○大津市汚染土壌処理施設の設置に係る紛争の予防及び調整に関する条例
平成26年3月17日
条例第6号
(目的)
第1条 この条例は、汚染土壌処理施設の設置に係る計画の事前公開、これに対する関係住民の生活環境の保全上の意見の提出、市が行う意見の調整及びあっせん等に関し必要な事項を定めることにより、汚染土壌処理施設の設置に係る紛争の予防及び調整を図ることを目的とする。
(1) 汚染土壌 土壌汚染対策法(平成14年法律第53号。以下「法」という。)第16条第1項に規定する汚染土壌をいう。
(2) 汚染土壌処理施設 法第22条第1項に規定する汚染土壌処理施設をいう。
(3) 汚染土壌処理施設の設置 汚染土壌処理施設の新たな設置又は規則で定める事項の変更をいう。
(4) 紛争 汚染土壌処理施設の設置に伴い、関係地域に生じるおそれのある生活環境の保全上の支障に関して、関係住民と事業者との間で生じる争いをいう。
(5) 事業者 汚染土壌処理施設の設置をしようとする者をいう。
(6) 関係地域 汚染土壌処理施設の設置に伴い、生活環境の保全上の支障が生じるおそれがある地域として、第6条第1項の規定により市長が定める地域をいう。
(7) 関係住民 関係地域内に住所を有する者、関係地域内で事業活動を行う者その他規則で定める利害関係を有する者をいう。
(8) 関係住民の代表者 関係地域の住民で構成される地縁団体の長その他規則で定める者をいう。
(市の責務)
第3条 市は、汚染土壌処理施設の設置が適正かつ円滑に行われるよう、事業者に対し、関係地域の生活環境の保全に十分配慮するよう指導するとともに、汚染土壌の適正な処理に関する関係住民への啓発に努めるものとする。
2 市は、紛争の予防に努めるとともに、紛争が生じたときは、迅速かつ適正に調整を図るものとする。
(事業者及び関係住民の責務)
第4条 事業者は、汚染土壌処理施設の設置に当たっては、関係地域の生活環境の保全に十分配慮するとともに、関係住民との良好な関係を保ち、紛争を未然に防止するよう努めなければならない。
2 事業者及び関係住民は、相互の立場を尊重し、紛争が生じたときは、自主的に解決するよう努めるとともに、紛争の予防及び調整に関して市が行う施策に協力するよう努めなければならない。
(事業計画書の提出)
第5条 事業者は、法第22条第1項又は法第23条第1項の規定による許可の申請をしようとするときは、あらかじめ、規則で定めるところにより、汚染土壌処理施設の設置に係る計画(以下「事業計画」という。)について、規則で定める事項を記載した事業計画書(以下「事業計画書」という。)を市長に提出しなければならない。
2 事業計画書には、周辺地域に係る生活環境に及ぼす影響、生活環境の保全のための対策その他規則で定める事項を記載した書類(以下「生活環境保全対策書」という。)を添付しなければならない。
(関係地域の設定等)
第6条 市長は、事業計画書の提出があったときは、大津市環境影響評価専門委員会の意見を聴いて、関係地域を定めるものとする。
2 市長は、前項の関係地域を設定するに当たって、当該汚染土壌処理施設の設置により本市に隣接する他の市町の住民に対し生活環境の保全上の支障が生じるおそれがあると認めるときは、当該市町の長に事業計画書が提出されている旨の通知をするものとする。
3 市長は、第1項の規定により関係地域を定めたときは、速やかに、その旨を事業者及び関係住民の代表者に通知するものとする。
(告示及び縦覧)
第7条 市長は、前条第3項の規定による通知をしたときは、関係地域、縦覧場所その他規則で定める事項を告示し、事業計画書及び生活環境保全対策書(以下「事業計画書等」という。)を当該告示の日から30日間公衆の縦覧に供しなければならない。
(周知計画書の提出)
第8条 事業者は、第6条第3項の規定による通知を受けたときは、速やかに、関係住民を対象とした事業計画についての説明会(以下「説明会」という。)の開催その他の周知方法に関する事項を記載した書類(以下「周知計画書」という。)を市長に提出しなければならない。
(説明会の開催等)
第9条 事業者は、正当な理由がある場合を除くほか、第7条に規定する縦覧期間内に、規則で定めるところにより、関係地域内において説明会を開催しなければならない。ただし、関係地域内に説明会を開催する適当な場所がないときは、関係地域以外の場所において開催することができる。
2 市長は、事業者が正当な理由なく説明会を開催しないときは、当該事業者に対し、期限を付して説明会を開催するよう求めるものとする。
