の実施その他の必要な措置を講じなければならない。
2 任命権者は、コンプライアンスの推進を図るための体制の整備その他必要な措置を講じなければならない。
(市民等の責務)
第7条 市民等は、職員の公正な職務の遂行について理解し、協力するよう努めるものとする。
2 市民等は、職員に対して不当要求行為等をしてはならない。
第2章 コンプライアンス委員会及びコンプライアンス推進会議
(コンプライアンス委員会の設置)
第8条 法令遵守体制の確立を図り、公正な職務の遂行を確保するため、小樽市コンプライアンス委員会(以下「委員会」という。)を設置する。
2 委員会の所掌事務は、次に掲げるとおりとする。
(1) 市におけるコンプライアンスの確保について必要な事項を調査し、又は検討すること。
(2) 不当要求行為等の調査、報告等に関すること。
(3) 公益通報の調査、報告等に関すること。
(4) 前3号に掲げるもののほか、コンプライアンスの推進に必要な事項に関すること。
3 委員会は、3人以内の委員をもって組織する。
4 委員は、法令に関し高い識見を有する者又は学識経験のある者のうちから、市長が委嘱する。
5 委員の任期は、3年とする。ただし、補欠の委員の任期は、前任者の残任期間とする。
6 委員は、再任されることができる。
7 委員は、職務上知り得た秘密を漏らしてはならない。その職を退いた後も同様とする。
8 前各項に定めるもののほか、委員会の組織及び運営に関し必要な事項は、規則で定める。
(コンプライアンス推進会議の設置)
第9条 市におけるコンプライアンスを組織的に推進するため、小樽市コンプライアンス推進会議(以下「推進会議」という。)を設置する。
2 推進会議の所掌事務は、次に掲げるとおりとする。
(1) 市におけるコンプライアンスの確保に関すること。
(2) 不当要求行為等に関すること。
(3) 前2号に掲げるもののほか、コンプライアンスの推進に関すること。
3 推進会議は、職員をもって構成する。
4 前3項に定めるもののほか、推進会議の組織及び運営に関し必要な事項は、規則で定める。
第3章 利害関係者との間の禁止行為
(倫理の保持)
第10条 職員は、市民等の疑惑や不信を招くことのないよう、利害関係者との関係に注意を払い、常に倫理の保持に努めなければならない。
(禁止行為)
第11条 職員は、利害関係者との間において、次に掲げる行為(親族関係、個人的な友人関係その他の私的な関係に基づく行為であって職務に関係のないものを除く。)をしてはならない。
(1) 金銭、小切手、商品券、物品等の贈与を受けること。
(2) 会食をすること。
(3) 遊技(スポーツを含む。)をすること。
(4) 旅行(公務のための旅行を除く。)をすること。
(5) 講演、出版物への寄稿等に伴い、謝礼又は報酬を受けること。
(6) 適正な対価を支払わずに役務の提供を受けること。
(7) 適正な対価を支払わずに物品又は不動産の貸付けを受けること。
(8) 金銭の貸付け(業として行われる金銭の貸付けにあっては、無利子のもの又は利率が通常より著しく低いものに限る。)を受けること。
(9) 前各号に掲げるもののほか、一切の利益や便宜の供与を受けること。
第4章 不当要求行為等
(不当要求行為等への組織的対応)
第12条 職員(市長を除く。この項において同じ。)は、不当要求行為等を受け、又は不当要求行為等に関する事実を知ったときは、直ちに当該行為等の内容を記録し、上司又は職員を管理監督する地位にある者(地方自治法第180条の5第1項又は第3項に規定する委員会の委員又は委員にあっては、市長。以下「所属長」という。)に報告しなければならない。
2 所属長は、前項の規定による報告を受けたときは、公正な職務を遂行するために必要な対策を講ずるとともに、その内容を推進会議に報告しなければならない。
3 推進会議は、前項の規定による報告を受けたときは、事実関係についての調査を行い、当該報告を行った所属長に対し、必要に応じて対策を指示するものとする。
4 推進会議は、前項の規定による調査の結果、不当要求行為等の行為者に対して文書で警告する必要があると認めるときは、委員会に通知するとともに、市長及び当該事案に係る任命権者(以下「市長等」という。)に報告しなければならない。
