○古都大津の風格ある景観をつくる基本条例

平成16年3月23日

条例第4号

満々と水をたたえた琵琶湖のほとりにある大津は、濃い緑を水面に映す比叡、比良の山々に抱かれて、その歴史を刻んできた。

特に、大津京遷都以降は、歴史上、重要な地域として発展し、豊かな自然の中で多様な歴史と文化を積み重ねてきた。

湖と山々が織り成す雄大な、そして四季折々に独特の風情を醸し出す大津の景観は、先人たちの心を魅了し、豊かな心情を育み、多くの歴史的文化資産と伝統を現代に伝える源ともなった。

都市として発展と成長を重ねた大津は、現代に入り、風光明媚な歴史の集積地としての落ち着いたたたずまいに近代都市としての躍動的な雰囲気を併せ持つなど、その姿を著しく変ぼうさせた。

都市化の潮流は、全国的な規模で押し寄せたものであり、大津を特徴づけてきた自然景観や歴史景観の喪失を生じさせもした。

しかし、今、大津固有の豊かな自然環境と歴史的文化資産は、古都としてより広く強く認知されるようになった。

今こそ、その保全、再生、創造のまちづくりに立ち上がる時である。

遥かなる時を超え、現代に受け継がれた古都大津の景観は、今や国民的資産であることを認識し、それらを後代に継承していくことは、市民一人ひとりに課せられた重大な責務であることにかんがみ、ここに、郷土愛に裏付けられた高い志と、不断の努力を継続する強い意志をもって、水と緑の自然景観や歴史景観を守るとともに、さらなるきらめきを放つ古都大津の美しく風格ある景観づくりを推進するため、この条例を制定する。

(目的)

第1条 この条例は、大津の景観づくり(景観をより良くするための行為をいう。以下同じ。)について、基本理念を定め、市、市民及び事業者の責務を明らかにするとともに、関係する施策を総合的かつ計画的に推進し、もって現在及び将来の市民の健康で文化的な生活の確保及びまちの活力向上に寄与することを目的とする。

(基本理念)

第2条 景観づくりは、市、市民及び事業者が協働して、時代を超えて変わらない価値を持つ自然環境や歴史的風土を保全し、及び増進させるとともに、それらと調和した古都大津にふさわしい新たな景観を創出していくこと(「自然と歴史と文化が響き合う古都大津の景観を創り、育てる」)を旨として、行われなければならない。

(市の責務)

第3条 市は、前条に定める基本理念(以下「基本理念」という。)にのっとり、景観づくりのための総合的な施策を策定し、及び実施しなければならない。

(市民の責務)

第4条 市民は、基本理念にのっとり、主体的な景観づくりに係る活動を推進するとともに、市が実施する景観づくりに関する施策に協力しなければならない。

(事業者の責務)

第5条 事業者は、基本理念にのっとり、土地の利用等の事業活動に際し、景観づくりに努めるとともに、市が実施する景観づくりに関する施策に協力しなければならない。

(景観づくり基本計画)

第6条 市長は、景観づくりのための総合的な施策を計画的に推進するために、次に掲げる事項を定める景観づくり基本計画を策定しなければならない。

(1) 景観づくりの基本目標及び基本方針

(2) 基本目標を達成するための施策

(3) 施策を推進するための体制

(4) その他景観づくりに関し必要な事項

(景観づくりの実施のための法的措置)

第7条 市は、景観づくりを実施するため、次に掲げる措置をとるものとする。

(1) 計画的な規制誘導を行うため、既存の法制度を活用するとともに、必要に応じて規制内容等を見直すこと。

(2) 前号に掲げる措置により規制誘導することができない事項について、別途条例による規制等をすること。

(景観づくり重点推進地区)

第8条 市は、景観づくりを重点的に推進すべき地区(以下「重点推進地区」という。)を選定し、先導的に関連施策等を推進することができる。

2 市は、重点推進地区を選定したときは、当該重点推進地区の住民等と連携し、当該重点推進地区における景観づくりに係る実施計画を策定するものとする。

(公共空間等における景観づくり)

第9条 市は、公共の用に供する空間又は施設を整備する際、当該事業が行われる地域の景観の特性、当該事業が景観に与える影響等に配慮し、必要な措置を講じなければならない。

(広報、啓発等)

第10条 市は、基本理念並びに景観づくり基本計画に定める景観づくりの基本目標及び基本方針を周知するため、市民又は事業者を対象とする広報及び意識啓発を積極的に行わなければならない。

2 市長は、市民又は事業者が主体となった景観づくりに係る活動の中で特に優れたものに対し、その功績を表彰することができる。

3 市は、景観づくりに寄与していると認められる事業を行う市民又は事業者に対し、技術的指導、関係情報の提供、助成その他必要と認められる支援を行うことができる。

(推進体制)

第11条 市は、関係機関相互の連携及び施策の調整を図り、景観づくりに関する施策を総合的かつ効率的に推進するための組織体制を整備しなければならない。

(平18条例9・旧第12条繰上)

(委任)

第12条 この条例の施行について必要な事項は、市長が定める。

(平18条例9・旧第13条繰上)

附 則

この条例は、平成16年4月1日から施行する。

附 則(平成18年3月17日条例第9号)

(施行期日)

1 この条例は、公布の日から施行する。

古都大津の風格ある景観をつくる基本条例

平成16年3月23日 条例第4号

(平成18年3月17日施行)