3 事業者は、説明会を開催するほか、関係住民に対し、事業計画の概要を記載した書類を配布し、又は回覧して、事業計画について周知するよう努めなければならない。
4 事業者は、関係住民に対し事業計画について周知を図ったときは、規則で定めるところにより、その実施状況について市長に報告しなければならない。
2 市長は、意見書の提出があったときは、その写しを事業者に送付するものとする。
(事業者の見解書の提出)
第11条 事業者は、前条第2項の規定により意見書の写しの送付を受けたときは、速やかに、当該意見書に対する見解を記載した書面(以下「見解書」という。)を作成し、市長に提出しなければならない。
2 事業者は、前項の規定により見解書を提出したときは、規則で定めるところにより、関係住民に対し、当該見解書に記載した内容について周知しなければならない。
3 事業者は、前項の規定により関係住民に対し見解書に記載した内容について周知を図ったときは、規則で定めるところにより、その実施状況について市長に報告しなければならない。
(意見の調整)
第12条 市長は、関係地域の生活環境の保全上の見地から必要があると認めるときは、事業計画について関係住民と事業者との間の意見の調整を行うことができる。
2 市長は、前項の調整を行うときは、意見書及び見解書に記載された内容に十分配慮しなければならない。
(生活環境保全協定の締結)
第13条 事業者は、汚染土壌処理施設の設置に関し、第10条第1項に規定する意見書の提出期限の翌日から法第22条第1項又は法第23条第1項の規定による許可の申請を行うまでの間に、関係地域の生活環境の保全上必要な事項を内容とする協定(以下「生活環境保全協定」という。)を関係住民の代表者と締結するよう努めなければならない。
2 関係住民は、生活環境保全協定の締結について協力するよう努めなければならない。
3 市長は、生活環境保全協定の締結に際し、その内容について必要な助言を行うことができる。
(事業計画書等及び周知計画書の変更)
第14条 事業者は、事業計画書等の内容を変更しようとするときは、その旨を市長に届け出なければならない。
3 事業者は、周知計画書の内容を変更しようとするときは、その旨を市長に届け出なければならない。
(事業計画の廃止の届出等)
第15条 事業者は、事業計画を廃止しようとするときは、その旨を市長に届け出なければならない。
2 市長は、前項の規定による届出があったときは、速やかに、その旨を告示し、関係住民の代表者に通知するものとする。
(あっせん)
第16条 事業者又は関係住民は、紛争が自主的な解決に至らなかったときは、市長にあっせんの申請をすることができる。
3 市長は、前項の規定によりあっせんを行うときは、双方の主張の要点を確かめ、紛争が解決されるよう努めるものとし、必要に応じて、大津市公害紛争調整委員会の意見を聴くものとする。
(あっせんの打切り)
第17条 市長は、あっせんに係る紛争について当事者があっせんに応じないとき、又は紛争の解決の見込みがないと認めるときは、あっせんを打ち切ることができる。
2 市長は、あっせんを打ち切ったときは、その旨を当事者に通知するものとする。
(報告の徴取)
第18条 市長は、この条例の施行に必要な事項について、事業者に対し、報告を求めることができる。
(勧告及び公表)
第19条 市長は、事業者が次の各号のいずれかに該当すると認めるときは、当該事業者に対し、必要な措置を講ずべきことを勧告することができる。
(1) 事業計画書等の提出をせず、又は虚偽の事業計画書等の提出をしたとき。
(2) 第9条第2項の規定により市長が開催するよう求めた説明会を正当な理由なく開催しないとき。
(3) 見解書を正当な理由なく提出しないとき。
2 市長は、前項の規定による勧告をした場合において、事業者が当該勧告に従わないときは、規則で定めるところにより、その事実を公表することができる。
3 市長は、前項の規定による公表をしようとするときは、あらかじめ、公表の対象となる事業者に対して意見を述べる機会を与えなければならない。
(大津市生活環境の保全と増進に関する条例との関係)
第20条 汚染土壌処理施設については、大津市生活環境の保全と増進に関する条例(平成10年条例第27号)第21条の規定を適用しない。
(委任)
第21条 この条例の施行に関し必要な事項は、規則で定める。
附則
1 この条例は、平成26年7月1日から施行する。
2 この条例の規定は、平成26年7月1日以後に法第22条第1項又は法第23条第1項の規定による許可の申請をする汚染土壌処理施設について適用する。