5 委員会は、前項の規定による通知を受けたときは、必要な調査を行い、その結果を市長等に報告するものとする。この場合において、委員会は、市長等が行う措置について意見を述べることができる。
(行為者に対する対応)
第13条 市長等は、前条第5項の規定による報告が不当要求行為等に該当する旨のものであるときは、当該報告に基づいて、不当要求行為等の行為者に対し、文書で警告を行うものとする。
2 市長等は、前項の警告を行う場合において必要があると認めるときは、当該行為者の氏名、警告の内容その他の事項について公表することができる。
3 市長等は、第1項の警告を行ったにもかかわらず当該不当要求行為等が中止されないときは、市の事務又は事業において、必要な措置を講ずることができる。
第5章 公益通報
(公益通報の方法)
第14条 職員等は、公益通報の必要があると認めるときは、委員会に対して通報するものとする。
2 職員等は、公益通報をする場合は、原則として実名により行わなければならない。ただし、匿名による通報対象事実が確実にあると信ずるに足りる相当の根拠が示された場合は、この限りでない。
3 職員等は、公益通報に当たっては、確実な資料に基づき誠実に行わなければならない。
(通報対象)
第15条 公益通報は、市の事務事業若しくは市から事務事業を受託し、若しくは請け負った事業者における当該事務事業に関する事実、市施設の指定管理者における当該施設の管理運営に関する事実又は職員に関する事実で、次のいずれかに該当するものを対象とする。
(1) 法令に違反する事実
(2) 人の生命、身体、財産若しくは生活環境を害し、又はこれらに重大な影響を与える事実
(3) 前2号に該当するおそれのある事実
(通報対象事実に関する委員会の調査等)
第16条 委員会は、公益通報を受理した後は、調査の必要性を十分に検討し、調査を行う場合はその旨及び着手の時期を、調査を行わない場合はその旨及び理由を、公益通報をした職員等(以下「通報者」という。)に対し、遅滞なく通知するものとする。
2 委員会は、公益通報の概要と対応方針を市長等に報告するものとする。
3 委員会は、通報者の秘密を守るため、通報者が特定されないよう十分に配慮しつつ、遅滞なく、必要かつ相当と認められる方法により調査を行うものとする。
(調査結果に基づく措置の実施)
第17条 委員会は、調査の結果、通報対象事実があると認めるときはその内容を、あると認められなかったときはその旨を、市長等に報告するものとする。
2 市長等は、通報対象事実があると認める報告を受けたときは、速やかに是正措置、再発防止策等(以下「是正措置等」という。)を講ずるとともに、必要があるときは、関係者の処分を行うものとする。
3 市長等は、是正措置等の結果を委員会に通知するものとする。
(通報者への是正措置等の通知)
第18条 委員会は、市長等が是正措置等を講じたときは、その内容を、利害関係を有する者の秘密、信用、名誉、プライバシー等に配慮しつつ、通報者に対し、遅滞なく通知するものとする。
(是正措置等の公表)
第19条 市長等は、是正措置等を講じたときは、必要に応じて、その内容の全部又は一部を適宜公表するものとする。
(是正措置等の確認)
第20条 市長等は、是正措置等が十分に機能していることを適切な時期に確認し、必要があると認めるときは、新たな是正措置その他の改善を行うよう努めるものとする。
(通報者等の保護)
第21条 市長等は、通報者及び公益通報に係る通報対象事実に係る調査に協力した者に対し、公益通報をしたこと又は通報対象事実に係る調査に協力したことを理由として不利益な取扱いをしてはならない。
(市民等による公益目的通報)
第22条 市民等は、第15条に規定する事実がある場合は、委員会に対して公益を目的とする通報をすることができる。
第6章 雑則
(職員等の協力)
第23条 職員等は、この条例の規定に基づき委員会又は推進会議が行う調査に誠実に協力しなければならない。
2 前項の規定により調査に協力した職員等は、当該調査の際に知り得た秘密を漏らしてはならない。その職を退いた後も同様とする。
(報告及び公表)
第24条 市長は、毎年度、この条例の運用状況を取りまとめ、その概要を議会に対して報告するとともに、公表するものとする。
(委任)
第25条 この条例の施行に関し必要な事項は、市長が定める。
附則