○小樽市障がいのある人の情報取得・コミュニケーション促進条例

平成30年3月23日

条例第5号

私たちが日常生活を営む上で、障がいの有無にかかわらず、等しく情報を取得し、互いにコミュニケーションを図ることは、欠かすことのできないものである。

しかしながら、障がいのある人の多くは、生活に必要な情報の取得や周りの人とのコミュニケーションが困難な場面があり、日常生活に不安を抱えながら生活している。

平成26年1月に国が批准した障害者の権利に関する条約は、コミュニケーション手段には音声言語、手話、文字表記、点字、拡大文字、平易な言葉など多様なものがあると規定し、同条約を基に改定された障害者基本法において、コミュニケーション手段の選択と利用の機会の確保が求められている。

さらに、平成28年4月に施行された障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律において、障がいを理由とする差別的取扱いの禁止や、障がいのある人への情報伝達やコミュニケーション手段についての合理的配慮が社会の中で求められている。

小樽市においても、これらの法の趣旨を踏まえ、障がいのある人が、障がいの特性に応じた手段を用いて容易に情報を取得し、コミュニケーションを図ることができる環境を整備することが不可欠である。

障がいの特性に応じた多様なコミュニケーション手段の選択と利用の機会を確保するとともに、障がいのある人への市民の理解を促進することにより、小樽市に住み、働き、学び、集う全ての人が、障がいの有無にかかわらず、誰もが安心して安全に暮らすことのできる地域づくりの実現を目指し、この条例を制定する。

(目的)

第1条 この条例は、障がいのある人が障がいの特性に応じた手段により情報を取得し、及びコミュニケーション手段を利用しやすい環境の整備に関する基本理念を定め、市の責務並びに市民及び事業者の役割を明らかにするとともに、コミュニケーション手段の普及及び利用の促進に関し市が推進する施策の基本的な方針を定めることにより、誰もが安心して安全に暮らすことのできる地域づくりの実現を目指すことを目的とする。

(定義)

第2条 この条例において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。

(1) 障がいのある人 身体障がい、知的障がい、精神障がい(発達障がいを含む。)その他の心身の機能の障がい(以下「障がい」と総称する。)がある者であって、障がい及び社会的障壁により日常生活又は社会生活に相当な制限を受ける状態にあるものをいう。

(2) コミュニケーション手段 手話、要約筆記、点字、音訳、代筆、代読、平易な表現、代用音声(喉頭摘出等により使用するものをいう。)その他障がいのある人が日常生活又は社会生活を営む上で必要とされる補助的及び代替的な手段としての情報及びコミュニケーション支援用具等をいう。

(3) コミュニケーション支援者 手話通訳者、要約筆記者、点訳者、音訳者(朗読者を含む。)、ガイドヘルパーその他障がいのある人のコミュニケーションを支援又は補助する者をいう。

(4) 社会的障壁 障がいのある人が日常生活又は社会生活を営む上で障壁となるような社会における事物、制度、慣行、観念等をいう。

(5) 合理的配慮 社会的障壁を取り除くことが必要とされる場合で、その実施に伴う負担が過重でないときに行われる適切な調整及び変更をいう。

(基本理念)

第3条 第1条に規定する地域づくりの実現は、次に掲げる事項を基本理念として推進するものとする。

(1) 障がいのある人が情報を取得し、及びコミュニケーションを円滑に行う権利は、最大限に尊重されなければならない。

(2) 障がいのある人のコミュニケーション手段の選択と利用の機会の確保は、障がいのある人とない人が互いの人格と個性を尊重することを基本として行われなければならない。

(市の責務)

第4条 市は、市民及び事業者に対し、前条に掲げる基本理念(以下単に「基本理念」という。)に対する理解を広げるとともに、次に掲げる施策を推進するものとする。

(1) コミュニケーション手段の普及及び利用の促進に関する施策

(2) 障がいの特性に応じた手段による情報の取得及びコミュニケーション手段の利用がしやすい環境の整備に関する施策

(3) 市民及び事業者が適切な合理的配慮を行うことができるような支援に関する施策

(市民の役割)

第5条 市民は、基本理念に対する理解を深め、コミュニケーション手段の普及及び利用の促進に関し市が推進する施策に協力するよう努めるものとする。

(事業者の役割)

第6条 事業者は、基本理念に対する理解を深め、コミュニケーション手段の普及及び利用の促進に関し市が推進する施策に協力するよう努めるものとする。

2 事業者は、その事業を行うに当たり、障がいのある人が障がいの特性に応じたコミュニケーション手段を利用できるようにするための合理的配慮を行うよう努めるものとする。

(施策の推進)

第7条 市は、次に掲げる施策を総合的かつ計画的に推進するための方針を策定するものとする。

(1) コミュニケーション手段の理解及び普及に関する施策

(2) コミュニケーション手段を利用しやすい環境づくりに関する施策

(3) コミュニケーション支援者の確保及び養成に関する施策

(4) 市民及び事業者に対する合理的配慮の実施についての啓発に関する施策

(5) 前各号に掲げるもののほか、市長が必要と認める施策

2 市は、施策の推進に当たっては、障がいのある人、コミュニケーション支援者その他関係者の意見を聴き、その意見を尊重するものとする。

(財政上の措置)

第8条 市は、前条第1項各号の施策を推進するため、必要な財政上の措置を講ずるよう努めるものとする。

(委任)

第9条 この条例の施行に関し必要な事項は、市長が別に定める。

この条例は、平成30年4月1日から施行する。

小樽市障がいのある人の情報取得・コミュニケーション促進条例

平成30年3月23日 条例第5号

(平成30年4月1日施行)